魔法少女リリカルなのは サイヤの魂を受け継いだ戦士    作:飴玉ベジット

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今更ですけど、リリカルなのはViVidの主題歌でなのは役の田村ゆかり氏が歌うpleasure treasureっていい曲ですよね。


第15話 これまでのこと、これからのこと。アースラで話し合い。

 「す、すごく大きいね」

 

 「まさか、アニメみたいな船が現実にあるなんて、思もわなかった」

 

 なのはは単純に船の大きさに、龍也はこの世界にこういった船が存在したことに驚いていた。

 

 龍也は年頃の少年らしく少しウキウキしていたが、なのははあまりのスケールに少し震えていた。

 

 「別に戦闘するんじゃないから。バリアジャケットを解除していいよ」

 

 「あ、はい」

 

 「じゃあ、俺も」

 

 なのはがバリアジャケットを解除した後、続いて龍也も腕時計にある青いスイッチを押して、元の普段着に着替えた。

 

「君も、本当の姿をみせたらどうだ?」

 

「そうですね。この姿での時間が長かったものですから…つい…」

 

 するとユーノの身体が緑色の光に包まれ、フェレットの姿からなのはや龍也と同じ年頃の男の子に変わった。

 

「え?え?ええ?」

 

「え…と…どちら様?」

 

 突然起こった現象になのはは理解できず、龍也はつい聞いてしまった。少年は笑顔で答えた。

 

「僕はユーノだよ。なのはにはこの姿を見るのは久しぶりだね。あっ、でも龍也にこの姿を見せるのは初めてだっけ?」

 

『えっ!!??えええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???』

 

 この事実に2人は大声をあげてしまった。

 

「なのはは久しぶりって…え!?なのははこのこと知ってたってこと!?」

 

「知らない知らない!!私だって今まで知らなかったもん!!」

 

「そ、そうだっけ?」

 

「そうだよ!!初めて会った時からフェレットだったよ!」

 

「……艦長を待たせてるんだ。早く「いやいや!あんたらは慣れてるかもしれんけど、こっちからすれば動物が人間に変身したところを見て驚くなっていうほうが無理だからな!!」……」

 

 ユーノがフェレットから人間になれることを知った2人は大パニックになり、落ち着くのにはそれはそれは時間がかかったようだ。

 

 

 

 

 

 

「あ、来た来た。クロノくーん!」

 

「エイミィ、何故ここに……」

 

  エイミィと呼ばれた茶髪の、つむじからピョンと飛び出たアホ毛が特徴的な女性はクロノにからかい混じりに喋りかけてくる。それだけでこの2人の関係性がかた苦しいものではない事は誰にでも理解出来た。

 

「あんまり遅いから私も迎えにきたんだよ、もう何してたの?」

 

「色々あったんだよ……」

 

 クロノは眉間に皺を寄せながら、先ほどの騒ぎの元凶であるユーノを横目で見ていた。それでも特に嫌そうにする事もなくエイミィの対応をしている。正直こんなに時間を食うとは彼も思っていなかった、迅速に艦長のところに行くつもりだったのだが先ほどの一騒動のせいで大幅に遅れてしまったのである。

 

(なるほど。これはもしかして…)

 

 この光景を見た龍也は、誰にも気づかれないよう密かにニヤッとしていた。

 

 そしてここでエイミィは後ろにいた龍也達に眼を向けて近づいてくる。

 

「初めまして、私はエイミィ・リミエッタ。ここのオペレーターだよ」

 

「どうも、俺は石崎龍也です」

 

「あ、えっと…高町なのはです」 

 

「ユーノ・スクライアです」

 

「龍也くんになのはちゃん、ユーノくんか。よろしくね、それじゃあ艦長のところに行こうか。」

 

「あ、こら!僕を置いて行こうとするんじゃない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで騒がしくしながらも一行は一つの扉の前に辿り着く。その扉が開かれた時、なのはは驚き、龍也は首を傾げた。

 

 「艦長、連れてきましたよー」

 

 「艦長、3人に来てもらいました」

 

 エイミィやクロノは普通にしていたが、この何とも言えない違和感があった。一言で言えば、日本風だけどどこか間違ってる感のする部屋が今、龍也達の目の前には広がっていた。

 

 何でこんな部屋が、とかそう言った疑問も湧くがそれよりも、3人は部屋の奥にいた一人の人物に視線は集中する。その人物は間違いなく先ほどの映像に映し出されていた艦長と呼ばれていた女性、リンディ・ハラオウンだった。

 

「ありがとう、クロノ、エイミィ。さて、いらっしゃい。皆さん、どうぞ楽にして?」

 

 リンディは柔らかい女神のような微笑みを浮かべながらそう言った。とりあえず全員が座ったところで話し合いは始まる。

 

 まずはある種の発端とも言えるユーノの話から。事故によって散らばってしまったジュエルシードを自らの力で集めようとしていた事に触れた。

 

「立派ね、それだけの決断と行動が出来るのは大したものだわ」

 

「だが無謀すぎる。ましてジュエルシードはロストロギア、しかも危険な部類に入っているのは発見者である君が一番よく知っているはずだ」

 

「う……」

 

 リンディからはお褒めの言葉をいただいたもののクロノの言葉にユーノは俯く事しか出来なかった。実際今思い返してみて無謀なのはその通りだったからだ。その結果、暫く人間の姿になれないまでに消耗し、なのはと龍也を巻き込んでしまったのがその証拠だ。ユーノもそれを理解してはいるから何も言い返すことはしなかった。

 

 次に話はジュエルシード、そしてロストロギアへと移る。ここでなのはが尋ねる。

 

「あの……そもそもロストロギアって何なんですか?」

 

「そうね……簡単に言うと、まず前提として次元空間の中には無数の世界があるの、そしてその中には進化しすぎた世界も存在する……その進化の果てに滅んでしまった世界の技術の遺産、それがロストロギアよ、貴方達が回収していたジュエルシードもその仲間。次元干渉型のエネルギー結晶体で特定の方法で起動すれば次元振を引き起こす危ない代物よ」

 

「じ、次元振?」

 

 聞き慣れない単語に、龍也は聞き返した。その答えはクロノが教えてくれた。

 

「君とあの黒衣の魔導師がぶつかった時の現象、あれが次元振だよ」

 

 クロノの言葉を聞き、2人の脳裏を過ぎるのはあの時の世界が揺れたかのような現象だった。そこにクロノが補足を入れる。

 

「ちなみにあれでも何万分の一の威力だ、複数個集まってた状態で次元振を起こせばどうなるか……想像できるだろう?」

 

 その瞬間、2人はゾッとした。あれよりさらに強力なものがくるとなるとなのはは勿論、龍也も止めれそうにないと思ったからだ。

 

 ここで今度はリンディが尋ねる。

 

「ところで、私たちも少し気になっていることがあるんだけど、いいかしら?」

 

 リンディは龍也の方を見て尋ねた。

 

「もしかして…俺?」

 

「ええ。正確には貴方達の力についてよ。貴方と黒衣の魔道士、フェイトって言ったかしら?その子の隣にいてたリュートっていう子には魔力はなかった。でも魔導士や思念体とも互角以上に戦えている。どんな力を使っているのか気になっているの。だから教えてくれる?」

 

「それくらいなら全然いいですよ。あれは気というもので、どんな生き物にもある力です。と言っても、扱うにはかなりの修行がいりますよ。そして、俺とリュートはそれをコントロールして戦っているんですよ」

 

 あれほどの力が誰もが秘めていることに3人は驚いた。

 

「では、単刀直入にきく。君は何者だ?」

 

 クロノの質問に龍也は少し迷った。これから話すことは下手したら大問題を引き起こす可能性があったからだ。

 

「すみません。それに関しては何も言うことができません」

 

「…どうしても?」

 

 エイミィの質問に龍也は静かに、だが力強くうなずいた。

 

「わかったわ。無理強いることではないからね」

 

「……ありがとうございます」

 

「さて、少し横道に逸れてしまったけれど本題に戻りましょうか」

 

 リンディはそう言うとなのはと龍也、ユーノの顔を見てから、真剣な眼差しでこう告げた。

 

「これよりジュエルシードの回収は時空管理局が全権を持ちます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え……?」

 

 なのはは思わずそんな言葉を漏らした。頭が追い付かなかったのか、なのはの目から事情を説明してほしいというのが見えた。

 

「なんでですか?」

 

 一方で、龍也の目からは納得はしてないが、一応話は聞くというのが見えた。

 

 そんななのはと龍也を余所にクロノがリンディの発言に続くように喋る

 

「簡単に言うと、君達はこれまでに起きたジュエルシードに関する出来事は忘れて、元の生活に戻るといい、ということだ」

 

「で、でも……」

 

「ならはっきりと言わせてもらおう。今回の事件の鍵となるは次元干渉に大きな関わりがある。そんな大問題を、才能があることを加味しても、魔法を知らなかった民間人が関わってもいいものじゃない」

 

「クロノ!少しは言い方を考えなさい!」

 

「…すいません」

 

 言い方に負があったクロノを叱責した後、リンディは龍也となのはの方を向いた。

 

「でも、元々あなたたちは危険とは縁のないところに居たんですもの。だから、後はこのまま私たちに任せて、元の生活に戻った方がいいに決まっているはずよ?」

 

 リンディの言葉は、自分の息子であるクロノよりも更に幼い子どもたちが危険な目にあう前に引き返してほしいと強い願いがあった。しかし彼女達は知るべきだった。既に心を決めている少女の意思の強さを。そして、その少女を守りたいと思う少年の覚悟を。

 

「できないです!」

 

 高町なのはの否定の声が、艦長室に木霊する。

 

 それは小さな少女の強い願い。もう決めた、決めてしまったその心は梃子でも動かすことは出来ぬと誰かが言っていた気がして。それが恭也と美由希だと思い出したユーノは、手伝ってもらっているという節目もあわさりただ黙りこみ、龍也はなのはらしいやといった感じの顔をしていた。

 

「……あら?どうしてかしら?」

 

 まさかの反対意見。これにはリンディも驚きを隠せない……故に聞く。いったいどうしたというのかを。

 

「わたし、決めたんです」

 

「決めた?」

 

「最初は、ユーノ君のお手伝い感覚でやっていました。……でも!今はもう違うんです!」

 

 声を張る少女に対して、リンディはひどく静か。決して聞き流さないようにと、いかに子供でも……いいや、子供の必死な言葉だからこそ今は真剣に聞いている節がある彼女の顔は、どこか昔を思い出すかのようで……

 

「自分で決めたんです!ユーノくんのお手伝いじゃない。わたし自身がやりたいから、だから最後までやり通したいんです!!」

 

「……そう」

 

「なのは…」

 

 リンディはそのまま目をつむる。静かに息を吸い、吐いていくその仕草は自分の思考をまとめているからであり。それが終わった今、彼女は自分が出した答えをなのはに返す。

 

「わかりました。なのはさんはここに残るとして、龍也君は「すいませんが、俺も最後まで厄介になるつもりですよ」貴方も!?」

 

「龍也君!?」

 

 龍也から発せられた回答には、リンディだけでなくなのはも驚いていた。その2人をよそに、龍也は話を続ける。

 

「ここまで首を突っ込んで、今更女の子をおいて抜けだしたら逆にこの件が気になってしまいますしね。それに、何が起こってるのか知ってるのにいて、それを止められる力があるのに、何もしなかったら俺はきっと一生後悔する。そうなりたくないから、俺もここに残って戦います!」

 

 自分の意見を言い終えた龍也は、ユーノの方を向いた。

 

「ユーノはどうすんだ?」

 

「え?」

 

 龍也の言葉にキョトンとするユーノ。そこから更になのはは話を続けた。

 

「私達は自分の意思で残りたいって言ったけど、それだけでユーノ君も巻き込むわけにはいかないからね」

 

「まぁ、こればっかりは無理強いることじゃないからな。帰りたいって言っても別に俺は恨まねーよ」

 

 だが、2人が残ると答えた時点で、ユーノも既に覚悟を決めていた。

 

「僕も……僕もここに残ります!そもそもの話、今回の件は文字通り僕がまいた種です!だったら、原因を作った……2人を巻き込んでしまったのは紛れもない僕の責任です!だから、最後まで見届ける義務があります!」

 

 3人の意思を聞いたリンディはため息を吐いた。こうなってしまったら道は1つしかない。

 

「わかりました。3人の乗艦を許可します」

 

 許可を得た3人は、それぞれ異なった反応をした。なのはは嬉しそうに、龍也はこれから起こる戦いに気を引き締め、ユーノはこちらの要望がかなったことにホッと安堵のため息を吐いた。

 

「ですが、条件がひとつあります」

 

「え……」

 

 だからこれが最大にして最後の譲歩だ、そう心で唱えながらも少女の瞳を見つめるリンディ。

 

 その内容とは……

 

「出来る限り、こちらと情報を共有すること。それと、こちらの呼びかけにきちんと答えること、以上を守ってもらえればあとは好きにしてもらっていいでしょう」

 

「それだけ……ですか?」

 

 あまりにも安い条件。それは裏表なく彼女たちに協力するというリンディの心情のあらわれ。交渉術としては最低かも知れない。それでも子供たちにとっては……

 

『ありがとうございます!』

 

「えぇ、どういたしまして」

 

 とても最高に喜ばしい条件だった。滞りなく進められるという好条件は彼らに笑顔をもたらしていく。 

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