まず、俺達を襲ったのは強烈な飢餓感だった。
「マズいわ。SP(赤)が大きく減ってる。もう半分切っているわ」
鑑定石で確認したセレスがそう呟いた。
「・・・やっぱりこの場所のせいか?」
「でしょうね。いくら何でもこの減り方はおかしいもの。絶対「休」系統のスキルが発動してるわ」
「となるとよぉ、やっぱりやらなきゃなんねーだろ、
「「「「「・・・・・・」」」」」
一同はその言葉により、今まで見ないようにしていたそれを見る。
ドロドロというかデロデロとした見た目、気色悪いとしか言いようのない極彩色の色。極め付けに凄まじき臭い。
そう、スライムの死骸だ。
このダンジョンは基本的に
ボスは違う奴もいるが、そいつらの身体は総じて小型。
とてもじゃないがこの場の皆の腹を満たすことなんて出来ない。
食糧を失った今、どうやっても
一応、そのための方法はある。というか先程、読み込んだQRコードの中に載っていた。
そこまで難しくはないし、必要なものは簡単な調味料のみ。
幸いにも、それはセレスが個人的に持っていたので分けてもらう。
毒なんかの特性があったりすると多少一手間加えることとなるが、逆に言えばそれだけで食べられるようになる。らしい。
もっとも、この見た目と臭いを突破しなければならない様だが。
「ま、まあ、書いてあることが確かなら、味はそれなりにおいしいらしいですし、臭いさえなければどうってことないそうですよ。臭いをどうにかする方法も書いてありましたし」
「・・・「技能付与」スキルで「無臭」スキルを付与するか。確かに有効だよな。「
無臭」スキルは学園に通う俺たちには必須のスキルで誰でも持っているし」
「問題は、
「「「「「・・・・・・」」」」」
堂々巡りだ。
だが、いずれにせよ覚悟はしなければならない。
何せ、これだけの臭いだ。先程周囲の魔物は一掃したとはいえ、すぐにまた集まってくることだろう
「ハァ、仕方ないわねぇ~」
最初に動き出したのはフェイだった。
いつもの青っぽい色合いの顔をさらに青くしながらも、食べ始めた。
それに続くようにユーゴーが無言で食べ始めたのを皮切りに、皆食べ始めた。
そこから先は、よく覚えていない。
気が付けば俺自室のベッドで寝ていた。
一瞬、夢オチかとも思ったが、鑑定結果がそうではないことを物語っている。
そうしてどうやら、そんな状態なのは参加した皆も同じ様で、何だか記憶に霞が掛かった様になっているらしい。
ただ、唯一ハッキリと覚えているのは、ダンジョンを出た所で華麗なジャンピング土下座を決めたジュリウス先生の姿であった。