そっちがいいかなと思ったので・・・。
あとだんだん主人公が悪役くさくなっていく・・・。
ーーーあと一つ
そう思ったとたん、怖くなった。
本当に?
嘘じゃない?
だって、これは俺の理想じゃないんだろ?
だったらーーー
ーーーーードクン
鼓動が早くなる。
ホムンクルスの特別性の心臓。
戦闘でもこんなに脈うちはしなかった。
ーーーーードクンッ
さらに強くなる。
そんな、なんで・・・。
なんで、こんなにも動揺しているんだ・・・?
これだけを信じてやってきた。
今更、俺が殺したあいつらにどう顔向けするんだ・・・?
怯え、逃げ、命乞いをしてきたあいつらに・・・っ。
呼吸が荒くなり、息苦しい。
その場に立っていられない。
「はは、あの時みたいだ・・・」
倒れこむ。
時間が、景色が流れていく。
地面まであと一秒。
確定しない未来。
それだけを、ただそれだけを信じて・・・。
気なんて、とうに狂っていて。
殺すという行為がおぞましいことだと知っていて。
それでも止まれなかった。
醜悪すぎて綺麗なものに憧れた。
心でも。
音でも。
景色でも。
一番心が汚いのは俺で。
そんな俺から出る音が綺麗なはずがなくて。
あまつさえ自分の体なんか見えなくて・・・。
地面が迫る。
別に、この地面にあたっても死ぬわけではないのに、あたってしまったら何かが終わる気がした。
ただ激突はすぐそこで。
それでも両手は動かなくてーーー
「あの、大丈夫ですか?」
何かに抱きとめられる。
ひどく優しい、声色で話しかけられた。
「ーーー」
何も言えず、呆然とする。
早まっていた思考が情報を探ろうとする。
声からして女性だった。
それも少女。
長く艶やかな髪。
ひやりとする細くしなやかな指。
透き通る綺麗な声で。
見えないながらで必死に探した。
足りない五感の分まで必死に埋めた。
涙が出そうで。
実際に泣いているのかもしれなくて。
そして自分の心を占めるのは激しい劣等感で・・・。
気づく。
きっとこんな人は美しいんだろう。
醜悪な自分を当然のように助けてくれる。
声をかけてくれる。
そんな資格俺にはないのに。
どうして、世界はこんなにも俺に厳しい。
見たい。
彼女が見たい。
顔が見たい。
彼女だけじゃない。
世界が見たい。
触りたい。
世界に。
だめだ、殺してしまうから。
我に返り、少女を突き放す。
少女が驚く声を上げる。
「やめて、ぼくに、触らないでッ!」
控えめだが強い声が出た。
どうして。
どうして。
どうしてあなたはぼくにこんなものを与えたのですか・・・?
どうしてぼくはこんなにも醜くて、汚い。
代わりに世界はこんなにも美しい。
周りで散っているのは桜というものだろうか・・・?
周りから笑い声が聞こえてる。
汚物に平然と触れてくる人がいる。
心も音も景色も何もかもが・・・。
嫌だ、こんな世界、こんな自分。
劣等感を感じるのはたくさんだ。
痛い。
心が痛い。
苦しい。
胸が。
普通がいい。
こんな眼なんかじゃなくてふつうの。
普通のからだ。
そうだ、もっと。
もっとーーー
ーーーもっと、ふつうに生きていたいーーー
ーーーぐちゃ
頭痛痛そう