アークナイツRTA『感染者は方舟の仲間と共に』 作:量産型プレイヤー
初めて会った時、私は彼を少し変わっている子だと思っていた。
イフリータは、初めて会う子達に高圧的な態度をとってしまう...大体は彼女に怯えてしまうか反発してしまい、それに加えサルカズ種という理由だけでは皆彼女を毛嫌いしてきた。その為イフリータはいつも一人だった。
ある日のこと、イフリータの部屋に一人の少年がやって来た。
「ん?お前が新しく来たって奴か?随分とヒョロそうなやつだな」
「初対面の人に失礼よ、イフリータ。こんにちは、私はサイレンス。この子の主治医を担当しているわ。ほら、イフリータも彼に挨拶しなさい」
イフリータが新しく来た子を悪く言って、私が注意しながら彼女に挨拶をするように促す、毎度のように繰り返してきた流れだ。
「わかったわかった、おいお前!オレサマはイフリータだ!このオレサマが名乗ってやったんだ、お前も名乗れ!」
「こんにちはイフリータ!俺はロストって言うんだ、よろしくね!」
「おいロスト!オレサマが先にこの部屋住んでたんだから、後から来たお前はオレ様の命令には絶対に従えよな?」
イフリータが無茶苦茶な事を言ってしまう。大体の子はこの時点で文句を言うか、渋々といった感じに受け入れてしまうが...
「別にいいよー!」
彼はどうやら、その大体の子ではなかったようだ...
「お!お前は随分素直でいいやつだな!気にいった!今日からおれの下僕だな!」
...まさか初対面の人相手に、いきなり奴隷宣言には驚いてしまった。
「…ごめんなさいロスト、この子がわがままいって…」
流石に今の発言に彼も怒っているのではないだろうか、そんなことを思いながら一言詫びを述べていると
「そんなことないですよ。彼女ぐらいの年齢ならこれぐらいわがままなほうがが丁度いいと思うんですけど?」
「!?…そんなことを言ってくれたのは貴方が初めてね。これからイフリータと仲良くしてくれる?」
こんな変わっている子は初めてだった...だからこそ、彼なら彼女と仲良くしてくれると感じた。
「サイレンス!こいつじゃなくて、オレサマが仲良くしてやるんだぞ!」
「うふふ、そうね、ロストと仲良くしてあげてね」
「あったりまえだろ?なんたってこのイフリータ様が直々に仲良くしてやるんだ、感謝しろよ?」
イフリータの表情が、少し嬉しそうに見えた、...
「そろそろ他の仕事の時間ね…またね、イフリータ、ロスト」
二人の様子を見ていたいが、もうすぐ仕事の時間だ。私は2人後に、部屋を出た。
※次の日..
昨日、あの胡散臭い所長に、イフリータのメディカルチェックにロストも加える指示を伝えられた。
あの所長は、ハッキリ言って嫌いだ。人を馬鹿にしたような喋り方をしてるし、私の事をちゃん付で呼んでくる。
それに奴は、何か怪しい計画を企てているように感じるのだ。勿論確証はないが、前所長の様に、イフリータに手を出してこないように注意しておこう。
そう考えながら私は、二人が待つ部屋に入った。
「おはよう二人とも、今日の体調はどうかしら?」
「おはようサイレンス、オレサマは元気だぜ!」
「俺も元気ですよ!」
どうやら二人共元気そうで少し安心した。それに昨日と比べて、少し仲良くなった様に感じる、このままずっと仲良くしてくれるといいなぁ・・・
※10日後..
あの胡散臭い所長だが、どうやら怪しそうな動きはしていなさそうだ。イフリータは私の診察などを受けるだけで、他の職員が何か施す際は私が同行している。ロストのほうも診察などで済んでいるそうで、あの所長は見た目や言動はあれだが、少しはまともなのだろう。
そう思っていたが、二人の部屋にあいつが居たのを見て、私は焦ってしまった。
やはりあいつは信用ならない、きっと部屋に来ていたのは、二人を実験に使うつもりだろうと、根拠もなしにあいつに強く当たってしまった。
「あなたみたいな、いつもヘラヘラした態度の人を信用できる訳ないでしょう!」
「やあロスト君!すまないが彼女を説得してくれないかい?僕は勝手なことをしていないって!」
どうやらロストは今起きたようで、あいつから説得するように懇願されたようだ...
「サイレンスさん大丈夫だって落ち着いて、別に無理矢理変なことはされてないからさ。それに、これから自由時間が貰えるって昨日言ってたんで、そのことについて話しに来たんだと思いますよ。...後、イフリータのお陰で変なことはできませんよ」」
「そうだぞサイレンス、オレさまがビビらせてやったから、何も変な事できねーんだぜ!すごいだろ!」
「...2人がそう言うなら信じましょう。でもあなたは信用していないですからね」
「ひどいな~サイレンスちゃんは。大丈夫だって!僕は無理矢理行う手術とかは絶対しないさ、そうだろ?ロスト君」
やっぱりこいつは信用出来ない奴だが、二人は何もされていないようなので、渋々納得して私は部屋を出た。
※暫く経ったある日..
私は困惑していた。
知らない間に研究所の資金が増えていたようで、施設を増築したついでに二人の生活している部屋も改装され、やっと殺風景だった部屋が普通になった...。
食事もゼリー状の物ではなくなり、やっと二人は普通の部屋と食事を得ることが出来たので、私はとても嬉しかった。
「スゲーぜサイレンス!机に本棚、娯楽道具があるし、ベッドが豪華になってるぜ!」
「うふふ、そうね。きっとイフリータとロストがいい子にしていたからかもね」
きっとそうだ、二人共問題を起こさなかったからだろう。そう思いながら二人を眺めていると、聞き覚えのある声を聴いて後ろを振り返った。すると...
「「やっほ~イフちゃん、遊びに来たよ!」」
マゼランとメイヤーの二人がいた。彼女達は任務で少し離れていて、最近帰ってきたらしい。
「その子がイフちゃんが言ってた新しい男の子?あたしはマゼラン!よろしくね!」
「私はメイヤー、よろしく!足元にいるのこの子は、あたしの作ったミーボ達だよ!」
メイヤーの足元には、沢山のミーボたちがいた。
二人が挨拶をすると、ロストの頭をなでていた。
「あっ!二人共、ロストにあんまりべたべたするな!こいつはオレ様の相棒なんだぞ!」
「あっそんなぁ、まだ撫でたいのに!もしかしてイフちゃん嫉妬してるの?かわいいなあ」
「マゼラン?そんなからかっちゃ駄目だよ。ねえロスト君!私のミーボどう?かわいいでしょ!」
最初は奴隷とひどかったイフリータも、今では彼を相棒と呼ぶくらい仲が良い。彼と会ってからイフリータは随分と変わったようで、マゼランとメイヤーの2人に彼を独占されまいと、二人から引き離すなどの嫉妬心も覚えたようだ...
ロストが来てから、イフリータは良い意味で変わっていた。前まではそんな余裕は無かっただろう。
「それにしても、いきなり研究が増えたのはなんでだろう?ここの研究所は大きいけど、そこまで利益が出るもなんてあったかなあ」
「そんなに深く考えなくてもいいでしょ。私は資金が増えたおかげで、新作のミーボを作れるようになったんだからさ!」
「そうね。確かにいきなり資金が増えたのは怪しいけど、二人の待遇が良くなったから、上層部には一応感謝しないと」
確かに不思議だ。上層部やあの所長がこんな事をしそうにないが、実際に目の前の光景を見ると、その評価を改めざるを得ない。
その後は、サリアやフィリオプシスが、ロストに会ったりして暫く経った。
ある日のこと...
「なあサイレンス、せっかくロストと仲良くなってよ?あいつだけサイレンスの作ったアクセサリーを持ってないのはなんか仲間外れ嫌だからよぉ...そっその、お願いだサイレンス!あいつにも作ってやってくれねーか?」
少し恥ずかしそうに頬を赤らめながら、イフリータは伝えてきた。
「そうね、イフリータからのお願いだし、私もそろそろプレゼントしようと思っていたところよ」
「!?ほんとか?サンキューサイレンス!」
イフリータをここまで明るくしてくれた彼への、私ができる最大限のお礼だ。
しかし今日は、彼が私が来るより先に診察に行ってしまったようで、渡す事ができなかった。
「彼が戻ってきたら、一緒に渡しましょう?」
そう言って、イフリータと一緒に、彼が来るのを待っていた。
そして...
凄まじい轟音と共に、彼は帰らぬ人になってしまった。
そして私の、絶望と後悔の始まりの音だ。
UA7000超えたので初投稿です。語録挟んでいないお話書くのすっげえキツかったゾ~
6話の誤字報告してくれた、葛の葉キョウジさん、minotaurosさん、ありがとナス!
鬱展開の下地みたいな感じですが、こんな感じでいいんですかね?曇らせ展開初心者なんで、皆さんのご満足いただける曇らせ展開じゃないかも知れませんがお兄さん許して。
ローグライクのイベント、普通の難易度でも結構きつくないっすか?私にはドクター力が足りないようだ...
ユーネクテスことズゥママピックの初回10連で、☆6枠が3つ出て一つはユーネクテスで、他はすり抜けだと思ったら全員ユーネクテスでした(白目)...ピックアップ仕事しすぎ...どうせならWの時に仕事しろ(270連でウィーディ4人、W一人の順番で来た)何ならマドロックの時仕事してくれ。
証拠画像は後で貼れたら貼るので暫しお待ちを...
ロスト君のプロフィールは...
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(需要)ありますねぇ!
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(需要)ないです