スクールアイドルアニメで見たような二人が、銀河の深宙域を駆けまわります!【とりあえず完結!】 作:ひいちゃ
今回も新キャラがわんさかですよ! どうぞお楽しみに!
#01
「よし、追いつきましたわ! ヨシコさん、攻撃ポイントの算定は終わりまして!?」
私……ダイヤ・ブラックウォーターの問いに、後ろのシートについている、黒髪の女の子、ヨハネさんが答えます。
「えぇ、できてるわ! 今、マリーのほうに送るわね!」
さらに、ヨハネさんの右となりに座っている素朴そうな女の子、ハナマルさんが報告してきます。
「ブラスターのチャージもOKずら!」
「マリーさん!」
私の言葉に、私の隣に座っている金髪の女性、マリー・フィールダーがうなずきます。
「わかったわ! ダイヤ、もうちょっと接近して!」
「了解ですわ!」
そして私は、乗っている船、
「よし、いくわよ! ロック・オーン!!」
マリーさんがトリガーを引きました。AquaSからブラスターが放たれ、それは見事に、攻撃ポイントに着弾! 小惑星にひびが入ります。
「まだまだ行くわよ、ファイア~!!」
さらにブラスターを発射! 発射するごとに、小惑星にはさらに細かくひびが入っていきます。そして何発目かのブラスターがヒットした時、小惑星は小さな岩塊となって砕け散ったのでした。
ふぅ……やりましたわね。あの大きさなら、大気圏で燃え尽きてくれるはずですわ。
「多分、これなら大丈夫と思いますが……ヨハネさん?」
「うん。計算してみたけど、ほとんど、大気圏で燃え尽きるみたいよ。一個か二個ほど、石ころぐらいの大きさの隕石になるかもしれないけど」
「そうですか。それなら、この件はこれで解決ですわね。
私がそう言うと、私の後ろがにわかに騒がしくなります。ついでに、私の横も。
「わーい! 報酬もらえるずらよ、ヨシコちゃん!」
「ヨシコじゃない、ヨハネ! でも報酬は何回もらっても嬉しいものね。これでまた、堕天使にふさわしい服を買うことができるわ」
「マルは、おいしいものをたくさん買って食べたいずら~!」
おいしいものをたくさん食べたいなんて、ハナマルさんらしいですわね。そして、ヨハネさんの堕天使うんぬんについては、聞かなかったことにいたしましょう。深入りしないほうがいい世界も、世の中にはあるのですわ。
「う~ん、マリーは何を買おうかしら……。あの服もいいし、あのアクセサリーも……」
そして、そう能天気に言うマリーさんに、私は頭を抱えてしまいます。
「マリーさん、いつぞや言ったかもしれませんが、いい加減にしてください! お金使いが荒すぎますわ!」
「えー、だってお金は使ってこそでしょう?」
「マリーさん、だからと言って、度が過ぎるのはダメずら」
「マリー、いつもたくさん買い物してお金が足りなくなって、共同貯金に手を出すから、船の整備こそできるものの、改良する余裕がないのよね……」
ハナマルさんとヨハネさんがそう突っ込みを入れます。私もまったくもって同感ですわ。
まぁ、そんな風ににぎやかにしながら、私たちのAquaSはこの宙域を離れたのでした。
* * * * *
二大国のある領域から片道20年の距離を隔てた先にある宇宙の新天地、深宙域。
日々、開拓が進められているこの新天地では、宇宙災害や海賊の襲来、犯罪など、多くのトラブルが待ち受けています。
そのトラブルを解決するために日夜奮闘しているのが、私たちハンターなのです。
ハンターは、ハンターオフィスと呼ばれる施設から依頼を受注し、それを達成することで生計を立てています。
私たちもそのハンターチームの一つ。コードネームは『
私はAquaSのリーダー。ダイヤ・ブラックウォーター。レーヴェ星域の第三惑星、レーヴェⅢの名家、ブラックウォーターの次期継承者なのですが、今はその修行も兼ねてハンター稼業に身を置いています。
私の横に座っているのは、マリー・フィールダー。フィールダーというのは偽名で、実はレーヴェ星域第四惑星、レーヴェⅣでの有名な財閥、その当主の一人娘だそうです。でも、その窮屈な生活に耐えかねて家を飛び出した、とのことですわ。ハンターとしての実力も精神も十分なのですが、フリーダムすぎるのとお金遣いが荒いのが欠点でしょうか。
私の後ろに座っているのはヨハネさんとハナマルさん。二人とも、前に関わった事件で出会った新たな仲間です。ヨハネさんはフォーリン族という異星人種族のお姫様、そしてハナマルさんはその侍女ですわ。どちらも今となっては元がつきますけどね。
その私たちを乗せた宇宙船『AquaS』は今日も、広大な宇宙を駆け巡っています。
* * * * *
さて、レーヴェⅣの衛星軌道上にある人工天体、
「ねぇねぇ、ダイヤ! これなんかどう?」
「却下ですわ」
なんで私たちが、怪しい宗教団体のお手伝いをしなくてはいけないのです。
「この依頼なんかいいと思うんだけど、どうずら? ダイヤさん」
「うーん、それもいいですが、ちょっとイマイチですわね……」
有翼異星人の子供たちのお世話。ちょっとひかれますが、それなら他の有翼異星人の大人にさせればいいことですからね。わざわざハンターオフィスに持ち込むほどのことではないと思うのですが。でも、子供たちのお世話が好きなんて、ハナマルさんらしいですわね。
そんなこんなで私たちが依頼を探していると、マリーさんがその依頼を持ってきたのでした。
「ねぇねぇ、ダイヤ。いいのがあったわ。惑星シーウォーターⅢの衛星軌道上のジブリの撤去作業だって。報酬もよさそうよ♪」
「シーウォーターⅢですか。これは懐かしい名前が出てきましたわね」
私がそう言うと、ヨハネさんが横から割り込んで聞いてきました。
「ねぇねぇ、懐かしいって、前にも行ったことあるの?」
「えぇ。もう3年ほど前ですが。私たちがハンターになりたてのころのことですわ」
「あそこの子とも仲良くなったわよね。懐かしいわ」
マリーさんがそう言うと、ハナマルさんが目を輝かせて聞いてきます。
「ねぇねぇ、マリーさん。シーウォーターⅢには人魚が住んでいるって聞いたけど、その人魚の子と仲良くなったずら?」
「えぇ、そうよ。色々あってね」
「あ、人魚と言っても、陸上では私たち
「それはすごいずら~。そんな子と仲良くなったなんて、二人がうらやましいずら~」
私たちの話を聞いて、ハナマルさんがさらに目を輝かせます。それを見て、マリーさんが得意そうに言いました。
「ふふん、そうでしょ? まぁ、私たちもはじめて見た時にはびっくりしたわよね。でも彼女も今はハンター稼業やってるけど、元気にしてるかしら」
「そうだといいですわね。さて、報酬もよさそうですし、これにしましょうか。お二人ともいかがですか?」
そう二人に確認をとります。答えは決まっていましたわ。
「いいわよ!」
「いいずら!」
* * * * *
さて、依頼を受けた私たちは、再びAquaSに乗り込み、レーヴェ星域の端に向かっていました。
そしてレーヴェⅦを超えたところで。
「さて、それではシーウォーターⅢに飛ぶとしましょうか。ハナマルさん、ワープ準備をお願いしますわ」
「了解ずら!」
そして粛々とワープ準備を進めます。さすが、あのベヘモスの一件から時間が経ったこともあって、ハナマルさんがワープ準備をする姿も、様になってきましたわね。板につくとはこのようなことを言うのでしょうか。
と、そこに。
「Oh、ちょっと待ってダイヤ。星域内から巡航艇が接近してきてるわ。その船から通信が届いてる」
「通信? どこからでしょうか」
私がそう聞くと、マリーさんはコンソールを見て、懐かしいものを見たような表情を浮かべました。
「Wao! どこの船か聞かなくても、すぐにわかったわ。『シーウォーター』よ。うん。向こうからのコードネームも『シーウォーター』と名乗ってる」
「カナンさんですか。あの3年前以来、懐かしいですわね。通信をつないでくださいませ」
「OK!」
そして通信スクリーンに映し出されたのは、私たちとそう年齢が変わらない女性の姿。青がかった黒髪をポニーテールにした少し垂れ目な女性。彼女が私たちの旧友です。
「つながったつながった。二人とも、久しぶりだね」
「そうですわね。3年ぶり、と言ったところでしょうか」
「懐かしいわね。二人で殴り合いのけんかもやったこともあったわよね」
「ははは、それはもう昔のことじゃない」
そう久しぶりに出会った旧友、カナンさんと再会を喜び合う私たち。
でも、こうしてばかりもいられません。依頼も待ってますしね。
「それで、カナンさん、どうされたのです? 私たち、これからシーウォーターⅢに飛ぶところだったのですが」
「あ、そうそう。そのことで二人にお願いがあってきたんだよ」
「ま、まさか、この依頼を譲ってくれというんじゃあ……!」
そう愕然とした表情で言うマリーさん。それを見て、カナンさんは不本意そうな表情です。
「ひどいなぁ。そこまで厚かましいことは言わないよ」
「てへぺろー」
「てへぺろじゃないよ……。それでね、その依頼に私もかませてほしいんだ」
んん?
「実は、わけあってオフィスに、『シーウォーター絡みの依頼が入ったら教えてくれ』と伝えてあってね」
「それで、依頼が入ったから向かったら、私たちが一足早く既に受けていた、と。それはすまなかったですわ」
「いや、それはいいよ。『リザーブしといてくれ』と言わなかった私が悪いんだし。それでね、ダイヤたちが受けたと聞いて急いで飛んできたんだ。私にもその仕事一緒にやらせてほしいと思って。どうだろう?」
そうお願いしてくるカナンさん。その表情に、何か憂いのようなものがあるのに気づいた私は、何か気になるものを感じて聞くことにしました。
「それは、手続き上は共同受注ということにすれば構いませんが……。そこまでしてお願いするって、何かあったのですか?」
どうやら、私の予感は正しかったようです。彼女の口からある話が出てきました。それは……。
「うん。何かシーウォーターⅢの二種族の間が不穏になってきてるって噂が聞こえてきてね……。とても気になって……」
新たな陰謀の予感……。
読んでくださり、ありがとうございます!
次の更新は、9/25 12:00の予定です。お楽しみに!