「つまり、何だ。君はもしもの時の転生者の保護をお願いしに来たと」
「はい、そうなります」
あの後,俺たちは魔王城のアリエル氏の執務室に場所を移すことになった。というか強制的に転移させられた。
まぁ、あのままじゃ収拾がつかなかっただろうからネ。
主に俺のせいで。
「ま、最初から転生者たちを保護するのは決まってたからね。それに関しちゃ問題ないよ」
「ありがとうございます」
よし、これで場合によっては桜崎氏や他の転生者を保護してもらえる。
「それで、さっきのは一体何なのさ?」
「アー・・・・・・」
くっ、せっかくなかったことにできたと思ったのに!
「いや何と言いますか、つい衝動的に出たものというか。こう言っては何ですが、所謂一目惚れという奴でして」
嫌だなぁ、言ってしまった。
「ハイ?」
「いや本当に、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
顔がカーッと赤くなるのを感じる。外道無効持っているにも関わらず、今自分の表情を取り繕えている自信がない。
「マジで言ってる?」
「?はい、そのつもりですが?」
ん?白織氏と俺を見比べてる?
つられる様に俺も白織氏を見る。あっ視線が合った。
彼女は首を傾げている。俺も分からないので首を傾げておく。
「イヤイヤ、白ちゃん差し置いて何で私なのさ?」
・・・・・・あー。(納得)
まぁ、確かに白織氏というか若葉氏は異常なまでの美人だし、普通はそっち選ぶと思うよな。
しかも、初対面で告白したから顔で選んだって思われても仕方ないか。
・・・・・・まぁ、実際それに近いところあるし。
「えっと、単純に好みの問題ですね。」
「好み」
「ええ、確かに彼女は美人です。瞳のことさえなければ、確実にAPP19超えてたでしょう。まさに人間離れした美しさです。」
「うんうん」
「だからこそ、というか。ぶっちゃけそこまで完璧な美人って、逆に怖いですし」
「ぐふっ!!」
「魂も何だか、かっこいい感じの色合いですが、正直好みからは外れるというか」
「がはっ!!」
何か横で白織氏が吐血しているが、特に何か攻撃された訳ではなさそうなので放置しておこう。
良いだろ、こっちも恥ずかしさで正直いっぱいいっぱいなんだよ!!
「対して、アリエル氏の魂はホントキレイなんですよね!!何だかひきこまれるような色合いで、それでいて少しでも触れようものなら壊れそうな感じもあって!!正直出来る事ならずっと見ていたいようなそんな感じなんです!!!」
「お、おう」
「あ、えっとすみません。また、何だか熱くなってしまって。その、ご迷惑ですね?」
「あー、うん。もう別に良いよ。イヤ、良くはないけれど。まぁ、次から気をつけてね?」
「ハイ、肝に銘じておきます」
今回は先方の寛大な処置に感謝する他ないな。
「えっと、それじゃ要件も済みましたし、今回はこれで退散させていただきますね」
「あ、うん」
「ではまた!」
そのまま、転移にて撤収!!
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その後、俺は拠点に戻ってベットの上で色々と悶えていた。
「ハァ」
あーあ、アリエル氏もドン引きしてたなぁ。まぁ当然だよな、初対面の人にいきなりあんな告白されたら、誰だって引く。俺だって引く
何だかんだでこれが初恋だったんだけどなぁ。始まってもいないのに終了しちゃったなぁ。
「ハァ」
・・・・・・まぁ、これ以上の悩んでいても仕方ないな。どんなに頑張っても、過去は変えられない。アリエル氏も言っていた通り、大事なのは次から気をつけていくこと。
ウム、当たり前ではあるが、いい言葉だ。流石アリエル氏。
ヨシッ、切り替えていこう。
差し当たって、明日からの桜崎氏への授業のための資料作りのためにエルロー大迷宮へ行くのだ。
ついでに、レベル上げもしてしまおう。いい加減、スキル上げも頭打ちになってきたし、術式の効率のためにステータスも早急に上げる必要があったしね。
それじゃあ、本日も張り切っていこう!!
共感覚により魂を視覚的に捉えられる主人公。これも外道系への高い適正値の弊害だネ。