「お前は異能力者としては未熟過ぎる」
「何だと」
俺が未熟?
ふざけるな。俺は絶対に勝ってみせる。
「アーサー・グラフェリオンを知ってるか?」
……誰だ?それは……
「アーサー・グラフェリオン?」
俺は気づくと聞いた名前を繰り返した。
「アーサー・グラフェリオンを知らないとは、アーサー・グラフェリオンは世界最強の剣士と言われている男だ」
世界最強の剣士……そいつがアーサー・グラフェリオン
「アーサー・グラフェリオンはお前と同じ異能力者だ。だが、お前とはレベルが違う」
「レベル?」
「アーサー・グラフェリオンは異能の他に他人から奪った
つまり……アーサーって奴は
そもそもこの話が異能力を使いこなす話と関係無いじゃないか
「それが何だよ」
「……アーサー・グラフェリオンは
「……」
何も言い返せない。
俺が弱いのは自覚している。
けどな、諦める理由よりも勝ちたいと思う理由がありすぎるんだよ。
もろもろ俺とアーサーって奴を比較するなよ。
……待てよ。アーサーって奴は
……分かった……気がする。
檜山仁(ひやまじん)の能力……もしも檜山仁も2つ能力を持っていたとしたら今までの事が納得出来る。
「……」
「ぐうの音も出ないか。己の弱さを知り」
「1つだけ分かった事がある」
「……何だ?」
檜山仁(ひやまじん)は不思議な表情を見せるとすぐさま言い返して来た。
……答えてやる。どう答える?
「お前の能力だ」
「俺の能力だと?」
「そうだ、お前は2つの能力を持っている」
「……いいや、俺の能力は1つだけだ。人間が持つ能力は基本一つだ」
「えっ」
……違うのか?
待ってよ。檜山仁(ひやまじん)は能力者と認めた。
じゃあ、あの炎の他に能力は無いのか?
でもあの急激に増す炎は何だ?
そもそも能力、異能は基本的には一人に1つしか無いはず……
中学の時にそう教わった。
……仮に檜山仁(ひやまじん)は俺以外の異能から武器を奪っていたら……
嫌、武器を出す様な動作はなかった。