クラシックバレエの練習場に、榮倉は入って後ろ手に扉を閉めた。
旧校舎の一角で、元は和風の道場だったその場所は、床こそ板張りだが、奥の壁には一面に鏡が張られていて、バレエの動きを自分でチェックできるようになっている。
榮倉は忌々しそうに、部屋の隅に置かれていたゴミ箱に、ビニール袋を叩き込んだ。
「くそ! 天宮め。あれだけカマしたのに、いきなり怒鳴り込むなよ……! 僕のところにまずは相談しろって、あれほど言ったのに」
「へー。何の相談?」
ギョッとして振り向いた榮倉が見たのは、いつの間にか入口の前にいた、豊かな胸の下で腕組みして、薄ら笑いを浮かべるユリであった。
取り急ぎ、榮倉も笑顔を取り繕う。
「え、あ、城田くん? どうしたの一体? もしかしてこの前話した、クラシックバレエ部への転部の件、考えてくれたのかな? 君には才能あると思うんだよね」
「そんなのノーサンキューよ。誤魔化そうったって無駄だからね」
榮倉が自分を誘ったのは、才能よりもっと下世話な理由であることを、ユリは察していた。実のところ、男どもの下心丸見えの声掛けを受けるのは、一度や二度ではない。
「見当はついてるのよ。京次くんや遥音に、タバコの罪をなすりつけようとしてるんでしょ? 証人が必要だから、風紀委員の文明くんにその役をさせようとした。詳しいことまでは分からないけど、どうやらアテが外れたみたいね?」
榮倉の笑みが消えていた。図星なのは明白だった。
「それって困るのよね。遥音が痛い目見るのは、正直ザマアだけど、下手すると同じ部員の私まで巻き添え食うじゃない? だけど、今日見聞きしたことは、ひとまず黙っておいてあげる。その代わり、さ。こないだ先生の方でやったテスト、私って調子悪くってさ。ちょっと加減……うあっ!?」
突然、背後から突き飛ばされて、ユリは数歩たたらを踏みながら、床に倒れこんだ。
振り返った背後にある入口の扉。大きめのガラスが埋め込まれている。そのガラスから、二本の透明な腕が突き出していた。
腕が縮み、それぞれの手が窓枠を内側から掴んだ。その中間、ガラスの中央から、円錐状の尖った透明な物体が突き出てきた。みるみる大きくなり、現れ出たのは、人間と同じ大きさの、水滴状の頭部だった。造形はほとんどないが、目と口だけが、赤い半透明に形作られている。頭部に続いて肩が、腕が、胴体が、そして窓枠を跨ぐように足までが出てきた。
「こ、これって」
「ほう……これが見えるってことは城田、お前もスタンド使いか。まずます生かしてはおけないな」
榮倉は普段のヘラヘラした笑いを捨て、冷酷な表情を浮かべていた。
スタンドが、入口のすぐ傍の棚に乗せられていた手鏡を引ったくった。
ぶら下げた手鏡の表面から、見るからに鋭利な刃が生え、三日月のように歪曲して伸びていった。
「僕の〈フィッシュ・ダイヴ〉は、ガラスを操るスタンド。形の変化もさせられるし、表面に望みの映像も映し出せる。振動させて、音声も出せるのさ。もっとも、ガラス越しのようなくぐもった音が精一杯だがね。そして、鏡はガラスの裏面を加工して作られている……」
そこまで喋った榮倉の目が、殺意で光った。
〈フィッシュ・ダイヴ〉が、鋭く踏み込んだ。反射的に後ずさるユリ。
背後から、その腕を榮倉がブレザーの上から掴んだ。予想以上の筋力で、ユリの腕が中空に持ち上げられる。
「このままリストカットで自殺してもらおう。僕が殺したとか思われるのはとても迷惑だ」
「こ、殺そうとしてるじゃ」
〈フィッシュ・ダイヴ〉の刃が、横向きに構えられた。明らかにユリの手首を掻き切るつもりだ。
(冗談じゃないっ!!)
ユリは即座に、自分の体を取り巻くように〈エロティクス〉を出現させた。半透明の、不定形のスタンドが、榮倉にまとわりつこうとする。
「うわっ!?」
榮倉は仰天して、ユリの腕を離して後ずさった。
〈フィッシュ・ダイヴ〉が一瞬遅れて刃を振ったが、ユリは必死に腕を後ろに振って避ける。
刃は腕を外したが、ユリのブレザーを掠めた。分厚い生地があっさりと切り裂かれ、その下のシャツの胸元まで裂いていた。白いブラジャーが、その隙間からわずかに覗いている。
あまりの切れ味に、ユリの背中に冷や汗がドッと噴き出た。急いで立ち上がり、〈フィッシュ・ダイヴ〉と榮倉に挟まれないよう横に逃げる。
〈フィッシュ・ダイヴ〉は踏み込んで、今度はユリの喉元を狙った。突きこまれた鋭い切っ先を〈エロティクス〉が包み、本体であるユリをガードする。
切っ先が大きく縦横に振られて、振りほどこうとするが、それだけはユリもさせない。
「甘い!」
榮倉が滑り込むように放ったスライディングが、ユリの足元をすくった。たまらず転倒し、慌てて起き上がろうとした時、背中に木の壁が当たった。いつの間にか、部屋の壁際まで追い詰められていたのだ。
〈フィッシュ・ダイヴ〉が、後ろに逃げられないユリを壁に押さえつけるように、切っ先を喉に突きこもうとしてくる。〈エロティクス〉で先を包んでいるものの、ジリジリ切っ先が迫ってくる。
「いつまで粘れるかな? そのスタンドが耐え切れなくなった時が、お前の最期だ」
「だ……黙ってるって言ったじゃない!? なんでこんなことを……!」
「僕はね、国際的なバレリーナになりたかったのさ。だけど、運が味方せず、引退を余儀なくされた。僕にはそれだけの才能があったのに!」
悔しげに、床を踏み鳴らす榮倉。
「こうなればせめて、バレエの指導者として大成したい。それが叶った時にお前が現れて、今回のことを暴露するとか言われると、とても困るんだ。さっきみたく、弱みに付け込んであれこれ要求してくるのが目に見えている。ここで始末するのが、後腐れがないというもんさ」
「だ……黙ってないわよ。か、か……」
「ああ、神原か? あいつは前から気に入らなかった。クラシックバレエ部の部員にも、道理の分からない馬鹿もいてね。僕より神原に、この部の顧問になってほしいとか抜かしてやがるのさ! 奴が僕よりイケメンだからとか、頼りがいがあるとか。バレエの指導能力が肝心なのにな!」
その嫉妬に歪んだ表情を、ユリはヘドが出そうな気分で見やった。
それと同時に、
(こいつ、笠間さんが差し向けたスタンド使いじゃない!? 私が、神原先生のことを言い出したとしか思ってない! 同じ穴のムジナだから、交渉に応じると思ってたのに!)
それに気づいたものの、今はこの場を何とかしなければならない。切っ先はさらに押し込まれ、〈エロティクス〉でいつまでも耐えられないのは見えていた。
(……そうだ!)
追い詰められたユリの脳裏に、閃きが走った。
即座に、〈エロティクス〉の一部を、自分の脛から足先まで包み込んだ。
その足で、半分しゃがんで開いている、〈フィッシュ・ダイヴ〉の股間を蹴り上げた。
「うっ!?」
スタンドが他のスタンドから受けた攻撃は、本体にも影響を与える。予想しない反撃に、榮倉は股間を抑えてうずくまった。しかし、不自然な体勢からの蹴りでは、決定的なダメージとはいかなかった。
しかし、〈フィッシュ・ダイヴ〉の押し込む力も緩んだ。体を横に滑らせて、ユリは必死で逃げつつ立ち上がる。
「甘い!」
ユリの背後の壁には、大鏡があった。〈フィッシュ・ダイヴ〉が駆け寄り、刃を持っていない左腕を大鏡に吸い込ませる。
大鏡から、ユリのすぐ傍に左腕が生えた。ユリの腕が、ブレザー越しに掴まれる。引っ張られたブレザーのボタンが弾け飛び、先にできていた裂け目が大きく開かれ、破れる音が短く鳴った。
ユリは咄嗟に、ブレザーを肩から脱いで、腕から離れるように動いた。ズルッ、とユリの腕がブレザーから滑って抜けた。
〈フィッシュ・ダイブ〉の左腕は、脱がれたブレザーの袖を放り出すと、大鏡に引っ込んだ。
瞬時に、左腕がユリのすぐ背後から出現し、ワイシャツの襟首を掴んで一気に引き寄せた。
ゴン! と音を立て、ユリの後頭部が大鏡にぶつけられる。ワイシャツの胸元のの裂け目が、わずかに大きくなった。
ユリは横目で、〈フィッシュ・ダイヴ〉が左腕を鏡に突っ込んだまま、刃を高く差し上げて、近づいてくるのを見た。逃げるのに夢中で、刃の切っ先を放してしまっていたのだ。
「手こずらせやがって……。だけどここまでだな!」
少し離れた所に立って、勝ち誇る榮倉。
ユリの手にはまだ、ブレザーの袖が握られていた。
「このッ!」
ブレザーの袖を大きく振って、反対側の袖を〈フィッシュ・ダイヴ〉に叩きつけた。
「効くかよ、そんなものが!」
余裕で、〈フィッシュ・ダイヴ〉の刃が袖を受け止める。
が。
受け止めた袖口から、細長く伸ばされた〈エロティクス〉が伸びた。ユリが握っていた袖口から侵入して、反対側の袖口まで伸びていたのだ。ブレザーの中を通して振り込むことで、〈エロティクス〉のスピードのなさを補い、かつ目くらましとしていた。
〈エロティクス〉の先端が伸びる、その先にはゴミ箱。引っかけるようにして、横に跳ね飛ばした。
ゴミ箱が、榮倉の顔面へと飛んだ。
「何!?」
慌てて榮倉は、自分の手でゴミ箱を防ぐ。
その時、ゴミ箱の中から、先ほど榮倉自身が捨てたビニール袋が飛び出した。タバコの吸い殻にまとわりついていた灰が、榮倉の目に入った。
たまらず、目を押さえて呻く榮倉。
ユリは襟元の手を無理やり振り払うと、駆けた。向かうのは、入口とは別の、部屋の隅にある、ガラスのない扉。幸い鍵はかかっておらず、引き開けると中へ滑り込んだ。
だが、中の明かりをつけた時、ユリは蒼白になった。
そこは、更衣室だった。本来窓があったらしいところも、板が打ち付けられていて完全に塞がれている。大小のダンボールが更衣室の隅に置かれ、両側の壁は縦長のロッカーが並んでいた。
「……逃げられると思うか? その部屋には脱出口はないぞ」
涙で目を洗い、どうにか視界を取り戻した榮倉は、ゆっくりとした足取りで更衣室へと向かう。
扉を開けると、床にはバラバラに放り出されたダンボールが山のようになっていた。
そのダンボールをジロリと見やった榮倉は、やがてニヤリと笑った。
「なるほどな。この掃除道具入れのロッカーか。人間一人なら隠れられそうだな……」
ロッカーに手をかけようとして、ピタリとその手が止まった。
「と見せかけてそっちか! 見えてるんだよ馬鹿が!!」
〈フィッシュ・ダイヴ〉が、ダンボールの山に斬りつけた。そこから覗いている、黒髪の頭部目掛けて。
が。
グシャッ、と、大した手ごたえもなく、頭部が潰れた。
いや。黒髪の頭部と思っていたのは、黒いモップのパイル部分だった。小さいダンボールに被せて偽装していたのだ。
勢い良く、掃除道具入れのロッカーが開いた。
「〈エロティクス〉!!」
ユリの声と共に、半透明のスタンドが、榮倉にまとわりつく。
「なっ……う……うあぁぁ、な、なんらこれぇぇぇぇ」
虚を突かれて驚いていた榮倉の声が、すぐに上ずったものに変わっていった。恍惚の表情を浮かべ、床に倒れこみ、仰向けにのたうち回る。すでに〈フィッシュ・ダイヴ〉は消滅していた。
「フェ、フェイントかけるんじゃないわよ! バレたかと思ったじゃない」
助かったことを自覚し、ユリは安堵でへたりこみながら、悪態をついていた。
(だけどこれからどうしよう? 〈エロティクス〉はそんなに離れては使えないし、ここから出ていくために解除すれば、正気に戻っちゃう。そしたらまた襲い掛かってくるし……)
ユリが困り果てていると。
「何? 更衣室開けっ放しじゃない。……え!? 何よこれ!」
入ってきたのは、ユリも顔見知りの、学校きっての女傑で知られる、クラシックバレエ部の部長だった。
ユリは身を震わせたが、女の悪知恵が瞬時に発動した。
「こ、怖かったぁぁっ。先生が、榮倉先生が、無理やりぃぃっ!」
いつでも出せるのが密かな自慢の涙を、ボロボロ流すユリ。部長は、ワイシャツの胸元が裂かれているのに気づくと、顔色を変えた。
傍らで見悶えている榮倉に、部長が視線を移す。〈エロティクス〉は部長には見えないが、その代わりに、ズボンの上からでも分かりやすく変化した、下半身がしっかり見えていた。
部長の悲鳴が、更衣室に響き渡った。
「ったく、そンなわけねーじゃン!」
コーヒーカップをソーサーに叩きつけるように置く遥音の前には、少し困った表情の神原がいた。
「アタシはタバコの匂いが、本ッ当に大嫌いなんだよ! そンなモン、好んで口にするかよ」
「そう怒らないでもらいたいな。ソーサーが割れたらどうするのかね、ショップの方のご迷惑になる」
「アタシだけじゃないよ。京次にしたって、『それで強くなるんなら迷わず吸うけどよ、そうは思えねぇからな。肺活量が落ちそうだしな』って言ってたよ。アイツは怒るっていうより呆れてたよ」
「それは分かった。ただ、天宮くんの身にもなりたまえ。幻とはいえ、目の前で見せられてはな」
「……ま、アイツも平謝りしてたからね。今回は、ラーメンの奢りで勘弁してやった」
ニカッ、と笑って見せる遥音。
「そンでさ。その幻のことだけど。やっぱ、スタンド使いが絡んでるって、センセは思ってるわけ?」
「……可能性は濃厚だ。天宮くんが、榮倉先生からタバコの件を聞かされた次の日に、喫煙の場面の幻を目撃したという。しかも私がいないことが事前に分かっている日にだ。タイミングが良すぎる」
「つまり……榮倉が、スタンド使いだったってこと?」
「そうとは限らない。スタンド使いは別にいた可能性も捨てきれない」
「だけど、榮倉が一枚噛んでたとしか思えないよね? アイツ、どうなるわけ?」
「仮にも自校の教師をアイツ呼ばわりは、いかがなものかね?」
「アイツ呼ばわりでも、まだ気を使ってるつもりだよ! ……ユリの身にもなってみなよ」
さすがに台詞の後半は、遥音も声をひそめた。
「君の気持はよく分かる。私も一瞬呆れ果てたがね」
「一瞬かよ!?」
「冷静に考えると、これまたタイミングが良すぎる。タバコの一件とほぼ同時に起こった事件だ。どちらにも榮倉先生が関係している」
「ってことは……この二つの事件には、関係があるってこと?」
「ただ、どのような関係性なのかが、よく分からない。我々の知らない事実があるとしか思えない。ましてや、キーマンである榮倉先生が、学校から去っていくとあってはな」
「やっぱクビなんだ! ザマアこの上ないね!」
「もう少し声を抑えたまえ。内容が不穏であることだし」
遥音を窘めて、神原は続けた。
「形としては、自主退職だよ。学校としては、今回のことを表沙汰にはしたくない。全国コンクールを目指すクラシックバレエ部に、辞退しろとは言いたくないということだ。何しろ、部員たちには何の落ち度もないのだからな」
「それでいいのかよ? アタシは納得したくないね」
「これは、城田くんの要望でもあるのだよ。大事にしないでくれ、とね。確かに、事が公になれば、彼女に浅からぬ傷がつくのは間違いないからな」
そう言われて、遥音も仕方なさそうに口を噤んだ。
まさか、神経の図太いユリが、学校公認で一週間の休みをもらったのをいいことに、自室のベッドでのんびり寛いでいるなどとは、二人とも想像もしていなかった。
「ただ、今回の件で副産物がなかったわけではない。実は部活動の縮小を念頭に置いた再編が検討されていてね。我が軽音楽部も含めた小規模の部は、廃部の対象になりかけていた」
「何だってぇ!? 冗談じゃないよ!」
「話は最後まで聞きたまえ。しかし、今回のことの後で、再編を執り行えば、生徒たちの動揺が大きくなりかねない。あげくに事件が白日の下に晒されれば、学校の名に傷がつきかねないということで、再編は白紙となった。軽音楽部も存続が決定だ」
「ああ良かった。驚かせるなよなぁ」
「それより、だ」
神原は、姿勢を改めて述べた。
「敵の攻撃は、直接的なものばかりではない。心理攻撃を含めた、搦め手もありえるということだ」
そうした策略を得意とする、笠間の仕掛けであろうと、この時神原は考えていた。
「言いたいことは分かるよ。そっちの方も用心しろ、って言いたいンだろ?」
「うむ。対策としては、やはり互いの絆を強固なものにしていくしかあるまい。普段からコミョニケーションを密にして、互いのことをよく知っておくことだ。そうすれば、隙をついて入り込もうとする者など、寄せ付けるものではない」
「その通りです!! 神原先生!」
突然、横から会話に割り込んできた大声に、神原も遥音も目を丸くした。
そこにいたのは、クラシックバレエ部の部長だった。
「先生、我が部の顧問になるお話、もう聞いておられますか!?」
「あ……打診があったのは確かだよ。しかしだね、私は既に軽音楽部の顧問もやっているし、兼任とは荷が重い。第一、私はバレエの鑑賞経験くらいはあるが、自らやった経験はゼロだ。君たちに技術指導しろと言われても無理だ」
「そちらの方は、別に外部から招聘すればすむことです。ですが、先生方の中からも、顧問をお出しにならないといけないはずですよね?」
「まあ、その通りなんだが……」
「だったら先生にぜひ引き受けていただきたいです! 前から私は、神原先生が顧問にふさわしいと思っていました。いえ先生は、練習に時々顔を出していただければ、それだけで結構です! いえ時々どころか毎日でも! 他の部員たちのモチベーションも大きく上がります!」
「いやあの毎日はさすがに」
「先生もおっしゃてたじゃないですか! コミュニケーションを密にして、絆を強くしていこうと! そうすれば、私たちの間に割り込むものなど、誰もいやしませんッ!」
(分かりやすいにも程があるよなぁ。どンだけ肉食なんだよこの部長さんは)
遥音は、吹き出しそうになるのを必死でこらえていた。