戦姫絶唱シンフォギアXDU -孤独な影と運命に捧ぐ鎮魂歌-     作:ヒモトラマンロープ・ダーク

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 ギャラクシーファイトの続編発表に悶絶しながら、すっかり後回しになってた本編投稿デス。






 …最後にタルタロスに拘束されてたウルトラマン、一瞬だがマックスに見え(殴




S.O.N.G.強襲

 まだ明け方の…仄暗く、朝日がまだ顔を出さない空。

 

 

 その下でコンテナが積まれた山が並ぶ港が静寂に包まれている……

 

 

 

 

 ――ドォォン!

 

 

 つい、数秒前までは。

 

 刀を握り締め駆ける少女とそれを浮遊するように空中を飛翔する人影がふたつが追う。少女の走りは猫のように靭やかで生身の人間が出せるそれを超え、そんなスピードでコンテナの合間を縫って駆け抜けようと追跡者を振り切ることが先刻から叶わずにいた…

 

 

「ええい、しつこい! 息ひとつくれる暇すら与えてくれないとはな!」

 

 

 少女、風鳴翼は悪態をつく。既にシンフォギアを展開しているが、天ノ羽斬は既に随所が欠けてボロボロ… 刃も溢れ、もう鈍らの棒切れ寸前まで傷んでいる。

 

 強敵…今まで様々な輩を相手をしてきたが、ここまで厄介なのはいつ以来か。仲間とは分断され、ズルズルと距離を離された上に相手はまだ無傷も同然。通常のシンフォギアの攻撃がうまく通らないことから察するに敵は『並行世界の存在』。そういえば、並行世界を渡った後輩が言っていた…

 

 

「これが… ウルトラマンか!」

 

 

 少しでも間合いを開けようとコンテナを蹴りとはず…が、巨大な爪の羅列が交錯し簡単に引き裂いて細切れに。そこから飛び出してきたのは重厚な鎧を着込むパワードスーツのようなウルトラマン。胸部に『X』とカラータイマーを輝かせるその名は『ULTRAMAN SUIT X(エックス)』…両腕のガンドレッドからは機械的ながらも異形の爪が並ぶ。

 

 

「…ちっ!」

 

 

 足留めが出来ないなら…! 翼はあえて逆走し、逆立ちするとアームドギアの刃を脚に装着して回転、必殺の技『逆・羅烈』による奇襲をかける。不意打ちにXは咄嗟にガンドレッドでガード…刃が装甲に当たり甲高い音をたてるが、亀裂が走りメリメリと悲鳴をあげたのは天ノ羽斬…

 

 さらに、無慈悲にも後方に控えていたウルトラマンの三叉の 槍が空から迫る!

 

 

「ぐっ!?」

 

 

 ガッ!!と突き刺したのはアスファルトの地面。間一髪、身を捩らせてシンフォギアの装甲を掠めて火花を散らすだけで済んだ翼…この勢いのまま跳びのいて距離をとる。

 改めて確認する槍のウルトラマン…額や旨といった随所に青いクリスタルのような機関が輝き、まだ暗い今の時間は目を惹く美しさを感じるほどだが、三叉の槍も相まって薄闇に映える姿は翼にとっては悪魔か鬼と思えた。彼の名は『ULTRAMAN SUIT GINGA』…冠する銀河の名に恥じず災禍の渦を拡げている。

 

 XとGINGA、どちらも強い…片割れどちらかだけだったら善戦も叶ったかもしれない。2体のウルトラマン相手にとうとう追い詰められ、肩で息をする彼女に対し、GINGAが頃合いと機械的な音声で語りかける。 

 

 

 

『諦ルンダナ。大人シク投降シロ。』

 

 

 降伏の呼び掛け…確かに、勝利は絶望的。されど、

 

 

「舐めてくれたものだ。防人たる我が身は剣、そう易易と手折られるものか!」

 

 

 この程度の危機で止まる程度で、世界は救えはしない。密かに仕込んでいた短刀を投げ、Xの影へと鋭く突き刺さる。金縛りにされたように硬直してしまう。相手の動きを封じる翼の十八番『影縫』、流石のウルトラマンでも動けない… 一方、残されたGINGAは『良カロウ!』と槍を振るい激しい突きを繰り出す!

 

 

「ふっ はっ! ハッ!」

 

 

 残像が残る程の勢い、なれど防人たる彼女が見きれない程でも、ましてや捌ききるなら余裕な程。ヒュ!ヒュ!と、ギリギリのところでかわし続け、刹那の隙を狙う。

 

 そして、下段の薙ぎ払い そこッ!

 

 

「ヌンッ!」

 

 

 タイミングをあわせて、跳ねると全体重をかけて槍を踏み込み地面へと縫い付ける。

 

 

「とった!」

 

 

 ニヤリと口角かわ吊り上がる… しかし、

 

 

『惜シカッタナ。』

 

「!?」

 

 

 GINGAは槍を放って離脱。その背後にはX…右腕のガンドレッドを2本の鉄棒が重なる砲台へと変化させて翼を標準に捉えていた…

 

 

「…(れ、レールガ…ッ!?)」

 

 

 事態を認識するより早く、彼女は音速を越える電撃弾で撃ち抜かれていた。発射されたのは実弾だろう…本来、シンフォギアには届かないはずの質量兵器だが、規格外の威力と超高圧の電流がピンボールのように意識と彼女自身を彼方までふっとばす。数秒後には停泊していた貨物船舶に埋まるほど叩きつけられ、アームドギアは明後日の方向に突き刺さる。

 

 

「不覚…ッ」

 

 

 もう遅い。GINGAが目の前に降り立つと、強引に翼を掴み灰色の機械的な腕輪を右腕に装着させる。『なにを…』と呟いている間に彼女を灰色とウッドブラウンのウルトラマンらしきパワードスーツが包む。頭部の後ろに反ったスラッガーと赤いバイザーアイは並行世界にてマリアやクリスたちを襲ったメビウスキラーと同様な外見をした『ダークロプス』。その役割は殻にして檻、翼の自由を完全に奪い去る鎧…装着者の意思とは無関係に動いて勝手に戦線を離脱。GINGAとXもそれを見送ると、視線をまた別の場所に移す…

 

 

 

 丁度、シンフォギア装者ふたりが爆発に投げ出される形で転がってきた…

 

 『月読 調』と『暁 切歌』、装者の中でコンビネーションは右に出る者はまず居ない…そして、並行世界へと出向しているマリアを除けば、唯一の『ウルトラマンスーツギア』を扱える。つまり、今回の敵には有効になりうるはず……だったのだが…

 

 

「どうして…ッ 同じウルトラマンの力が通じない!?」

 

「L.I.N.K.R.切れた時並に、ギアが動かないデス…!」

 

 

 調はACEスーツ、切歌はSEVENスーツのギアを発現させている。しかし、目の前の大剣を担ぐ黒と銀のウルトラマンにはその力は通じない。しかも、シンフォギア自体も不調で一方的に追い詰められていた。

 敵は銀と黒のボディに『O』を模したカラータイマーが印象深い『ULTRAMAN SUIT ORB』。円い鍔が特徴的な大剣オーブカリバーを担ぎながら、ゆっくりと炎の中から調と切歌に迫る。

 

 

「調、このままやられるわけにはいかないデスよ!」

 

「うん、どんなに絶望的な状況だって諦めない!」

 

 

 やられてばかりでなるものか! 窮鼠、猫を咬むと言わんばかりにバリバリ!と悲鳴をあげるシンフォギアに鞭打ち出力をあげる。そして、アームドギアから放つはアイスラッガーと光輪を模したエネルギー… しかし、ORBはオーブカリバーを地面に突き刺し腕を十字に交差…歪な円の光が形成されるとゴォォ!!と紫帯びた白銀の光線を発射…戦乙女たちの決死の必殺技を苦もなく押し返し、あっさり粉砕。大爆発が起こり、煙が立ち昇る頃には調と切歌は糸が切れたように崩れ落ちていくところだった。

 

 そんな彼女たちを無慈悲に掴みあげるXとORBは、翼と同様に腕輪を装着させ、ダークロプスのスーツの中へ押し込む。これで、3人の戦乙女が因われた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

「――天ノ羽斬、シュルシャガナ、イガリマ、共に反応消失ッ!」

 

「装者たち3名のバイタル、フォニックゲインどちらも確認できません!」

 

 

 

「なんだとッ!?」

 

「そ、そんな…」

 

 

 S.O.N.G作戦司令室のオペレーターたちは次々と最悪の情報を司令官である風鳴弦十郎に投げこみ続け、技術担当のエルフナインも右往左往する始末。現在の半分にあたる戦力が一気に失われたとなれば、どんな優秀な司令官とて迅速な判断は難しいだろう。

 しかし、自らの迷いが一瞬でも重なり続けることで事態の悪化は深刻になることは弦十郎だって解っているからこそ頭をフル回転させている。もう既存戦力で対処しきるのは無理なのは明白。なら並行世界からマリアとクリスを連れ戻しつつ、別世界の装者に縋るより他ない…が、ギャラルホルンのゲートで並行世界を渡り歩くにはシンフォギアとその装者がいなくては無理。その残る響、未来、奏も外で戦闘にあたっており、肝心要の彼女たちがいないと話にならない。どうする…?

 

 

「(分散された時点で勝敗の盆はあちらに傾いていたわけか!)…小日向くんは戻せないか!?」

 

「駄目です! たった今、撃墜され…… っ!? 敵、こちらに高速で向かってきます!? この勢い、まさか…」

 

 

 未来の戦闘不能と同時に敵の接近を告げるアラームが響き渡り、僅か数秒としないうちに司令室の天井を破壊して爆炎と悲鳴の喝采をあびながら『ウルトラマン』がボロきれのようになった神獣鏡のシンフォギアを纏う未来を引っさげながら着地する。黒と白のボディに金色の『V』と輝く冠を頂く細めながらもマッシブなウルトラマン『ULTRAMAN SUIT VICTORY』。弦十郎の前に立ちはだかるや司令室全体へ警告を発する。

 

 

『動クナ。動ケバ、コノ小娘ハ死ヌ。シンフォギアノ技術者ハダレダ?』

 

「私のことは、構わないで…ッ きゃっ!?」

 

 

 VICTORYは未来を人質に司令室を占拠。続いて無人機のダークロプスが2体侵入してオペレーターたちの頭上を浮遊して抵抗しないよう見下ろす…

 

 戦力の大半を失い、司令塔を奪われた。皆が理解する…これは、完膚なきまで敗北であると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

「何するものぞ、シンフォギア…と言っておこうか。」

 

 

 本部の制圧をVICTORYが確保したことと、3名の装者の生け捕り…1名も元が大して強くなかったものの事実上、無力化。残るはあと2人と並行世界を渡った何名か…並行世界側は『星殺し』と自らを謳うメビウスキラーに任せたから大丈夫だろう。

 

 (ふむ…。噂に聞いてはいたシンフォギア、ダークロプスの自立型軍団にD改装を施した『新世代(ニュージェネレーション)スーツ』まで宛行いはしたが、口程にも無い。)

 

 

 ――黒いウルトラマン…悪魔(ベリアル)は嘲笑う。

 

 

 幾度となく世界を救い、創世の神や世界蛇すらも退け、並行世界を渡れる力を持つ…そして、特に改装も不要でスペシウムまで扱えるようになるというのだから、かなり警戒していた。まあ、重要なのは扱う人間ではなく、シンフォギア自体だが…

 

 ベリアルは火の手があがるS.O.N.G.本部を一瞥すると再び戦場に目を戻す。

 

 

「しかして、ダークロプス20機相手に抗うじゃないか。」

 

 

 視線の先…大量のダークロプスに囲われながら、尚も奮戦するはアマルガムを展開して戦う響。既に数機は撃破され転がっているが、数の暴力の前に神にすら届いた拳はボロボロだった。未来を人質されたことに加え、本部の制圧は完全に冷静さを失わせるもので、今まで紙一重で捌いていたダークロプスたちの攻撃も幾度となく直撃を貰っていた。

 

 

「どけぇ!!」

 

 

 強引にでも本部へ乗り込もうとする響の行動は本来、セーフティに回るマリアや翼がいれば防げたかもしれない。ブレーキがぶっ壊れた暴走車如く、こちらにに飛びかかる彼女は実に脇が甘い…フンッと、鼻を鳴らすと棍棒型の武器『ギガバトルナイザー』を構え繰り出される格闘技の連打を捌いていく。

 

 

「ハァァ!だっ!オォ!」

 

「忌々しいな、その身のこなし…『ヤツ』を思い出す……だが…」

 

「!」

 

 

 右ストレートを弾いて、響の顔面前で突きつけるギガバトルナイザーの先端…ガトリングのそれを彷彿させるソレは予測に違いなく砲身。ボッ!!と凄まじい火を噴けばいくらアマルガムの力があれどゼロ距離からの大ダメージは避けられずふっとばされ、少女は宙を舞う。…が、空中で姿勢を立て直し、勢いを殺しながら着地。そう簡単に易易とやられはしな…

 

 

 ――ザシュッ!!

 

「…がっ!?」

 

 

 されど、背中への衝撃と同時に無慈悲に切り落とされるアマルガム。スラッガーを構えたダークロプス2機が彼女の背後で交錯し、天使の羽を、聖者の拳を引き裂いたのだ。

 

 

「――これで、エンドマークだ。」

 

 

 王手。

 

 ギガバトルナイザーを放り、ベリアルは鉤爪が印象深い右手を縦に十字で腕を構え、赤黒いエネルギーを収束させる。その時、響は何をするつもりか察し咄嗟に離れようとしたがダークロプスが飛びかかり羽交い締めにして動きを抑えられてしまう。次の瞬間、視界を覆う程の闇の光線に包まれ、一帯を巻き込む大爆発が起きた…。

 

 

 

「かは……」

 

 

 限界…装甲も砕け、アマルガムの残骸も塵になり、激槍の少女は地に伏した。それを、ダークロプスたちが回収にまわり、先に因われた者たちと同様に腕輪をつける。

 

 

「さて、計画はこれからだ。」

 

 

 夜明けの光が闇の戦士の勝利を照らす… 序章のエンドマークは打たれた。

 

 

 ここからが本当の幕開け。

 

 

 

 シンフォギアとウルトラマン…その運命が再び交わる時、大いなる陰謀が戦士たちの物語を揺るがす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





★マリアさんやクリスちゃんは?

 …並行世界でメビウスキラーにボコられて、ある人物に助けられている最中(※試作版参照)


★シンフォギア組やられすぎじゃない?

 …新世代ウルトラマンに明記はしてないけど、ダークロプス軍団とかきたら普通に数の暴力で詰む。しかも、きりしらがある理由から不調。



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