スクールアイドルアニメで見たような二人が、銀河の深宙域を駆けまわります!【とりあえず完結!】   作:ひいちゃ

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#06

「再観測結果はどうですか?」

 

 次元地震にともなうレーヴェⅡの消滅は、アースグリムからも観測できていた。その艦橋に立つウミ提督は、観測オペレーターに改めて問いただす。

 

「はい、光学的、質量的にもレーヴェⅡの存在は確認できませんでした。はじめから存在そのものがなかったかのように、惑星そのものが消失したようです。ただ……」

「ただ?」

「あれだけの質量のものが消失したにも関わらず、他の惑星の軌道や重力、次元状況に何の異変も観測できませんでした。普通、これだけの次元地震と惑星の消失があれば、少なからず影響が出てもおかしくないのですが……」

 

 と、そこでウミの副官のコトリ大尉が口を開いた。

 

「もしかしたら……」

「どうかしたのですか?」

「人為的に今の次元地震を起こして、レーヴェⅡを亜空間に落としたんじゃないかな? 次元地震を起こしてそれを使って亜空間に落ちるってことは理論上では可能だって、何かの本で読んだことがあるよ」

 

 そのコトリの話を聞いて、観測オペレーターもうなずく。

 

「なるほど。それなら、他惑星への影響がないことにもうなずけますね。消滅したわけではなく、亜空間に落ちただけなのなら、そのものが消えたわけではないので、他に影響が与える可能性は少ないでしょうから」

「ですが、消失した以上、レーヴェⅡに手を出すことは不可能ですね……。なんとか対策を考えなくては」

 

* * * * *

 

「どうにかうまくいったようだな」

 

 レーヴェⅡの某所で、ミシェルは黒ローブの男にそう話しかけていた。

 

「うむ。これでかなりの時間が稼げよう。後はお前次第だ」

「わかっている。必ず、お前たちが信じる超生物(グレイツ)様とやらを目覚めさせてやろう」

「期待しているぞ……」

 

 そして黒ローブの男は、闇の中に去っていった。その姿を見てミシェルは一人思う。

 

(つくづく怪しい奴らだ……まぁいい。奴らはしょせん、超生物とやらを復活させるための駒にすぎん。復活がなった時には、真っ先に奴らを餌にしてやろう。奴らも本望だろう)

 

 その一方、黒ローブの男、超生物教(グレイツ・ブラザーズ)の大司教の一人、ド・ボーゼル・ヴィリエも一人つぶやいていた。

 

「くくく……まぁ、せいぜい超生物様の復活のために力を尽くすがいい。お前ごときに超生物様を御せるとは思えんがな」

 

* * * * *

 

『……というのが、こちらの立てた仮説です』

「なるほど、わかりました。レーヴェⅡが消滅したわけではないとわかっただけでも幸いですわ」

 

 わたくしたちは、AquaSの通信モニターでウミ提督と話していました。そこで、レーヴェⅡが消滅したわけではなく、亜空間に落ちてしまっただけだということを聞かされたのです。

 

『防衛宇宙軍のほうで、惑星を再び通常空間に引き上げる方策を検討します。決まったらお知らせしますね』

「わかりましたわ、よろしくお願いしますわね」

 

 そして通信は切れました。その横では、ヨシコさんとハナマルさんが安堵で胸をなでおろしていました。

 

「消えたわけでなくてよかったずらね。それならきっと、みんなも無事でいるよ、ヨシコちゃん」

「そうね……本当によかったわ……それとヨハネだってば」

 

 涙ぐみながら話す二人を見て、こちらもほっとした気持ちになります。でも、安心してばかりはいられません。

 マリさんも、同じことを考えていたのか、先に彼女のほうから口を開きます。

 

「ねぇ、ダイヤ。ヨシコとハナマルの二人だけど、どうする? どこかの星に降ろすというわけにもいかないと思うわ」

「そうですわね。防衛宇宙軍に身柄の保護をお願いするという手もありますが、防衛宇宙軍に、超生物教の工作員が紛れ込んでいる可能性も捨てきれません。わたくしたちの目の届くところにおいておくのが一番ですが……」

 

 なのですが、仕事の時にどうするか、という問題があります。と、そこで。

 

「ねぇ、一つお願いがあるの」

「なんですか、ヨシコさん?」

「ヨハネも、二人に同行させてほしいの。この機会に、もっと宇宙を見てみたいと思うし、あと、それが今回の事件の解決に必要な気がするのよ。あくまで予感だけど……」

「そうですか……。ヨシコさんの気持ちは尊重したいのですが、規約があるのですよ。ハンターの仕事に、仕事に無関係の民間人は同行させられない、という規約が……」

 

 そう。ハンターズオフィスでは、ハンター本人や同行者の身の安全という観点から、規約で仕事に関係のない民間人を同行させてはいけない、と決められているのです。その同行者が危害を受ける可能性や、ハンターの仕事の障害になる可能性がありますからね。

 

 と、そこでマリさんが。

 

「そうだわ。それなら、ヨシコとハナマルに、ハンターの訓練を受けさせるのはどうかしら。マリーたちのようなC級や一ランク下のD級は、さすがに訓練はきついけど、見習いであるE級や、チームでの雑用係であるZ級ならそんなに訓練は厳しくなかったと思うわ。確か、一週間ぐらいでライセンス取れたんじゃなかったかしら」

 

 なるほど。それは一理ありますわね。まぁ、二人が受けるかどうかが問題ですが。

 ハンターたちは、色々な評価によって、S級~E級、そしてZ級のランクがつけられています。実際にハンターとして活躍しているのはD級からS級です。なお、S級はこの深宙域でも屈指の実力と事件解決能力を持つハンターで、ギルドでも三人しか存在しません。

 さて、E級は、D級以上のハンターの補佐を行う、いわばハンター見習いで、単独での活動は許されていません。さらにその下のZ級は、先ほど話したとおり、いわばチーム活動において、炊事洗濯したり、拠点や船の中での情報収集、船の操縦などの雑用を行う、いわば雑用係です。

 

「彼女たちも、E級やZ級のハンターになれば、マリーたちと同行しても問題はないと思うわ。同じハンターだもの」

「そうですわね。いかがですか、二人とも?」

 

 すると、意外とも二人とも乗り気でした。

 

「いいわよ、やってやるわ! このさい、ヨハネの魔力で、Z級どころか、E級になってやるわ! ギランッ」

「お、オラも頑張るずら! オラはヨシコちゃんの侍女だし、そのオラがヨシコちゃんと離れるわけにはいかないもん。多分Z級までしかいけないと思うけど、頑張るずら!」

 

 それを聞いて、わたくしたちはうなずきます。問題はないようですわね。

 

 そしてわたくしたちは、AquaS号を、ハンターオフィスのある鋼の月(スタルモンド)へと向けたのでした。

 

* * * * *

 

 そしてそれから一週間後。

 

 鋼の月にある食堂で、わたくしたちは食事と飲み物を囲んでいました。

 

 どうなるかと思っていたのですが、二人とも意外と真剣に、弱音を吐くことなく訓練に励み、ハンターとなることができました。さらに意外なことに、ヨシコさんはその頑張りの成果かE級になりました。ハナマルさんは残念ながら後一歩というところで、Z級止まりとなりました。でも二人とも、無事にハンターのライセンスを取れてよかったです。

 

「二人とも、ライセンス獲得おめでとうございます。心から祝福いたしますわ」

「これでヨシコ……おっと、ヨハネとハナマルも、私たちAquaSの一員ね!」

 

 そう、ヨシコさんの身柄が狙われる可能性を少しでも減らすため、彼女には偽名(彼女曰く『魂の名前』)であるヨハネでハンター登録をさせたのです。事情を話したら、オフィスの受付のエリさんが快く許可してくれて助かったですわ。

 

「ふふふ、これでヨハネもこの宇宙に羽ばたけるのね! リトルデーモンたちとともに!」

「ヨシコちゃん。ここにいる誰も、リトルデーモンになった覚えはないと思うずら」

「ヨシコじゃなくてヨハネ!」

 

 そう談笑しながら簡単なパーティをするわたくしたち。それが済んだところで……。

 

「さて、いつまでもパーティ気分でいるわけにもいきませんわね」

「そうね。先の仕事をかなり待たせているし、明日になったらさっそく向かわないとね」

 

 すると、ヨハネさんがわくわくした感じで聞いてきました。

 

「ヨハネたちの初仕事ね! 仕事先はどこなの?」

「ふっふっふっ、それはね……」

 

 聞かれたマリさんが得意そうに含み笑いをして答えます。

 

「レーヴェ星域の外、弱肉強食の星の海よ!」

 




ハンターランクの目安としては……

S級:まさにヒーロー。一騎当千の実力者
A級:S級には、実績も実力も及ばないが、それでもかなりの実力と実績を持つ強者
B級:ベテランや腕の立つデキるハンター
C級:標準的な実力。活躍しているハンターのほとんどがこのランク。
D級:駆け出し。あまり危険な仕事や難しい仕事を受けることは、基本的には許されていない。
E級:D級以上のハンターの補佐を行う見習い。
Z級:雑用係
といった感じです。

さてさて、次回からいよいよ新展開ですぞ!
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