アニガサキ!-PASTEL COLLARS- 外伝 Episode of ランジュ   作:海色 桜斗

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ここで一句。

推しキャラの チャンネル登録したけれど 結局いつもと同じく もう飽きた
(意訳:スクスタの新機能のスクールアイドルチャンネルで推しを選んで感謝されたはいいものの、やるべきことが何時ものプレイやイベントと大差がないので競う意味の重要さを理解できないまま、既にもう飽きてきた)  

予定より30分ずれ込みました、誠に済みませぬ……!!

取り敢えず、本編だけ今はささっと投稿しますので、用語解説とかは時間差で更新いたします!(※16:40更新完了しました)

一先ず、ゆっくりしていってね!!

※今回から、同じシーンで該当するキャラが連続で喋っている場合、文体を離さない仕様にしました。ちょっとは読みやすくなるかな……?


4-2「高咲侑の帰還」

アニガサキSS劇場⑨「【非公式】ぬきラジ2 アニガサキ出張版」

 

麻「もう4章突入したのか・・・・・・よく続いたな、こんなおかしなノベライズがさ」

 

文「これも偏に毎回読んでくださる皆様のお陰かと。皆様、顔射マンイキハメ逆レに御座います」

 

麻「おい、作者ァ。非公式だからって文乃に変なこと言わせんじゃあないよ」

 

(済みませんでした、ほんの出来心です ^_^;)

 

麻「大体、そういうのをやらせんなら適役がいただろ、呼んで来いよ」

 

(美岬は本編で既に色々やってますからね、此処は目新しさを求めて・・・・・・)

 

麻「畔部屋に飽きしてるんじゃあないよ、それでも本当にぬきたしファンかぁ?」

 

麻「・・・・・・まぁ、いいや。で、前まで本編の補足みたいなことやってたSSで急にこういうこと始めたって事はこれから不定期でこのコーナーもやっていくって解釈してもいいんだな?」

 

(いや、もしかしたら私の発想不足でこれっきりになるかもしれません)

 

麻「マジかよ、行き当たりばったり過ぎるだろ・・・・・・」

 

文「では、そろそろ始めて行きましょうか、お二人共」

 

麻「あー、そだね。ええっと、ドスケベOKな常夏島・青藍島からお送りしている風ラジオ」

 

文「抜きゲーみたいな島で流れるラジオはどうすりゃいいですか?」

 

麻「略して!」

 

麻・文「「ぬきラジ2ーーーーーーーー!」」

 

♪〇〇〇は好きですか?♪

 

麻「・・・・・・って、いやいや。今から始まるんかい」

 

(そろそろ本編開始でーす、3、2、1・・・・・・)

 

麻「んで、まだ何もやってないのに本編開始かい」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

Side:???

 

「――・・・・・・ジュ、・・・・・・ジュ」

「・・・・・・ないのかい、・・・・・・ジュ」

「・・・・・・ジュ、ランジュ!」

 

何処までも広がる青空が美しい草原地帯。そこで眠りにつく彼女に私は何度も呼び掛ける。

 

しかし、幾ら呼び掛けても彼女からの返答はなく、彼女の美しい瞳も開くことはなかった。

 

「ううむ、彼女のバイタルはいつも以上に平常通りなんだが。一体何が・・・・・・」

「いや、待て。そうか、現実世界の彼女は今意識を失っているのか」

 

私の予測が正しいのなら、道理で彼女が目を覚まさないはずだ。この精神世界に降りて来るには彼女の意識が比較的安定していることが絶対条件だ。ということは。

 

「外界からの衝撃か、それとも精神面的な過重負荷か・・・・・・或いは、そのどちらもか」

 

まさか自分で呪縛を振り切ってしまったことであの男に眠らされたのだろうか。いや、まさかな。今の彼女はそこまで強くはなれない。だから、仮にあの男の洗脳を解くなら外界からの情報によって彼女の深層意識へアクセスする他ない。

 

――私がこの間、彼女の洗脳が弱まった時期を狙って、此処に引き連れてきた時の様に。

 

「んん・・・・・・待てよ、これは・・・・・・!」

 

その時、私の目に映ったのは彼女の胸元に煌めく『紋章(アイコン)』。それが固有の色を失った灰色から暗みを宿した赤色へと変化していく。ダークレッド、染められやすくはあるがその内に秘めたる情熱を灯した彼女だけの色。

 

「そうか、君は漸く覚醒(めざめ)の時を迎えようとしているのか」

 

スクールアイドルという輝きを内包した存在となり、その過程で自身の道を見つけた時に発現する、所有者の可能性のカタチを模したモノ。それが『紋章(アイコン)』。

 

今までの彼女は他者からの洗脳により、その輝きが失われていた。だが、それがまた輝きを取り戻しつつあると言う事は、彼女の心の奥底の決意が目覚め始めたと言う事。

 

「成程。ともすれば、後は外界の君が目覚めて。その君の背中を押す者が必要、と言う事だね」

 

所詮、血筋の力を用いて精神世界に潜航する事しかできない私には外界の彼女に希望を与える事などできる筈もないが。それをできる人物が彼女の渡った日本にいる。彼女が幼少期を共に過ごし、何時か再会を夢見て何度も心の支えにしてきた、翡翠色の輝きを持つとある少女。

彼女の後押しさえあれば、『紋章(アイコン)』の力は完全に戻り、彼女は本来の自分を取り戻すだろう。

 

「――嗚呼、長かった。今この時を何度待ち望んだ事か」

 

もし、この私の微かな声が現実世界の彼女の体を通して、一瞬でも伝わったのなら。お願いだ、彼女にこの永劫の暗闇から逃げだす勇気を与えてあげてくれないか。彼女は今、長年に渡る呪縛で足が竦んで動けなくなっているだけなんだ。

 

「後は君に任せたよ。ランジュを・・・・・・私の娘をよろしく頼む」

()()()()を持つ少女よ・・・・・・!」

 

 

Side END

 

 

「同好会の皆さん、後ろの方は揺れ具合、大丈夫でしょうか?」

 

「問題ないわ。寧ろ、トラックの荷台に乗ってるとは思えない快適さよ」

 

「ありがとね、ミサミサ~」

 

「へへへぇ、それなら良かったですぅ♪」

 

東京都内お台場周辺の某道路。NLNSのメンバー、畔美岬が運転する『マジキチヴァニラ号』は他のNLNSメンバーと同じく作戦行動していた朝香果林と宮下愛、そしてライブ対決を制した優木せつ菜を荷台に乗せて、ゲリラライブ開催予定地・・・・・・詰まる所、同好会が最終決戦の地として選んだ『有明テニスの森公園』、そこを目指していた。

 

――ライブ対決の最中に突如意識を失った、鐘嵐珠・・・・・・彼女も連れて。

 

「ねぇ、せっつー。ランランは大丈夫なの!?」

 

「恐らく、大事はないと思われます。今は気を失って眠っておられるようなので」

 

「そっか、良かったぁ~」

 

改造尽くされた荷台のスペースに設置されていたソファの上で、眠り続ける彼女に膝枕をしながら様子を伺い続けるせつ菜。愛も如何やら彼女の事が心配なようでせつ菜の傍に来て、眠り続ける彼女を優しく見守っていた。

 

「ただ、原因は何なのかまでは、はっきりとはしないので何とも・・・・・・」

 

「そっか・・・・・・そうだよね、まだ安心できないよね」

 

「・・・・・・」

 

「せっつー、あのね、ランランは・・・・・・!」

 

アタシ達の事が嫌いって訳じゃないんだよ、この子は委員会に操られてるだけなんだよ、と自分が見たあの時のランジュの様子について話そうとする愛。だが、次に続けようとした言葉は奇しくも同じ現場を目撃した果林によって遮られた。

 

「待ちなさい、愛。今此処でそれを言っても意味のない話よ」

 

「でも・・・・・・!」

 

「話すなら他の皆とも合流した時に言うべきよ。気持ちは分かるけど、間違えないで」

 

もし。もし仮に、全員が揃った場でそれを言ったとして。幾ら彼女が今まで操られていたとしても、同好会のメンバー全員が「はい、そうですか」と肯定的に捉えてくれるかどうかは分からない。

 

ましてや、侑のいない今、同好会の最終決定権を持つのは、現在に至るまで名誉部長代理を務めている結子だ。メンバーを守る為、委員会と戦い続けてきた彼女がどう思うだろう。

 

――仲間の言葉だからと。素直に聞き入れて、メンバーを説得してくれるか。

 

――それとも。仲間の言葉であっても、彼女は信用できないと切り捨てるか。

 

「・・・・・・ところで、何ですが。あの、美岬さん」

 

「はい、何でしょう?」

 

そんな重苦しい話から少し変わって。せつ菜は現状で最も疑問点である事を聞いて見る事にした。

 

「美岬さんは今普通にトラックを運転しているわけですが、その免許は・・・・・・」

 

――すると、美岬から返ってきたのは驚きの答えだった。

 

「勿論、持ってませんが!!」

 

「「「うえぇ!?それじゃあ、駄目じゃない(ですか)(の)!?」」」

 

「普段ならですけどね。けど、今私達は、おっかない組織に狙われてますんで、お気になさらず!」

 

免許を持たずに運転する・・・・・・それはつまり、立派な交通法違反に当たるわけで。しかも、美岬はそれだけに飽き足らず、先程の突入時にも通常の装甲コースを明らかに違反したところから強引にトラックを侵入させ、委員会の人間と言えど危うく轢きかけたのだ。自分達の身が緊急事態とは言え、警察沙汰になって追いかけられても文句は言えない。

 

「それでもですよ!大体、いいんですか?」

「後々、これを見て影響されてやったなんて言う人達が出てきても文句が言えない状況になってしまうのですよ!最悪、この作品自体が配信停止を喰らう事態にも成り兼ねませんが!?」

 

せつ菜の言い分は正しい。一作品のキャラが喋る内容として、ちょっとメタい事を除けば。しかし。

 

「それはそれ、これはこれです!」

 

「第一、そんな連中は最初からこの作品を見るまでもなく将来的に事故を起こすくらいの危険運転常習犯なんです!人の心が分からない学会やPTAみたいな意見に、私は動じませんよ!!」

 

美岬は美岬で、自我を押し通すことを忘れない。流石は数々の勢力に対して喧嘩を吹っ掛けて来た原作ゲームの登場人物である、面構えが違う。

 

「そんなの、正気じゃあありません!」

 

「yes I do!これが正気なもんですか。――いいえ、私は狂気です!!」

 

更に開き直った発言に、その場にいた同じ原作出身のNLNSのメンバーは・・・・・・。

 

「まぁ、美岬だからな・・・・・・」

 

「畔部屋の美岬さんだからね」

 

「美岬・・・・・・なのだわよねぇ」

 

「美岬ちゃんだからだな、しょうがないよな!」

 

「数々の常識に囚われぬ姿こそ我等の美岬様で御座いますね」

 

全員が全員、諦めの境地にて彼女の異常さを追求する事を拒否していた。

 

『そこの車、止まりなさい!』

 

そして案の定、後方からサイレンを鳴らしてパトカーが追いかけて来る。時既に遅しだ。

 

「・・・・・・不味いわね」

 

「ほらぁぁぁ!美岬さんのせいで、恐れていたことが起こっちゃったじゃないですかぁ!?」

 

「あ、パトカー来ちゃったじゃん。・・・・・・ねぇ、ミサミサ、流石にやばくない?」

 

「いや、多分大丈夫だよ、愛さん。あれ、偽装車両だから」

 

この事態に動揺を隠せない果林、せつ菜、愛の3人だったが、その時不意に声を上げたのは、意外にも麻沙音だった。

 

「アサちー、何か心当たりあるの?」

 

「実は、兄に頼まれてここら辺一帯の監視カメラジャックしてるんですけど」

「車両のデザインとサイレンが全く同じで気づけないかもですが、乗ってる人たちの格好とか見てればどうも普通の警察にしてはおかしいなって部分がありまして・・・・・・」

 

「へぇ、そんなこと出来るんだ!アサちー、凄いね!」

 

「いえいえ、わたくしめにはこれくらいというかむしろこれしかおやくにたてることがないものでしてそれをつかうならいまだとはんだんしただけでべつにじまんとかほめてもらいたいとかそういうわけでなく、でっへっへっへ・・・・・・!」

 

憧れの愛に褒めちぎられて、上機嫌の麻沙音であった。

 

「・・・・・・と言う事らしい。美岬、行けるか?」

 

「はい、合点承知です!!」

 

そんな中、淳之介が美岬に対して何か恐ろしい耳打ちをした様子だったので、それを偶然耳にしてしまったせつ菜は恐る恐るそれについて質問をした。

 

「あのー・・・・・・何をするおつもりなんでしょうか・・・・・・?」

 

「何って、そりゃあ追われてるんですから、当然」

「――カーチェイスしか、ないでしょう!!」

 

ギャギャギャギャ、と勢いよくハンドルを切って方向転換をした美岬の運転するトラックは、アクセルを全開にして近くにあった細い路地を抜け、一気に駆け出したのである。

 

「「「「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)!?」」」」」」」」

 

当然、荷台にいた8人は衝撃に耐え切れず、未だに目を覚ます気配のないランジュを庇いながらソファーにしがみ付いていたせつ菜以外、全員がバランスを崩してその場にズッコケた。

 

「み、美岬さん!?」

 

「大丈夫です!都心にしては珍しく、他の車どころか歩行者も見当たりませんし!」

 

「いえ、そういうことではなくてですね!?」

 

「問答無用!これからこの車両は、なろう運転に切り替えです!!」

 

「轢かれて異世界に転生したい輩は、躊躇わず餌食になりなさいっ!!」

 

速度を上げてドライバーズハイになった今の彼女を止められる者は、誰もいなかった。

 

「それにしても・・・・・・こんな状況でもその、ランジュちゃんだっけ?彼女、目を覚まさないのね」

 

「それもそうですね。気を失ってるとは言え、呼吸はあるので大丈夫だとは思いますが・・・・・・」

 

奈々瀬から振られたそんな話を受けて、少し心配になったせつ菜は、彼女の腕を掴んで脈を確認しようとした、その時。

 

『――私の娘を頼む、栞の紋章を持つ少女よ・・・・・・!』

 

「えっ・・・・・・?」

 

「どうかした、せっつー?」

 

「あ、いえ。ランジュさんの腕に触れた時に、誰かの声が聞こえた気がしたのですが・・・・・・」

 

「えぇ~?ねぇ皆、誰かさっき、せっつーに話しかけたりした?」

 

愛の質問を受けた他のメンバー達は、一様に首を横に振って誰も話しかけていない事をアピールする。もう一度触れたら同じ声が聞こえるかもしれない。そう思ってせつ菜は、彼女の腕を取るが。

 

「・・・・・・聞こえませんね。私の気のせい、でしょうか?」

 

「でも、聞こえたには聞こえたんでしょ?」

 

「はい。栞の紋章を持つ少女よ・・・・・・みたいな感じの」

 

「紋章?紋章ってもしかして、愛さん達が持ってるこれの事かな?」

 

そう言って愛が右手を宙に翳すと、掌の上に浮かび上がった「ハイタッチ」を表す愛の紋章。同好会に加入し、皆と一緒に練習に参加し、自身の目指す方向性について色々悩んだ挙句に答えに辿り着いた時に気付いたら出せるようになっていたモノ。その名も『友愛』の紋章。

 

「えっ、何それ。普通に非現実系なんですけど・・・・・・」

 

「わ、凄いな!それ、どうなってるの!?」

 

いきなり現実世界からかけ離れたモノを見せられて、麻沙音とヒナミが同時に興味を示す。それもそうだ、この紋章(アイコン)はスクールアイドルにしか宿らないもの。故に、彼女達NLNSのメンバーが趣旨を転向してスクールアイドルを目指さぬ限り、それが現れる事は決してない。

 

「おおっ、アサちーとヒナミん、興味あるの?」

 

「これはね、紋章(アイコン)って言うんだ。・・・・・・って、愛さん達もこれについてはまだよく分かってなくて、現状で分かってるのは名前だけなんだけどね~」

 

――スクールアイドルに宿りしモノ、紋章(アイコン)

 

一人の少女がスクールアイドルとなり、自身の目指す理想のアイドル像を捉えた時に発現するモノ。更に今現在、全てのスクールアイドルに宿る訳ではなく、一部の選ばれたスクールアイドル達にしか出せないとされる等、極めて謎が多いのだが。

 

「まぁ、別にこれがあるから何かしら日常生活に大きな支障が出る訳じゃないしね。アタシは特に気にしてないかな」

 

「そうね。今のところ、特にこれと言って害もないし、『これ』も意識しないと出てこないし・・・・・・ね」

 

愛に倣って、せつ菜と果林も右手を同じように宙に翳して自身の紋章を呼び出す。其々が違った形をしているが先程の声の主が言っているものにはまるで一致しない。

 

「ええと、一旦話を戻しますよ」

 

「愛さんのは『友愛』。なら、私や果林さんの『大好き』や『美貌』の紋章、の事ではない様ですね」

 

「うわぁ、統一性がない・・・・・・」

 

3人の紋章を交互に見つめながら、麻沙音がいつもの癖でボソッとツッコミを入れる。愛がその横で「まぁまぁ・・・・・・」とお茶を濁すような感じで言い宥めていた。実際、両者ともこれについては良く分からない為、仕方のない事ではあるが。

 

「栞の紋章・・・・・・と言っていましたね。と言う事はそれに該当するのはまさか」

 

「まぁ、一人しかいないよね」

 

♪パッヘルベル/カノン♪

 

その時、果林の携帯に着信が入り、メロディを奏で始めた。まさにナイスタイミングだった。

 

「ふふっ、噂をすれば何とやら、ね。通話、入れるわよ?」

 

そう言ってせつ菜と愛が頷いたことを確認した果林は、迷わず電話を手に取り、直ぐにスピーカーモードに切り替え周りのメンバー達にもよく聞こえるように音量を少し上げた。すると。

 

『果林さん!!』

 

「あら、栞子ちゃん。どうしたの、せつ菜みたいな大声出して」

 

携帯のスピーカーから、今まで聞いたことがないようなくらいの栞子の大きな声が聞こえて来た。それを聞いた果林が、少し悪戯っぽく微笑んで何時もの調子で揶揄い混じりに訊ねると、電話の向こう側にいる栞子が恥ずかしさから来る、実に弱々しい声で謝罪の言葉を述べた。

 

『あ・・・・・・すみません、急いでいたものでつい・・・・・・///

 

「いいわよ、別に。それより用件は何かしら?」

 

『はい、実は今、結さんと無事合流できたわけなのですが』

『そこに向かう道中で偶々委員会の方々に遭遇したので、バレないようにこっそり会話の内容を聞いていたら・・・・・・』

 

栞子の若干緊張気味の声に、それまで和やかだったムードが一瞬で引き締まる。そして。

 

『委員会の真の目的が、分かりました』

 

「「「「「「「「「・・・・・・!!」」」」」」」」」

 

遂に来たか、と言わんばかりにその場の全員が驚愕と共に息を飲んだ。

 

『やはり、彼等の真の狙いはランジュと同じものではありませんでした』

『土井の・・・・・・彼等の最終目的は』

――全てのスクールアイドル。彼女達と拠点の抹殺、です・・・・・・!!

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

――場所は移り、ここは静岡県沼津市の淡島。

 

伝説のスクールアイドルグループ《Aqours》のメンバーである高海千歌、松浦果南、小原鞠莉と行動を共にしていた侑は、今の《Aqours》についての話を果南と千歌に聞いてから、鞠莉の待つ「ホテルオハラ」の在中スタッフ専用の滑走路に来ていた。

 

「ワォ、指定時間ピッタリね、皆。嬉しいわ」

 

「御託は良いから。で、準備は終わったの?」

 

「えぇ、何時でもお台場へ向かう準備は出来てるわ。手伝ってくれたパパも張り切ってたわよ」

 

『――ハーッハッハッハッハッハ!!』

 

鞠莉がそう言い終わるのと同時に、滑走路傍の格納庫入り口に設置されたスピーカーから、高らかな笑い声が聞こえて来て。

 

『小原家先代当主、ケイニス・オハラ=コペルニカが此処に仕る』

『我が娘の愛護を受けしスクールアイドル達よ、求めし道の最果てにある奇跡に縋りたければ、いざ尋常に立ち会うがいい!!』

 

「えぇ~・・・・・・?」

 

このノリに不慣れな侑は、ただただ困惑するしかなかった。

 

「パパ~、手伝ってくれてありがとう~!」

 

『なぁに、他ならぬ愛しき娘の頼みだ。どれ、では早速報酬のCHUを!!』

 

「えぇ、侑を見送ってからのお楽しみね!」

 

『あぁ、分かっているとも』

 

ホテルオハラ内にある管制室のような場所に向かって笑顔で手を振り終えた鞠莉は、再び侑達の正面に向き直り、口を開く。だが、鞠莉の口から飛び出したのは衝撃の台詞だった。

 

「それじゃあ、早速・・・・・・と行きたいところなんだけど」

「皆には此処で、グッドニュースとバッドニュースがありマース!ねぇねぇ、どっちから聞きたい?」

 

「は、何それ、聞いてないんだけど?」

 

「だってこの場で初めて発表したんだもの、当然ね!」

 

「はぁ・・・・・・これだから小原家は」

「・・・・・・いや、この場合は鞠莉だけの問題かな」

 

一人突っ込みを入れながらボヤいている果南はさて置き。グッドニュースはいいとして、この現状でバッドニュースもあるとは果たしてどう言う事だろうか、そう考えた一行を代表し侑が声を上げる。

 

「・・・・・・いい方から、お願いします」

 

「オーケー、グッドニュースからね」

「実は今し方μ’sから連絡が入ってね、如何やら向こうの第一次作戦は成功。第二次作戦に向けて動き出してるみたいなの。勿論、侑の大切な虹ヶ咲の子達も全員無事よ」

 

「そうか、皆は無事なんだ・・・・・・!」侑は、鞠莉の言葉を受け取ると共に内心ホッとしていた。

 

しかし、そうなってくると気になってくるのは悪い情報・・・・・・バッドニュースについてだ。

 

「ええと、それで悪い方って言うのは、一体・・・・・・?」

 

「あー、うん。やっぱりこうやって聞いた後だと猶更気になって来ちゃうわよね、失敗失敗♪」

 

てへ、と付け足しながら舌をペロッと出して、拳で自分の頭を可愛く小突く鞠莉。

 

何だか良く分からないが。正直、嫌な予感しかしなかった。

 

「一応、色々対策は打ったのよ?だけど、何か途中で押し負けちゃったみたいで」

「――()()()()()()()。・・・・・・ゴメンネ?」

 

鞠莉がそんな不吉な事を言い放った次の瞬間――

 

「いたぞー!」

 

「此方、西方包囲班!土井様の予測通り、対象は《Aqours》と共に行動している。繰り返す!」

 

「此方、西方包囲班!我々の拘束対象『高咲侑』は、《Aqours》と共に行動している。以上!」

 

――滑走路全体を囲うような超厳戒体勢とでも言うべきか。

 

気付いた時にはもう遅く、委員会に所属しているであろう大勢の者達に取り囲まれてしまっていた。

 

「うえぇぇぇぇぇ!?もうこんなに人員が!?」

 

「ちょっと鞠莉、どうしてそんな重要な事を早く言わないのさ!!」

 

「だからホントにごめんってば!私もまさかここまで早いとは思ってなかったのよぉ!?」

 

「おいおい・・・・・・冗談もほどほどにしろよな」

 

容赦なく四方八方から降り注ぐ、無数のライオット弾。その中をスパイクが先行し、後に続くように侑を守るように果南が。侑を守る事に専念して、反撃が出来ない果南を守るようにそのまた後ろから千歌と鞠莉が護衛を務める。これ以上ない、柔軟な立ち回りをして見せた。

 

「気を付けろ、《Aqours》にはあのカウボーイも付いている!油断は決して――ぐはっ!?」

 

「どうすんだ、嬢ちゃん。流石に俺とは言えこの状況じゃあ、ちとキツイぞ・・・・・・!」

 

「分かってるわ!だからこうするの、よっ・・・・・・エド、聞こえる!?」

 

『はいはーい。漸くエドの活躍を見せれる時が来ました~、やっちゃえー!』

 

鞠莉の持つ通信機から聞こえたエドの声に呼応するかのように、逃げ遂せる一行を守るようにして複数体の自警ロボットが立ち塞がる。エドの発明品の一つ『どこでもアルソッ君』だ。

 

「何ィ、ロボットの大群だと・・・・・・!?」

 

『わははーい、これで皆の事、守れるよ~』

 

「はッ、流石は俺達の船で唯一のハッカー要員様だ。心強いったらありゃしないぜ・・・・・・!」

 

『やったー、エド、スパイクの人に褒められたー!』

 

「ええい!総員、砲撃止めェ!!警棒部隊、突撃準備!!」

 

状況を見兼ねた指揮役の男が声を荒げると、先程までの集中砲火が止み、今度は警棒を装備した部隊が此方に突撃してくる。

 

恐らく、彼等が装備しているのは只の警棒ではない。スタンガンの様に電流が流せる仕様のモノだ。

 

「そう言えば、先に委員会を襲撃してもらってた善子と花丸ちゃんは!?」

 

「・・・・・・此処にいるわよ、果南」

 

「オラも同じく、ずら」

 

「わ、二人共何時の間に。・・・・・・結構体力消耗してると思うけど、何とか抑えられない?」

 

果南の声につられて侑が横を見やると、そこにはやたらと顔のいい美人と柔和な雰囲気を持つ童顔の女性がいた。《Aqours》メンバーの津島善子と国木田花丸の二人だ。

 

「アレ、を使えば何とか」

 

「そうね。久々だから上手く行くか分かんないけど、やってみる価値はあるわ・・・・・・!」

 

善子と花丸の言うアレ、とは一体何なのだろうか?侑は、すぐに聞いて見る事にした。

 

「何って言われても・・・・・・まぁ、実際見てみれば分かる、わよッ!」

 

「よぉーし、もうひと踏ん張り、頑張るずらぁ!」

 

警棒部隊の前に立ち塞がった二人はポケットから携帯ゲーム機のようなものを取り出し、掌を宙に翳す。彼女の掌の上、そこには。

 

「あ――」

 

――侑が虹ヶ咲で見慣れたモノ・・・・・・紋章(アイコン)らしきものが光り輝いていた。

 

「「マトリックスエレメント、エヴォリューション・・・・・・!!」」

 

「ヨハネ、降臨・・・・・・!!」

 

「マルにだって、出来る事はあるずら・・・・・・!」

 

光の球体によって彼女達の身体が覆われ、それが打ち払われた時。そこにいたのはさっきまでの私服姿の彼女達ではなく、各々のスクールアイドルの本質が現れた衣装を身に纏った姿。

 

「凄い・・・・・・これもまた、スクールアイドルの一つのカタチなんだ・・・・・・!」

 

――偶像転身(エレメント・エヴォリューション)。嘗て自身の母校と、ラブライブを救った9人の女神達・・・・・・《μ’s》の伝説を受け継いだ者達に宿る特殊なアイコンを以て発現する、虹ヶ咲の紋章とはまた違ったスクールアイドルとしての可能性の示唆。そして、これこそが《Aqours》の力である。

 

「私こそ、天上天下にて唯一無二の地獄の使者。貴方達を、墜としてあげるッ・・・・・・!」

 

「に、人間に翼!?そんな事が――だはぁっ!?」

 

「くうっ・・・・・・!全体、再び発砲用意・・・・・・放てェ!!」

 

善子・・・・・・いや、ヨハネによる自身の羽と黒い傘の攻撃で迫って来た警棒部隊が軒並み蹴散らされる。しかし、そこで号令による再びの集中放火。スパイク一行だけでは今度も最後まで防げるとは限らない・・・・・・だが!

 

「極限の悟りにて開け、『キングシールド』・・・・・・!」

 

滑走路周辺と自分達のいるエリア、それらを2重の結界のようなもので覆い、攻撃を難なく防ぐ。更に侑編を完全に隔離したことによって敵もこれ以上の増援を望めなくなっていた。

 

「・・・・・・マルのキングシールドは強力だけど、これだけの勢力を前にそう長くは保てないずら」

 

「だから、後の事は果南さんと千歌さんに任せるよ・・・・・・!」

 

「果南達は早くその子を連れて第2滑走路の方に!そこでジェット達が待ってるわ!!」

 

「皆、行こう・・・・・・!花丸ちゃんのシールドは味方の私達なら識別して通れようになってるから!」

 

善子と花丸。彼女達の言葉と千歌の号令を受けて、果南達はエド作の自警ロボットに守られながら戦線を離脱。その場には、彼女達二人だけが残る事となった。

 

「フフ、また同じ状況になったわね・・・・・・ズラ丸」

 

「そうだね。何だか今日のマル達は、一段と運がないみたいずら・・・・・・!」

 

「えぇ、でも。それもまた私達らしい・・・・・・でしょ?」

 

どうせまた何時もの事だ、彼女らは互いに笑い合う。どんなに戦況が芳しくなくとも決して弱音は吐かない、今の自分達はスクールアイドルとしての可能性を体現した姿なのだから・・・・・・!

 

「でも、やっぱりちょっと厳しい、かな」

 

「大丈夫よ、果南と千歌とスパイクなら絶対にあの子を無事に守り通せるはずだわ・・・・・・!」

 

「うん。でも、出来ればこの状況もどうにかして覆したい、けどねッ!」

 

出来る事なら、新たなスクールアイドルの歴史を紡ぎ始めた者達の代表を《Aqours》全員で見送りたい。この状況下で望み薄な希望に縋った二人がやがて耳にしたのは。

 

♪海に還るもの♪

 

「「・・・・・・!」」

 

滑走路に響き渡った、優しく何処か儚げなピアノの旋律。それは真に音楽を愛す者とスクールアイドルを信仰する者・・・・・・聞く者全ての心を癒し、同時に消耗した体力や気力を回復してくれる。

 

『ユメノトビラ ずっと探し続けた』

 

『君と僕との つながりを探してた』

 

奏でる旋律が変化し、今度は同時に透き通った可憐な歌声が響き渡る。間違いない、これは。

 

「全く、姿を現さなくても存在をこれ程までに明確に主張してくるなんて。憎らしいわね」

 

「当然だよ、だって梨子ちゃんはさ」

 

「「――私(善子ちゃん)の上級リトルデーモンだからね・・・・・・!」」

 

嗚呼、逆転劇こそ自分達の本懐なれば。まさにこの状況こそが、ある意味一番相応しい。

 

 

一方、その頃。無事に脱出した侑達は――

 

「鞠莉、第2滑走路まであとどれくらい?」

 

「もう少しでつく筈よ!皆、辛いけど此処が踏ん張りどころよ、頑張って!」

 

「今のところは特に敵をちらほらと見かけはするが数は少ない。けど、油断はするなよ!」

 

「当然だよ!千歌達には侑ちゃんを見送るって言う使命があるからね・・・・・・!」

 

今までの私の人生において、ここまでVIP待遇と言うかどこぞの国のお偉いさんみたいに厳重な警護付きで守られたりしたことは全くない。いや、寧ろあった方がおかしいんだろう。

 

それでも、こんな私を送り届ける為に尽くしてくれる《Aqours》の皆にはもう感謝しかなくて。だから私はここにいる皆を信じて進み続けなきゃいけない。

 

――そう、無事にお台場に辿り着く、その時まで。

 

「いたぞ、《Aqours》と高咲侑だ!追え、追えーっ!!」

 

「ヤバ、感づかれた!皆、こっちへ!」

 

さっきの時よりは大勢ではないものの、余り悠長に構えていられないのも確かだ。そして、号令を聞いた鞠莉さんに連れられて私達は咄嗟に脇道へと逃げ込む。

 

「何ッ・・・・・・消えた・・・・・・?」

 

「くっ、相変わらず小賢しい真似を・・・・・・!」

 

「いいか、奴らはまだ遠くへは逃げていない!早急に探し出して高咲侑を捕えろ!奴以外は射殺して構わん、行けェ!!」

 

私達が逃げ込んだ先は、道と言うにはあまりに狭く細い道であった為、夜の暗がりに紛れることが出来たらしい。けど、きっとそれも時間の問題だ。

 

「どうする、また誰かが囮を引き受けるか?」

 

「そうね・・・・・・この際仕方ないわ。此処はマリーが・・・・・・!」

 

「――たわけめ、そうしてまた自分の責務とやらを一人で背負い込むつもりか」

 

鞠莉さんがそう言って自ら囮を演じようとした、その時だった。私達のいる道の奥の方から、鞠莉さんと同じく黄金の髪を持った灼眼の男の人が現れた。

 

「「「ギル(くん)・・・・・・」」」

 

「チカもカナンも・・・・・そして、スパイクも何故止めん。イタリアの時もそうだ、婚約の話の為にお前を捕らえようとした母の暴挙の際にも、責任を果たすと言って一人で行こうとした」

「今の状況でその選択を取る愚かさが分からぬ程、若くもなかろうに」

 

千歌さんと《Aqours》の話をしていた時に小耳に挟んだ。ギルバート・司=ハウリィ、廃校が決定されていた浦の星女学院に当時の理事長の判断で呼びこまれた男子テスターの一人。イタリアの地で鞠莉さんの実家である小原家と、ライバル関係にあるハウリィ家の一人息子。

まだ年齢的にも歳を食っているわけではない。けれど、その威圧感は凄く、とても善子さんや花丸さん達と同年代であるとは思えなかった。

 

「この場はオレに任せよ。マリーは次の目的地にチカ達を案内する・・・・・・その使命を果たせ」

 

「本当に任せても良いのね、ギル」

 

「誰に向かってものを言っているつもりだ。オレにもコレはある、いざとなったら使ってみるさ」

 

彼はあくまでスクールアイドルではなく、私と同じマネージャーのような存在。だから本来はあるはずのないものなのだが・・・・・・宙に翳した彼の掌の上には、善子さんや花丸さんと同じく《エレメント》が輝いていた。

 

「・・・・・・」

 

「何やら不思議そうに見つめているな、高咲侑とやら。このオレにこれが宿る事が、それ程おかしい事か?」

 

「えっ、違うんですか・・・・・・?」

 

「・・・・・・このオレとて、コイツについては詳しい事は分からん。だが、一つだけ確かなことがある」

 

「可能性を内包する輝き、それがスクールアイドルだけの特権という訳ではないという事だ」

 

この時の私には彼の言っている言葉の意味が全く分からなかった。何故なら、私は紋章(アイコン)やエレメントと複数の呼び名を持つモノを他の人々が外で見せ合ったりしている様子を見たことがないからだ。

 

確かに、特殊な事例だからと自重できる人もいる事は分かっている。けれど、世の中には自身に不思議な力が宿ったと気付いた時、それを悪用しようとする人間がいる事も知らない訳ではない。それでこそ、目立つつもりならニュースや新聞などに取り上げられていても不思議ではない。だが、そういう事例はどんなニュースを見ても、どんな新聞の読んでも、どんなサイトを閲覧しようと、全くなかったのだ。故に、事情を自分達と同じくあまり知らない彼が何故そこまで断言できるのか。正直、理解に苦しんでいた。

 

「馬鹿者め、そういう意味ではない」

「だが、そうだな。其れの真偽性も含めて、お前自身がこれから仲間と共に歩み、その道の過程で自ずと答えを拾って見せよ。きっと、それはお前にしか出来ぬことだ」

「さぁ、行け!この場は彼の英雄王に所縁ある、このオレが預かる!!」

 

「・・・・・・行こう、皆」

 

彼の言葉を受けた果南さんからの指示で、私達は再び走り出す。

 

結局、言わんとしていることは分からないままだったが。自分がまだまだスクールアイドルと言う可能性の全てを目撃出来ていないという仮説は、私の中に眠るトキメキを再び呼び起こしてくれた。

 

――・・・・・・そんな、気がした。

 

「皆、もう少しよ・・・・・・!」

 

走り続ける事、数分。先頭を走る鞠莉さんからそんな情報を聞き、街を抜けて飛び込んだ雑木林の中から脱出する。視界が開け、私の目が捉えたそこは間違いなく先程のモノと規模の変わらない、大きく広い滑走路だった。

 

「鞠莉、追手は・・・・・・!?」

 

「大丈夫、如何やら此処はまだ嗅ぎ付けられてないみたい」

「けど、それもまた時間の問題よ。スパイク、お願い!」

 

「オーライ、お嬢様。・・・・・・じゃあ行こうぜ、侑さんよ」

 

「はい!」

 

追手の警戒を鞠莉さんと果南さんがしてくれている間に、私は千歌さんとスパイクさんと共にエドさんの警護ロボに守られながら格納庫の前へと急ぐ。すると、真ん中の格納庫のシャッター近くにフェイさん、ジェットさん、エドさんが私達の到着を待っていた。

 

「おう、フェイ。もしもの時は頼んだぜ・・・・・・!」

 

「縁起でもないこと言わないでよね、全く。ま、援護くらいなら何時でもやったげるわよ・・・・・・!」

 

「ジェット、オレの《ソードフィッシュ》の調整具合は!?」

 

「任せろ、バッチリ済ませてある。何時でも行けるぜ、スパイク!」

 

「エド、モニタリングは任せたからな・・・・・・!」

 

「はいはーい、了解したでありまーす!」

 

擦れ違い様にメンバーとやり取りを挟んだスパイクさんは、シャッターを開き、格納庫に鎮座している自身の愛機《ソードフィッシュ》の運転席に華麗な跳躍をしつつ、乗り込む。私も頑張って真似しようとしたのだが。

 

「あいてっ!?」

 

案の定というか何と言うか。ジャンプした拍子に機体に頭をぶつけて情けない声が出た。やっぱり私には難しかったか・・・・・・割とフィジカル面は自信あったんだけどなぁ。

 

「わわっ、大丈夫!?」

 

「おいおい、無茶すんな。ほれ、梯子(これ)で登って来い」

 

「あはは・・・・・・面目ない」

 

地面に倒れこむ前に千歌さんが支えてくれて、私はスパイクさんの出してくれた梯子を使って後部座席に乗り込んだ。

 

「準備OKです、スパイクさん!」

 

「よし、すぐに飛び立つ!危ないから離れてくれ、千歌さんよォ・・・・・・!」

 

「う、うん、分かった!」

 

千歌さんが十分離れたことを確認したスパイクさんがエンジンを掛け、《ソードフィッシュ》の補助輪が動き出した。格納庫を抜け、滑走路へと機体を移動させると、今度はプロペラが回転を始め、大空に飛び立つ準備が整う。

 

「そんじゃあ、ぼちぼち出発するぜ・・・・・・!」

 

「はい、何時でも行けます!」

 

スパイクさんに返答をし、滑走路を飛び立とうとしたその時。千歌さんが私に向かって呼び掛けた。

 

「侑ちゃん!」

 

「千歌さん・・・・・・!」

 

「向こうに行っても元気でね!それでまた、気が向いたら沼津に遊びに来てよ!」

 

「はい!」

 

「それから、えっと・・・・・・ありゃ、なんて言おうとしたんだっけ???」

 

「ズコー」

 

こんな大事な場面においても発揮される千歌さんの天然ボケっぷりに感じていた緊張が程良く解ける。そうだなぁ、うん。近いうちに機会があったらもう一度。今度は虹ヶ咲の皆も連れて・・・・・・伝説のスクールアイドルの《Aqours》に会いに行くんだ!

 

「全く、チカは相変わらずだね。・・・・・・取り敢えず、元気でね侑」

 

「今度は虹ヶ咲の皆も連れて来てよね!そしたら、ウチのホテルオハラに招待しちゃうわよ!」

 

「あっという間の付き合いだったけど、中々楽しかったわ。また来なさい、話相手になるわよ?」

 

「そこまで顔を合わせた仲じゃねぇが、アンタはいい目をしている。あばよ、嬢ちゃん」

 

「今度来たら、エドと遊んでくださーい!」

 

果南さんが、鞠莉さんが、フェイさんが、ジェットさんが、エドさんが。

 

「――まぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁにあったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「うわっ、善子に花丸!?もう向こう片付いたの、早くない!?」

 

「えっへへ~、マル達にかかればこれくらい余裕ずら!!」

 

「とっ、兎に角!!知り合ったからには貴方も正式な私のリトルデーモンよ、感謝しなさい!」

 

「まーた善子ちゃんの中二病が始まったずら」

 

「中二病言うなぁ!?」

 

善子ちゃんが花丸ちゃんが。

 

「――皆の者、王の帰還である!」

 

「わ、ギル君まで来たずら」

 

「誰にモノを問うている、このオレであれば間に合って当然の事だ・・・・・・!」

 

「でも、ぜーはー言ってるねぇ」

 

「でっ、出来れば、そこは、気にしないでもらえると・・・・・・ごほっごほっ・・・・・・!」

 

ギルさんが・・・・・・これまで出会った人達が、私を見送る為だけに勢揃いしてくれた。こんなに、こんなに嬉しい事はない・・・・・・!

 

「皆さん、ありがとうございました!私、絶対また沼津に来ます!だから、待ってて下さい!!」

 

後部座席からその場にいる全員に向かって大きく頭を下げる。短い間のちょっとした感謝を込めながら、私の中で芽生えたこの気持ちを同好会の皆にも分けてあげたいと思いながら。

 

「「「「「「「「「侑(ちゃん)(さん)、行ってらっしゃい・・・・・・!」」」」」」」」」

 

「行ってきまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!」

 

――私は、沼津の大空をお台場のある方向へと飛び立っていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「――ね、ホントに皆と一緒に見送らなくても良かったの、梨子ちゃん?」

 

その時、沼津港近くに停泊していた一隻の船の上では、空へと向かって飛び立つその真紅の機体を見つめる、二つの影が甲板にあった。

 

「別に私は顔を見せたわけじゃないから特に思い入れもないだろうし、ね」

「それにね、何かあの子にはきっとまたどこかで会える気がするの。何故かは分からないけど」

 

「ふぅーん、そっかぁ・・・・・・」

 

そう呟いて、その船の船長である彼女は、梨子と呼んだ少女の隣に腰かけた。

 

「でも、そうだね。梨子ちゃんと同じで、私も何かそう思う・・・・・・!」

 

「ふふっ、私達やっぱり以心伝心だね」

 

「えへへっ、だったらきっと千歌ちゃんも同じ考えのはずだよね!」

 

彼女がその時見せた純粋な笑み、その煌めきは彼女達もまたスクールアイドルの一人である事を彷彿とさせる、最高の輝き。

 

「えぇ、きっとね。それじゃあ、千歌ちゃん達を迎えに行きましょうか、曜ちゃん」

 

「へっへー、任せておいてよっ!行くよー、全速前進・・・・・・」

 

「「ヨーソロー!!」」

 

彼女らの高らかな敬礼と共に、その船は港に向かってゆっくりと進みはじめたのだった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

――場面は再びお台場の地へと戻る。地獄のカーチェイスを味わいながらも何とか無事に集合場所である『有明テニスの森公園』にNLNSのメンバー達と共に辿り着いた愛と果林、そして一人情報収集の為に別行動をしていた栞子。部とのいざこざによって交流を絶たれていた3人が、同好会メンバーとの再会を喜んでいた。

 

「りなりー、会いたかったぞー!ぎゅーーーーーっ!」

 

「あ、愛さん、苦しい・・・・・・///

 

「果林ちゃん・・・・・・良かった、本当に無事で良かったよぉ・・・・・・!」

 

「エマぁ・・・・・・!」

 

「栞子ちゃん、おかえり。一杯頑張ったね、よしよし」

 

「あ、あの、歩夢さん、皆さんの前ですので、その・・・・・・///

 

各自がそれぞれの反応で無事の帰還を祝福されている中、その光景を目の当たりにした結子がふと頭の中で思い浮かべた人物は。

 

「・・・・・・(後は、侑が帰って来ればスクールアイドル同好会は全員揃う事になるのか)」

 

「(早く帰って来なよ、侑。皆が侑の帰りをずっと待ってるんだから・・・・・・!)」

 

彼女達の中心人物である、高咲侑。彼女も揃ってこそ、同好会のピースが全て満たされるのだから。

 

『最終目的地、到着です!皆さん、私はもう暫らくカーチェイスの続きを繰り広げて、委員会の動きを錯乱しますので。その内に準備をお願いします・・・・・・!』

 

目的地に全員を下ろした後に美岬がそう言って、すぐに『マジキチヴァニラ号』を発進させ、再び夜の街を縦横無尽に駆け抜けていった。彼女の陽動作戦を無駄にしない為にも、万全を期しておかなければならない。

 

何故なら。此処の舞台こそが、私達の最終決戦場なのだから・・・・・・!

 

「皆、準備を始めるよ!・・・・・・と言っても、先にこっちに来てた私と歩夢ちゃん達で一通り作業は終わらせておいたから最終確認だけなんだけど」

 

「愛さん、果林さん、栞子ちゃん、せつ菜ちゃん・・・・・・お願いできるかな?」

 

戻って来たばかりで疲れているかもしれない状況で申し訳ないけれど。私は4人にそう呼び掛けた。

 

「おおっ、ゆいゆいもまた一段と逞しくなってきたじゃん!いいよいいよ、愛さんに任せてー!」

 

「あら、ホントね。この調子じゃ、逆に侑がうかうかしてられなくなっちゃうかも」

 

「はい、暫らく現場を離れていた分、私にも精一杯尽くさせてください!」

 

愛さん、果林さん、栞子ちゃんが呼びかけに応じてくれて。最後にせつ菜ちゃんが。

 

「はい、それは勿論。このゲリラライブ、必ず成功させて見せましょう!!」

 

今から立った数刻前に、全力を出し切ったライブパフォーマンスをしたとはとても思えないほどの元気溌剌な様子で、そう答えてくれた。

 

しかし、私の目はそこでふと。NLNSの皆が控える会場のベンチ付近・・・・・・そこで奈々瀬ちゃんに介護されるような形でベンチに腰を下ろしていた虚ろな瞳の少女、ランジュを捉える。

 

彼女とは最終決戦の地で再び会う、以前そんな確信をした私の目の前に久々に表れた彼女は、あの時の様子からはまるで想像もつかない位に自信も覇気もなくなっていた。

 

「・・・・・・態々彼女を連れてきて、どうするの」

 

「待って、ゆいゆい!ランランについてはアタシが・・・・・・!」

 

「――よくも此処まで手間を掛けさせてくれたわね、スクールアイドル同好会」

 

苛立ちを募らせた私に愛さんが必死で説得をしようと駆け寄った・・・・・・まさにその時。

 

護衛を誰一人連れてくるわけでもなく、その場にただ一人足を踏み入れた、ある意味今回の騒動の一因を生み出したとも思える相手・・・・・・虹ヶ咲学園の理事長が姿を現した。

 

「理事長・・・・・・」

 

「気を遣うにしては今更過ぎじゃない、どうせ私が偽物って事くらい分かってるんでしょう?」

「あのムーンカテドラルとかいう小娘達の口車で、ね」

 

途端に背筋が、ぞくり、とした。偶に集会中に見る、あの全校生徒を見渡す慈愛の籠ったような瞳は影もなく・・・・・・そこには、私達への恨みの籠ったような冷酷な瞳だけが存在していた。

 

「まさかこの娘が貴女達に負けるなんてね、夢にも思わなかったわ」

 

そこで言葉を切り、理事長はベンチに座って項垂れている自分の娘の姿を一瞥する。

 

勿論、そこには自分の娘に対する愛情はなく。まるで壊れた自分の所有物を見る様な、そんな目。

 

「これで約束通り部室を戻さなければ、また校内に我々へ仇為す不届き者が増える事でしょう」

「ですが、貴女方に部室を渡さずにそれを阻止する方法が一つだけある」

「そうですね・・・・・・貴女達は娘を誘拐した罪で全員退学。えぇ、それが妥当ですわね」

 

「そ、そんな・・・・・・!?」

 

何という事だ、これでは完全に理事長の思惑通りに事が動く正真正銘のディストピアの完成じゃないか。自由な校風で知られるこの学園がそうなってしまえば、被害者でもある学園側が不利になってしまうのは明白。まさかこの人は、最初から学園も利用するつもりで・・・・・・!?

 

「さぁ、理事長命令ですよ。大人しく引きさがりなさい」

 

「理事長・・・・・・貴女は、貴女はそんな事で私達を・・・・・・ッ!」

 

「スクールアイドル優木せつ菜・・・・・・いえ。確か貴女があの生徒会長ね、中川菜々」

 

「くぅっ・・・・・・!」

 

「これはまた都合がいいわね。だって、貴女さえ消えれば生徒会も只の役立たずですもの」

「そうなったら、もう私の野望を止める者は誰もいないわ・・・・・・!!」

 

冷徹な目に狂気を宿らせて、理事長はせつ菜ちゃんへ掴みかかる。

 

・・・・・・遂に本性を現した虹ヶ咲学園の偽理事長、自信の娘が設立したスクールアイドル部でさえも協定関係を築いていたであろう委員会も関係なく。彼女は最初から自分の中に眠る野望を叶える、只それだけの為に多くのモノを利用できる立場の人を蹴落とし、成り替わったのだ。

 

「スクールアイドルの希望のカタチ・・・・・・紋章(アイコン)の力も、貴女達はあの高咲侑が近くにいなければ使うことが出来ない!そう、貴女達がまだ未熟だからこそ!!」

 

「う、くっ・・・・・・!?」

 

「その力がどんなものかは知らないけれど!私にとって脅威になり得る可能性のあるモノは全て握り潰す・・・・・・さぁ、観念しなさい!!」

 

「っ・・・・・・せつ菜ちゃんから、手を放せ・・・・・・!」

 

力負けしそうなせつ菜ちゃんの前に割り込む形で、私は理事長の前へと躍り出た。さっきは不覚にも護衛し損ねてしまったが。此処で阻止しなければ、護衛役の名が廃る・・・・・・!

 

「スクールアイドル同好会代理マネージャー、舘結子」

 

「残念だったわね、貴女じゃ高咲侑の代わりにこの子たちの力を導くことは出来ない・・・・・・!」

 

「かはっ・・・・・・!?」

 

「結子さん!?」

 

突然、腹部に重い痛みが走る。せつ菜ちゃんを取っ組み合いから引き剝がして、自分が加勢したその一瞬の隙を突かれ、理事長の蹴りが私の腹を直撃したのだ。

 

「私を只の一般人と一緒にしないで頂戴、私は中国拳法でも名が知れた鐘家の女!」

「日本の武術家でも知られた舘家だか何だか知らないけど、その程度で私が倒せると思ったら大間違いなのよ!」

 

台湾で最たる富豪人の家である鐘家。まさか、彼等が中国拳法にまで通じていようとは。であるならば、先の一撃が私の腹筋を貫通して、体内にダメージを負わせられる程に威力が高くないはずがない。何て悪い冗談・・・・・・理事長の発言は全部嘘じゃないって事か・・・・・・!

 

「格上が相手・・・・・・だけど、私は負けない・・・・・・ッ!!」

 

「無駄よ!貴女如きの未熟な腕で私に勝てる道理はないわ!!」

 

「うがっ・・・・・・!?」

 

次は脚部に一撃、左足が痙攣を起こして動けなくなる。

 

「退きなさい、未熟な護衛役。貴女を戦闘不能にすれば、同好会の生殺与奪は私のモノよ!」

 

「ぐあっ・・・・・・!?」

 

左肩に一撃。だらんと垂れて、左腕に力が入らなくなる。不味い、片腕を封じられたのはかなり痛い損失だ、このままじゃ・・・・・・!

 

「往生際が悪いわね、けどこれで最後――」

 

理事長の手刀がガラ空きになった左側から首筋に迫る。絶体絶命のピンチ、その時・・・・・・!

 

『――現場には、遅れて登場するのがヒーロー様の鉄則って奴でね。さ、逆転劇の時間だぜ!』

 

「なッ・・・・・・あれは・・・・・・!?」

 

お台場上空を切り裂くように通りかかった、赤色をした不思議な形状の戦闘機。少なくとも現代には存在しないはずの特異な機構を前にして、理事長の視線がそれに釘付けとなり、攻撃が止む。更にそれだけではなく。

 

「み、皆さん!見て下さい、紋章が勝手に・・・・・・!」

 

それに反応するかのように、せつ菜ちゃんの胸元に何かのマークのようなものが光り輝く。周囲を見渡すとせつ菜ちゃんだけでなく、同好会の皆の胸元に同じようなものが輝いていた。

 

「これって、栞子ちゃんの時と同じ・・・・・・って事はあの機体に乗ってるのは――」

 

侑(ちゃん)(さん)(ゆうゆ)・・・・・・!

 

同好会メンバー全員が期待の眼差しでその戦闘機を見上げる。そして、遂にその時は訪れた。

 

「スパイクさん、ありがとうございました!私、行ってきます・・・・・・!」

 

「おう、達者でな・・・・・・って言っても、これから俺も色々やらなきゃいけない訳だが」

 

「ま、一時のお別れって事だな」

 

「はい、本当にありがとうございました・・・・・・!!」

 

その戦闘機の中から、随分と懐かしいあの聞きなれた声が聞こえて来た気がした。

 

再び赤い戦闘機が上空を旋回し、此方の上空を通過した。それと同時に此方に向かってパラシュートを使って飛び降りる影が一つ。あぁ、ずっと待ち侘びていた、この時を。

 

「皆、ただいまーーーーーーーーーーーーっ!!」

 

――同好会最後の希望。高咲侑が様々な困難を乗り越えお台場に、そして彼女が一番大切に思っている仲間達の元へ無事に帰還を果たした・・・・・・!!

 

 

 




さて、如何でしたでしょうか。これで漸く同好会側の舞台が完全に整った形になりましたね!

さぁ、何も裏方で引っ込んで傍観しているだけではない……表に出てきても十分強いと言うか何なら最初から最後まで貴女がやれと言わんばかりの強さを誇る理事長。果たして結子に勝ち目はあるのか……!?

では、前書きで言った通り、用語解説を今回から此方の方でやっていきたいと思います。前書きに書くと本編読む前にネタバレされたようなもんだしね……。

それでは、用語解説です。どうぞ。


アニガサキ及びスクスタ設定変更・オリジナル設定解説③

・紋章(アイコン)
虹ヶ咲スクールアイドル同好会限定の設定。他のグループにも似たような設定はあるが、それぞれが別の名称と能力を持っている為、同じ力とは断言できない。スクールアイドルとしての方針を決めたその瞬間に発現するモノと言う情報だけでその他に関しては全くの謎。元ネタはデジモンアドベンチャーの選ばれし子供たちの紋章。ただ、本家とは違ってタグとかには入ってない。

・偶像転身(エレメント・エヴォリューション)
Aqours限定の設定。虹ヶ咲の紋章(アイコン)と似ているが、全く違う力。小型ゲーム機のような専用機器SIヴァイス(通称:シーヴァイス)を使う事で、自信が目指すスクールアイドルとしての理想像を具現化し、その力と衣装を身に纏うことが出来る。元ネタはデジモンフロンティアのスピリット・エヴォリューション。

・どこでもアルソッ君
ビバップ号の船員である天才ハッカーのエドワードが開発した、自警ロボット。某警備会社の名前を借りて、優秀な警備で対象を守る事の出来るハイテクな存在。本編でも登場したが、その数は一体のみではなく複数体いる。

・鐘家
本編で登場する理事長とランジュが所属する家系。様々な交易などで莫大な利益を得ると共に、中国古来の武術であった中国拳法を扱う名家にも数えられており、その家に生まれた者や嫁いだ者は性別や大人子供の区別なく、技術を磨かなければならない。その為、所属する人間の殆どが武術の師範代並の強さを併せ持つ。並みより強いだけの結子にはまさに天敵中の天敵であった。

・紋章の力の発動条件
本編で描かれているように、個人の意思で胸元や掌から出したり消したりできるが、内包している力を具現化するためには近くに高咲侑の存在がある事が必要不可欠。何故、彼女が発動条件となっているのか。それに関しては全くの不明である。

登場人物・追加参戦キャラ紹介②

渡辺 曜(CV:斎藤朱夏)
私立浦の星女学院に所属していたOB。沼津・内浦のスクールアイドル《Aqours》でも引き続き皆の衣装係として所属している。現在は憧れだったパパと同じく船の船長をしており、本人もかなり船上生活を楽しんでいる様だ。遠出することが多く、あまり練習にこそ参加は出来ないが。それでも自分を誘ってくれた千歌ちゃんの為、と参加できる日は積極的に参加している。

桜内 梨子(CV:蓬田梨香子)
私立浦の星女学院に所属していたOB。沼津・内浦のスクールアイドル《Aqours》でも引き続きAqoursの曲の作曲を担当する。なお、現在は東京の音楽科でピアノのアーティストとして活動しており、様々なアーティスト達の作曲を担当することもある程、ピアノ界隈でもかなり有名な人物。アニメ版の性格ではなく、Gs版の設定になっている。

ケイニス・小原=コペルニカ(CV:山崎たくみ)
小原家の先代当主で鞠莉のパパ。かなりの自信家で経営に関しての豊富な戦略性を生み出す柔軟な頭を持っているが、その生真面目さが祟って時折行動が裏目に出たりする。娘の鞠莉を超が付くほど溺愛していて、毎回登場しては娘にスキンシップのCHUを強請る。


……以上です。
いやぁ、いつもながらでは御座いますが、拾ってくるネタ元が古いなぁ、私。

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