「結婚を前提にお付き合いしてください!!」
「えぇ・・・・・・ないわー。」
何故こんな状況になったのか。それを語るため少々時を遡るとしよう。
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あの後俺は、桜崎氏に拠点での設備の使い方と各種教材を残して、魔族領に転移した。
別に行ったことがあるわけではないが、座標さえ分かれば行ける。こういう時、自前の術式を開発しておくと便利である。
そうして、まずは魔王城の城下町にて散策しながら、探知にて
「お、いたいた。」
そうして見つけたのは、なんてことはない1匹の蜘蛛だ。
とは言っても、もちろんただの蜘蛛という訳ではない。
『転生者?』
「応とも」
そう、この蜘蛛は白織氏の分体の内の1体だ。
「白織氏に伝えてくれるかい。『あなたと魔王様に会いに来た。』ってね」
「その必要はない」
その声に振り向く。そこには全身真っ白な女性が立っていた。
対応が早いな。これは転移してきた段階で察知されてたかね?
「これはどうも、お早い対応ありがとう、白織氏」
「そう」
そう言って、手を差し出してくる。
「来て」
「了解」
そのまま、転移する。それにしても、来た時もそうだが、この転移恐ろしく綺麗な術式だな。参考にさせてもらおう。
でもって、ここは・・・・・・バルド公爵の公爵邸かな。
「誰よ、あんた?」
振り向くと、何故か戦闘シーンでもないのに威圧感出している少女が、不機嫌そうに立っていた。後ろでは腕が6本の少女が顔を見合わせている。
「やぁ
「「「これはどうもご丁寧に」」」
そう言って、菓子折りを渡す。ちゃんと白織氏達と使用人の方々や公爵への物とで分けてあるぞ。
「それと、白織氏にはこれもどうぞ」
「?」
そう言って、渡した紙束に目を通した白織氏は、次の瞬間閉じていた眼を見開いた。
うーん。やっぱり1つの目に瞳が4つって、ちょっとアレだよな。SAN値が削れそう。それさえなければ、APP19位ありそうなんだが。(それはそれでSAN値削れるか)
「白ちゃーん。急に呼び出して、一体何なのさ?」
そうこうしている内に新たな人物が部屋に入ってきた。
その時、今度は俺が眼を見開き硬直した。
それは、とても綺麗だった。
白と黒のコントラスト、それでいて透き通るような色合い、何処か儚さを感じさせるその形。
こんな表現ではとても足りない程に、
次の瞬間、俺は飛び上がった。
前方に宙返りし、着地。そのままの勢いで両膝を地に付ける。
両手で三角を形作るように地に付け、そこに額を付ける。
そして・・・・・・、冒頭に至る。