アークナイツRTA『感染者は方舟の仲間と共に』 作:量産型プレイヤー
幼い頃、あたしは誘拐された。
誘拐されたあたしは、腕にバーコードの烙印を刻まれ、一つの『商品』として運ばれた。
運ばれた場所には、あたしの様に誘拐されて『商品』になった人が沢山いて、代表格の男が、あたし達を連れて都市を渡り歩いていた。
各都市を転々と移動して『商品』を売り回っていくうちに『商品』の数はだんだんと減っていくが、私は暫く売れ残った。
売れ残ったあたしに、食事は僅かながら用意されていたが、あたしが売れない事に腹を立てた商人が暴行をして、せっかくの食事も吐いてしまう事がほとんどだった。そんな日が毎日続いた。
カジミエーシュで売られていた時、あたしを買いに来た男がいた。
その人は、私に最低限の生活を与えてくれた。
最初は、この人のおかげであの場所から離れることが出来てうれしかったが、彼は決して善意であたしを助けてくれた訳ではなかった。
男の仲間内で賭け事をしていて、負けた彼が、嫌々売れ残りのあたしを買ったらしい。
男は、あたしをカジミエーシュ騎士訓練所に私を通わせた。その際に、あたしは名前を変えた。訓練所では訓練所の人達はあたしの腕に刻まれた刻印を見て、蔑んだ目でこちらを見てくる。そして口を揃えて、「お前の様な奴が騎士になれる訳がない」と言ってい来る。
騎士を目指すこと以外に選択肢がなかったあたしは、どんなに酷いことを言われても訓練を続けた。
最初の一年間は暴言を吐かれるだけだったので何とか耐えていたが、次第に行為がエスカレートしていき、次第に訓練と称したただの暴力を振るわれた。
訓練所が休みの日は、あの暴力から逃れることができる、あたしにとって唯一の癒しだった。しかし夜になって寝ようとすると、売れ残りの『商品』だった頃と同じような暴力を振るわれる日がやって来ると思うと、涙が止まらなかった。
誰もあたしの事を助けてくれない。誰もあたしの事を褒めてくれない。
誘拐される前のように、お父さんとお母さんと暮らしたい、友達と仲良くおしゃべりしたい、元気に走り回って遊びたい。
誘拐されなければ、この腕に刻まれた刻印さえなければ、あたしは幸せに暮らせたのだろうか?
そんなことを考えているうちに、気がつくと寝ていて、次の日がやって来る。
訓練所が休みの日、気分転換にあたしは、町はずれにある近づいてはいけないとうわさされている森の中を歩いていた。
あたしを引き取った男は、家に帰ってくることは滅多にない。あたしの生活費のお金を家に置きに来る時ぐらいだ。訓練所通っていれば何も言われない。
ただ家で一日を過ごすより、こうして町はずれに足を運ぶのは、思っていたよりも心が安らぐ。訓練の怪我で、移動する時に少し痛いが、それだけの価値がある。
あたしは森の中を進んで行く。
あの時、気分転換であの森に行ったのは幸運だった。
私はその日『彼』と出会った。
「大丈夫ですか?怪我をしているようですけど...」
怪我の応急手当を自分で行ったが、体が痛む中やったため十分な処置が出来なかった。
「十分な処置ができてないようだし、家に効き目が良い傷薬があるから家に来ない?」
彼はあたしを家に招いてくれた。このカジミエーシュに来てから、あたしに対して初めて親切に接してくれた。
彼の家の周りには畑が広がっていて、作物が豊かに育っていた。家に着いた途端、彼はすぐさまあたしの傷の手当てをしてくれた。その際に気が付くとあたしは、自分の事を彼に話していた。初めて優しくしてくれたからなのか、自然と口が動いていた。
「そう...君はすごいね!どんなに酷いことをされても、騎士になる事を諦めない...俺にはできないよ」
彼はあたしを褒めてくれた。奴隷の身分だったあたしが騎士を目指す事に文句を言わなかった。
「よしよし、今まで頑張ってて偉かったね」
そう言いながら彼は、あたしの頭を撫でていた。誘拐される前にお父さんとお母さんがしてくれたように、優しく撫でてくれた彼の手のぬくもりを感じていると自然と、涙が出ていた。寝る前に流していた涙と違う、嬉しくて流す涙。咄嗟に彼に抱き着いてしまった。
最初は慌てていた彼だったが、あたしを慰めようと背中をさすってくれた。それがとても心地よく、泣きつかれてしまったせいか、彼に抱きしめられながら少し寝てしまった。
起きてから、自分が何をしてしまったのか気づいて彼に謝ったが、彼は怒ることなく、あたしを泣かせてしまったと逆に謝って来た。それからは、自分が悪いとお互いに主張し合い譲らず、そんな言い合いが少し続いた。次第に二人とも笑っていた。
夕方になって家に帰る前に、彼の名前を聞いていないことに気が付いたあたしは、改めて彼の名前を聞いた。ロストっていうのね...ロスト...ロスト...ええ!覚えたわ。
「ロスト...またあたしがここに来ても...いいかしら?」
そう言うと彼は、笑顔で「良いよ!」と笑顔で答えてくれた。
返事を貰って、彼と別れを告げて家に帰った。いつもはベッドに入って寝ようとすると泣いてしまっていたが、今日は違った。また休みの日、彼にあうために頑張ろうと決意して寝ていた。この日はいつもよりぐっすりと寝ることができた。
ロストと出会ってから、あたしはどんな酷いことをされても我慢することができた。休みの日になれば、彼が褒めてくれると思うと自然とやる気が出た。最初のうちはそれで満足出来たが、次第にもっと彼に会いたいと思うようになってしまった。家にほとんど一人でいるあたしは、彼の家に泊まれないか頼んでみた。ロストは嫌な顔一つせず許可してくれた。
訓練の日は、休みの日はロストに料理を教わったり、一緒に遊んだ後は、一緒に寝て一日が終わる生活はとても充実していた。...寝る時彼に抱き着いて寝ているのだけれど、ロストからはいいにおいがする。それに、彼の胸に顔をうずめると必ず頭をなでてくれるので幸せだ。
ある日、訓練所の訓練が午前で終わるので、お昼からロストと遊ぶ約束をした。その日の訓練は、その約束のことだけで頭がいっぱいだった。訓練が終われば、急いでロストの家に向かう。
家に着いたあたしは、彼の家の戸をたたいた...しかし返事がない。畑にいるのだろうか?確認しに行ったが、ロストの姿は見えない。
不安になったあたしは、家から少し遠く離れた場所を探した。暫く探し回って、遠くにロストの姿が見えた。彼に駆け寄ろうとした時、彼に近づく人物がいた。軽装備を身につけた男と、白衣を身につけた男がの二人組だ。
軽装備の男が彼を抑えようとして必死になっていた。ロストも負けじと抵抗するが、しびれを切らしたのか軽装備の男が、彼の頭を身に着けていた装備の柄で頭を殴打した。
殴られて悶えた隙に、白衣の男がロストに注射を打つと、その後彼はぐったりして動かなくなった。二人は近くに車を用意していて、彼を乗せてこの場を去っていった...。
その光景を、あたしはただ見ていることしか出来なかった。またあの時のように誘拐されてしまうのではないかと思うと、足がすくんで動くことが出来なかった。
車が去って、ようやく動けるようになったあたしは、助けを求めようとした。丁度あたしを買った男が家に帰って来ている。今のあたしが頼れるのは彼しかいなかった。男の家に急いで向かう。
家に着いて、早速男には事情を説明すると、彼は目を見開いた。
「それは本当か!?」
この反応を見て、あたしは男が彼を助けてくれると思った。
「よくやった!これであの土地はオレのもんだ!」
「...え?」
違った。男はむしろロストがいなくなった事に歓喜していた。
どうして
「あそこには感染者の拾い子が居て近づきたくなかったんだ。どうせあの子供も感染者だろうし、移されたらたまったもんじゃない」
なんで
「そうと分かれば早くしないとな。他の奴にバレる前に手に入れなければ」
あたしは家を飛び出し、彼の住んでいたあの家に向かった。
彼の家の中に入ると、一つの箱が置いてあった。気になったあたしは、その箱を開けて中身を確認した。
中にはブレスレットと一つの手紙が入っていた。
いつも一緒に居てくれてありがとう。
これはいつものお礼として受け取ってくれると嬉しいな。
訓練所の事、俺は応急手当しか出来なくてごめんね。
俺は騎士になるのを応援しているよ。
これからもよろしくね。
あたしはまた、前のように一人泣いていた。
お ま た せ
(カジミエーシュ騎士の設定が分から)ないです。だから作者が考えた設定なので修正する可能性があるゾ。
ロスモンティスとマドロックの為に石をためていたけど、ブレミシャインに股間センサーが反応して70連回しました。結果は...ナオキです(星6演出来たと思ったらシュヴァルツとヘラグが同時に来た)
次回も曇らせ展開です。
アイデアは現在も絶賛募集中なので、気軽にぶち込んでください!何でもしますから!