アニガサキ!-PASTEL COLLARS- 外伝 Episode of ランジュ   作:海色 桜斗

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ランジュの導入部分だけでは、どうもインパクトが足らない!!

……というわけで急遽仕様変更して(全5話→全5章(各章3話構成))でお送りする事にしました。ついては進行具合もいいので投稿です。アニガサキを見てるとニヤリとできる演出もあるよ

遠からん者は音に聞け、近くば寄って物を見よ!

「ラブライブ!」×「ぬきたし」×「CITY HUNTER」×「COWBOY BEBOP」

これが、禁断の(コラボ)の始まりだ!!



スクスタ及びアニガサキ設定の変更点まとめ・その①

・栞子の役職
スクスタ内では、生徒会長である中川菜々(優木せつ菜)に選挙戦で勝利し、会長職に就いていますが、本作ではこれも改変。あの選挙戦でアニガサキ仕様の『有能なナナ』に負けて、そこを侑と歩夢に救われ、空いていた副会長の席に座っている(アニガサキのせつ菜推しモブ副会長殿……済まん)。

・栞子の加入時期
アニメ1期では勿論出ていません。しかし、ここでは選挙戦のクーデターをスクールアイドルフェスティバル開催前に起こした事になっています(ちゃっかり神シナリオのアニガサキもちょこっと改変)。彼女の専用曲「決意の光」は侑だけに見せて公の場ではまだ披露していない。故に、彼女の加入時期はアニメより早い登場(2期で出番あればの話)。


1-1「祭りの後の前日譚」

アニガサキSS劇場①「スルーされた適性」

 

か「『アニガサキ!-PASTEL COLLARS-』、遂に解禁です!」

 

侑「やははー、一時はどうなるかと思ったけど、無事波に乗れたようで良かったよ」

 

し「やりましたね、先輩!」

 

璃「準備は万全、璃奈ちゃんボード『むんっ』」

 

栞「・・・・・・」

 

か「おっ、どうしたのしお子?目出度い席なんだからもっと明るく振舞わなきゃだめだぞっ?」

 

栞「いえ、それは分かっているのですが・・・・・・」

 

か「?」

 

栞「いきなり外伝からのスタートで、第一弾が何故か私じゃなくてランジュなんですね・・・・・・」

 

し・璃・侑「「「あー・・・・・・」」」

 

か「だ、大丈夫だよ!少なくともスクスタをやってくれてる人はしお子のこと知ってるはずだから~!」

 

栞「いえ、いいんです。自分がそう言う適性を持っていることは分かってましたから」

 

か「せ゛ん゛ば~い゛、じお゛子゛ががわ゛い゛ぞう゛だよ゛~っ」

 

侑「(しまった、そっちが先だったか~・・・・・・)」

 

(※栞子の立場は生徒会副会長と仮定してお送りします。済まん、モブの副会長殿。)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

――赤はいい。燃える様な赤、情熱の赤、弾ける様な赤色でなく、ずっしりと影を落とした落ち着きのある赤はもっといい。まさにこの色はアタシの為にある様なもの。そう、このアタシが満を持して民衆の前に君臨する、そんな一世一代の晴れ舞台に欠いてはいけないデコレーション。

 

『ぐっ、ぐぬぅぅぅぅぅ・・・・・・!』

 

『会場のボルテージ、超興奮状態。不味いね、男だったら「やっべぇ全然勃起収まんねぇ、くっそー」な感じだね。どうする、リナリナ?』

 

『・・・・・・今は、戦略的撤退。それしかない』

 

此処は私立虹ヶ咲学園の大きな常設ステージが特徴的な舞台上演スペース、そんな劇的な舞台に似つかわしい劇的な演出。ステージ上で今の今まで観客を盛り上げていた同好会メンバー+αの面々はこのアタシの登場によって観客の目を此方に奪われた。でもこれは当たり前、だってアタシがアタシなんだもの。さぁ、存分に嫉妬なさい、存分に悔しがりなさい・・・・・・!

 

『ちょっと、りな子ぉ、アサ子ぉ、折角此処まで来たのにもう諦めるのぉ!?』

 

『あぁん?じゃあ、そのまま一人でアレを抑えるつもりかぁ?無理だって、諦めな』

 

『かすみちゃんはよく頑張った方。だからお願い、今は引こう?』

 

『くぅっ・・・・・・ゔゔゔゔゔっ・・・・・・!』

 

不利を察して既にはけていった他のメンバーからの通信をインカム越しに受けて尚、ステージ上にてこのアタシを睨み立ち続ける愚かな偶像擬きが一人。でも、今は別に構わないわ。自分自身の身の丈をしっかりと思い知ってしっかりと学習しておきなさい。どんなステージだってアタシとアタシに賛同する友達の輝きには絶対に誰も敵わない。何故なら私は。

 

『この中に、ランジュが嫌いな人、いるわけないよね!』

 

『『『『『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』』』』』

 

『『『ランジュ様ぁ~ッ!!』』』

 

――鐘嵐珠。全ての”善”を司り、選ばれた存在であるこのアタシに敵う者など居るはずがないのだから。

 

 

その出来事が起こる、凡そ1週間前――

 

「それじゃあ、私達の名誉部長である侑先輩の無事を願って、乾杯でーすぅ♡」

 

「「「「「「「「「「「カンパーイ!!」」」」」」」」」」」

 

場所は変わって、此処は虹ヶ咲学園の部室棟の一角にある『スクールアイドル同好会』の部室内。晴れて普通科から音楽科への学科移動試験を勝ち得た、名誉部長兼敏腕マネージャーの高咲侑の送別会が行われていた。部室内には同好会のメンバーのみならず、スクールアイドルフェスティバルを共に戦い抜いた他の部の生徒達や他の学校のスクールアイドル達で溢れかえっていた。

 

「皆、ありがとう~!私、すっっっっごくときめいちゃった!」

 

「うふふ、侑ったら相変わらずその台詞がお気に入りなのね」

 

「うおーっ、果林だけじゃなくて愛さんの事も構え~っ!」

 

「あははははっ、ちょ、愛ちゃん止めてよ、くすぐったい~!あはははははは!」

 

こんな時でも、学校指定のジャージを何故か袖を通さずに羽織るような形・・・・・・所謂「海軍大将」風の着こなしをしている高咲侑は、同じ同好会メンバーである朝香果林と宮下愛に早速可愛がられていた。

 

「むぅぅ~っ!ちょっと愛先輩、侑先輩はかすみんの専属マネージャーなんですからねっ!」

 

「冷たいこと言うなよ、かすかすぅ~」

 

「んもぉぉぉっ、かすかすって言わないでください!か・す・み・んですぅぅぅぅぅ~っ!」

 

「かすみちゃんは今日も可愛いなぁ」

 

「ひうっ・・・・・・!?え、えへへぇ、そんな事ありますけどぉ~っ!///

 

そこへ後輩で先程乾杯の音頭を取っていた中須かすみが乱入する。因みに、彼女が乾杯の音頭取りを引き受けることになったと知った時の反応が。

 

『当然ですねッ、なんたって一番可愛いかすみんは同好会の部長でもあるんですよ、にししししっ』

 

こんな感じで、皆がやるのは構わないけれどちょっと面倒だから実質部長の座にいる彼女を持ち上げてその気にさせてやらせようと画策した結果がこれである。普段からイライラしてばかりの雷親父も思わずにっこりの相変わらずのチョロさだった。

 

「(流石かすみちゃん、今日もチョロいわね・・・・・・)」

 

「(かすかす、その内変な人にお持ち帰りされそうだなぁ。ちょっと心配)」

 

「(あ、かすみちゃんがまた侑ちゃんに抱き着いてる・・・・・・まぁ、いっか)」

 

最早二人にとっては、ある意味見慣れた光景である為、本音は敢えて出さずに心の中でそう呟いた。そして、そんな様子を傍目で見ていた侑の幼馴染みの上原歩夢には微塵も嫉妬されないポジションとして見られていた。彼女こそ、この同好会唯一の歩夢のちょっとだけ重い嫉妬意識下の対象外なのであった。

 

「あ、侑さん!!」

 

「せつ菜ちゃん、どうしたの?」

 

「じ、実は侑さんに是非とも見て貰いたい物がありまして!ちょっとだけお時間宜しいですか!?」

 

「う、うん。何?」

 

「す、少し待ってくださいね。ふへっ、じゃじゃーん!『1/1プライマルアクセプター』ですっ!!」

 

テンション高めに話しかけてきた彼女こそ虹ヶ咲の伝説のスクールアイドルとして噂高い、『優木せつ菜』その人である。虹ヶ咲学園の所属生徒でありながら、その姿を校内で見た者はいないという神出鬼没で正体不明のスクールアイドル。しかし、彼女の正体は既に同好会のメンバー達には知れ渡っている。本名、中川菜々。本職・虹ヶ咲学園生徒会会長という呆気ないほど分かりやすく、逆に何故未だにバレていないのか不思議な位である。

 

更に、彼女は超が付くほどのオタクでアニメやゲーム・特撮がこれでもかと言う程愛している。その界隈で身に付けた処世術と変装術を用いて見事に『せつ菜』である時と『菜々』である時を使い分ける様は正に神業。ただ、本人にちょっと抜けたところがあるので若干ヒヤヒヤものではあるが。

 

「それでですね、此処の電源を入れると・・・・・・」

 

『ギュピーン!!』

 

「わ、凄い、光った!」

 

「はいっ、これで起動は完了です!後は下の赤いボタンをタップすると全体が光って、同じところをもう一回押すと・・・・・・アクセス・フラーッッシュ!!

 

『バシュゥゥゥゥン、ギュインギュインギュイーーーン!!』

 

派手な音が鳴り、彼女が腕に付けているアクセプターが光り輝く。特撮厨なら誰もが唸る、最高の出来栄え、最高のクオリティだった(既に購入済みなのだぜ? by作者)。

 

「学校に何を持ってきているんですか、せつ菜さん。これは没収です」

 

「あ゛あ゛っ!?ま、待ってください、栞子さん!これには深い訳が・・・・・・!」

 

しかし、生徒会長だからと言って学校に私物を持ち込んでいい道理はなく。その場に音もなく現れた同じく生徒会副会長の三船栞子に敢え無く没収されてしまう。構造上、ベルトが大変外れやすい物でありながら本体を床に落とす等と言う特撮ファンご立腹の失態をせずに、するりとせつ菜の腕から流れるように抜き取るという超人技を披露した。

 

「一応聞きましょうか・・・・・・何です?」

 

「え、えーっと・・・・・・あ!そう、何を隠そう私は未来から来たハイパーエージェ、ン・・・・・・」

 

「一度目なので先生には言いませんが、この後、生徒会室でお話があります。いいですね?」

 

「は、はいぃ・・・・・・!(´;ω;`)」

 

生徒会長と副会長、先輩と後輩。色々とせつ菜の方が格上(形式上は)ながら、立場逆転が度々起こる大変珍しい生徒会のそんな一幕が侑の目の前で繰り広げられた。

 

「あ、侑さん。済みません、大変見苦しいところをお見せしました」

 

「う、うん、私は特に気にしてないよ、栞子ちゃん」

 

「気にしてない・・・・・・!?Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン」

 

栞子に向けて言った侑の発言を何故か自分の今までのやり取りに対するものだと誤解したせつ菜が栞子の後ろで勝手にショックを受けていた。気落ちしている分、実に面倒くさいオタクである。

 

「それより、本当に行ってしまうんですね。貴女がいない間が少しだけ不安です」

 

「大丈夫だよ、栞子ちゃんがいるなら安心して任せられるし、同好会の皆もいるしね!」

 

「そ、そうですか・・・・・・?ふふっ、そこまで言われては私も精一杯務めさせて頂く他ないですね」

 

ちょっとお堅いところがありながら、それでもここ最近はだいぶ柔らかくなってきたように思える。心の迷いを断ち切って、スクールアイドル活動に一緒に取り組んできたお陰と言うべきなのだろうか。くすり、と笑った彼女の口元で彼女のチャームポイントである八重歯がキラリと光った。

 

「侑ちゃん栞子ちゃんやっほ~、彼方ちゃんだぞ~?」

 

「先輩、栞子さん、お疲れ様です。ご一緒してよろしいですか?」

 

項垂れるせつ菜と交代するかのように、そこへやってきたのは近江彼方と桜坂しずくの二人。とある理由で何時も眠そうにしている彼方ではあるが、部活の時に限っては普段伏目がちになっている目もぱっちりと開いている様だった。一方のしずくは後夜祭の演劇衣装に身を包み、華麗に畏まっていた。流石は演技を最も得意とする未来の大女優候補だ、身振り手振りがしっかりとしている。

 

「彼方さんもしずくちゃんも大歓迎だよ。折角だから、もっかい乾杯しようっか」

 

「いいですね、誰が合図しましょうか?」

 

「ん~、じゃあ此処は彼方ちゃんがやったげるね~」

 

「あ、いいんですか?じゃあ、お言葉に甘えて♪」

 

「「「「乾杯~」」」」

 

彼方らしい実にのほほんとした合図で4人が同時に乾杯をする。その後は、4人で楽しく談笑しながら料理を摘まみ、テーブルの上に置いてあった微炭酸のシャンパン(※アルコールではない)が無くなったと同時に彼方からの一時休眠を取りたいと要望もあり、既に( ˘ω˘)スヤァ状態に入りつつあった彼方をしずくが負ぶっていって解散となった。

 

「あ、侑ちゃんと栞子ちゃん!もうテーブルの上の料理は食べたのかな?私は一通り全部食べたけど、とってもボーノだったよ!」

 

「璃奈ちゃんボード『ちょっとお腹いっぱい・・・・・・』」

 

次にやって来たのはエマ・ヴェルデと天王寺璃奈の二人だった。エマはいつものように配膳用の皿にこれでもかと言う程色々な料理を乗せていて、対する璃奈は小皿に少しだけ乗せている状態。胸囲の格差、此処にありてを理不尽な程に体現していた。

 

「エ、エマさん・・・・・・あまり食べ過ぎると今後の活動に影響が・・・・・・!」

 

「心配してくれてありがとう、栞子ちゃん。でも大丈夫、私ね食べてもあんまり太らないみたい!」

 

「・・・・・・・!?」

 

エマのその言葉に軽くショックを隠せずにいる栞子。それも当然、適度な身体づくりと健康維持の食事とダイエットは年頃の男子女子問わず必然命題。それを意図も容易くパスできるなどと・・・・・・そう思いかけた栞子の思考に待ったをかけたのがエマの胸元に備わった二つの巨大なアルプス山脈。その真実を確信した時、例えかすみでなかったとしても「ぐぬぬ・・・・・・」となってしまうのは避けられぬ運命(さだめ)であった。

 

「侑さんがいない間、ちょっとだけ寂しい」

 

「それは私も同じだよ、璃奈ちゃん。ヒトリダケナンテタエラレナイヨー」

 

「侑さんも、なの?じゃあ、これあげる」

 

「うわぁっ、凄い!璃奈ちゃんボード(メモ帳サイズ)だ!!」

 

「持ち運び、便利。これで何時でも私に会える、璃奈ちゃんボード『キュピーン』」

 

そう言って、璃奈はボードを顔の真正面で無く横に置いて、素顔が見える状態で侑に向かってサムズアップをした。顔の表情にあまり変化はないように見えるが、よくよく見ると僅かながらの変化がある、そこを見逃さないのが敏腕マネージャーの高咲侑が天王寺璃奈と言う少女と交流していくうちに会得したスキルのお陰に他ならなかった。

 

「ありがとう璃奈ちゃん、大切にするね!」

 

「うん・・・・・・///

 

これと言って特に特別な事をしているわけではない。だが、彼女のいるポジションこそがある意味今まで登場してきた幾つものスクールアイドルグループの中でも特異で、所属アイドル達の士気を更に底上げするという非常に重要な役割を果たしている事は諸君らも重々承知済みのはずだ。謂わば、この『虹ヶ咲スクールアイドル同好会』は高咲侑の高咲侑による高咲侑の為の一大ハーレム王国なのである。

 

「侑ちゃん、お疲れ様」

 

「わっ、歩夢~!えっへへへ、歩夢もお疲れ様」

 

エマ、璃奈、栞子と別れた後、侑が部屋の隅にある名誉部長の専用椅子に腰かけると後ろから声を掛けてくる者がいた。侑が初めて声援を送ったスクールアイドル、幼馴染みの上原歩夢だった。

 

「同好会の皆とはもうお話しできた?」

 

「勿論、やっぱり皆が皆、魅力的で可愛いよね!」

 

「う、うん、そうだね・・・・・・」

 

「当然、歩夢も可愛いよー」

 

「も、もぅ、侑ちゃんったら~!///

 

侑のたらし発言に顔を赤くしてポクポクと侑を叩く歩夢であったが、その表情は満更でもなさそうであった。結局、彼女にとっては侑の存在と言葉こそが何よりの安心を齎すものであるという事を、あのスクールアイドルフェスティバル開催前のいざこざの最中で再確認出来たのだった。

 

「・・・・・・ねぇ、侑ちゃん」

 

「ん、どうしたの、歩夢?」

 

「私、私ね・・・・・・」

 

「侑ちゃんが皆と繋げてくれたこの同好会をどんなことがあっても絶対に守っていくから、守り抜いて見せるから・・・・・・!」

 

「だけどやっぱり侑ちゃんがいないと不安だから・・・・・・なるべく早く、帰ってきて、ね?」

 

自分に出来た一番最初のファンで、大切な幼馴染み。ずっと一緒と言う事を強要できないししてはいけない事も分かっている。ただ、歩夢はこの時一抹の不安を覚えていたのだ。

 

伝説のスクールアイドルとして語り継がれる《μ’s》と《Aqours》。彼女達の様に同じくアイドルをやる側にそのグループを支える絶対的な求心力がいない自分達に果たして彼女が一時的に姿を見せなくなった事でいつも通りのパフォーマンスを発揮できるのだろうか。万が一、同好会内で不文律が起きてまたバラバラになってしまうようなことがあったらどうなってしまうんだろうかと。

 

「そっか。ま、幼馴染みの歩夢の頼みだし、出来るだけ最短で帰ってこれるように頑張るよ」

 

「だからさ、その間だけせつ菜ちゃんや栞子ちゃん、皆と一緒に此処を任せてもいい、かな?」

 

歩夢の不安を打ち消すように、侑がいつものニカッとした笑いでそう尋ねる。一番大好きで誰よりも信頼している幼馴染の少女からそんな言葉を聞いた歩夢は、その少女・・・・・・侑に向かって彼女が彼女である所以、桜の花びらがゆっくりと花開くような、そんな静かで穏やかな笑みを浮かべた。

 

「うん、分かった」

 

「本当!?いつもすまないねぇ、歩夢おばあさん♪」

 

「もぅ、気に入ったの、その台詞?こほん・・・・・・任されました、お爺さん♪」

 

強化合宿を開いた一日目の夜のあの時の様に、二人はお互いに冗談を言って笑い合った。彼女達の尊き友情は例え二人きりの空間でなくても邪魔されることはなかった。

 

「あ、そうだ。そう言えば私、もう一つ大事な事を皆に言うのを忘れてたよ」

 

「えっ、どうしたの・・・・・・?」

 

「大事な事って何ですかー、せんぱーい?」

 

「な、何でしょう。大事なお話と言うのは・・・・・・?」

 

「おーっ、何々?愛さんを信じてドーンと話してみー?」

 

「なぁに、貴女の話なら何でも聞くよ?」

 

「侑さんからの頼み事なら、私、聞きたい・・・・・・!」

 

「んふふ、いいよぉ~。お姉さんに任せなさ~い」

 

「はい、是非とも聞かせてください、先輩」

 

「別に良いわよ?ほら、お姉さんに相談して御覧なさい?」

 

「何でしょう、業務連絡・・・・・・でしょうか?」

 

侑の声を聴いて、『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』に所属するメンバー達が十人十色の返事を返す。皆の視線が彼女の方へ向いた時、彼女は高らかにこう叫んだ。

 

「皆も知っての通り、私は今週末に音楽科の研修で暫らく席を外します」

 

「そこで、来週から私の代理で同好会のマネージャーをしてくれる人をこの場で発表したいと思います!・・・・・・ささ、前にどうぞ」

 

その言葉を聞いた周囲のザワザワに紛れて、その場で静かに侑達を見ていた少女がゆっくりと手を上げ、真っすぐに侑が先程用意した特設の壇上を目指す。彼女の名は――




ご視聴有難う御座います。これからもこんな風に不定期で更新しますので、次回の1章2話をお楽しみに。それでは、また。
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