後日、俺達には朝礼前にジュリウス先生からある冊子が手渡された。
それは、
「読まずに集めることを優先するとは想定外だった。すまないね」
言外に「ちゃんと授業聴いていたのか?あ?」と言ってくる先生に気まずくなった俺達は揃って目を逸らす。
確かに以前、授業では「何らかの構造物に侵入する場合、そこにある文書をよく読み込み、製作者の意図を察することが重要」と言っていた。
そうして考えると、確かに今回の俺達の行動は迂闊だったように思う。
「でもそれにしたってやり過ぎですよねぇ」
「・・・否定はできないな。これからはもう少し慣らしの期間を経てからやるようにするよ。」
「え、またやるんです?」
「?何を言っているんだ、当たり前だろう?」
「イヤイヤ、今回の件で危険なことはダメだって分かったんじゃ・・・」
「確かに危険性はあるけど、だからといってやらない理由にはならないよ」
「そんな・・・・・・」
「そもそもの話だが、俺は今回の授業開始前にあんな事言ってはいたが、実際にはお前達位のステータスがあれば、多少苦労はすれども問題なくクリアできると踏んでいたんだ」
「どういうことですの?」
「そのままの意味さ。これでも授業前も授業中も結構ヒント出してたんだよ?それを悉くスルーしちゃってさ」
「「「「「「「うっ」」」」」」
そう言われてみれば、思い当たる節がなくもない。
「まぁ、とは言っても、お前達にそんなに落ち度はないよ。」
?どういうことだ?
「何せ、これはお前達の家庭の教育事情による問題だ。しかも、発生原因が完全に政治案件ときているからね。寧ろ、それを事前に察知してフォローできなかったのは完全にこっちのミスさ。ハハハ」
「オイ、何訳わかんねーこと言ってんだ。説明しやがれ」
「・・・まぁ、要するにお前達は、そもそもそういう情報収集やら駆け引きに関する教育をほとんど受けていないってことさ」
・・・まぁ、そう、だよな。
元より俺は第4王子しかも側妃の子として生まれた。
しかも、今は亡き俺の母親は、勇者であるユリウス兄様の母でもある。
そして、俺は転生者。当然それなりには優秀であった様に思う。
当然、正妃から見ればこれは面白くないはずだ。
「お前達の将来的なことを考えた時、こう言った政治能力は必ず必要になってくるからね。その点も含めて今後はやっていきたいと思うよ。また併せてお前達が陰で暗殺されたりしないためにも、最低限の武力は必要だからね。そんな訳で今後もビシバシ鍛え上げますのでそのおつもりで」
「うへぇ・・・・・・」
「・・・・・・マジかよ」
その時、丁度始業の鐘が鳴った。
「さぁ、席に就け、授業始めるぞ」
こうしてまた
もうすぐこの日常が壊されることも知らぬままに。
シュレインサイドこれで一度終了です。