アニガサキ!-PASTEL COLLARS- 外伝 Episode of ランジュ 作:海色 桜斗
――人数が増えた程度で、この俺が推すのを辞めるとでも思ったか?
どうも、今回も無事に投稿できた投稿者です。
コラム的なモノは活動報告でいつも通り書くので、今回は早めに解説に移ります。
(※尚、今回から設定変更とオリジナル設定解説を統合しています)
アニガサキ及びスクスタ設定変更・オリジナル設定解説
・ミアの性格(思考・目的等)
ハンバーガーが好きな事とゲームが好きな事。スクスタでも璃奈との共通点として掲げられたこの2点はそのままに。けれど、人と喋る事に関しては苦手ではないけれど限りなく面倒だと思っていると言う事に。故に、自分のペースを崩される相手と絡むのがあまり得意ではない(主に愛やランジュ、美岬等)。ランジュとは友達でもなんでもないので作曲以外で部に協力する気は皆無。寧ろ、同好会の短期間で成したとは到底思えない絆の深さや披露する楽曲の独特さに一人の音楽家として非常に興味を持っている。性格は原作よりも大分達観していて、でもちょっと中二病の気がある。作者テイストで年相応感出そうとしたらこうなった。……すまない。
・NLNSの由来
原作「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」では「No Love, No Sex」が名前の由来だが、本作ではドスケベ条例に立ち向かうというシナリオではない為、「No Love, No School(idol)」となっている。何故、今更説明したのか。それはただ単純に作者が今まで開設を忘れていたからだ。
(※意訳…原作:愛がなければSEXではない 本作:愛がなければスクールアイドルではない)
・こころあ姉妹
アニメ「ラブライブ!」において登場した矢澤にこの妹達。正直、この子達には明確な設定や詳細が描かれたものが作者の手元になかったので、オリジナルの設定に極振り。心と心愛が同い年なのは、SID設定参照(確かそうだったはず……)。原作で唯一の男キャラ虎太郎には矢澤家の実子ではなく養子という設定も挟んだが、これについては本作で語る事でもないので割愛。何れ詳しく書く、チョットマッテテー
・南家について
アニメではことりが一人っ子だが、SIDでは上と下に姉と妹がいたのでその設定を採用。姉は出てこないが、妹の比奈は出番有(南比奈については「第三章・登場人物紹介」をご覧ください)。
・喫茶ミナミ
南ことりが卒業後の海外での服飾系の専門留学から帰ってきた際に『手芸の店 ミナ(・8・)ちゅん』と同時に経営し始めた喫茶店。ことほのうみの集会場所として主に利用されている。
・スクールアイドル研究会
嘗て《μ’s》のいた旧・アイドル研究部が名前を変えた姿。活動内容は《ムーンカテドラル》の影響を受けて、主に都内のスクールアイドルの活動のバックアップをしている(一方で、スクールアイドル活動も行ってはいるがラブライブを目指しているわけではない)。
……あ、今回から「ぬきたし」の美岬が本調子になります。お気をつけて。
アニガサキSS劇場⑦「集結!陸空海幼馴染み連合」
穂「帰って来た・・・・・・!」
穂「ホント、変わりないなぁ。ことりちゃんと海未ちゃんは元気にしてるかな?」
『カランコローン』
比「いらっしゃいませー、喫茶ミナミへようこそ・・・・・・って穂乃果さん!?」
穂「こんにちはー、比奈ちゃん。いやぁ、久しぶりだねぇ・・・・・・!」
比「あ、ええと、今、お姉ちゃん呼んできますね!」
穂「ゆっくりでいいよ~」
穂「・・・・・・ふぅ、お待たせ。海未ちゃん」
海「お久しぶりです、穂乃果。また急な帰省でしたね」
穂「へっへへ~、また何時ものアレだからねぇ」
海「全く、希も人使いが荒いですね。今度は一体何を考えているのやら」
海「・・・・・・そう言えば、祐介の姿が見えませんが?」
穂「あ、ユースケは今、ニジガクの子達の面倒見てるから今日は来れないよ?」
海「そうですか。・・・・・・本当にロリコンを拗らせた訳ではないのですよね?」
穂「さぁね~」
こ「――お客様、ご注文はお決まりでしたか?」
穂「おおっ、ことりちゃん!流石は看板店長、ビューチホー!!」
こ「ふふっ、ありがとう穂乃果ちゃん。海未ちゃんも決まった?」
海「はい、私はこれとこれを。穂乃果はどうしますか?」
穂「あ、えっとね、オススメ!今日のオススメ下さい!」
こ「はぁい。コーヒーセットと今日のオススメセット1つずつ入りまーす」
こ「あ、それと私用にダージリンセットもお願いね」
従業員一同「「「「「畏まりました、ことり様ァ!!」」」」」
こ「それじゃあ、私も失礼して・・・・・・ふぅ~っ」
穂「お店、いい感じに繁盛してるみたいだね、ことりちゃん」
こ「うん、比奈と従業員の皆が頑張ってくれてるお陰だよ~」
こ「・・・・・・それにしても、こうやって3人集まるのは久しぶりだね」
穂「ホントだよね!どうせなら、絵里ちゃんとユースケも来れば勢揃いだったんだけど」
海「仕方ありません。絵里は本職の方が忙しいようですし、祐介は・・・・・・アレですし」
こ「あははは・・・・・・別にゆーちゃんはロリコンじゃないと思うケドなぁ・・・・・・?」
海「それで?今日ここに私達を集めた用件は何ですか、穂乃果」
穂「おおっと、忘れる所だった!えっとね、実は――」
海「・・・・・・ふむん。成程、大体話は見えました。要はまた、何時ものと言う事ですね?」
こ「あはは、そうなるよね・・・・・・」
穂「あ、でもでも、海未ちゃんもことりちゃんも今日OKしてくれたって事は、いいんだよね!?」
海「えぇ、勿論です。他ならぬ穂乃果と祐介からの頼みですからね」
こ「私も賛成。穂乃果ちゃんと海未ちゃんのいる場所が、私のいる場所だよ」
こ「あ、でも、お店暫らく空けちゃうことになっちゃう・・・・・・どうしよう」
比「お、お姉ちゃん!お店は私達に任せていいから、穂乃果さん達と行ってきて!」
こ「比奈・・・・・・」
従業員リーダー「水臭いですよ、ことり様。我ら従業員一同、既にことり様の僕故。そうだな、貴様らァ!?」
従業員一同「「「「「イエス、サー!!」」」」」
比「ほら、この人たちもこう言ってる事だし・・・・・・ね?」
こ「ありがとう、皆・・・・・・私、行ってくるね!」
穂「よぉし、じゃあ行こう!《μ’s》の時とは違う、今の私達の最高のステージに・・・・・・!」
海・こ「「うん(はい)っ・・・・・・!」」
従業員一同「「「「「行ってらっしゃいませ、穂乃果様、海未様、ことり様ァァァァァァ!!」」」」」
(作者のボヤキ:3章突入してからSSが本編の補足になりつつあるなァ……)
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Side:ミア
「――あー・・・・・・暇」
土曜日。今日は何か捗りが良くて、午前中に何曲か作って、ランジュに見せて。で、それが終わったから今から昼食を食べに行くつもりだ。とは言え、土曜日は学食も購買もやっていない。だからボクは、街中に出てヤクトナルドでビックヤックを食べた。
「・・・・・・うまうま」
いつもは大体此処に足を運ぶとボク一人で随分と気楽なものだ。しかし、今日だけは何故か違った。
「あ、スクールアイドル部の作曲してる人だ」
「お前・・・・・・天王寺璃奈」
今、ランジュが裏でこそこそ進めている同好会との全面戦争の構図。その中の当事者の一人である同好会側所属の1年生・天王寺璃奈がそこにいた。
「一応、知ってくれてるんだね。璃奈ちゃんボード『びっくり』」
「・・・・・・同好会メンバーの名前はランジュから耳タコな位聞いてるからね。で、ボクに何か用?」
「ううん、見かけたからちょっと話してみたいと思った。・・・・・・駄目だった?」
何だコイツ・・・・・・考えてることが全然分からない。というか、何故ボード?
「人と話すの、面倒なんだよね」
「そうなんだ。向かいの席、いい?」
「・・・・・・お前なぁ、人の話聞いてたか?」
ボクがそんな風に独り言ちるもそれも無視して、向かい側の席に腰を下ろす璃奈。ああ、この絡み方は間違いなくこの前ランジュが部に無理矢理引っ張ってきた宮下愛と似ているものがある。
――そう、あれは愛が果林や栞子と来てから1週間経った時。
『おおっ、ミアっちじゃん!愛さんと一緒にお昼食べようぜ~?』
『・・・・・・曲作りで忙しいから、また今度ね』
『そんな冷たい事言うなよ~。ほれほれ、武士は食わねど高笑い~ってね』
最初の頃は凄いどんよりしてたけど、何か最近は元同好会所属のメンバーである果林や栞子と一緒に楽しげに談笑している。幾ら何でも慣れが早すぎないか?
『それを言うなら武士は食わねど高楊枝、だろ。そもそも今の状況に適してない言葉だ』
『分かってるってばー。そんな事より・・・・・・じゃーん!愛さん特製のぬか漬け、お上がりよっ!』
こういう一度話しかけたら絶対に引かない系の人間はボクはあまり好きじゃない。ランジュは、まぁ、元々が我儘お嬢様だから一人でわーわー騒いだら勝手に帰ってくけどね。ただ、ボクを友達扱いして来ている事だけは無性にイラつく。
「ミアさん、ハンバーガー好きなんだね」
「日本のは、小さくて物足りないけどね。味はしっかりしてるし、嫌いじゃない」
「うん、私もハンバーガーは好き」
「ホントに!?・・・・・・ん゛ん゛っ、センスいいね、璃奈」
不覚にも、意見の同じ同志を見つけられたことについ喜びの感情を抑えきれなくなりそうだったが。寸でのところでぐっと興奮を抑え込んでクールに振舞う。いけないいけない、仮にもテイラー家の産まれであるこのボクとしたことがあるまじき姿を見せるところだった。
「・・・・・・ミアさんは、ゲームとかやる?」
「勿論、最近は野球ゲームが熱いね。たかがCPUとなめちゃいけない、彼等との戦いの中で如何に自分が極めて効率よく或いは相手に能動的に点を取らせないようにするかの駆引きで・・・・・・」
そこまで言いかけてボクはハッと気づく。またコイツに乗せられて、ついつい喋り過ぎてしまったと。ああ、くそ、駄目だ・・・・・・コイツといるとペースを乱される。何故だ。
「他には何かやらないの?」
「いや、だからボクは別に――」
「性乱闘スマタッシコブラザーメンズスペルマ射ル!!」
「は?」
これ以上コイツの話に付き合って溜まるか、とボクが席を立ちかけたその時。ボクと璃奈が座っていた席の下から急に知らない女が生えてきた。そんな馬鹿な・・・・・・さっきまでまるで存在感がなかったぞ?何なんだコイツは?
「美岬さん、そんな名前のゲームはないよ?」
「はっ!?すみません、何だか分かりませんが言わなきゃいけないような気がして、つい・・・・・・!」
しかし次の瞬間には、突っ込みを入れた璃奈にその女はペコペコと頭を下げていた。そしてよく見れば胸元のリボンは明らかに2年生のもの。上級生が下級生にそんな姿見せていいものなのか?いや、でも二人は如何やら知り合いみたいだし別に気にする事でもない・・・・・・か?
「あ、ごめんね、ミアさん。この人は私の友達の畔美岬さんだよ」
「ミアちゃんって言うんですか?初めまして!オッス、私美岬!」
「・・・・・・」
「因みにミアちゃんは璃奈ちゃんと同じ1年せ・・・・・・ほぎゃぁぁ、3年生だぁぁぁっ!?」
何かよく分からない内に馴れ馴れしくしてくると思ったら、急に驚いて飛び上がって、今度はボクに向かってヘコヘコし始める。マジで何なんだ、コイツは。
「すみません、すみません!上級生の方とは思いも寄らず・・・・・・!」
「別に気にしてないし・・・・・・」
「チャーシューにするなりスペアリブにするなり好きにしていいですからぁ!?」
「shit!ええい、鬱陶しいなぁ・・・・・・!」
気にしていないと言ったはずなのに。まだ許されていないと思い込んで必死にボクに食い下がって来る。耳にラードでも詰まってるのか、この美岬とかいう女は。というか、何で全部豚肉料理なんだ。
「ミアさん、ごめんなさい・・・・・・」
「・・・・・・何でお前が謝るんだよ。気にしてないって言っただろ」
「本当?ありがとう、ミアさん、優しい」
「・・・・・・ッ!?///」
ありがとうって何だよ、後これくらいで優しいとか馬鹿か?・・・・・・駄目だ、やっぱり調子狂う。
「大体、いいのか?ボクはキミ達の敵であるスクールアイドル部の所属なんだぞ」
「うえぇ、そうだったんですかぁ!?」
「・・・・・・うん、知ってるよ」
「璃奈ちゃんは知ってたんですかぁ!?」
ボク等の反応に一々突っ込んでくるクソ女は無視するとしよう、そうしよう。
「でも、さっき話してみて分かった。私とミアさん、好きなものが一緒。だから、もっとお話したい」
「・・・・・・勝手にしろ」
璃奈の言葉にぶっきらぼうに返答をしながらも、ボクは何となくこの胸の内に芽生えつつある妙に落ち着かない感情に、イライラして。でも、不思議と嬉しさみたいなものもあって。何だこれは。
「そう言えば璃奈さん、聞きましたか?近々ヤクトナルドであのメガヤックが復活するそうですよ!」
「うん、この間からCMでやってたね。楽しみ」
「はい、何たってビックヤックの2倍の大きさですからね!食べがいがあります!」
「何・・・・・・だと・・・・・・!?」
その会話の内容を聞いて、ボクの顔が一瞬で驚愕に染まる。本来であればあのクソ女の戯言など聞くつもりはなかったのだが・・・・・・なかったのだが!!
「おい、お前!それは本当か!?」
「ひいぃっ!?な、何でしょう・・・・・・?」
「さっき璃奈と喋ってたそのメガヤックって商品の事だよ!」
「えっ、あ、はい。それは確かな情報ですよ。ほら、予告ポスターもありましたし・・・・・・」
「ポスター・・・・・・確かに、ある。チッ、ボクとしたことが全く気に留めてなかったなんて・・・・・・!」
クソ女に指摘されて、壁際にそのポスターを見つけるボク。ボクの本国、アメリカのと比べるとまだまだ小さいが大分理想に近い大きさになっている・・・・・・と思う。復活と言う事はきっと前も販売していたが、期間限定でしか置かれなかったのか、それとも単に日本人には需要がなかったのか。
それが今回、期間限定ではあるが再び復活の兆しを迎えたと言う事。ならば、本国のハンバーガーを片っ端から食べつくしてきたボクにとってこれは、とても見逃せないイベント。ああ、早く此れに出会いたい。出会った暁にはきっとボクの作る曲も彼の力を得て、更にパワーアップすること間違いなし。逆に、此れを知ってしまったからには多分、これが発売されるまで作曲に気が乗りそうにない。そう思った。
「璃奈、此れの発売は何時だ・・・・・・!?」
「えっと・・・・・・来週の土曜日、だって」
「よし来週か、こうしちゃいられないな・・・・・・!」
そう言ってボクは真っ直ぐ虹ヶ咲学園の方へ駆け出す。思えば、ランジュに雇われてから初めてかも知れない。こんな理由で休暇を申請する等。だけど、この休業期間には意味がある。通らないなんてことはないとは思うが、これだけは何としても通してやる・・・・・・!
「あ、ミアさん・・・・・・行っちゃった」
「んぐんぐ・・・・・・はふはのほうほうりょふでふねぇ(流石の行動力ですねぇ)・・・・・・」
その場には、猛ダッシュで駆けだしていったミアの後ろ姿を呆然と眺める璃奈と、注文した大量のハンバーガーを口の中に詰め込みながら見送る美岬の姿があった。
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「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・ランジュ!」
「あら、ミアじゃない。珍しいわね、何か用かしら?」
その後、息を切らして部室に入ってきたボクの姿を見るなり、何時もの冷静さを保ちつつ、何処かキョトンとしているランジュに向かって、来る途中で書いた申請書を突き出し宣言した。
「次の土曜日までボクは休業する・・・・・・休業申請!」
それを聞いたランジュはやっぱり意外そうな顔をして。だが、その提案をすぐに肯定して、あくまでいつも通りの雰囲気を貫ぬかんとしていた。
「えぇ、次のライブの曲は事足りているわけだし、別に構わないけど・・・・・・本当に珍しいわね?」
「じゃあ、後はよろしく・・・・・!」
ランジュの問いには答えず、ボクは再び駆け出す。うん、どうせなら璃奈も誘おう。ハンバーガー好きって言ってたし、何か色々話したくなって来た。あのクソ女も付いてきそうだが仕方がない。
「待ってろ、メガヤック・・・・・・!」
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そう、これは。ボクが別にスクールアイドル同好会との対立をするわけでもなく、同時に曲作りで難航してスランプ気味になる訳でもなく。ただただ、自分の大好きなものの発売日まで体験した、今まで経験したこともない非常に濃厚な一週間の出来事の体験記である。
Side END...
「――行きますッ、せつ菜スカーレット・ストォォォォォォーム!!」
「へっへへ~何のッ!喰らえ、アタシの必殺技パート1ッ!!」
『ガキィィィンッ!!』
「な、中々やりますね・・・・・・心愛さん!」
「そっちこそ、前より大分強くなったね。菜っちゃん!!」
此処は『音ノ木坂学院・アイドル研究部』改め『音ノ木坂学園・スクールアイドル研究会』部室の練習スペース。そこで虹ヶ咲スクールアイドル同好会の《最強の剣》優木せつ菜とスクールアイドル研究会の《静寂の冬月》矢澤心愛が死力を尽くして戦っていた。ガチの肉弾戦で。
「ですがっ、まだまだです!うおぉぉぉぉぉっ、私の拳が真っ赤に燃えるッ!」
「おおっ、それで来るか・・・・・・なら、こっちだって!行くぞ、アタシのドラグバイザー!!」
『FINAL VENT』
「勝利を掴めとッ、轟叫ぶッ!!」
「一撃必殺!」
「ばぁぁぁぁぁぁく熱ッ、ゴッド・フィンガァァァァァァァァァァ!!」
「オーラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」
二人の連撃がぶつかり合う。あのー、原作だとどっちも連撃技じゃないし、心愛さんに至っては一言前に一撃必殺って言ってるんですが、それは。
「単純なのは変わってないね・・・・・・だからこそっ、ザ・ワールド!時よとまれッ!」
その掛け声を合図にせつ菜ちゃんが時間停止されたように動きを止める。再現度スゲェ・・・・・・!
「フフフ、やっぱり菜っちゃんでも止めた時の中では・・・・・・なッ!?」
「無駄ですよ。時間を止めたくらいで、私の歩みを止められるとでも思いましたか?」
互いに一進一退の戦いが繰り広げられる。けど、流石に長い。誰か二人を止めて下さい。
「おいテメェらァァァァァァ、練習サボって遊んでんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」
「「ひぎゃっ!?」」
スパーン、と長谷部さんが持っていたメガホンが二人の頭に炸裂する。あ、良かった。長谷部さんずっといたんだ。
「う゛うっ・・・・・・すみません。テンション上がって羽目外し過ぎました・・・・・・!」
「あんだよー、いいところだったのに邪魔すんなよなー、ハセ兄~!」
「るっせぇな、心愛ァ!元はと言えばテメェが蒔いた種だろうが、ちったぁ反省しろやァ!!」
元凶の二人が長谷部さんによって止められたお陰で、練習を再開させる私達、虹ヶ咲スクールアイドル同好会。だが、何故学園側から活動出来なくされている私達がこうして練習に専念できているかと言うと。
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『――何だ、テメェら。練習場所がないのか?』
それはあの時の《ムーンカテドラル》本部内での作戦会議が終わって、部へ向かった栞子ちゃんを見送ってから数日後の事。私達を其々の家まで送り届ける為に、長谷部さんが用意した大型車に乗って、皆で談笑していた時。不意に、かすみちゃんが「でも練習場所がないんですよね、どうしましょう」と言ったことからそれは始まった。
『はい。学園側から止められてる状況でして。かといって他に頼れる場所がある訳でもないので』
現在、学園長(偽)によって、自分の娘が所属するスクールアイドル部が超優遇されており、それと対を成す私達スクールアイドル同好会は部室を奪われ、校内での練習をしようものなら、その度に監視委員会の黒服の男達に狙われる。思えばこの数日間は、《ムーンカテドラル》からの供給をフルに受けた淳之介君達の協力によって難を逃れ続けたが、今後も堪え続けられるか如何かは非常にビミョーなラインだ。
『じゃあ、ウチを使え』
『へ?』
『此処の本部を使えって話だよ。一応そういう設備は何かあった時の為に万全だし、地下だけど地上とそう変わりない環境下で出来るように色々配慮が行き届いてるしな』
その話を聞いていた長谷部さんから、いきなりそんな提案が。え、あの地下室あそこの会議屋以外にまだ色々部屋があるの・・・・・・強すぎない?
『ま、土日は流石に別の場所を使ってもらうがな』
『別の場所とは・・・・・・?』
『聞いて驚け。土日のテメェらの練習の舞台は、俺達の母校・音ノ木坂だ』
『『『『『・・・・・・!』』』』』
旧スクールアイドル同好会として活動していた5人が再び一斉に反応する。それはそうなるよなぁ、だってあの伝説のスクールアイドル《μ’s》の活動場所を一時的とはいえ借りる事になるのだから。しかし、それだけでは収まりきらず。
『まぁ、もしかしたら暇した元メンバーの誰かがちょくちょく遊びに来るかもしれんがな』
『皆さん、やりましょう!これはもしかしたら私達の更なるステップアップも夢ではありませんよ!!』
『あと、皆さんが良ければサインも!!』
何だかんだでちゃっかりした思考をしつつ、同好会の皆に呼びかけるせつ菜ちゃん。それを聞いてその場の全員がしっかりと頷いて。
――それから、この夢のような・・・・・・けれど普段よりハードな特訓が幕を開けた。
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「「すいません長谷部さん、姉(妹)が迷惑を掛けまして・・・・・・!」」
「気にすんな虎太郎、心。しかしお前ら、よくアレに堪えてるよな・・・・・・すげぇよ」
「ははは・・・・・・まぁ、にこ姉との約束ですから」
この土日の音ノ木坂での特訓が始まって、直ぐに仲良くなったスクールアイドル研究会の矢澤心ちゃん、矢澤心愛ちゃん、矢澤虎太郎くん。何と、彼等はあの矢澤にこさんの妹達らしく、元からのレベルがかなり高かった。一応、ソロで活動していた時期もあったせつ菜ちゃんとは3人ともが知り合いだったようで、同好会の皆とも早々に打ち解けたみたいだ。
「あぁ・・・・・・彼方ちゃんもう駄目・・・・・・( ˘ω˘)スヤァ」
「ああっ、彼方さんが寝てしまいました!?」
「・・・・・・本格的に寝る前にストレッチさせとけ、しずく」
「はい、分かりました!」
長谷部さんの指示でしずくちゃんが彼方さんを運んでいく。最早、これも恒例の一幕となっていた。
「うえぇ~・・・・・・ハードすぎますぅぅぅ。こんなの可愛くないですよぉぉぉ!」
「ほほぅ・・・・・・いいのか、かすみん。お前のメニューはあのことり考案のものだぞ?」
「ええっ、あのことりさんがですかぁ!?」
「あぁ。映像資料で見ただろう、あの全身から溢れ出る可愛さを。お前はそうなりたくないのか?」
「いえ、なりたいです!かすみん、頑張りますっ!」
少しへばってきたかすみちゃんを、本人が一番やる気を出しそうな文句を携えて励ます長谷部さん。的確な程の飴と鞭・・・・・・凄い、やっぱり参考になるなぁ。
「ふぅ~・・・・・・何時もの練習よりちょっと厳しめだね。私もちょっとヘトヘトだよ~」
「いや、だが流石は山育ちだけあるな。他の奴等よりポテンシャルは高いぞ、その調子だ」
「ホント~!?よぉし、皆に負けないようにどんどん頑張らなくちゃだよー」
「・・・・・・ッ!?そ、そうだな。頑張れよ、エマ///」
ふんふん、さしもの長谷部さんもやっぱり巨乳には弱い、と。まぁ、私には不要な代物だけどね。
「・・・・・・何でボクはこんなところにいるんだろうか」
そして、そんな練習風景を先程帰ってきた璃奈ちゃんと一緒に招かれた、スクールアイドル部のミアちゃんが見ていた。その隣にはNLNSの美岬ちゃんもいて、無言で買ってきたハンバーガーを頻りに喰らい続けている。
「そして何でお前はこの状況でハンバーガーを食えるんだよ・・・・・・」
「ふへ?ほれはほう、へのはえにはんはーははあふはらへふ(それはもう、目の前にハンバーガーがあるからです)」
「ええい、分かったから、食ったまま喋るな・・・・・・!」
何故スクールアイドル部の所属であるミアちゃんが此処に招かれたのか。一番の理由は長谷部さんがミアちゃんを連れて来た璃奈ちゃんの強引な押しに負けたのと、もう一つ。
『ボクは曲作りで雇われただけだからね。だから、プライベートの事をアイツらに喋る義務はないよ』
彼女本人が部と委員会の方には決して他言しないと明言してくれたからであった。勿論、それだけでは疑いは掛かったままなので念の為荷物検査も行ったが、特にこれと言って怪しいものは入ってなかった。というか、彼女の鞄に入っていたのは作成途中の譜面と携帯のみだった。
「そう言えば、長谷部さん。今日は穂乃果さんは?」
朝来た時は長谷部さんと一緒にいたはずの穂乃果さんの姿が昼時から見えなくなっていたので、思い切って長谷部さんに尋ねてみる。すると彼は。
「穂乃果の奴なら、今頃秋葉原でことりが経営してる喫茶店に顔出してるぞ」
「ことりさん、喫茶店やってるんですね。てっきり、服飾関連のお仕事かと」
「あー、兼業なんだよ。喫茶店の休業日に服飾やって、服飾の休業日に喫茶店やるって感じだな」
流石はメイド喫茶のメイド軍団を率いる大師団長とも呼ばれた伝説のメイド「ミナリンスキー」であるだけはある。でも、それちょっとオーバーワーク過ぎない?
「それじゃあ大変なんじゃないですか?」
「大変なんてもんじゃねぇよ。だから数年前にオレと穂乃果と海未で説得して従業員雇ったのさ」
「ことりは昔からああやって偶に無茶するから、オレ達幼馴染みがその都度止めてやらんとな」
何て素敵な幼馴染み関係・・・・・・!侑と歩夢ちゃんもそんな感じなんだろうか、いいなぁ幼馴染み。
「ふぅん・・・・・・お前があの噂の同好会のマネージャーか」
すると突然、ミアちゃんが私に隣から話しかけてきた。わ、やっぱり近くで見ると凄い綺麗な顔立ち。勿体ないなぁ、スクールアイドルやらないのかなぁ。
「よろしくねミアちゃん、私は結子、舘結子だよ」
「・・・・・・!ふいほはん、みははんはへんはいれふよっ(結子さん、ミアさんは先輩ですよっ)!?」
そしたら何故かミアちゃんじゃなくて、ミアちゃんの隣の美岬ちゃんが話しかけてきた。え、何て?
「だから食ったまま喋るなって言ってるだろ、クソ女!」
「ふいぃ・・・・・・ふいまへんふいまへん(ひいぃ・・・・・・すいませんすいません)!」
美岬ちゃんの行儀の悪さにキレたミアちゃんが、彼女に最大級の罵倒を喰らわす。美岬ちゃんはと言うとそんなミアちゃんに只管謝り続けていた。勿論、大量のハンバーガーを口に加えたままで。
「ま、コイツの言う通り、ボクの方が学年は上だけどね。別に敬語とかは使わなくて良いから」
「寧ろお前に使われたら気持ちが悪い」
「そ、そうなんだ。じゃあ、このままの喋り方にするね?」
「ん」
随分棘がある喋り方する子だなぁ・・・・・・下手したら心に一生残る深手の傷を負いそう。だって、幾ら肉体は強くても心は硝子だもの。
「ところで噂って?私ってそんなに噂になってるの?」
「委員会の連中の中でも特にイキり倒すのが好きな奴が言ってたんだよ、あんな奴女じゃねぇって」
イキり倒すのが好きな奴って言えば・・・・・・ああ、あの戦闘行為の最中に中学時代の話を始めようとしたあの人か(※詳しくは2章1節へGO!)。よし、今度会ったら確実に息の根止めよう。
「そう言えばお前、ランジュに相当気に入られてるみたいじゃん」
「こっちからしたら傍迷惑なんだけどね」
「・・・・・・その気持ちは何となく分かるかな。アイツ、いつも五月蠅いからさ」
「いや、違った。五月蠅いどころじゃない、ウザい」
同じ部の所属であり、同時に部の統括者である彼女の事をそこまで言えるのは恐らく現状でミアちゃんぐらいなもんだろう。あと他・・・・・・というか委員会の奴らは総じて「ランジュ様、ランジュ様」だからね。個人の持ち上げもあそこまで来れば寧ろ清々しいと言ったところか。
「流石に部の情報なんかまでは話してはくれない、よね?」
「まぁね。でも、その点は別に心配いらないんじゃない」
「え、どうして?」
「ほら、同好会から部に行った3人がいたろ?何だっけ、果林と愛と・・・・・・栞子?」
「アイツら、ランジュに気付かれないように結託して、部と委員会と理事長様の動向とかを密かに見張ってるからね。待ってれば多分、そのうちお前の携帯に連絡入るんじゃない?」
何故、彼女がここで口にしたのか。その情報はある意味此方が徐々に有利になりつつあるという暗示でもあり事実でもあるというのに。まさか敢えて偽の情報を・・・・・・いや、それはないか。嘘を吐くなら、事前にもっと大幅な情報公開をして此方を揺さぶってくるはずだ。真実とも言い切れないが一概に嘘とも言い切れない訳か。どうする、私・・・・・・!?
「何でこんなこと話すのか、って顔だね」
「えっ、そんな顔してた・・・・・・?」
「まぁね。現状のボクの立場がアレだから信用に足らないのも分かるけど」
「この際だから正直に言おう。ボクは、これまでキミ達を部の方から見てきて、キミ達同好会の持つ力の源が何なのか知りたいと思った」
つまりは興味を持ったって事さ、とミアちゃんは付け足す。そうか、これは彼女がスクールアイドル部所属のミア・テイラーじゃなく、テイラー家の一員であるミア・テイラーとして話を進めているのだと。
「力の源・・・・・・?」
「キミ達の音楽は聴いたよ。ボクから言わせれば何てことない、特に注目もされない曲ばかりだ」
「けれど、それ以上に。彼女達の楽曲には、その個人が歌うからこそという独特な世界観があった。曲は本来、大勢に歌ってもらう為のモノだけど、それとはベクトルが全く違う」
「でも、だからこそ。キミ達が掲げるソロアイドルという、嘗て誰も目指さなかった異例の試みをより引き立てる為のいい材料になっている」
「ボクは純粋に知りたいんだ、キミ達同好会が目指しているものを。あのランジュがやたらと煙たがっている高咲侑って子がその道の先に何を成し得るのかって事が」
個人としてではない、あくまで音楽家が揃った一家に生まれた自分だからこそ。自分が普段気にも留めないような曲が今後の自分の糧になるかもしれないしならないかもしれない。けれど、一見じゃどうと思われる道の先に自分が今見つけたい答えに近い何かがあるのなら、それを見極めたいと。先程からの彼女の言葉は、彼女がアメリカにおいて何故飛び級をする程の天才に至ったのか。その理由が明確に現れていた。
「まぁ、暫らくはキミ達と一緒にいる事にするよ。多分、その方が手っ取り早いはずだから」
「それに、その・・・・・・璃奈の事も、いろいろ気になるし、さ・・・・・・///」
「そっか。それじゃあよろしくね、ミアちゃん!」
最後の方は何を言ったか全く聞き取れなかったが、こうして私達スクールアイドル同好会とミアちゃんの奇妙で不思議な一時的共闘条約が結ばれたのであった。
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そんなこんなで一日目。
「うわっ、何でアメリカン合法ロリが此処にいんのさ・・・・・・」
「誰がアメリカン合法ロリだ。確かにボクは14歳だがお前より上級生なんだぞ、敬語使えよ」
「うるせぇ!こちとらリナリナと遊ぶために来たんじゃい、お前は呼んでねぇんだよ!」
「アサネちゃん、落ち着いて。璃奈ちゃんボード『あわあわ』」
暫らく続いた練習を今日はOFFにして、遊びに出かけた璃奈と麻沙音とミア。その傍らで同じく遊びに誘われたしずくとかすみの両名が控えていた。
「おんのれぇ、スクールアイドル部ゥ・・・・・・ガルルルルルルルル!」
「かすみさん、今日は璃奈さんに付き合う予定なんだから。我儘言っちゃ、めっ!」
「それはそうだけどぉ・・・・・・」
しずくはスクールアイドル部所属のミアがいることで警戒心を顕わにしているかすみを叱り付け、かすみはしずくに叱られながらも少し納得のいかない表情をしていた。
「それで皆様、今日は何をなさるのでしょうか」
「文乃としては、是非とも楽しい一日にしたい所存でございます。ふんす」
「あ、文乃さんも来てくれたんですか?今日は一緒に楽しみましょうね!」
「はい、しずく様。よろしくお願いいたします」
今日集まったメンバーの中で、恐らく先程から一番ソワソワしているであろう文乃が気合十分と言った体で今日の意気込みを語る。今まで共に多くの困難を乗り越えたお陰か、しずく達とは心の距離も縮まり、すっかり仲良しになったようだ。
「そして勿論、私もいますよ!やる気、元気、美岬ィ、ハメかわっ!」
「うげ・・・・・・何で畔先輩も一緒なんですか・・・・・・?」
「ミーッサッサッサッサッサ!それは当然の事ですよ、かすみちゃん!」
「何せ私と璃奈ちゃんと文乃ちゃんはむべむべな友情で結ばれてますからね!むべっ♪」
「「むべ・・・・・・」」
「滅茶苦茶むべハラじゃないですか・・・・・・」
1年生組での交流と想定して集まったこのグループの中に、何故か2年生のはずの美岬が乱入したことにより、遊ぶというよりは色々なお店で色々なものを食べつくすと言った食い倒れ珍道中に様変わりしてしまった。
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二日目。
「今日は私達と一緒だね、よろしくねミアちゃん」
「ん、よろしく」
今度は2年生組が一堂に会してのおもてなし。少し雰囲気に慣れないのか落ち着かない様子のミアちゃんに歩夢ちゃんが優しく声を掛ける。300アグリナポイント・・・・・・亜玖璃だけに。
「今日は歩夢ちゃんがいてくれて良かったのだわ。私達だけだと色々大変だっただろうし・・・・・・」
「本当にこれは俺が付いて行ってもいいものだったんだろうか・・・・・・?」
「別にいいんじゃないの。少なくとも私は気にしないけど」
「古来から、百合に挟まる男は殺されるんだぞ・・・・・・!?」
「何の話をしてるのよ」
一方で、歩夢が持ち合わせる心の清涼剤とも呼ぶべきその優しさに打ち震える奈々瀬とこういう作品内に置いて忌み嫌われるポジションとなってしまった現状に震えが止まらない淳之介。彼は恋愛のいろはなど知らぬ、ただ処女厨である為、そういう知識には人一倍聡かった。
「ミアさん!ミアさんはアメコミヒーローはお好きですか!?」
「興味ない」
「そ、そうですか・・・・・・よよよ」
アメリカの生まれであるならば、一度くらいはアメコミヒーローに嵌ったことがあるはずと想定したせつ菜がミアに質問を言い放ったが、即答で瞬殺されてしまい、床に崩れ落ちる。頑張れ、せつ菜。幾らフラれようと自分の大好きを広め続ける立派な布教ヲタクになるんだ。
「じゃあ皆、何処に行こうか?」
「あ、そう言えば最近有名なファッション専門店が近くにオープンしたって聞いたよ」
「あぁ、あそこのお店ですね!私も知ってますよ、折角ですし行って見ましょう!」
結子の問いを受けた歩夢の提案で、近くのファッション専門店へと行くことがほぼほぼ確定となっていく。しかし、当面の問題としては。
「奈々瀬、俺、アサちゃんと変わる・・・・・・」
「淳がプレッシャーのあまり凄くよわよわに・・・・・・!?だ、大丈夫よ淳、きっと・・・・・・!」
「ななせぇ・・・・・・!」
「全く、NLNSのリーダー様がそんな事でどうするの?いざと言う時は相棒の私がなんとかフォローするから、アンタはどーんと構えて此処に居ても良いのよ」
いや、正確に言えば特に問題はなかった。何故なら、この集団で一人だけ男であるという、個人的には役得ではあるが非常に気不味い立場が淳之介を追い込みつつあったが、奈々瀬の持つ包容力がそれを全て中和してくれていたのだ。窘め方に若干のオカンみを感じるが、そこは気にしてはいけない。
「sit・・・・・・甘ったるいな」
勿論、その光景を傍から見ていたミアから罵倒が飛んだのは言うまでもないが。
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そして、三日目。
「そっかぁ、ミアちゃんと私達、学年が同じなんだ。今日はよろしくね、ミアちゃん」
「飛び級してるなんて、ミアちゃんは凄いなぁ。よぉ~し、今日は彼方ちゃん達がいっぱい甘やかしてあげちゃうよー」
「や、止めろ、子供扱いするな・・・・・・ッ!///」
今日は各個人が母性の塊であると専らの噂の3年生達・・・・・・要するにミアの今の学年でいう同学年の人々との交流が彼女を待っていた。嫌がってはいるが、自分からその差し伸べられる手を強引に退かさない辺り、彼女も満更ではなさそうであった。
「ミアちゃんは凄いな、偉いんだな!どれどれ、おねーさんからも一杯甘やかしをあげようね!」
「・・・・・・もしかしてお前も飛び級なのか?」
「これでも17歳ですけど!!」
「何だって、こんなに背が小さいのにか・・・・・・!?」
「小さくありませんけど!!」
傍から見ればただのロリっ娘にしか見えない(ロリじゃないですけど!!)ヒナミではあったが、やはり彼女も母性を持っているという意味では人一倍、この虹ヶ咲学園の3年生として申し分ない適性を持っていた。そう、皆さんご存じ、あのヒナミママなのである。
「果林ちゃん、大丈夫かなぁ・・・・・・」
母性の塊が集結して和やかなムードに包まれたその場で、ふとエマがそんな事を呟いた。やはり、普段から日常生活面では結構ずぼらな彼女の身の回りを全てやってあげていると言っても過言ではないエマにとっては、部に連れていかれた彼女がどうしても心配だったのだ。
「・・・・・・何、果林の事が気になるのか?」
「うん・・・・・・だって、私がいないと果林ちゃん、何やらかすか分からないし」
「寮の方にも監視の人達がいて、ちゃんとご飯食べてるのかも確かめられないから・・・・・・」
「あー、そう言えば監視の人いたねぇ、大勢。要人のSPかと思うくらいの規模だったよ」
加えて寮生活に於いても監視委員会の黒服達が介入している事態。委員会側もそう簡単には捕まえた相手を逃がすつもりはないようだった。
「他の学年の奴らも愛や栞子を心配してたけど、お前達も同じなんだな」
「勿論だよ、だって果林ちゃん達とは仲間だし、皆大切なお友達だから・・・・・・!」
「そりゃあそうだよ。だって私達、ライバルやってるけど仲間な事に変わりないしね~」
「私は皆と違ってまだ顔合わせてからそこまで日は経ってないケド・・・・・・うん、そうだな、私達も仲間だもんな!」
ミアの言葉にエマも彼方もヒナミもそう答える。あぁ、此処の連中はどうしてそんなに・・・・・・此処の中でそう思いながらも、ミアの中ではこれまで聞いた彼女達の声が頭の中にフラッシュバックした。
『栞子ちゃん達、自分の意志でとは言え一人で行っちゃったから、やっぱり心配・・・・・・』
『しお子達があのショウランジュと委員会に負けるとは思えないけど・・・・・・でも、しお子達もかすみんの仲間なんだから、心配するのは当たり前じゃん!』
『栞子さん達とはまだ出会って日は浅いですが、それでも。私達は、ライバルで仲間なんです』
『同好会の皆さんとはもう完璧に仲間ですからねっ!私も何かお手伝いをしたいです!』
『日は短けれど、その絆は一朝一夕のものではありません。文乃に、何か出来ますでしょうか』
『愛ちゃん達はいつも私達に元気をくれるから・・・・・・やっぱり、いないと寂しいな』
『愛さんも果林さんも栞子さんも、私達には大切な仲間ですから。やはり助けに行くべきかと!』
『仲間は絶対に助ける、それもヒーローのお約束だ』
『ま、淳はこう言ってるけど、多分素直に言えないだけだと思うわ。私も賛成ね』
『お世話したりお世話になったり。多分、そうやって繋がっていくんじゃないかな、仲間って』
『そしてそれは、今までの侑達も同じだったんだよ、きっとね!』
「・・・・・・」
しかし、それで漸く思い至った。彼女達がなぜこんなにも短期間でありながら強い絆で結ばれているのかが。あぁそうだ、これがあの今の状態にあるランジュに真似出来るはずがない。所詮は一時的な仮初の関係。ならば、今の自分がやるべき事は。
「ん、分かった。ちょっと早いけど、キミ達には説明した方がよさそうだ」
「「「えっ、何の事?」」」
ミアの何かを決意したかのような発言に首を傾げる3人。だが、ミアはそれを気に留めることなく、3人の前でこう言い放った。
「あの3人がこの一週間、何もしてなかったとでも思うか?」
「そんな事はない。皆が皆、追い詰められたフリをして監視の目を誤魔化してきた」
ミアの手元に握られた携帯には、3人とのメッセージでの交流の履歴が表示された画面。そこに書かれていたのは一つの暗号文。彼等にしか分からない様、密かに共有していたキーワードを使わなければ絶対に解けないものになっていた。
「ボクとしては、この休暇が終わって目標を達するより前に面倒事はなるべく片付けておきたいしね」
「一応、全員に話を聞いてもらおう。そして、良ければボクも一緒にやらせてくれないか」
「――キミ達の活動を阻害する委員会の
……如何でしたか?今回、ちょっと場面の切り替わりが凄いのとギャグ回としながらもギャグに極振りできなかったのとギャグ→シリアスへの変調が下手糞すぎるのが反省点かも知れません。こういう展開が丁寧に出来る人には、マジで頭あがりませんね。
そして、シナリオの都合上大してりなミア出来んかった。すまん。
さて次回、遂にシティーハンター冴羽獠が登場です。お楽しみに。