木山廉
三月三十一日
「早くレヴァンティンをよこせ」
コンビニの帰り道に突然襲われ逃げている最中に男は手に紅色の炎を灯し迫ってくる。
何でいつもこうなる。
俺ー木山廉(きやまれん)の異能の
そもそも
俺が望んだ訳では無いのにそもそも俺の異能の
異能で作られた武器を得るには持ち主を殺さなけれぱいけない。
詰まりは俺を追いかけている男は俺を殺そうとしている事を意味している。
(とりあえず、ここまで来たら大丈夫だろう)
俺は裏路地に入り、何の保証も無いが大丈夫と思っている。
この裏路地は人通りも少なく、何よりも人一人が入るのが精一杯でここまでは追って来ないだろう。
問題はいつまでここで隠れているかだ。
ここは裏路地でネズミが好き好んで居るような場所、さっきから臭いがかなりきつい。
辺りを見渡すと飲食店の換気扇、廃棄物が見える。
早くここから出なければ……
(誰だ)
スマホのバイブで少し苛立ちながらも確認する。
画面には
「早く帰ってこい」
とそれだけ……妙な恐怖を感じる。
俺はスマホで時間を確認する。
今の時間は20:06……この時間が意味するのはヤバい。
早く帰らないと、さっきまで襲われていた俺だが恐怖の種類が一気に変わった。襲って来た奴を倒してでも帰らないと。
俺は行動を急ぐ。
素早く、裏路地から出て家に急ぐ。
走りながら俺は出来るなら襲って来た奴との再会をしないようにと心で強く思いながら家を目指す。
「はぁはぁ」
俺は息を切らしながら走り、家の前までやって来た。
幸運な事に俺を襲った奴とは会わずに済んだ。
俺の家……少し違うか
家の表札には川上となっている。
俺はこの家に居候の身だ。
この家の隣には川上道場がある。
家の灯りはついてない。ついているのは道場の方だ。
とりあえず、道場に行くか
「遅れてすみません」
俺は小言を呟く様に言った。
そして直ぐ様周りを警戒する。
「廉、遅い」
「すみません」
俺は条件反射的に謝る。
怒られたから謝る。ただそれだけだ。
……ん?
「何だ、舞か」
「そうだけど……」
間違えた……俺はこいつー川上舞の母親の川上玲奈だと思っていたが間違えていた様だ。
俺はため息をつく。
無駄に謝ってしまった。