スクールアイドルアニメで見たような二人が、銀河の深宙域を駆けまわります!【とりあえず完結!】 作:ひいちゃ
ヨハネさんの手の上には、手乗りサイズのちっちゃいドラゴンが載っていました。
これは……。
「もしかして……バハムート?」
わたくしがそう聞くと、バハムートらしきドラゴンはこくりとうなずきました。
「うむ。といっても、これは私そのものではない。私の精神を、このヨハネという娘という鏡を介して現世に映し出した虚像のようなものだ。まぁ、私の分身のようなものだと思ってくれればいい」
「はぁ……」
さすが超生物(グレイツ)の王。なんでもありですわね。この調子では、一瞬でここからレーヴェまで移動させてくれることも……。
「できるぞ」
「できるんですの!?」
わたくしが思わずそう聞き返すと、ちびバハムートは再びこくりとうなずきました。
「うむ。人間の使う超光速航法(ワープ)とは違う原理のものではあるが、私の力ならそのぐらい簡単なことだ。ベヘモスが目を覚ますまで時間が幾何もない。さっそくそれを使うことにしよう」
ちびバハムートがそう言うと、AquaS(アクア)の前に巨大な穴が現れました。この中に飛び込め、ということでしょうか。
「Oh……」
「なんというかたまげたずら……」
「ふ……さすがは堕天使長様、このヨハネの主ね……」
そのすごい偉業を前に、マリさんもハナマルさんも圧倒されたかのように茫然としていました。一人、平然としてた人がいましたが。
まぁ、何はともあれ、せっかくちびバハムートが開けてくれたものです。ありがたく使わせてもらいましょう。わたくしは意を決して、AquaSを穴の中に突入させました。
* * * * *
そして穴を抜けると……。
「本当にレーヴェⅦに着いちゃいましたわね。ヨハネさん、穴に飛び込んでからどのくらいの時間が経ちました?」
「本当にすごいわね。飛び込んでから3秒しか経ってないわ。さすが堕天使長様ね」
「私は堕天使長ではなく、超生物の王なのだがな。まぁいい。急いで、レーヴェⅡの周辺宙域に向かうとしよう」
「わかりましたわ」
そしてレーヴェⅡのあった宙域に向かうと、そこには防衛宇宙軍の艦艇がたくさん集結していました。ウミ中将のアースグリムもあります。何かあったのでしょうか?
さっそく、アースグリムに連絡を……入れる前に、さっそく向こうから通信が入ってきました。なつかしの『停船せよ、さもなくば攻撃す』のフレーズです。
わたくしは指示に従って船を停止させ、通信回線を開きました。バハムートに言って、ウミ提督と話す間は、姿を隠すように言ってあることは言うまでもありません。
「あ、ダイヤさん、レーヴェに戻ってこられたのですね」
「はい。それで、いったいどうしたのですか?」
そのわたくしの問いに答えたのは、ウミ中将の副官のコトリ大尉です。
「あのね。数時間前から、この付近宙域の空間歪曲が大きく変化してるの。次元地震の予兆かもって」
「次元地震の予兆!?」
もしかして……そう思ったわたくしに、ヨハネさんが耳打ちしてくれました。
(うん。レーヴェⅡの浮上、そして、ベヘモスの覚醒の前兆かもしれない、って、堕天使長様が言ってる)
やはりそうでしたか……。間に合ったというべきか、間に合わなかったというべきか。
と、その時!
アースグリムの艦橋にアラームが鳴り響くのが、モニターから聞こえました。
「どうしたのですか?」
「次元地震が来ます! あと1分!」
次元地震ですって!? こうしてはいられませんわ!
「ウミさん、またアースグリムの電磁流体力場の中に入れてくださいまし!」
「わかりました! あの時のようにアースグリムに接弦してください!」
ウミ中将の許可を得て、わたくしは急いでAquaSをアースグリムに接弦させました。そして、またあの時のように。
「3……2……1……来ます!」
AquaSや、宇宙軍が展開している空間を激しい揺れが襲います。でも、違うことが一つ。
レーヴェⅡのあった地点にひびが入り、そこから何かが浮上してきました。
それは、レーヴェⅡと……。
そのレーヴェⅡに匹敵する大きさの、巨大な肉の塊でした……。
おそらくあれが、超生物の一体、『ベヘモス』……。
今回は少し短くなってしまいました。すいません;
次回は、ベヘモス&超生物教軍との本格的なバトルが始まる予定なので、今回よりは長くなる予定ですので、どうぞ楽しみにしていて……くださると幸いです(平伏