もう少しペースをあげていきますので、読んでいってください。
「今日でもう3回目よね、今日やってみたいって人はいるかしら?いないなら、くじで決めるわよ」
いや、以前出席番号順でいくって言ってなかったか?
実際、何度か口に出した事はあるが、大抵はチョークが飛んできて痛い目に遭わされるか、
「いいのいいの、男が細かい事を気にしてちゃ駄目よ」
と笑って誤魔化されるかのどちらかである。
因みに後者の方は5回に1回あるかないか、だが…。
「誰もいないの?仕方ないわね、今からくじを作らなきゃいけないじゃない」
いや、それなら大人しく出席番号順にした方がいいんじゃね、とクラス全員がそう思った。
20分後
「さぁ準備できたわよ、1人ずつ引きに来なさい」
何故か若干顔が赤くなっている倉田先生が笑いながらそう言った。
因みにくじは割りばしが缶の中に突っ込まれてるやつだ。
…違った、入れているのは缶じゃなくて、透明なカップ酒の瓶だ。
「って、ここ学校だぞ!!昼間から酒飲んだのかよ!!ってか透明じゃあ、くじの意味ないじゃん!!ここの教師大丈夫か!?」
龍希が大声でツッコミを入れていると、やかましいといいながら誰かが筆箱を投げてきた。
それを辛うじて避け、飛んできた方を見ると
「急にそっちから何!?」
「ツッコミが長い」
「理不尽過ぎる!!」
「じゃあ今日は勇崎が勝負って事で」
はぁ、と思って先生の方を見ると、白いタオルで顔を擦っていた。
そして、それを外すと顔の色も元に戻っていた。
タオルが赤くなっているところを見るにおそらく化粧。
「いや~、誰も立候補しないから演技してみたんだけど、上手でしょ?」
はっきり言って上手すぎる、だって本気で騙されたもん。
そして、完全に自爆と言うか誤爆と言うかはさておき、結局今日バトルする結果となった勇崎を見ると、ハハハッと渇いた笑い声を挙げると、
「よし、俺達の戦い方、見せてやろうぜ、アグモン!!」
開き直った。
そして、前に座っている結城が振り返り、
「同じアグモン使いとして、スゲェ興味があるな。是非見させてもらうよ、『
「オウ、いいぜ。ビックリするような戦法、見せつけてやる」
そう啖呵を切った。
(あぁ、こりゃ絶対に失敗するな)
かつて啖呵を切る度、モノの見事に失敗するを続けると言う伝説を持つ勇崎のそれを聞きながら、『クロス・トエルブ』のメンバーはため息を吐いた。
フィールドに響いてくるのは、ブーンという虫の羽ばたく音、そして勇崎の目の前にいるのは、赤いクワガタのようなデジモン、クワガーモンである。
クワガーモン
世代:成熟期
頭部に巨大な鋏を持った昆虫型デジモン。強靭なパワーと硬い甲殻に守られており、特に鋏の部分のパワーは超強力で一度敵を挟み込むと、相手が生き絶えるまで締め上げる。
「相手として、不足はないな。行くぞアグモン!!」
「うん」
アグモン⇒グレイモン
若干やけっぱちになっているなぁ、と思いながら見ていると、
「…久しぶりに見たな、通常種のグレイモンとクワガーモンは」
「そうよね、
結城と優嬢の二人が呟き、ウェストヴィレッジの人間全員が頷いた。
「えっ、普通のデジモンはいるんじゃないの?舞衣の、えっと…」
「リュウダモン」
「…ゴメン、そうです。リュウダモンはX抗体じゃ…」
綾森の助けを借りつつ、ウェストヴィレッジ勢に質問をする。
その間にグレイモンとクワガーモンはお互い小細工無しの真っ向から激突していた。
「私のリュウダモンはれっきとしたX抗体デジモンだ」
毅然と舞衣が言い返し、そうなんだと納得しつつ、戦いの方に視線を向けると、目の前を赤い何かが凄まじい勢いで吹っ飛ばされていた。
無論、吹き飛ばされたのはクワガーモンである。
「頑張れ、クワガーモン!!」
一体どっちの味方なのだろうと思って、応援した人間を見る。
「桑野、気持ちは分かるが、今は勇崎の方を応援しろ」
そこにはため息混じりに言われた、桑野の姿があった。
「どう言う事?」
「あぁ、コイツのパートナー、コクワモンXが進化したのが、クワガーモンXなんだよ」
通常種かX抗体種かの違いこそあるが、やはり元は同種類だ。愛着があって当然だろう。
「さっさと負けてしまえ、このひ弱クワガーモン!!」
本気でどっちの味方?
と全員が思っていると、クワガーモンが大顎を可能な限りまで広げ、猛スピードで突進し始める。
おそらくあれが必殺技の「シザーアームズ」なのだろう。
当たると思った矢先、唐突にグレイモンの姿が消えた。
少し地面を抉りながら着地したクワガーモンが慌てて周りを見るが見つからない。
そして上を見上げると、いた。
もう一度「シザーアームズ」をぶつけようと構えるが、それよりグレイモンが落下してくる方が早かった。
思いっきり踏みつけるように着地したグレイモンの口から炎が溢れる。
「メガフレイム!!」
グレイモンの必殺技が直撃する。
己を焼く炎から逃れようとするクワガーモンを足で踏み押さえながら、HPが無くなるのを待つ。
そして、クワガーモンのポリゴンが弾け、勇崎の勝利が決まった。
その様子を眺めていた結城は、
「なぁ、お前あんなジャンプできたっけ?」
「いや、
自身のパートナーであるアグモンXと話をしていた。
「ああいう戦い方は考えたこともなかったな。うん、参考になる」
「ボクもできるように頑張ってみる」
「「「お願い、止めて!!」」」
アグモンXの発言にウェストヴィレッジの全員が大体同じような台詞で叫び返す。
言われた一組は一瞬固まっていたが、
「分かってる、今やる事はちゃんと見えてる」
苦笑いを浮かべながらそう答える。その直後、
「今やらなきゃいけない事、か」
真顔でそう呟いた。
同時刻 自警団セントラル中央部
「なぁ、あの子はどうしている」
第4の月の初日に大ケガを負わされた自警団員の1人が別の自警団員にそう訪ねる。
「いや、何の進展もないな。身分を証明できるものがない」
今の時代、身分証明はD-モバイルの中に入っているコードを読み込めばおおよそのことは分かる。
が、そのD-モバイルのコードに記録されていることはほとんどといっていいほどになかった。
二人の自警団員はため息を吐きながら、監獄に入っている黒と白の髪の青年を見る。
ここに放り込まれてからは、何一つ喋らない、まるで物置のような青年。
その目には、暗闇でも分かるくらい鮮やかだった赤黒さが点滅するように強くなったり、弱くなったりを続ける。
竜希(以降竜)「今回はタイトル通り、って言えばタイトル通りだな」
緑香(以降緑)「で、前回言っていた通り、ゲストです」
達気(以降達)「おう、ゲストできた、勇崎達気だ」
緑「もうここで裏話に言っちゃう?」
竜「字が違わなねぇか?まぁいいんじゃね?」
達「竜希、緑香を除くクロス・トエルブのメンバーはアニメの『デジモンアドベンチャー』で選ばれた子供達のパートナーに対応するタグが名前に入ってるんだぜ」
竜「確かアグモンは勇気、だったよね?」
達「だから『勇』崎達『気』で勇気。因みにタグの色がそのまま髪の色になっている」
緑「その辺、作者は凝ってるのよね。呆れるぐらい」
竜「そのくせ、俺の名前入れ間違えるんだよな。今回は『龍希』になってるし」
達「以降、気を付けますって」
竜「読者様も誤字があったら、伝えてください」
緑「それでは皆様ご機嫌よう?」
因みに誤字は後で発覚しました…。上記にある通り気を付けます。