魔法少女リリカルなのは サイヤの魂を受け継いだ戦士    作:飴玉ベジット

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今回もかなり早く出せて良かったです。

今回からあの男が登場するのですが、見せ場がリュートに持っていかれます。ていうか、最近リュートの方が主役っぽくなってきてるような気が……


第14話 管理局からの刺客!第3の魔法使い。

 なのはとフェイトは、目の前に浮かんでいるジュエルシードをじっと見つめていた。しばらくすると、この沈黙の中、ついにフェイトの口が開いた。

 

「……封印済みと言ってもジュエルシードに衝撃は与えちゃいけないみたい」

 

 フェイトの独り言ともとれる発言に、なのはも答えた。

 

「うん、この間みたいになるのは嫌だもんね。レイジングハートやバルディッシュも可愛そうだし……何よりリュート君達にまた迷惑かけたくないもの」

 

「……うん」

 

 なのはとフェイトは前回の戦いでのことを思い出しながら、回収するのに慎重になっていた。

 

 

 

 

 一方で龍也とリュートと言うと。

 

「ちょっと場所を変えようぜ。ここだとなのは達が怪我するかもしれないからな。」

 

「…わかった。好きな死に場所を選べ」

 

「悪いな。俺はまだ死なないんでね」

 

 短い会話を済ませると、なのは達の所から離れたところに飛んでいった。そして、戦いに向いていそうな場所につくと、構えだした。いつでもやれる、戦いの準備は双方ともに出来ていた。

 

 

 2人の目を見たアルフは溜息を吐きながら呆れていた。

 

「あいつら、やる気満々だねぇ……」

 

「あの2人は戦うことが好きみたいだからね。しょうがないよ。それに、君もやる気なんだろう?」

 

「当り前さね、アタシはフェイトの使い魔。フェイトのためならどんな戦いだってやってやる!」

 

「僕はあまり戦いたくないんだけど……そっちがやる気なら仕方ない!」

  

 アルフとユーノもまた戦闘態勢に入る。こちらも用意は万全だった。後は、この戦いの要とも言える二人の魔導師の動き次第。その雰囲気を察知したフェイトは頭をブンブン振って頭の中を整理、気持ちを切り替える。

 

「……今はそれよりもジュエルシードの事。私は何があってもジュエルシードは譲れない」

 

 「私はフェイトちゃんとお話ししたい、それとジュエルシードを集める理由を聞かせてほしいだけなんだけど」

 

 そこまで話して2人は構えを取る。話し合いだけではどうしようもない事を双方理解していた。互いに譲れないものが、退けない理由がある。なのはは決意の籠った瞳をフェイトに向ける。

 

「私が勝ったら……ただの甘ったれた子じゃないって証明出来たら、お話ししてくれるかな?」

 

「……勝てたら…ね」

 

 短い会話を終えた2人は、持っている杖を握り、その手に力を込める。それは戦闘準備完了の合図だった。夕暮れの公園で3組それぞれが戦闘態勢を取る。そして…最初に動いたのはなのはとフェイトだった。

 

 デバイスはそのまま激突するかと思われたが2人の間に魔方陣が現れた。

 

「ストップだ!!ここでの戦闘は危険すぎる!」

 

 黒髪の少年が素手でレイジングハートを掴み、バルディッシュをデバイスで受け止める。そして少年がなのはとフェイトをバインドで拘束する。なのはとフェイトは唖然としている。

 

「僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ!すまないが詳しい事情を聞かせてもらおうか!まずは二人共武器を引くんだ!」

 

 クロノと名乗った少年は、なのはとフェイトにそう命令する

 

 

 

 

 

 

 

 時同じくして、龍也とリュートが3度目の激突しようとした矢先、なのは達の方から第3者の気を感じた。

 

「え?誰だ?」

 

「ちぃ!」

 

 突然、リュートは大急ぎでフェイトのところに向かった。

 

「あ!?おい待てよ!」

 

 慌てて、龍也もリュートの後を追った。

 

 

 

 

 

 

「う、動けないの」

 

 なのはは懸命にもがいたが、びくともしなかった。それほどまでに、クロノのバインドは強力だった。

 

「もし、このまま戦闘行為続けるというのなら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」な、なんだ!?」

 

 突然聞こえた大声にクロノは驚いていた。そして、声のする方をみると、自身の両手に収まりきらないほど大きな気弾を作っていたリュートが突進してきた。

 

「リュート!?」

 

 フェイトも驚いた声を上げていた。

 

 

「くそったれがぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 そんな周りの様子を無視して、リュートはそれをクロノにめがけて放った。クロノはすぐに防御魔法をかけたので、ダメージはゼロだった。

 

「だだだだだだだだだだ!!!」

 

 だがリュートは、容赦なく、そのまま連続で気弾を撃ちつづけた。これにより、防御魔法をかけ続けるしかなかったのでクロノは動くことが出来なかった。

 

 その隙に、アルフがフェイトを縛っていた鎖を引きちぎった。気弾で足止めしている間にリュートは2人に向かって叫んだ。

 

「2人は先に行け!こいつは俺1人で食い止める!」

 

「そんな!いくらなんでもそれは無茶だよ!!」

 

「俺を信じろ!必ず戻る!!」

 

 フェイトはリュートの考えが無謀だと思い止めようとしたが、リュートは自分の意思を曲げなかった。

 

「わかった」

 

 リュートの決意を曲げることができないと悟ったアルフは、フェイトを捕まえた。当然、フェイトはもがいた。

 

「離して!アルフ!リュートが!リュートが!」

 

 リュートは気弾を撃つのをやめ、フェイトに向かって優しい笑みを浮かべていた。

 

「俺が帰ってくるまで、何食べたいか決めておけよ。」

 

「嫌だ!リュート!!リュート!!!」

 

 フェイトとアルフを見送ったリュートは気合を入れなおし、クロノの方を向いた。

 

「よし…!!いくか!!!」

 

 リュートはそのまま、勢いよくクロノに向かって突撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごほ、ごほ、なんだ今のは…」

 

 無数に放たれた気弾によってできた煙にむせるクロノ。だが、その煙を切り裂くように、リュートが突っ込んできた。

 

「でぇぇりゃぁぁぁ!」

 

 突然のリュートの攻撃に驚きはしたものの、クロノは咄嗟に杖で受け止めた。

 

「なんてことをしてくれたんだ!君は!!」

 

「知るか!強いて言うなら、貴様が俺達に手を出したからだ!!何か文句はあるか!?」

 

「大ありだ!君の行動でまた多くの犠牲者が出るんだぞ!!」

 

「俺の知ったことか!!」

 

 

 

 

 

 

 遅れてやってきた龍也は、なのはが拘束されてるのに気づくと、すぐに向かった。

 

「大丈夫か!?なのは!」

 

「う…うん。」

 

「取り敢えず、この鎖を壊してからか」

 

 龍也は右手に気の剣を形成し、なのはを縛っていた魔力でできた鎖を切り裂いた。

 

「ねぇユーノ君。あの人が言ってた時空管理局ってなに?」

 

「次元管理局……ミッドチルダを拠点に様々な次元世界を管理している組織だよ。しかも執務官なら、相当な実力者なのは間違いないよ」

 

 ユーノから管理局の説明を受けているなのは。龍也はクロノとリュートの戦いを鋭い目で見ていた。

 

「まずいな」

 

「龍也君?」

 

「管理局ってところから来た奴。…下手したら死ぬぞ」

 

『え!?』

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…。なんてスピードとパワーだ……!だが、やりようはいくらでもある!!」

 

 リュートが余りにも強かったのか、クロノはわずか数分で息を切らしていた。今の一連の流れで、そして拳を受けとめた感じからして接近戦は危険だと判断したクロノは、距離をとり可能な限り中距離、もしくは遠距離で攻める作戦にうつった。

 

 だがそんなのはリュートも察している、だからこそリュートはもう一度距離を詰めようとした

 

「スティンガーレイ!!」

 

 クロノは接近させないように再度水色の魔力弾を放つ。クロノの放った魔力弾が、リュートに嵐の如く襲い掛かる。

 

 しかしリュートに焦りはなかった。

 

「なっ……」

 

 クロノから驚きの声が上がる。リュートはなんと速度を落とす事なく、最小限の動きでクロノの魔力弾を躱し、又ははじき返しながら接近してきたのである。何とか我に返ったクロノは杖を使い防御態勢に入るが、その防御を潜り抜けるように拳は迫りクロノのボディにめり込む。

 

「かはっ……!」

 

 重たい拳による衝撃が体を駆け抜けた。そして、隙を与えずにリュートの蹴りがクロノの横顔を捉えた。その衝撃で吹き飛ばされたクロノだが、何とか体勢を整えて腹部を押さえながらリュートを睨み付けた。

 

(この男、強い…!戦闘能力もそうだが…明らかに戦い慣れしている!だが……)

 

「どうした? それが貴様の限界か。」

 

「いいや、既に君はこちらの術中だ」

 

「なに……!?」

 

 クロノは笑いリュートは驚愕する。それも無理もない話だ、何故なら気が付けばリュートは魔力の鎖に縛り付けられていたからだ。

 

 ディレイドバインドと呼ばれる設置型の捕縛魔法だ。クロノは予めこうなる事を予想して殴られる直前、自分の目の前にこのバインドを設置していたのである。

 

「脱出しようとしても無駄だ。君の馬鹿力でも壊れないような強度にするために、そのバインドには多めに魔力を込めた」

 

「……」

 

「勝敗は決した、さぁ話を聞かせて……!?」

 

 クロノが捕縛したリュートに一歩近づき、連行しようとしたその時。リュートから凄まじいプレッシャーと殺意を感じて足が自然と止まった。

 

 リュートはニヤリと笑いながら言う。

 

「この程度で俺様を捕まえたつもりか?」

 

 時間がたつにつれ、リュートから出てる圧が段々と大きくなっていった。

 

 

「サイヤ人を力を!!舐めるなよ!!!」

 

 リュートの気が爆発的に膨れ上がり、クロノのバインドはいとも容易く千切られ破壊された。

 

「そんな…ばかな……」

 

 クロノは思わず後ずさる。渾身のバインドをああもあっさり破壊されてしまったのだから当然と言えば当然かもしれない。

 

 そんな中でリュートは気を探知する。

 

(フェイトとアルフは、どうやら無事に着いたようだな)

 

 リュートはクロノの方に目を向ける。そして超サイヤ人を解き、フッと笑みを見せた。

 

「ここまでだ」

 

「なに?」 

 

 突然の事態の変化に困惑するクロノ。それを無視してリュートは話を進める。

 

「俺の目的はあくまで時間稼ぎだ。それが達成された以上、もう用はない。……じゃあな」

 

「ま、待て!!」

 

 目的を達成した告げるとすぐに飛び去るリュート。クロノは追撃する為に宙に浮かんで魔力を溜め込み、杖をリュートに向けた。

 

「ブレイズ…」

 

「もうよせ」

 

 強力な砲撃魔法を撃とうとした瞬間、その腕を龍也が掴んでいた。

 

「君!?何故邪魔をするんだ!」

 

「これ以上戦ってもお前じゃあいつを倒せない。どうしても命を落としたいって言うのなら、止めないけどな」

 

 憤慨するクロノに、龍也は事実を述べた。龍也は気づいていた。クロノが実力者なのも、それでも本気を出したリュートには及ばないことも。それでもクロノは納得いってなかった。

 

『残念だけど、彼の言う通りよ。クロノ、ここは見逃して正解だわ』

 

 すると突如、魔法陣が浮かび上がり、緑髪の女性の顔が映し出される。クロノはその顔を見て驚いていた。

 

「か、艦長!」

 

「ん? 艦長?」

 

 『いきなりでごめんなさいね。私達時空管理局は情報を求めています、よければ貴方達には話を聞かせてほしいのだけれど…』

 

「俺はどっちでも構わないけど…2人はどうしたほうがいいと思う?」

 

「え、えぇ!?そこで私達!?」

 

「龍也、なのは。時空管理局は信用できると思う。だから僕は話をした方がいいと思うよ」

 

 龍也となのはは迷っていたが、こういったことに詳しいユーノが言うのなら大丈夫だろうと思った2人は、ユーノの判断を信じた。

 

「分かった。で、何を話せばいいんだ?」

 

『あ、ちょっと待って。立ち話も何だし貴方達を私達の艦に招待するわ。クロノ、案内をお願いね』

 

「……分かりました、艦長。」

 

 クロノは了承すると緑髪の女性は「頼んだわよ」と言って消えた。

 

 クロノは小さくため息を吐いていた。おそらく戦闘で昂った気持ちを落ち着かせているのだろう。そしてある程度落ち着いたところでこう言った。

 

「それじゃあ君達を艦に案内する、こちらへ来てくれ」

 

 クロノに言われるままに龍也となのは、ユーノはクロノのもとへと移動を始めるのだった。




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