悪の組織の戦闘員(バイト)は今日も魔法少女と対峙する   作:戦闘員B

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戦闘員は少し強くなろうとも雑魚である

翌朝、妹のハグから抜け出して朝食と妹の弁当を作る。

 

妹は昔から朝が弱いのでさっさと起きるという事がない。

 

そのままさっと焼いたソーセージと目玉焼き、ポテトサラダとトーストを皿に盛り、机の上に置く。

 

妹はまだ寝ているのでそのまま弁当作りに取り掛かる。

 

余っていたソーセージを二つに切り、そのままタコさんウィンナーにして弁当に詰める。

その後卵焼きを作り、タコさんウィンナーの横に添える

そして昨日作っておいたサラダを詰め、ご飯をもう一つの器に詰めて、蓋に袋入りふりかけを添える。

 

量が少ないと自分でも思うが、妹は少食なのでこれで事足りるらしい。

 

そして弁当を作り終えると妹は寝惚けた顔で寝室から出て来た。

 

「兄さんおはようございます…」

 

「あぁおはよう、髪がサ○ヤ人みたいに逆立ってるから直して来なさい」

 

「ふぁーい…」

 

寝惚けた顔のまま洗面所へ行く妹を見送りつつ、朝食を食べる。

 

その後、髪を直している時に時計を見て遅刻間近だという事に気付いた妹は、半泣きのまま朝食をかき込むと早着替えをして急いで出て行った。

 

今度からもう少し早く起こす事にしよう

 

 

ーーーー

 

妹を見送った後、いつも通りバイトの連絡が来た。

 

今回は前回のような暴動紛いのことでは無く人材発掘(スカウト)らしい。

 

恐らく僕のような人物を探すのだろう。

 

指定された場所は老人の住んでいるあの館だった。

 

戦闘員の服と仮面をリュックに詰めて家を出る。

 

そして自転車に乗ろうと停めてある場所に行けば

 

自転車が無かった。

 

妹が慌てて出て行った為間違えて乗って行ってしまったのだろう。

 

仕方なく僕は歩いて館に向かう事にした。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

館に着けば老人が玄関で待っていた。

 

どうやら中々来ない僕を心配して見に行こうとしていたらしい。

 

そのまま老人は会った時の服装のまま、街へ行こうと僕に言うと杖をつきながら歩き出した。

 

背筋が伸び、見た目に反してしっかりとした足取りなのに何故杖をついているのだろうか…

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

そのまま老人とあてもなく街を歩く

 

老人は余り街に出る事がないのか、スイーツ店を見かければ買い喰いをし、八百屋のおばさんに声をかけられれば言われるがままに買ってしまう。

 

歩き出して15分程で老人の片手と僕の両手は買った物の入ったビニール袋で塞がっていた。

 

「ハッハッハ…良い所だな…ここは」

 

「そうですね」

 

老人の持つビニール袋には林檎が15個入っているにも関わらず、軽々と持っていた。

 

「そんなに林檎買って…食べれます?」

 

「ハッハッハ、あの館は私以外にも人はいる。このくらい1日経てば無くなるからな…」

 

「どんな大食漢ですかその同居人…」

 

そのまま歩いていると、遠くから騒音が聞こえて来た。

 

すると老人が思い出したという顔で言った。

 

「そう言えばここの近くだったな、スカウトする者は」

 

「めっちゃ戦闘音するんですけど…誰なんですかそのスカウトする人物は?」

 

「あぁ、怪人だよ」

 

「へぇ怪人なんですか……えっ?」

 

「あぁ、怪人は何も私が傘下にしている者以外にもいるのでね。そうだな、君には明日怪人に関する講座でもするとしようか…さてと、荷物は持って帰るから君は加勢して来るといい」

 

そう言って老人は僕の両手に持つビニール袋を片手でひょいひょいと持つ。

 

「あ、それじゃあ行ってきます」

 

僕は物陰に隠れて着替えるとそのまま走り出した。

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

そこは公園だった。しかし遊具は曲がったり、千切れていたりと惨事が目に見えて分かる。しかし周りに人は居らず、魔法少女と猫耳と尻尾を生やした少女が対峙しているのみだった。

 

「シャァァァ…!」

 

「く…なんて強さなの…」

 

「ハッピーラビットといい…なんで獣系の怪人はここまで強いんだろう…ねっ!」

 

ブルーの全身には至る所に浅い引っ掻き傷があり、満身創痍とまではならないが息を荒げていた。

 

イエローの籠手による攻撃もひらりと躱され、距離を取られる。

 

お互い見つめ合いを続ける事数秒

 

「…なんだ…これ…」

 

そこに僕が乱入した。

 

「あー!海老の時の仮面の人!」

 

「増援という事ですか…!」

 

「あわわ…どうしよう…」

 

慌てるピンクと警戒体制を取る2人をを無視して僕は猫怪人を見た。

見た目は中学生程で髪は漆黒と思えるほど黒く、クールな顔付きとは裏腹にちょこんと生えた猫耳は忙しなくピクピクと動いてる。

 

…しかし服装は何故かライダースーツだった。

 

総合評価するなら、クールで可愛いである。

 

「…スカウトはこの子か…」

 

「フシャァァァ…!」

 

しかし猫怪人は仮面の人を威嚇する。

 

「あぁ見た目通り猫なんだ…」

 

僕は冷静に猫怪人を見るとおもむろに頭に手を伸ばす

 

「何かする気か…!はぁぁ!」

 

ブルーは危険を察知して僕に斬りかかる…が

 

「…シールド」

 

紫色の薄い壁に阻まれて弾かれる。

 

そのままバランスを崩したブルーの奥からイエローが飛びかかる

 

「ごめんね仮面の人!えいやぁぁ!」

 

しかしその拳はシールドに接触すると反発するように吹き飛ばされる。

 

「うわぁぁ…とぉ!」

 

バランスを崩しつつもそのまま身体を捻りシールドを蹴る

 

しかし同じように吹き飛ばされた

 

「っ…うそでしょー…」

 

そのまま着地するイエロー

 

2人を無視して僕が猫怪人の頭に触れそうになったその時。

 

「ふにゃっ!」

 

「っ…」

 

その手をガシッと掴むとガジガジとかじり出す猫怪人。

 

すると僕の貼っていたシールドが消える

 

「今がチャンスか…」

 

「魔法ならいけるかな…?」

 

そのままブルーとイエローは武器を杖に戻すと構える。

 

(この子ら頭の回転速いな…)

 

僕は不意に寒気を感じて猫怪人を抱えてその場から飛んで下がる。

 

「うぅ…外しちゃった…」

 

土煙が晴れると杖を構えた状態のピンクが居た。

 

どうやら隙を狙って魔法を放ったらしい

 

(一番危険なのはこの子じゃないか…?)

 

薄々ピンクの危険性を感じた僕はふと自分の抱えている猫怪人を見た。

 

先程とは打って変わってガタガタと震え、手はコートを掴んでいた。

 

その証拠についさっきまで居た場所は巨大なクレーターになっており、その場に残っていれば木っ端微塵になっていたのは確実だ。

 

(前言撤回、一番やばいのはピンクだ)

 

僕は前回の海老の時の件から思っていたピンクの危険性を再確認した。

 

(目的は達成したようなものだし、下がるか…)

 

そのまま逃げようと踵を返すと

 

「逃がさんぞ…!」

 

いつの間にか肉薄したブルーが杖を振るう

 

「シール…っ!?」

 

同じようにシールドを貼った僕はこれで一安心と思った…が

 

パキリ

 

そんな音と共にシールドは砕け散った。

 

そのまま杖の攻撃を片腕で受け止めるがそのまま吹き飛ぶ

 

「追撃…だー!」

 

そのまま杖を振り下ろしてくるイエロー

 

(君達魔法少女なんだから魔法を使えぇぇ!)

 

身体を捻ってギリギリ躱すと即座に起き上がるが

 

「えい!」

 

ピンクから放たれたソフトボール程の大きさのピンクの球体が無数に放たれる。

 

(容赦ないなこの子ら!?)

 

すると猫怪人が僕から飛び出すと腕を振る

 

すると無数にあったピンクの球体が掻き消える。

 

(そしてこの猫怪人も強くない…?)

 

すると猫怪人は僕のコートを咥えると近くのビルまで飛び上がる。

 

「「「なっ…」」」

 

そのまま僕を咥えたまま、猫怪人は立ち去った。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「ちょ…そろそろ…離してくれな…ぐぇっ」

 

そういうと猫怪人は無造作に僕を放る。

 

そのまま強かに腰を打つ、イテェ…

 

「おお、なんとかスカウト出来たみたいだな…」

 

するといつから居たのか、老人が猫怪人の背後に立っていた。

 

猫怪人は威嚇するが老人はニコニコ笑顔で戦闘員(バイト)の僕を見てこう言った。

 

「ふむ、どうやら君に懐いたみたいだな…」

 

「何処をどう見たら懐いたって評価になるんですか」

 

腰をさすりながら起き上がる

 

「この子は私が預かろう、それと君のリュックだ。そのまま置いて行っただろう?」

 

「あぁすいません…」

 

そのままリュックを受け取ろうとすれば猫怪人が横から掠め取る。

 

「ちょっと!?」

 

すると開いたチャックから頭を突っ込んで中を物色すると何かを咥えて頭を出す。

 

咥えていたのはハンカチだった。

 

「あぁハンカチくらいなら…いいか」

 

そのままハンカチを咥えて尻尾を振りながら僕を見ている。

 

老人は猫怪人をひょいと抱っこすると歩き出した。

 

老人の腕の中で暴れるかと思えば、すやすやと眠っていた。

 

老人と猫怪人を見送った僕は中身が少し出ているリュックを拾うと中身を整理して、物陰で着替えようと歩き出す。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

ペタン…ペタン…

 

何かがついて来ている気がする。

 

振り返ると誰も居ない

 

「…いやまさかね…」

 

そのまま人気の無い路地裏を見つけると入って着替えようと服を出す。

 

「お友達助けてくれてありがとー!」

 

「とぅわぁっ!?」

 

いきなり現れたハッピーラビットにビビる僕。

 

「あ、ごめんね取り込み中だったよね…」

 

するとしおらしい声で謝るハッピーラビット、兎耳もペタンとしており反省しているのが分かる。

 

「あぁうん、着替えようとしてたんだけど…」

 

「着替え…はっ…つまり君の仮面の下が見える…」

 

するとマジマジとこちらを見始めるハッピーラビット

 

「いやマジマジと見ないでくれる?」

 

「いやー君に興味あるからさー!ね!ね!顔見るだけだから良いでしょ?」

 

「断る!」

 

そのまま僕は路地裏の奥へ走り出した。

 

結局行き止まりに入ってしまい、ジリジリと近寄るハッピーラビットに観念して仮面を外して顔を見せた。

 

ハッピーラビットの感想は

 

「なんか普通だね!」

 

だった。

 

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