スクールアイドルアニメで見たような二人が、銀河の深宙域を駆けまわります!【とりあえず完結!】   作:ひいちゃ

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#07

 事態は急展開を迎えました。

 

 人工衛星の破片が落ちた事件。セイレーナ族の宰相は、これを『マーメイ族の破壊工作』と言いがかりをつけて、マーメイ族との断交を宣言。攻め込んできたのです!

 

 既にマーメイ族の里近くの砂浜には、セイレーナ族の軍が上陸してきていました。それもかなりの数です。これはぶつかり合ったらただではすみませんわ。まさに戦争です。下手したら、互いの種族の絶滅戦争にまで発展してしまうかもしれません。

 

 その知らせを受けて、マーメイ族の王宮でも……。

 

「王様、セイレーナ族の軍が砂浜に上陸、この里に迫ってきております!」

「むむむ……こうなってはやむをえまい。ただちに戦いの準備を……」

 

 私たちが王宮に駆け付けると、そのような相談がなされているところでした。

 そんなことをさせるわけにはいきません! 私とカナンさんは急いで王様の元に急いで駆け付けました。

 

「待ってくださいまし! そんなことをしては、互いの種族の関係は修復不可能なまでに悪化して、終わらない戦いをするはめになってしまいますわ!」

「そうだよ、父さん。チカはセイレーナ族のことも好きだったじゃないか。そんなことになったら、チカも悲しむよ」

「カナン、ダイヤ殿、だが……」

 

 苦悩する王様に私は自信を込めて言ってあげました。ここは、ハンターの出番ですものね!

 

「私たちにお任せください。ハンターの戦い方をお見せしますわ。そして、双方の犠牲を少なくして、彼らを追い払ってみせましょう」

 

* * * * *

 

 私とカナンさんは、里上空のAquaS号で、地表の様子を観察していました。

 上陸したセイレーナ族の軍勢は、怒涛の勢いでマーメイ族の里へ迫っていきます。ですが、戦意はさほど高そうには見えません。彼らも、この戦いには抵抗があるのでしょう。

 

 あ、作戦通り。彼らの先頭の一団が、里の手前に掘ってあった堀に落ちましたわ。あの堀は、命に係わる怪我をするほど深くはないものの、そう簡単に抜け出せないぐらいの深さに掘ってあります。あそこから脱出するには難儀することでしょう。

 

「それでは、次の作戦に行きましょうか。カナンさん、ネット弾の用意はいいですか?」

「うん、いつでもいいよ!」

 

 そのカナンさんの声を聴くと、私は船を降下させます。その中、カナンさんはトリガーを握り、狙いを定めています。

 

「発射!!」

 

 カナンさんがトリガーをひくと、AquaSからミサイルが発射します。それが途中で弾けると、大きなネットが広がり、セイレーナ軍の人たちに覆いかぶさります。ネットには鳥もちが仕込んであり、哀れ、その餌食になった人たちは動けなくなってしまいました。

 

「まだまだ行くよ!」

 

 再びネット弾を発射! 再び、多くのセイレーナ族の人たちの動きを封じることができました。

 それを確認した私は、王宮のほうに通信を入れます。

 

「今ですわ! ときの声を!」

 

 そして、里のほうからときの声が上がり始めます。もちろん、この場にマーメイ族の兵士たちがいるわけではありません。砂浜に隠してあるスピーカーから、録音したときの声を流しているのです。

 

 そのときの声の轟音を耳にしたセイレーナ族たちは、狙い通り大混乱を起こしました。

 戦意が少ないところに、落とし穴やネット弾で混乱に陥ったところにこれです。ひとたまりもないでしょう。

 

 セイレーナ族の兵士たちは、指揮官が止めるのも聞かず、我先にと海に逃げていきます。落とし穴に落ちた人やネット弾に捕らえられた人たちも、なんとかそこから脱出して、やはり逃げていきます。

 

 ふぅ、これでなんとかなりましたわね。

 

* * * * *

 

 と、そこで。

 

 何かに気づいたらしいヨハネさんが声をあげました。どうしたのでしょう?

 

「ねぇ、ダイヤ? もしかしてあの指揮官、マリーなんじゃない?」

「え?」

 

 彼女に言われて、カメラ映像をその敵の指揮官に切り替えます。確かに、その指揮官の金髪には覚えがありました。

 やはり、それに気づいたハナマルさんも動揺したようにつぶやきます。

 

「ほ、ほんとだ。多分あれ、マリーさんだと思うずら。でも、どうして……?」

「もしかしたら洗脳されたのかもしれませんわね……。どうにかして助け出さなければ……」

 

 そう言う私を後目に、マリーさんらしき指揮官は、兵士たちに続いて、海の中に潜っていきました。

 

* * * * *

 

そして戦いが終わった後。

 

 私たちは王宮で、マーメイ族の族長である王様からお礼を言われていました。

 

「おぉ、よくやってくださった。ダイヤ殿、カナン! そなたたちのおかげで里は守られ、セイレーナの者たちに禍根を残さずに済んだ。礼を言うぞ」

「いえ、当然のことをしたまでですわ」

「だけど、油断はしたらダメだと思うよ。また彼らが攻めてくるかもしれないし、守りを固めたほうがいいと思う」

「そうですわね。がっちり守りを固めておけば、それが抑止力となって、彼らも簡単に攻めてこれなくなるでしょうから」

「わかった。さっそく手配しよう」

 

 そして王様との謁見を終えた私たちは、王の間を出ました。そこで、カナンさんが声をかけてきます。

 

「そういえばダイヤ。マリーのほかにも一つ、気になってることがあるんだ」

「なんですの?」

「セイレーナ軍の中に、水陸両用の装甲車があったんだよ。彼らが撤退した後、乗り捨ててあったんだ」

「それは……確かに気になりますわね」

 

 このマーメイ族の里を見てもわかる通り、両種族の文明はそれほど進んだものではありません。ヨハネさんの種族、フォーリン族と同じぐらいか少し劣るぐらい。まだそんな兵器を作って使えるほどではないのです。

 ということは、何者かからの支援があったから、ということ。それは……。

 

「長官府がセイレーナ族に手を貸していると考えるのが妥当ですわね。マリーさんが長官府に潜入していたことも考えると、彼女を洗脳したのも長官府なのかもしれません」

「うん、私もそう思うよ。それに、だとすれば彼らがこのままで済ますはずがないとも思う。おそらく次の手は……」

「えぇ、気を付けたほうがいいですわね」

 

 そう、彼ら……というか長官府とセイレーナ族の宰相がこのままで済ますはずがなかったのです。

 

 私たちの予感は、この数日後、見事に当たったのでした。

 

 




次の更新は、11/6 12:00の予定です。
どうぞお楽しみに!
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