型月設定のお伽噺   作:linda

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予約投稿です。
思いのほか昨日やるきがあったので。


起、その零ー1

20ー-、4月17日

明日は彼女の誕生だ。

早いものだ、もうここに来て、5年になる。

 

彼女のおかげで私は色々と変わった。

人のことを考えるようになった。

誰かを思うことができるようになった。

 

ありがとう。

感謝している。

忘れないように記しておく。

 

プレゼントは引き出しの3番目に入れた。

抜かりはない。

きっと喜んでくれるはずだ。

 

渡した暁には彼女に告白しよう。

老体だがこの感情は間違ってなんかいない。

 

私は彼女を愛している。

 

 

 

 

20--、4月19日

昨日彼女に告白された。

突然赤くなったと思ったら、急にかましてきた。

 

ふざけるな、私が言うはずだったのだ。

急に言ってくるから返事が最低になってしまった。

 

だが私も男だ、手ぶらで彼女を帰したりはしない。

昨夜は一晩中語り明かした。

この時ほど、若い姿でよいと思ったことはなかった。

 

彼女は朝方発って行った。

何度も念を押してくる。

うるさい、浮気など出来るはずがないだろうに・・・。

 

そんなことより私も頑張らなくては。

10年後、笑顔で会えるように。

 

男の威厳を見せつけてやろう。

 

 

 

 

 

 

 

20--、5月19日

彼女が去って一月が経った。

未だに未練がある自分が女々しい。

 

彼女も頑張っているのだ、男がやらなくては。

 

 

 

20--、6月13日

彼女から手紙が来た。

 

相変わらず、一文目は浮気の確認だった。

私より君はどうなのかと聞きたいが聞けない自分にやきもきした。

 

それと、93体目の製造が終わった。

そこそこの性能を誇るが、まだまだ理想には足りない。

 

やはり起源についてもっと学ぶ必要がある。

 

 

 

 

 

 

20--、12月1日

ようやく94体目ができた。

少しだけ魂をいじったが、発狂した。

失敗。

 

書き方に問題があるのだろうか。

実験をする必要があるかもしれない。

 

ようやく彼女に手紙が出せた。

一月も待たせてしまった。

怒っていなければいいのだが。

 

 

 

 

20--、2月7日

動物を使って起源を調べたが上手くいかない。

人で試すことも考慮に入れなければならないのだろうか。

 

体に少しガタがきていた。

重くて仕方がない。

 

あともって5年ほどだろう。

 

そういえば昔誰かに言われたような気がする。

私の起源は「無念」らしい。

 

夢は達成することは不可能なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

20--、4月23日

日本より。

 

素晴らしい!

 

何なのだ、あの種族は!

死なず、老いぬ体。

 

あの様なものを私は作りたかった。

成功した暁にはーーー

 

だが皆、死の欲求を持っていた。

死ねない故に思うことがあるのだろう。

 

羨ましい、私には時間が無いというのに。

 

 

 

 

20--、4月27日

一人の少女に出会った。

 

例の種族の者だそうだ。

私が奴に惚れてさえいなければぐらついていた。

 

というよりも、似ているのである。

彼女に。

顔も声も。

 

中身が違ったので、踏みとどまった。

会えない身としては実に危険だ。

 

姉妹が欲しいらしい。

惚れた女のよしみだ、妹をいつか作ってやると約束した。

 

間に合えばの話だがな。

 

 




作り手の六年その一。


二はもうちょい後で。
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