弐番組のヒューマンデブリ ベル・ガラハ   作:Ittoh

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 最初の男は忘れられないって言葉があるらしいが、あたしは逆だと思っている、最初の男は自分で選びたいって。あたしが女になって、弐番組に上がるのが決まると、顔やスタイルが良ければ、社長がとって、残りを壱番組でいただくってことになっている。

 ただ、女になることと、弐番組にあがるのは、若干のタイムラグがある。女になったばかりだと、女を壊すかもしれないから、半年くらいの監視期間が置かれる。社長が狙う女は、社長付になるから、男を選ぶ権利はない。女性の身体として「勝ち組」だったニーナは、弐番組にあがっても社長付は変わらず、経理を壱番組のデクスター・キュラスターと担当していた。

 あたしは、貧弱な身体だったから、あまり監視が厳しくなかった。夜に抜けだして、倉庫に入って、或る男の寝顔を見に行っていた。



弐番組のヒューマンデブリ「ベル・ガラハ」 女になることと弐番組

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 男の名は、オルガ・イツカ。

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 プラチナブロンドに褐色の肌、鍛えている体は、ぞくぞくする位に綺麗だ。三白眼で睨みつける目は、当時はまだ可愛くて、ここから抜け出したい、そんな想いに溢れていた。

 

 

 

 

 

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 あたしは、そのまま押し倒して、オルガ・イツカと契りを交わした。

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 倉庫から奥に下る階段があって、階段を下りた先には、このCGSを支えるエネルギープラントがある。「厄災戦」で使われた、エイハブ・リアクターを搭載したモビルスーツを、マルバが発掘して動力炉として使用している。現在はサブになっている原子力電池も、CGSを賄える動力だが、エイハブリアクターだと、待機動力で賄える。CGSの燃料費は、非常に安いので、インフラ設備に余裕がある。

 

 オルガは、暖かいから、ここで良く寝ていた。ま、それを知っていたから、ここで寝ていたオルガを押し倒せたわけだ。

 

 相変わらず、さらさらな髪だ。最近は、毎日シャワー使っているのかな、ツンとするような匂いが無い。髪を撫でていると、オルガが目を覚ます。

 

「起こしたかい、オルガ」

 

(あね)さん」

 

「相変わらず、襲いたくなるくらい、良い男だねぇ」

 

「やめてくださいよ、(あね)さん」

 

「はは。元気そうで良かったよ」

 

「落ち込んじゃいられないんで、でも、すんません(あね)さん、シーナとアリアも、、、」

 

「あぁ、聞いたよ。残念だったね」

 

「はい、後、三月だったのに」

 

「あんまし、傷つくんじゃないよ、生き残った奴が多いんだからね」

 

「わかってます、(あね)さん」

 

(あね)(あね)って言うけど、あんたとの契りは7:3の親子だ、あんたが親分なんだよ、オルガ」

 

「でも、(あね)さん。俺は五分でって」

 

「あたしは五分は嫌いで、人の上に立つのも御免だ、悪いけどあたしも背負って貰うよ」

 

(あね)さん、、、」

 

 起き上がったオルガの頭を、あんまし豊かでない胸に包んで撫でる。

 

「いいんだよ。子供なんだ、急ぐことは無い。あたしが勝手にあんたを愛して、契って、戦っているだけさ。良いよね、オルガ・イツカ」

 

「はい。(あね)さん」

 

 やっぱ、決断する男はいいね。軽く、口づけするつもりが、結構、本格的にやっちまった。

 

「、、、ゴメン。さかっち(滾っち)まった」

 

「構いませんよ。(あね)さん、望むところです」

 

「ありがと。オルガ」

 

 本格的なキスを返されて、ちょっと腰が厳しくなったけど、なんとか踏みとどまれた。

 

「仕事ですか、(あね)さん」

 

「多分ね。ニーナが、参番組を指名した仕事が入ったって言ってたんだ」

 

「参番組をねぇ、なんだか、ヤバそうですね」

 

「あぁ、気をつけな、オルガ」

 

「はい。(あね)さんッ」

 

 そして、オルガ・イツカは、駆け出して行った。漢と書いて「おとこ」って読む、そんな良い男だよ、オルガ。

 

 




 コロ、ネジが転がる音がした。モビルスーツの後ろ、本館側の壱番組に繋がる通路だ。

「他人の逢引を覗くのは、あんまりいい趣味じゃないよ。トド」

「いやぁ、すまない。ちょっと出にくくなっちまって」

「わざわざ、こんなところまで、何の用。あたしもあんたも、戻らなきゃいけないんだよ」

「いや、参番組指名の仕事って伝えたのは、俺だろ、嘘はいけねぇな」

「嘘でないと、信じて貰えないからね。トド」

「傷つくんだぜ、こんな俺でも」

 ゆっくりと近づいてくると、あたしの体を抱きしめてくる。

「時間は、あんまり無いよ」

「心配いらねぇよ。参番組の後に呼ばれるのは、お前らだからな」

弐番組(あたしら)。依頼主は女かい」

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