あの輝きを確かめにいこう   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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はい、というわけでBLEACHの更新があるにも関わらず新作に手を出す馬鹿が私です。

BUMP OF CHICKENのポケモンの歌聴きました?あれ神曲っすよね。あれを聞いた瞬間この作品を書こうと思いました。

ポケモンに少しでも触れたことのある人は必ず感動する神曲だから是非聞いてくれ


チャンピオンの弟、ガラルに発つ

シンオウ地方、カンナギタウンのとある一軒家は朝から荒れていた。

 

 

「そこをどけガブリアス、ミロカロスも離せ。ロズレイド、俺は姉さんにキツいのを一発食らわせないといけないんだ……………わかってくれ」

 

 

扉にはシロナの部屋と書かれた表札がかけられている。青年は部屋の主であるシロナを守ろうと必死に青年を止めようとする。

 

 

「オラァ‼︎さっさと起きろクソ姉ェ‼︎ゴヨウさん達に迷惑かけてんじゃねぇぞ‼︎」

 

 

「ふぁ〜、おはようクロト。今何時?」

 

 

「もう9時だよ、いつまで寝てんだよ」

 

 

「はぁ⁉︎9時⁉︎なんで起こしてくれなかったのよ‼︎」

 

 

「俺が何回起こそうとしたと思ってんだよ‼︎俺が起こそうとする度にポケモン出して二度寝三度寝決めやがって‼︎」

 

 

「それでもちゃんと起こすのがクロトの役目でしょ‼︎」

 

 

2人の言い争いが劇化していく中、シロナのポケモンはどうすればいいのか分からずオロオロしていた。

 

 

「それはそれとして、クロト。アナタ用意は出来てるの?」

 

 

「荷造りはもう終わってるけど」

 

 

「そうじゃなくて、心の話。シンオウ考古学の権威の助手として、チャンピオンの弟として他の地方に行く事の覚悟の事よ」

 

 

クロトの姉であるシロナはシンオウ地方において無二の人物である。考古学者として学会で最も発言力があり、ポケモントレーナーとしてはシンオウ地方最強の証であるポケモンリーグのチャンピオンなのだ。

 

幼くして今の地位を築き上げたシロナと弟のクロトは長い間比較されてきた。

 

考古学の分野では助手という立場に落ち着いたが、ポケモントレーナーとしては周囲からの比較と重圧によってチャンピオンに挑めず挫折している。

 

クロトのポケモンリーグ初挑戦から10年近くの時が過ぎた今、遠く離れたガラル地方から招待状が届いたのだ。

 

ガラル最強のチャンピオンダンデ、10連続防衛記念にエキシビションマッチとして参加しないかといった旨の招待状。

 

この招待状はシロナに充てられたものだが、シロナはガラルにいる知人の伝を使いクロトを特別枠としてガラルのポケモンリーグに推薦した。

 

チャンピオンシロナとしての伝を使ったうえでの覚悟を聞いたのだ。

 

 

「あぁ、大丈夫だよ。俺は俺だし、姉さんは姉さんだ。それにまた折れたらこいつらに申し訳がたたないよ」

 

 

そう言いながら腰にセットされたボールに軽く触れる。天才と言われた姉に負けないようがむしゃらにシンオウを駆け抜けたクロトの仲間達。

 

 

「俺はガラルでチャンピオンに挑む。それで過去の自分にケリをつける」

 

 

シンオウリーグでのクロトの挫折はポケモン達にとっても苦い思い出だ。自分達の力が足らなかったばかりに主人であるクロトの助けになれなかった。

 

これはクロトにとっても過去の自分を払拭出来るチャンスだがクロトのポケモン達にとっても同じなのだ。

 

今度こそ一緒に、頂点に立ってみせる。そう心に誓ったポケモン達とクロトだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コトブキシティの外れにある空港。シンオウポケモンリーグが用意したプライベートジェットが用意されていた。

 

 

「私もジムチャレンジの後半にはそっちに行けるから。ちゃんと勝ち上がりなさいよ」

 

 

「そう簡単に負けるつもりは無いよ」

 

 

「そう、じゃあ貴方のその覚悟が本物かどうか確かめてあげる」

 

 

そう言いながらシロナは自身の腰にセットされているボールを手に取る。

 

 

「スケジュール押してるんじゃないのかよ…………それにガラルの担当の人を待たせる事になるだろ」

 

 

「一対一ならそんな時間もかからないでしょ?それに多少のロスなら向こうだって承知してるわよ。スケジュールってのは大体余裕を持たせて作るものなよ」

 

 

「流石、シンオウ駄目な大人ランキング3年連続一位の女は言うことが違うな」

 

 

「何よ、そのふざけたランキング⁉︎もう怒ったわ‼︎ガブリアス、あの生意気なクソガキに一発くらわしてやりなさい‼︎」

 

 

「グラァッ‼︎」

 

シロナが繰り出したのはシロナのパーティーの絶対的エース、ガブリアス。育成が難しいが強いポケモンが多いと言われるドラゴンタイプの中で最強とも言われているポケモン。

 

 

「行け、バクフーン‼︎」

 

 

「ガァッ‼︎」

 

それに対してクロトが繰り出したのはジョウト地方に生息するほのおタイプのポケモンで初心者向けとされるヒノアラシの最終進化、バクフーン。

 

クロトが初めて手にしたポケモンだ。

 

 

「バクフーン、ガブリアスと距離を詰めろ‼︎つるぎのまいは絶対にさせるな‼︎」

 

 

クロトの指示を受けたバクフーンがスピードを上げ、ガブリアスへと突っ込む。しかし、シロナのガブリアスは慌てる様子を見せない。

 

 

「ガブリアス、じしんよ」

 

 

「グララァッ‼︎」

 

 

「跳んで避けろ‼︎」

 

 

ガブリアスが放ったじしんを避ける為、バクフーンは大きくジャンプする。

 

 

「空中じゃバクフーンの機動力は活かせないわよ。ガブリアス、着地のタイミングを狙ってストーンエッジ」

 

 

「グラァッ‼︎」

 

 

バクフーンが着地しようとした瞬間、剣を思わせるような大岩が地面から現れた。

 

 

「今だ‼︎フレアドライブ‼︎」

 

 

「ガァッ‼︎」

 

現れたストーンエッジの切先を足場としてフレアドライブを放つバクフーン。

 

いわタイプの技は威力こそ高いが命中率自体はそこまで高くない。それは技の起こりが他のタイプと比べて見てもわかりやすいからだ。

 

トレーナーの指示とポケモンの熟練具合では避けることは容易だ。しかし、シンオウ最強のシロナのパートナーが放ついわ技は起こりが速く、そして強い。

 

少しでもタイミングを間違えれば大ダメージを負っていただろう。

 

 

「そういうリスキーな事は教えた覚えは無いわよ‼︎アイアンヘッドで迎撃なさい‼︎」

 

 

「グラァッ‼︎」

 

 

全身に炎を纏ったバクフーンがガブリアスへと突っ込むがガブリアスは頭部にエネルギーを集中させて放つアイアンヘッドで迎え撃つ。

 

ガブリアスとバクフーンがぶつかり合うがバクフーンはやや押されている。

 

 

「ガァッ……………」

 

 

フレアドライブは強力な技ではあるが反動があるのだ。その反動によりガブリアスに押し負けてしまったのだ。

 

 

「落ち着けよバクフーン、冷静にガブリアスとの距離を詰めろ。ゼロ距離ならじしんもストーンエッジも来ない‼︎」

 

 

「受け立ちなさいガブリアス、接近戦で貴方に勝てるポケモンはいないわ」

 

 

ガブリアスとバクフーンは手を伸ばせば当たるような接近戦を繰り広げる。

 

ガブリアスは足を止めかわらわりを放つ。真正面からガブリアスと殴り合える程の耐久力と力はバクフーンにはない。近距離で脚を動かしながらスピードを乗せながらかわらわりを放つ。

 

 

「どうするの?このままじゃジリ貧よ」

 

 

「虎穴に入らずんばなんとやらってね。これだけ近付いてたら避ける事は出来ねぇよな。バクフーン‼︎ブラストバーン‼︎」

 

 

「ガァァァァッッッ‼︎」

 

 

ゼロ距離から放つほのおタイプ最強の技。普段のバトルで使うことはほぼ無いが相手は百戦錬磨のガブリアス。パワーもスピードもガブリアスに勝てない状態でバクフーンが勝つにはこの手しか無かった。

 

 

「なるほど、もうかを狙っての撃ち合いって訳ね。耐えなさい、ガブリアス‼︎」

 

 

バクフーンの特性は体力が少なく慣ればなるほど火力を増すもうか。ゼロ距離でのほのおタイプ最強技をより威力が乗った状態で放つのだ。

 

 

 

「グラァッ‼︎」

 

 

「ガァァァァッッッ‼︎」

 

 

火山の大噴火を思わせるような火柱が上がり、小規模ではあるが爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、バクフーンの傷は治してあげたから後の細かい治療は機内にいるジョーイさんに頼みなさい」

 

 

「それで…………俺の覚悟ってのは確かめれたか?」

 

 

「まぁ、今の感じならガラルでもそれなりに戦えるわ。それじゃ、私はもう行くわ。取材があるから」

 

 

「ガブリアスは回復させなくて良いのかよ」

 

 

「今日はバトルの予定は無いから。後でゆっくり治療するわ。それじゃ、頑張りなさいよ。私が行くまでまで負けたら許さないから。いってらっしゃい」

 

 

「あぁ、行ってきます」

 

 

手をひらひらと振って飛行機から離れるシロナ。迎えに来ていたひこうポケモンタクシーに乗ると飛行場から離れていった。

 

 

「それじゃ、行くかガラル」

 

 

クロトの決意に満ちた言葉に呼応したのか腰にセットされたボールが小さく揺れた。




優秀な身内がいると大変だよねってのは実体験です。ぶっちゃけホップくんとかめっちゃ感情移入しちゃう。

サビの時に頭に浮かんだのはバクフーンでした。やっぱ俺の相棒はバクフーンしかいねぇんだなって思いました。ダイパリメイクも良いけど第二世代に救いの手を差し出して欲しい。

剣盾のグラフィックでバクフーンとキャンプにいきてぇ。

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