悪の組織の戦闘員(バイト)は今日も魔法少女と対峙する 作:戦闘員B
昨日と同じようにのんびりと朝ごはんを食べて遅刻ギリギリになってしまった妹が自分の自転車を漕いで学校へ行くのを見送った後、自分のスマホが鳴った。
どうやら老人からのメールだったらしい。
内容はこれだ。
バイト君へ
昨日言った通り、君には怪人に関する知識を学んで貰い、それと並行して戦闘服のパワーアップ、戦闘トレーニングも受けて貰う。場所はあの館だ。
PS
猫怪人が君のハンカチを肌身離さず持っているが…何かしたかね?
……………
ゑ?
ーーーーーー
館に着いた僕は老人に案内され、館の奥へ歩いている。
そのまま奥へ進んで行くと中世のデザインから徐々にメカニックなデザインへと変わっていき、現在歩いている場所はコードの束が壁や天井にある状態だ。
そのまま進み続ける事、15分。
重々しい扉の前で老人が足を止めた。
「ここに私の同居人が居る。その者から怪人についての知識、そして戦闘服のパワーアップをして貰うといい。私は少々やる事があるのでな…」
そう言うと老人は踵を返して歩き出した。
僕はとりあえず扉を開こうと取手を掴む
『パスワードをお願いしますぅ』
すると、ややのんびりとした声の機械音声が聞こえた。
……パスワードなんて知らないんだが…
よし、ここは魔法の言葉。
「スイカ!」
『違いますぅ、パスワードはWater melonですぅ』
「意味としては同じでしょ!?」
Go○gleのように流暢な英語を披露した機械音声にツッコミを入れつつ、改めてパスワードを言う
「Water melon!」
『引っかかりましたねぇ、パスワードは博士最高ですぅ」
「じゃあさっきのは何だったの!?」
するとややのんびりとした声ではなく、真面目な声で答えた。
『お遊びです』
「この…!」
おちょくられていると扉が勝手に開いた。
「全く、うちのAIに弄ばれるとは残念なやつだな…」
扉の先にはボサボサの長い黒髪に丸眼鏡、そして博士と言えばの白衣を着た男が居た。
男の奥には大量の培養器がちらほら見えており、その中には異形の化け物が浮かんでいた。
「あのジジイから怪人に関する基礎知識を教える事とテメェの戦闘服パワーアップを任された
そう言うと綺礼は扉の奥へ向かって歩き始めた。
僕も慌ててその背を追いかける。
扉の奥は長い廊下だった。
両脇には人型の機械が硝子越しに忙しなく動いており、さらにその奥へ目を懲らせば、見知らぬ怪人達が他の怪人を相手に戦闘訓練をしている。
それを見ながら歩いていると不意に綺礼が立ち止まる。
「あぁそうだった、テメェがスカウトした猫怪人についてだがな。戦い慣れて即戦力だが俺の言う事を聞かないからよ。テメェに任せるわ」
「はい?」
そう言って綺礼が長い廊下の坂にある扉を開けると
黒い物体が僕めがけて突進して来た。
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