「それにしても、驚いたな」
「ああ、ジュリウス先生がこんなものを作れるなんて」
今回の授業での探索地。それは何と彼がスキルで作った
しかも、迷宮内部での経過時間は外部のそれとは隔絶しているらしく、それを利用して二泊三日の探索工程を予定しているらしい。
「イヤ、それもそうだけどさ。こんなものを作れるスキルを保持した人間が彼の他にもいたなんて」
「ああ、あのエルロー大迷宮もそのスキル保持者が作ったものだって話。・・・あれマジなの?」
「マジだろうぜ。あいつはそういう所で嘘つかねぇから」
「流石、幼馴染なだけありますねぇ、ユーゴー君」
「うっせ、単なる腐れ縁だっての」
「またまた~」
そうこうしている間に俺達は少し開けた場所に出た。
「ハイハイ、お疲れ~。それじゃあ、ここで一度休憩な」
「わっ!?出た!?」
そして、何故かそこには、迷宮に入る俺達を見送ったはずのジュリウス先生がいた。
「イヤイヤ、ここは俺の迷宮だぜ。何処に出現するのもそこまで難しくはないよ」
「そういうものなんですか?」
「そういうものなんです」
そういうことらしい。
「さて、この1時間程の間この迷宮を探索してもらったが、どうだったかな?」
「どうだったって言ってもな・・・・・・」
「まぁ、正直こんなものかって感じかな」
「うん、思ってたより楽勝」
「フムフム、やはりこの程度では物足りないか。ではチュートリアルもそろそろ第二段階に突入しようと思う。具体的には魔物を解禁する。」
そうか予想はしていたが、やっぱり魔物についてはジュリウス先生が出すのを控えていたのか。
「え、えっとそれって危険はあるの?」
「そりゃ、もちろん。魔物だもん。普通に人間に敵対的だし、襲ってくるよ」
「そうじゃなくて、それがあたし達にとって問題なく倒せるかってことよ」
「ああ、大部分は問題なく倒せるだろうね。それなりに厄介なのもいくつか用意したが、一応倒せるように設計してあるよ。」
「一応ねぇ?」
「まぁ、マジで危なくなったらコッチで脱出させるから。そこは安心してくれて良いよ」
それなら、大丈夫かな?
「その他、トラップ何かも順次解放していくつもりだ。慎重に進んでね。それじゃあ、俺はここらでドロンと」
そうして、彼は(何故かわざわざ煙玉を使用して)去っていた。
「・・・・・・まさに、ここからが本番って感じですね」
「よし皆、気を引き締めていこう!」
「オー!!」
「あ、すまない、忘れてた」
良い感じに締めたと思ったのに、一体何なんだ?
「イヤ、これを渡すのを忘れていてね」
そう言って、渡してきたのは・・・・・・何だコレ?
「あっそれって!?」
「知っているの、セレス?」
「ウン、QRコード決済用のスキャナーよ。バイト先で使ったことあるわ」
言われてみれば、うちの学校の周りではあのタイプが使われていた。
「でも何でこんなものが」
「そりゃ、コッチで作ったんだよ」
「「「「「えっ」」」」」
「まぁ、使い方は向こうのと変わりないから」
そう言って、全員にそれを配ると「それじゃあ、今度こそドロン」と言って去っていった。
「だから、何でわざわざ煙玉使うんだよ!?」
後には、そんなユーゴーの叫びが木霊するのみだった。