型月設定のお伽噺   作:linda

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展、その三

「お待たせしました」

 

 

カランカラン、と下駄の音を響かせてやってきた彼女を見て、時が止まった。

美しいとか、そんな安直な言葉で表せないほど彼女は綺麗だった。

 

何事も、全てのことが彼女のためにあるようで、全てが彼女を映えさせていた。

自分の語彙のなさを恥じるくらいに。

 

本当に、彼女は綺麗だった。

 

 

 

 

着物。

 

濃ゆい紫色の着物。

地味目だが彼女が着ると輝いて見える。

 

下のほうは黒くなっていて、白い線が斜めに入っている。

その上に、花びらが散っている。

この桜の景色のように、彼女を表しているようだった。

 

 

帯は薄い黄色で、何かの赤い花を小さくあしらってあった。

骨のような形状、死を誘うような、それでも綺麗だと思った。

 

上着に黒いストールを羽織っていて、隠された彼女の体に少し興奮してしまう。

 

髪を括ってまとめ、赤い簪をはめていた。

帯と同じ花で装飾されている。

 

美しい首筋に目が奪われそうになる。

 

地味で大人しい雰囲気の服装だが、元が元なだけに、かき消されたりはしておらず、こちらは困惑してしまう。

 

 

着物を着ているというだけでなく、彼女のいるこの空間だけ時間が違っているようだった。

 

 

 

 

 

 

「あの」

 

「は、はい!?」

 

 

見惚れていたのを訝しげに思ったのか、彼女が声をかけてくる。

思考が飛んでいたので、まともに応答できなかった。

 

「何か、おかしいでしょうか・・・?」

 

不安げな表情に、どきっとする。

彼女の仕草全てに心が動揺する。

 

 

「い、いや、着物なんて普通に見れるものじゃないし、ちょっと珍しく、思っただけ・・・」

 

少しどもりながら返す。

動揺しているように見えなかっただろうか。

 

すこし、微笑んだ彼女が返す。

 

 

「そう、ですね。

 確かに珍しいです。

 私も着物は初めて着ました」

 

彼女が上目づかいをしながら、こちらをちらちらと見ている。

どうしたのだろうか。

 

 

「初めて、着たの、ですけど」

 

同じ言葉を繰り返しながら、少しづつ不機嫌になっていく。

むすっとした目でこちらを見ている。

 

 

 

ああ、服の感想を聞いているのか。

女性と関わったことなんて微々たることだったから、情緒がつかめない。

 

なんて言うべきか。

正直に言うべきなのだが・・・。

 

 

時間が止まった。

美しいとか、そんな安直な言葉で表せない。

全てが彼女のためにある。

 

 

 

駄目だ、こんなこと恥ずかしくて言えない。

どうしよう、いやこれくらいならいいだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「地味だけど、よく似合っていると思うよ」

 

 

 

 

瞬間、時間が止まった。

 

「地味・・・、そうですか。

 地味さが際立ちますか」

 

 

彼女が、すたすたと歩いていく。

こちらを見向きもしない。

 

足は早く、商店街の方へ向かっていく。

ぽかん、としていた僕だったが慌てて彼女を追いかける。

 

 

 

 

「待ってよ、ヨシノ!」

 

声をかけ、停止を促す。

が、返ってきたのはーーー

 

 

 

 

 

 

「知りません!!」

 

そんな言葉だった。

顔を赤くして、きっ、とこちらを睨みつけている。

 

 

可愛らしいそんな仕草に僕がだした考えは、

 

 

「照れてるのかな?」

 

 

 

 

 

 

ーーー彼はまだ人の心が理解できない。

 




着物ださいすかね・・・?

描写が下手ですいません・・・。


ヒガンはあんましまだ心情とかわかってないんすよ。
別にギャグではないです、ちゃんと裏付けがあるんすよ。

分かりにくくて、ごめんなさい。
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