アークナイツRTA『感染者は方舟の仲間と共に』   作:量産型プレイヤー

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彼を救えなかった


隠された真実は、彼の消失と共にやって来る

凄まじい轟音と共に、施設全体が響くように揺れた。

 

警報機が慌ただしく鳴り響く。

 

「イフリータ!そこで少し待っていて!」

 

私はそう言って、部屋を出た。何が起こったのか確認する為に管制室へ向かう。

 

管制室に近づくにつれて、通路を慌ただしく通る人が増えていくが、気にせず走り管制室についた。

 

中に入ると、数十人の職員と所長が切羽詰まった様子でいた。

 

「所長!何があったんです!」

 

「サイレンスちゃんかい!?どうやらIv5の研究室で爆発が起こったみたいなんだ。今消火班が駆けつけているから、そこまで慌てなくても済みそうだ」

 

                                                                                                Iv5研究室...そこなら私やイフリータ達の部屋が遠いからひとまずは大丈夫そうだ。

 

「何で爆発が起きたんですか?」

 

問題がないことを確認した私は疑問に思った。

 

「どうやら源石を使用した実験をしていたんだが失敗した...幸いにも職員の死傷者が出なかったようだけどね」

 

怪我人がいないなら私の仕事はなさそうだ。イフリータの部屋に戻ってロストを待とう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、彼は帰って来なかった。

 


 

 

 

 

 

 

次の日、私はイフリータを連れて管制室に向かった。ロストが戻らないことについて問い詰める予定だ。ホントは一人で向かいたかったけど、イフリータもついて行きたいと言っていたので渋々連れていく。こうして同伴者がいるなら部屋を出れるようになったのは、彼が気を聞かせてあの所長に伝えてくれたおかげだ。

 

管制室に向かうとそこには、サリアとマゼラン、メイヤーがいた。

 

「三人とも何か用事?」

 

「...うん。少し所長に聞きたいことがあって...」

 

「...あたしもメイヤーと同じ様に聞きたいことがあって...」

 

「...私は昨日の爆発についてだ」

 

「お、おい!どうして三人共暗い顔してんだよ!」

 

イフリータのいう通り、三人共表情が良くない...何か嫌な予感がする。

 

「イフリータ、ごめんなさい。...少しここで待っててね」

 

「なんでだよサイレンス!オレサマだけ仲間外れかよ!」

 

「少しだけだから、お願い」

 

「...しゃーねーな!あんまり文句を言うとロストに怒られちまうからな!その代わり、なるべく早めにしてくれよ?」

 

「ありがとうイフリータ。・・・三人とも行きましょう」

 

私たちは管制室に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ四人とも...何か用かい?...」

 

中にいた所長は、いつもの様なニヤニヤした態度ではなく、どこか悲しんだ表情をしていた。

 

私が声を出す前に、サリアが話し始めた。

 

 

「Iv5研究室で何をやっていた?」

 

「あれ、言わなかったかい?あそこでは源石の「それを聞いているのではない」...」じゃあなんだい?」

 

「あの部屋にロストが入っていくのを見たぞ...お前たちは、ロストで一体何をしていたんだ?」

 

私は、サリアが言った事が信じられなかった。

 

続けてメイヤーとマゼランが

 

「あの増設した際に作った保管庫にあった大量の臓器は何なんですか!」

 

臓器?...どういうことなんだ。

 

このままここに居ては必ず後悔すると、私の中で警報がなっている。それでも私はこの場にとどまり、所長に尋ねた。

 

「あの子は...ロストは何処にいるんですか...」

 

「...はは、アハハ!どうやら隠し通るのはここまでのようだねぇ!それじゃあ話そうじゃないか、彼の、いや、ロスト君についてをさ!」

 

所長は、いきなり笑うと思うとそう告げた。

 

「彼に、ロストに何をしたの!!」

 

「いやー僕もまさかこうなるなんて!彼なら耐えられると思っていたが、惜しいことをしちゃったな~。というか、君たち気が付かなかったのかい?彼が凄い演技派だったのか、あるいは君たちの勘が悪かったのかな?」

 

所長が、いや奴が、いつもの人を馬鹿にするような口調で話し続ける。

 

「彼は死んじゃったよ~、源石の暴走でね。源石を肉体に埋め込みすぎちゃったのかな?」

 

その言葉を聞いて、私は頭が真っ白になった。

 

「あなたはやはり、無理矢理ロストに手術をしたんですね!!」

 

「ん?ちょっと待ってくれないかい?勘違いしないでくれないかいサイレンスちゃん~。手術は合意の上で行ったんだよ?本人の許可を得ているんだから、彼をどうしようが問題ないんじゃないかい?」

 

合意?口約束で無理矢理しただけで守るつもりなんてあいつにはない。それに、

 

「だからって非人道的な行為をするんですか!ロストの臓器を売ってお金儲けして、あなたに人の心はないんですか!」

 

「おいおい、君たちだってそのお金を使ったじゃないか」

 

何のことだ。私はそんなお金なんて使ってないはずだ。

 

「君たちの給料と研究資金、彼が来てからしばらくして増えてたよね...君たちはそのお金を好きに使っていたじゃないか」

 

「サイレンスちゃんはイフリータちゃんの為に、マゼランちゃんとメイヤーちゃんはドローンとミーボの新型開発に...サリアちゃんはちょっとわからなかったけど、君たちはその非人道的行為によって生じたお金を少なからず使っているんだよ?僕だけ仲間外れなんてひどいじゃないか~」

 

「ッ!!貴様!!どこまで外道に身を落とせば気が済むんだ!」

 

サリアがあいつに、鬼のような形相で問い詰めた。

 

「外道?じゃあ君たちは真剣に彼と向き合っていたのかい?」

 

「君たちはイフリータちゃんを守ろうとするばかりで、彼を見捨てていたんじゃあないのかい?」

 

そんなはずはない。私たちは彼とイフリータを守ろうとしていたんだ。

 

「僕の前任がやらかした事に対して警戒するのはいいけどさ、ロスト君もイフリータちゃんと同じ立場なのに、なんでイフリータちゃんだけ過保護になるんだい?彼のことはどうでもよかったんじゃないのかい?無関係だったら見捨てる様な君たちも、僕と同じ外道なんじゃないかい?ハハハ!」

 

「この外道がッ!!」

 

「メイヤーちゃん!?」

 

メイヤーがあいつに殴りかかろうとして、マゼランに止められた。

 

「お前のせいでロストが!お前のせいで!...」

 

「僕が殺したんじゃなくて、僕たちが殺したんだろ?確かに彼が死んじゃったのはみんな悲しいさ、せっかく順調だった計画がこれで白紙さ...そりゃあみんな悲しむだろうね」

 

「お、おい...ロストが死んだって...う、噓だよな?」

 

気が付くと、イフリータが部屋に入って来ていた

 

「イフリータ!なんで入ってきちゃったの!?」

 

「おい白衣ヤロー、ロストが死んだって...嘘だろ?噓なんだろ!?」

 

「嘘じゃないってば、彼は死んじゃったよ~君の身代わりになってね」

 

身代わり?イフリータの?なんで彼が...

 

「いやー人間の決意に満ちた時に起こす行動ってのはすごいね!人間ドラマみたいで良かったね~。おかげでしあわせに過ごせただろ?

 

 

 

 

 

 

 

ロスト君以外はさ?」

 

 

 

 

 

「嘘だ!!」

 

イフリータが叫ぶ。

 

「だってあいつはオレサマが守ってやったんだ、そんなことあるわけ「そんなわけがあるだよイフリータちゃん!」」

 

「だって君は、口だけでしか行動出来なかった臆病者じゃないか!何を勘違いしているんだい?」

 

「違う!!オレサマはちゃんとあいつを「あんなので守っているつもりだったのかい?」え?」

 

「彼は君の代わりに手術を受けて、痛みに耐えていたんだよ?わかるかい?」

 

もうやめて。

 

「君はそれと同じ位の行動をして、彼を守ってあげたかい?」

 

イフリータを追い詰めないで。

 

「だ、だったらショーコを見せてみろよ!じゃなきゃオレサマは信じ「ちゃんとあるに決まってるじゃないか」」

 

彼の手には、少し大きめのデータ媒体が保存されている装置があった。

 

「これをデータ管理室の機材に接続して、確かめてみるといい」

 

「...ッ!!」

 

イフリータは少しためらった後、あいつの持っていた装置を分捕って、部屋から慌ただしく出ていった。

 

「待ってイフリータ!」

 

「三人共後を追うぞ!」

 

「イフちゃん待って」

 

慌てて私たちは、やつのいる部屋から出て、イフリータの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

データ管理室にたどり着いた私たちだったが、少し遅かったようでイフリータが機械に装置を接続し終えていた。

 

「ダメ!イフリータ!」

 

その声掛けも虚しく、機械に取り付けられていたモニターに映像が映る。そしてここにいる全員がその画面に注目してしまう。そこには...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の身体に行われた行為の記録が映し出されていた。

 

最初に映し出されたのは、彼の身体を写した写真だ。その写真に異常は無かった。

 

気が付くと私達は全員モニターの前に居て、次の画面に切り替えようとしていた。

 

次に進むと変化があった。

 

彼の背中に、源石が一つ埋め込まれていた。

 

次に進むと、また一つ埋め込まれていた。

 

その次も

 

またその次も

 

10回ほど進んだ途端、また変化があった。

 

今度は腕だ。右前腕に埋めまれていた。

 

右前腕に幾つか埋め込んだら、次は上腕だ。

 

それが済んだ後は、右腕と同様に左腕に源石が埋め込まれていた。

 

その次は足だ。こちらも両足埋め込まれていた。

 

「これが...ライン生命のやることなのか!」

 

サリアの言う通りだ。こんなことが出来るのは人間なんかじゃない。

 

「...これは」

 

一つの映像が保存されている事に気が付き、私はそれを開いた、そして開いたのを後悔した...だってそれは...

 

 

「凄いぞこいつ!摘出した部位から生えてきやがる!」

 

「ッッッ!?!?!?!?!?」

 

彼の内臓を取り出している映像だった

 

「けほっ、けほっ!!け..うおぇ..」

 

「イフリータ!?」

 

あまりの光景に、イフリータが吐き出してしまった。

 

当然だ、こんな映像を見てしまえば普通はみんなそうなる。私も込み上げてきた胃液が鼻に回って苦しい。マゼランもメイヤーも苦しそうだ。

 

「これが...ライン生命なの!?」

 

私は何も出来ていなかった。

 

やっと手に入れたと思っていた幸せは、彼が身を削って手に入れていたものだった。

 

イフリータと私達の幸せの中に、彼は入っていなかった。

 

本来守られる立場である彼に、私達は守られていた。

 

私は...私は...

 

 

「...少し聞いてくれ」

 

サリアが話し始めた。

 

「ロストにこの前、みんなでこの箱を開けてくれと頼まれていたんだ」

 

それは少し大きめの箱だった。

 

私達はその箱を開け、中身を確認する。

 

 

 

 

中には、私達を模しているであろうモニュメントのついたネックレスと、一通の手紙が入っていた。

 

 

 

 

ライン生命のみんなへ

 

この手紙を読んでいるということは、僕はいないと思います。

 

皆さんにとてもお世話になった僕は、少しでも恩を返したかったので、このネックレスを送りたいと思います。

 

僕が居なくなった後、きっとイフリータは寂しがると思うので、みんなで慰めてあげてください。

 

また会える日を待っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は...彼に何もしてあげれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リーベリの羽根のアクセサリー」

 

 

とあるリーベリの女性とサルカズの少女が、ある少年のために作ったもの。

 

その名前とは裏腹に、あるいはその名を体現するが如く、今でも彼女らの心は、昏く空虚な喪失の中に囚われているのだ……。

 

――宿舎に飾れば、雰囲気を良くする。

 

 

緋彩鳥さんが感想欄で書いて下さいました。

 

 




曇らせ展開が書けないので初投稿です。

緋彩鳥さんがアイテムの解説文を書いてくれていました。ありがとナス!

こんな感じのアイテム説明が思い付く頭が欲しいゾ。だから読者様方!至急解説文のアイデアくれや(乞食)具体的にはロスト君が用意したネックレスです...

曇らせは...ナオキです...曇らせエリートである、読者の皆さんの満足いくようなお話が書けなくてすいません...これが精一杯なんです...。

後、来週忙しくて更新遅れそうですねぇ!お兄さん(読者の皆さん)許して…

ローグライクの難易度、しっかりがやっとクリアできたゾ^~でもきびしくは、駄目みたいですね(諦観)これ無理ゾ

ガチャの画像貼ろうと思ったら、大きすぎて駄目でした・・・自慢...したかったな...初回十連でズゥママ三体引いたやつ...

追記

活動報告ニテアイデア求ム

ロスト君のプロフィールは...

  • (需要)ありますねぇ!
  • (需要)ないです

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