デジタルモンスターDW   作:羽羊紅葉

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前作より投稿に時間がかかりました。
その辺は後書きの方に記載しているので、読んでみてください。


蒼炎の獣!!ガルルモン

第4の月19の日

その日は倉田先生や【超新星(スーパーノヴァ)】には予想外の、そして【クロス・トエルブ(こっち)】には予想していた事が起きた。

「今日は誰か……」

そこまで言って、周りを見た。

誰も手を挙げていないだろうと、予想してだ。

右から左、左から右へと視線を動かして、

「……ん?」

もう一度、左の方の席を見た。

ナチュラルに手を挙げていた所為で、見落としていた。

一人だけ、本当に一人だけ手を挙げていた。

「えっと、友澤(ともざわ)さんだっけ」

生徒名簿を確認して、手を挙げていた生徒を確認する。

「はい、合っています」

呼ばれた生徒、友澤は淡々と、しかしはっきりとそう答えた。

その答えを聞いて、それまで感づいていなかった【超新星】メンバーのほとんどは、びっくりしたように彼女を見る。

そして、手をあげるところを見ていた【超新星】も驚きを露わにしていた。

「えっ、チャレンジするの?正気?」

後ろに座っていた虎川(とらかわ)、は双子なので、以降は苗字ではなく名前で表記しよう。

雪猫(ゆきね)が不安そうに尋ねる。

 

が、竜希(おれ)はおそらく彼女が言うであろう言葉を口にする。

「「私だって【クロス・トエルブ(チーム)】のサブリーダーだもん、行かないと」」

一言一句、同じことを言った。

直後に鋭い目つきで睨み付けられた。

それを肩をすくめてスルーしてから、周りに言葉を聞く。

あらかた、言葉こそ違うが同じような事を言っていた。

勇崎(かれ)に惚れ直してほしいだけ」

勇崎(かれ)カッコいい(いい)所見せたいだけ」

といった感じに。

「じゃあ、いきましょう」

と友澤は張り切って言った。

 

 

D実習室

「まぁ、行くとは言ったけど……」

友澤はため息まじりにそう呟いた。

その言葉を聞きながら、

「ボクは言ってすらないのに……」

ため息を吐きたいのはこっちなのに、とガブモンはぼやく。

「「プールに足場を作ったステージなんて聞いていない」」

友澤は普段通り淡々と、ガブモンも普段通り悲痛そうに言う。

言ったとおり、プールと言うか水場に浮きを浮かべていたフィールドだった。

 

「あんなフィールドもあるんだな……」

と竜希はそう言った。

「まぁ、どんな場所(フィールド)でも戦えるようにするべきだろうしな」

「ボク等は当然どんな場所でも戦える(やれる)けどね」

と、結城(ゆうき)次元院(じげんいん)が言う。

やっぱり、西の勢力は違うのかと思っていると、

「一緒にしないで」

「あの二人は実力が私達よりぶっ飛んでるだけ」

優嬢(ゆいじょう)御祓如(やごうら)が呆れたように言う。

まぁ、チームを率いる面子、王級(キングクラス)と、それ以外の(クラス)では話が違うだろう。

そんな失礼な事を考えていると、プールに水柱が上がった。

 

「当然よね」

友澤はそう言った。

フィールドに水場がある、それは一つの事を意味する。

水が無ければ戦えないような敵が相手である。

それを証明するように、海蛇のようなデジモンが姿を現した。

 

シードラモン

世代:成熟期

大蛇のような長い体を持った水棲型デジモン。この長い体を使い、襲い来る敵に体を巻きつけ、敵が息絶えるまで締め上げる。元来、知性というものを持ち合わせておらず、本能の赴くままネットの海を泳ぎ回っている。必殺技は口から絶対零度の息をはきだし、水を瞬時に凍らせて敵に放つ『アイスアロー』。

 

敵の情報を確認してから、

「行くわよ、ガブモン」

「うん」

「「エボリューション!!」」

 

ガブモン⇒ガルルモン

 

二足歩行から四足歩行の獣へ進化を遂げたデジモン、ガルルモンが唸る。

それを敵と認識したシードラモンが襲い掛かる。

ガルルモンの足場にしていた浮きに頭突きをかました。

それがヒットする前に、ジャンプして別の浮きに飛び移った。

と同時に笑ってしまった。

それはシードラモンが頭突きした浮きが一回転してシードラモンの背中を直撃したためだ。

「ふふっ」

「くくっ」

それを聞いて激昂したのだろう。

シードラモンが水面でサマーソルトをして、水を飛ばす。

それ目掛けて、白い息を吹きかける。

それだけで、数え切れないほどの氷の槍が出来上がった。

そのまま飛んできた氷の槍“アイスアロー”を、

「“フォックスファイアー”!!」

青い炎で全て溶かし、蒸発させた。

だが、

「しまった!!」

その炎でシードラモンを見失ってしまった。

その直後、足場の浮きが一回転した。

水中からシードラモンが頭突きで浮きをひっくり返したのだ。

慌てて水面に顔を出したガルルモンの頭が再び水中へと消えた。

その消えた場所が赤く染まっていく。

 

「あ、あぁ……」

見ていた人間が動揺を露わに声をだす。

「チッ」

とだけ、言って早水(はやみ)が自分のディバイスを取り出す。

「やめなさい」

誰かが短く制した。

同じガブモンをパートナーとしたテイマー、優嬢だった。

「どうせ……」

それが言い切らない内にバシャンと音がした。

みると、両肩の毛を赤く染めたガルルモンが浮きに上ってきた所だった。

 

「ガルルモン、大丈夫!?」

珍しく慌てた様子で、友澤が走ってきた。

本当に珍しい眺めを見ながらガルルモンは、

「うん、問題ないよ」

そう答える。

「そう、敵は……」

「倒した。間違えなく」

赤くなった液体のところを見ながらそう言う。

 

「良かった、でもどうして?」

ディバイスをしまいながら速水が尋ねる。

すると、優嬢は頬杖を突きながら、

「あのね、棘のついた茨を握ったらどうなる?」

「え、そりゃ……」

棘が刺さるに決まってる。

「そう、それで正解。で、それが答え」

え、と思う。

優嬢はガルルモンの肩の赤くなった突起を指差し、

「アレが棘」

あぁ、と全員が納得した。

要するに水中に落ちたガルルモンに巻きついて、鋭い毛が刺さって自滅したのだ。

 

「って訳だから大丈夫」

「いや、普通それだけじゃ倒れないでしょ?」

ガルルモンの説明に友澤は質問を重ねる。

確かに怪我はしただろう、が所詮はそれだけ。

ダメージになっても、致命傷には程遠い。

そう考えての質問だった。

「うん、だから噛み付いて零距離“フォックスファイアー”で削りきった」

「そう」

友澤が安心したような表情を浮かべる。

 

「ああいう唯一無二の信頼(キズナ)って羨ましくない?」

友嬢はディバイスの中にいるパートナー、ガブモンXに尋ねる。

『確かにそう思うが…』

と言い淀むガブモンXを遮るように、

「私には優嬢とガブモンX(あなた達)信頼(キズナ)も負けていないと思いますが」

武美(たけみ)がそう言ってきた。

『あぁ、こっちもそう言おうとしたが』

先に言われてしまったと言う。

多分彼女は世辞で言った訳ではないだろう。

クスリと笑ってから、

「ありがと、でも私たちは信じてるわよ。あなたの(あい)を」

「あ、愛!?ち、違います!!私たちはそんな間柄では、いえ決してなりたくないというわけでも…」

「からかうのはその辺にしとけ、レイ」

結城が諌めてきた。正直からかってはいない。

結果としてはからかったように成ってしまったが。

「ゴメン」

一応謝ってから、

「じゃあ今日も頑張って行きましょうかね」

「まだ早いし、それ俺の台詞」

結城の冷静なツッコミに【超新星(みんな)】が笑ってしまう。

 

「あいつら、楽しそうだな」

竜希がそう呟くとそれに同意するように、

「ホント」

綾森(あやもり)が言ってきた。

が、

「あれは偽り。相当切羽詰まってるみたい」

唐突に後ろから声をかけてきた光音(みつね)にビックリして少し距離を取る。

「切羽詰まってる?」

「うん、何についてはよく分からないけど全員焦ってる」

以前から何かと噛みついていた武美はともかく、冷静な結城達まで焦っているということは相当な事態なのだろう。

手伝うことはないかと聞きに行こうとしたが、

「でも大丈夫。焦っているけど冷静」

その一言を聞いて止めた。

「でも、ピースが足りない最後のピースは…」

それだけ行ってからどこかへ行ってしまった。

あまりに唐突に行ってしまったので、最後が聞き取れなかったが、なぜか自分の名前を呼ばれた気がする。

そんな不思議な感覚に陥ってしまった。




竜希(以降竜)「はい今回も前回より遥かに投稿が遅くなりました」
綾森(以降綾)「えっと、今回は…。仕事が急に忙しくなったことと一回不安になってプロットを書き直した結果、100程度で終わらせる予定がそれを遥かに超越するから書き直してたってのが原因だって」
竜「まぁ最初で予定が狂ってるのに合うわけがないって話だよな」
綾「結果、メインキャラが1/3に減らすって」
竜「......は?」
綾「誰が残るか、それは次回のお楽しみだって」
竜「え!?どうするの、どう発表する気なんだよ作者は!!」

次回の後書きに出ているキャラがメインのままです。
用語追記
級:レベルのようなもの。級によってそのチームに入れられる数が変わる。大体チェスや将棋と同じような感覚。
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