戦姫絶唱シンフォギアXDU -孤独な影と運命に捧ぐ鎮魂歌-     作:ヒモトラマンロープ・ダーク

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 まだね、今回のウルクロZ見れてないんだ。

 


ALERT/何かが叫ぶ声

(ブラスト…一体、どんな人なのかしら……え!?)

 

 

 マリアは医療室に入るなり戸惑ずにはいられなかった。Yシャツ姿に伸びかけの黒髪に違和感があれど眼鏡をかけた顔はウルトラマンの世界で出逢った『ある男』と瓜二つ…

 

 

「…諸星?」

 

「えっと……どちら様?」

 

 

 諸星弾…セブンスーツを操りスペシウムソードを用いた剣の達人で、時に冷酷無慈悲な性格はかつてマリアたちとイフロ星人を巡って対立を起こしてしまった程。彼ならダークロプスを退ける程の力がある可能性もあるだろうが、彼…ブラストの反応はどうにもおかしい。

 

 

「いや、あなた諸星弾でしょ。セブンスーツの…! ほら、私よ!!マリア・カデンツヴァナ・イヴ!! イフロ星人の時に一緒に戦った…!」

 

「何その噛みそうな名前!? …あのさ、人違いしてない? 君のような美人を忘れるわけないし、イフロ星人…だっけ?全然知らないんだけど…?」

 

「…えぇ?(もしかして、諸星じゃない?)」

 

「いや、『えぇ』言いたいのコッチなんだけど。」

 

 

 性格も陽気でかなり違う…というか、若干、チャラい。正直、『畜生以下のクソ異星人は抹殺』とかおっかないイメージが先行していた諸星の顔で『美人』とか言われても違和感通り越して、不気味で気持ち悪い。諸星本人には悪いが…

 

 では、このブラストなる男は何者? …他人の空似? …はたまた、並行世界の別人?

 

 

 認識がすれ違う中、クリスがマリアに問う。

 

 

「マリア、コイツ知り合いなのか?」

 

「そうだと思ったんだけど…何か違うみたい。顔はそっくりなんだけどね…。失礼したわ、あなたがブラストで良いのかしら?」

 

「あー、美剣のやつか。そっちは名前じゃねえんだ。俺のことは『レイト』って呼んでくれよお嬢さん方。(キラーン☆)」

 

 

 …うっ!?

 

 ドン引きするマリアとクリス。キザな笑みに寒気が駆け抜ける…。変人から変態、ホムンクルスから神まで相手をしてきた彼女たちだがこのブラスト改め『レイト』なる男の態度は乙女たちをタジタジにさせるには充分だった。

 そんな彼を呆れたと言わんばかりに、その影から溜息を漏らす聞き覚えのある少女の声…

 

 

「それをやめろと言っているだろう。あとふたりの処置も終わったぞ。」

 

「…美剣!」

 

 

 美剣サキ。弦十郎から既に聞いてはいたが、意外に早い再会である。どうやら、隣のベッドで寝ている響や奏を手当てしていた様子で、ダークロプスやベリアルに手痛いダメージを負わされていたものの、安らかに寝息をたてている様子からひとまずは安心のようだ。持参していた謎の薬剤等をアタッシュケースにしまいながら、弦十郎に処置の完了を伝える。弦十郎も『協力感謝する』と答えた。

 

 

「美剣サキくん、君はマリアくんたちとは既に面識があるという話は本当だったようだな。」

 

「ああ。残念ながら私が来た時には手遅れだったが…。それに、そこのバカが保護されていれば流石に無視は出来まい。」

 

 

 バカ…ああ、レイトのことか。申し訳無さそうに苦笑している。マリアやクリスも響と奏の無事に安堵…『またこちらでも助けられたわね。』と礼を述べるも美剣は…

 

 

「まあ、気にするな。このバカのついでだ。」

 

 

 無愛想についでと告げる。というか、レイトに対して扱いが割と酷くないかこの娘? 流石に本人も『2回も言ったよ、バカって…』と若干、落ち込みだした。

 

 さて、ここからが本題。

 

 

「では改めて、君たちに事情を聞きたい。あの襲ってきたウルトラマンたちは何者で、君達とどういう関係なのか? そして、君達自身の目的は?」

 

「「…」」

 

 

 途端に、レイトと美剣は鋭く顔を引き締める。美剣はともかく、先までマリアとクリスを口説こうとした彼さえ緩んだ笑みを完全に消し去り、戦士の顔をのぞかせた…やはり、彼がゼロを纏っていたというのも嘘ではないと、肌で感じさせる威圧。

 無論、それで引き下がったりはしない。マリアも真実を知るため食らいつく。

 

 

「…美剣、レイト。あなたたちの行動は『偶然』で片付けられるものじゃない…。まるで、敵を追ってきたように見えた。私たはちは拐われた仲間を救いたいし、追う敵が同じなら力になれるわ!」

 

 

 今回の一件はパラレルM78ワールドが何かしら関わっているのは間違いない。なら、ウルトラマンの専門家である科特隊に協力を要請することだって出来る。向こうには進次郎、諸星、北斗といった心強い味方だっているし、それに加えて彼等が手をとりあってくれればどんな相手だろうと簡単に負けはしないだろう。

 

 

「頼む、アタシの大事な人たちを失うのはもう嫌なんだ。頼みの綱はアンタらしか…」

 

 

 クリスも頼む… しかし、

 

 

「……参ったな…。取り敢えず、改めて自己紹介するか。俺は『望月レイト』、AIB所属のウルトラマンでコードネームはブラストさ。AIBってのは『Aliens Investigation Bureau』、異星人捜査局の略だな。」

 

 

 急に改まって自己紹介をしはじめるレイト。弦十郎が訝しげな表情で彼を見る…彼の真意は?

 

 

「異世界を取り締まる組織ということかね?マリアくんから聞いた科学特捜隊と似ているようだが…」

 

「ま、そうだな。科特隊が前身となった組織の一つだし。因みに美剣は『O-50(オー・フィフティ)』って組織の所属でコイツは…まぁ、うん。ややこしいから置いておこう。

 

 さて…美剣からはアンタたちのことは大まかに聞いた。何にせよ、S.O.N.G.のお前たちと同じく俺も組織の人間ってことだ。話せることと話せないことがある。」

 

「自分の組織の機密に関わることは教えられないということか?」

 

「そゆこと。手当てしてもらって悪いが。…その代わり、俺達で連れ去られた娘たちは必ず奪還する。これでどうだ?」

 

 

 唸る弦十郎…ここで、何も情報を獲られないのは避けたいところ。何か一つでも拐われた装者たちの足がかりになればと思ったのも彼を助けた理由のひとつだが、彼や美剣の強さも破格かつ未知数なのも事実。彼等に任せるのも一手かもしれないが…

 

 

「アンタたちじゃ敵に太刀打ちは出来ない。ここは任せてくれ。」

 

「しかし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…おい、あのバカたちはどうした?」

 

 

 

 

 そんな時、異変に気がついたクリス。美剣が看護していたであろう響と奏が寝ているはずのカーテンに遮られたベッド…開けてみれば2人の姿は無い。

 

 

「ああ、あの二人ならもう出ていったが…。」

 

「は!? アイツら動けるのかよ!?」

 

「私が『AME-CHAN』まで使ったのだからな、当然だ。」

 

 

((あ、飴…ちゃん?))

 

 

 大事だろそこ…。というより、飴?ウルトラマンにボコボコにされて重傷だった彼女たちが、動けるようになるまで短時間で回復させる『飴ちゃん』とは一体…。並行世界の異星人由来の技術だろうか…?

 

 無事にこしたことはないがふたりは何処へ?

 

 

 そんな時、弦十郎が胸元の端末にピピッと通信を受け手に取る。『俺だ。何かあったのか?』と訪ねるやオペレーターからもたらされていく情報に顔を険しくしていく…。あえて口に出すまでもなく悪い知らせの類いなのは想像に難くない。 

 

 

「悪い知らせが2つ…ギャラルホルンが今までにないタイプのアラートを示した。恐らく、並行世界で何か異変が観測されたのだろう。そして、もうひとつ…響くんと奏くんが許可を待たずに並行世界へ跳んだ。」

 

 

「なんですって!?」

 

「馬鹿な、いくら飴を使っても精神疲労までは緩和が精一杯だ!」

 

 

 仰天するマリアと美剣。無茶癖がある組み合わせだが、大切な存在である翼と未来の危機も相まってか先走ってしまったと見える。

 すると、レイトもよっこらせと重い腰をあげて腕のブレスレットに振れる…すると、眩い翠の光に包まれたと同時にゼロスーツが装着されトリコロールのカラーの装甲が息吹くように輝く。

 

 

「どうやら、ゆっくり寝てはいられないようだな。…まずは、じゃじゃ馬なお嬢さん方を連れ戻さねえと。」

 

 

 それから、ギャラルホルンの保管庫まで移動した一行。確かに、ギャラルホルンは歌のようでありながらおどろおどろしい暗雲を彷彿させる音色と赤黒い光でアラートを鳴らしており、初めてのレイトと美剣はおろか、マリアとクリスさえも息を呑むほどの畏怖があった。

 

 

「コイツはなんだ? 何が起こって…」

 

「わからない。でも…『世界を揺らがせるナニカ』がこの先で胎動しているような気がする。とてつもなく、大きくて、恐ろしい何かが…」

 

「…恐ろしい何か。…(あと気の所為かもしれないけど、このアラートの音色に先輩の歌が微かに聞こえるような…)」

 

 

 戸惑うクリスとマリアを尻目にゼロはマントを靡かせ、グルジオを起動させた美剣と共に一歩、前へと進む。

 

 

「準備は良いな? 向こうの世界がどうなってるかわからない分、絶対に俺達から離れるなよ。」

 

「…って、おい!? なに、勝手に仕切ってんだ!?」

 

「細かいことは気にするんなって。2人を連れ戻すことが今は最優先だ…いくぞ!」

 

 

 

 そして、シンフォギア装者とウルトラマンたちは並行世界へと旅立っていく…。まだ彼女・彼等は知らない、その先に待つ並行宇宙(マルチ・バース)すら揺るがす存在が待ち受けていることに…

 

 

 これらの行動が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…全てがシナリオ通りに進んでいる。ククッ、ベリアル様ァ……」

 

 

 

 影から嘲笑う、誰かの筆先のまま歩かされていることもまた知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 NEXT. side ULTRAMAN




☆設定解説

 『望月レイト』…今作のオリキャラ。元ネタは特撮でウルトラマンゼロの変身者であるタイガ・ノゾムと伊賀栗レイトから。(※名前はレイトにするか声優繋がりでハルオにするか悩んだ。)外見は諸星弾に似ているが何処となくチャラい雰囲気があり、マリアとクリスをドン引きさせている。そんな彼だが、時には冷静・冷酷で強さもゼロスーツとの相性も相まってシンフォギア装者や他ウルトラマンと比較しても一線を凌駕するらしい。所属は異星人管理局・AIB。

 ゼロスーツは本来のver0には無いはずのタイプチェンジ能力や並行世界の移動なども獲得しており、発展型の武装も加わり非常に強力。


 『ギャラルホルンのアラート』…ベリアル融合獣のフュージョンライズのBGMをイメージしてもらいたい。



 『AME-CHAN』…要するに某DBでいうところの仙豆。回復効果がハッピーどころの騒ぎじゃない。



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