悪の組織の戦闘員(バイト)は今日も魔法少女と対峙する   作:戦闘員B

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悪党の休日に平和である保証などない

老人から制服の機能を聞いた後、何故か外出用にと調整された制服(シンプルな黒コートと同じ形だが白い蝶仮面)を渡された僕はリュックに詰めて自宅に帰る。

 

そのままコートをハンガーに通してかけ、時計を見れば昼。

 

何か作るとするかと冷蔵庫を開けて気付いた。

 

 

 

食材がほぼないという事に

 

 

冷蔵庫の中には卵、自家栽培の野菜しか残ってなかった。

 

幸い今日は休みだ。しかも良い事に近くのスーパーでは肉の特売日である。

 

「とりあえずコートは着てくか…肌寒いし」

 

コートを着て、財布の入った鞄をかけ家を出る。

 

「うぅ…寒…早めに行って買って帰ろう…」

 

そのまま僕はスーパーへ向かった。

 

 

 

 

 

 

スーパーでは主婦がお買い得品を巡って争いを繰り広げたり、一人暮らしの学生が値段を見て悩んだりと普段と変わりなく騒がしかった。

 

ともかくお目当ての肉を確保せんと肉コーナーへ向かったその時。

 

肉コーナーに人だかりが出来ていた。

 

肉の取り合いをしてる訳もなくただふらふらしながらその場に留まっている。

 

「…どうするか…」

 

「ん?何かお困りかなぁ?」

 

背後から声をかけられ振り向くと

 

兎耳を頭から生やし、くりくりした赤い目、ブロンドのウェーブかかった長い髪の高校生くらいの少女が居た。

しかし着てるのはカジノで稀に見る事もあるバニーの服だ。危うい

 

「あー…あの人だかりで肉を取りに行けないんですよ」

 

「そっかぁそれは困ったなぁ…ほらみんな、少し横に移動して〜」

 

するとささっと人だかりが動き、目当ての肉が見えた。

 

僕はそのまま買い物カゴに入れて少女に頭を下げる

 

「いいよいいよ〜お礼はなんて、ハッピーじゃないとダメなんだからね〜」

 

そういうと兎耳少女はハッピーハッピーと口ずさんで去って行った。

 

「なんだったんだ…」

 

そのまま食材を買って帰路に着こうとスーパーを出たその時。

 

「あ、重そうだから持ってあげよっか?」

 

出入り口で兎耳少女がそう声をかける。

 

「いや、まだ居たの…そもそもそんな格好だと悪い奴に襲われるぞ…」

 

「んー?大丈夫、私強いから!…それよりも〜」

 

そう言ってくるりとこちらを向いた兎耳少女は両手を広げて嬉しそうに言った。

 

「ねぇねぇ、君もハッピーになろ!」

 

「いや現実に満足はしてるんでいいです」

 

「えー!」

 

そう返すと兎耳をピーンとさせて抗議を示す。

 

そのまま押し問答を続けていると足音が聞こえた。

 

「出たわね!怪人ハッピーラビット!」

 

「今日という今日は」

 

「倒すんだから!」

 

魔法少女が現れた。……買い物帰りなのか近くに商品の入った買い物袋が置いてあるが…盗まれないのだろうか…

 

「むむ〜君達いつも簡単にハッピーになってくれないから困るよ〜」

 

「貴方の能力で人々が迷惑しているの!」

 

「それに君の力は本当のハッピーなんかじゃないんだよ!」

 

ブルーとイエローは兎耳少女…ハッピーラビットにそう言う。

 

「むむ〜ならこの人をハッピーにさせるんだからね!」

 

「あっ不味い!」

 

そう言うとハッピーラビットは僕に抱き付いた。

 

すると何故か安心感を覚える暖かさを感じる…が、それだけだった。

 

「…あの、寒いのは分かるんですけどいきなり抱きつくのはどうかと思います」

 

「えぇ!?なんでハッピーにならないの!?」

 

そう驚くハッピーラビットの後ろからブルーが切りかかる……おい待て僕居るんだぞふざけるな

 

「隙あり!」

 

「わっ…とね!」

 

するとハッピーラビットは僕の体を軸にして躱す。振り抜かれた剣はそのまま僕の靴先を掠めて地面を穿つ。

 

(こっっわ…!)

 

「く…人を盾にするなんて…!」

 

(いやまず僕が居るのに斬りかかる君も君だろ)

 

内心ツッコミを入れつつ、買い物袋を持って帰ろうと手に持つ。

 

グチャ…

 

「ぐちゃ…?」

 

買い物袋の中には先程買った商品を潰すように石が入り込み、商品がぐちゃぐちゃにになっていた。

 

「…………」

 

絶句しかない。

 

僕を残してハッピーラビットとブルーとイエローが少し先で戦っていようと関係ない。

 

今日の晩御飯が…

 

「あの…どうかしたんで…あっ…」

 

ピンクがおずおずと近寄り、買い物袋の惨事に気付き黙ってしまった。

 

「あの…私の買った物あるので…良ければ…」

 

「あ、いいんですか…」

 

「はい…友達の不手際ですし…」

 

そのままピンクは自分の買い物袋から同じく商品を出してこちらに渡す。

 

ごめんなさいとピンクに謝られるのを背中に感じながら帰路に付いた。

 

料理しているとスーパーの一件がニュースに流れていた。

 

どうやらハッピーラビットは神出鬼没の怪人という事と毎回魔法少女をあしらって逃げる事が報道されていた。

 

そして流れる映像には

 

杖から魔法を放っている三人と

それを縦横無尽に飛び回って回避したり、蹴り返したりするハッピーラビットが流れていた。

 

今回は自分が映って居なくて安心した。

 

あんな見た目でよく動くな…と遅い昼ご飯を食べつつニュースを見た。

 

その後、ネット掲示板を見たらハッピーラビットのスレが建っていたが、内容はほぼ可愛いだの、抱きつかれたいだの欲望がダダ漏れだった為そのまま閉じた。

 

お気に入りが100件突破した記念にお話を書こうと思います。読みたいものを選んで下さい

  • 魔法少女、その始まり
  • 黒猫の探し人
  • 幸せを探す白兎
  • ある男の過去
  • 僕は君のお兄ちゃんだから
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