魔法少女リリカルなのは サイヤの魂を受け継いだ戦士 作:飴玉ベジット
ところで、アニログのセイバーズ、いつ更新されるんすかね?
なのは達が到着すると、かなりの数の傀儡兵がこっちを見ていた。その数は3桁いってもおかしくはなかった。
「こりゃあ、ずいぶんと派手な歓迎だな」
「ああ。だが、俺たちの敵ではないだろ?」
「まぁな」
目の前の景色を覆うくらいの傀儡兵を前にしても不敵に笑う龍也とリュート。
「「はあっ!」」
龍也とリュートは同時に気を解放させ、体に白いオーラを纏わせた。数が数なので普通なら絶望感に浸ってもおかしくはなかったが、それを覆すほど龍也とリュートが頼もしく感じた。
「スクラップになりたい奴からかかってこい!」
「ぶっ壊れても知らねぇけどな!」
〜アースラ艦内〜
プレシアに見限られ、崩れ落ちたフェイトは、ベッドで休んでいた。アルフは傷ついたフェイトに寄り添って言葉をかけるが、返事が返ってくることはなかった。
ふとアルフはモニターの映像が映った。その中には、傀儡兵を次々と壊すリュートの姿があった。この時、何故かアルフはリュートが死んでしまうという最悪な想像をしてしまった。それを想像してしまった理由はわからないし、リュートがそう簡単にやられることはないのも彼女は知っている。
だがもし、もし本当にリュートが死んでしまったらフェイトはもう立ち直ることはできないかもしれない。そう思ったアルフは立ち上がった。
「リュート達が心配だからちょっと手伝ってくるよ……」
そう言いアルフは部屋を出てなのは達の所に向かう。そのことに気づくことないまま、フェイトはハイライトが消えた目で天井を見上げていた。
(母さんは……わたしのことなんか……一度も見てくれてなかった……)
フェイトの脳裏に厳しい表情で怒るプレシアの姿がよぎる。
(母さんは……最後までわたしにはほほえんでくれなかった…。母さんが会いたかったのはアリシアで……わたしはただの失敗作…)
(わたしの生きる目的は…ただ母さんに認めてもらうことだった。どんなに足りないって言われても…どんなに酷いことをされても…耐えられた。また……あの時みたいに笑って欲しかったから…)
ここにくるまで行ってきた幾度の戦いを戦い抜くことができたのは、フェイト自身が母に認めてほしいという願いがあったから。それが生きる目的でもあったからこそ、フェイトは辛くても悲しくても耐えることができたのだ。過酷な道のりを進んだ先には自分が望んだ未来があると信じて。
(あんなにはっきりと捨てられた今でも…私、まだ母さんにすがりついてる……馬鹿みたい)
認められたい思っていた人に拒絶されても、フェイトの生きる意味が、彼女の願いがそう簡単に消えることは無かった。
~時の庭園~
そこでは、なのは達が傀儡兵と戦闘を行っていた。
ユーノがバインドで動きを止めて、その隙になのはとクロノが魔力弾で傀儡兵を撃墜していた。クロノも、様々な魔法を駆使して多くの傀儡兵を排除していた。
そんな中、やはり一番目立っているのは龍也とリュートだろう。
「はああぁぁぁぁぁ!!」
龍也は気を拳に一点集中して傀儡兵の集団に突撃する。それをくらった傀儡兵はは穴が空き、連鎖するように爆散していった。
「消えろ!!!」
リュートは片手でエネルギー波を放った。その光に飲み込まれた傀儡兵は、一瞬のうちに消滅していた。
その時、彼らの近くにアルフが現れた。
「アルフ!?貴様、何故来やがったんだ!俺はフェイトを頼むと言ったはずだ!!なのに何故……」
アルフが来たことにリュートは思わず怒鳴ってしまった。
「ごめん……でも、もしリュートが死んだら、フェイトをはもっと悲しむと思ったんだ!だから……」
アルフは怯えながらも心からの本音を言った。それを聞いたリュートは面をくらったような表情になったが、しばらくすると、いつもの仏頂面に戻っていた。
「……あんな鉄くずどもにやられる俺じゃないというのは、お前もよく知ってるとは思うが?」
「そ……そうだけど……「足を引っ張るんじゃないぞ」!?……うん!」
〜アースラ〜
ふと、フェイトは時の庭園内部の様子を確認できるモニターを視界に入れた。モニターにはアルフがなのは達管理局のメンバーに丁度合流する様子が映されており、そこに以前のような敵意といったものは感じられない。
(…ずっと傍にいてくれたアルフ……。言うことを聞かない私に…きっと、随分と悲しんで…)
プレシアからの仕打ちに耐えかねて何度も説得され、その度に精神リンクを通じて流れ込んでくるアルフの感情をフェイトは辛いほど分かっているつもりだ。
次にフェイトの目に映ったのは、単独で傀儡兵を壊すリュートだった。
(リュート……私の我が儘に何一つ嫌な顔をせずに協力してくれた……)
初めて組んだころは碌に食事を取ることをしなかったファイトだったが、それを見かねたのか彼は料理のレシピ本を買って料理してくれるようになった。最初の頃はなんとも言いようがない見た目ではあったものの、彼の優しさは十分に伝わったのは今でもよく覚えていた。
そして。
(この子…なんて名前だったっけ……?)
モニターに映る、今となっては親しげにアルフと話している白い服の少女を見て、フェイトは教えてくれたはずの名前が思い出せなかった。
(何度もぶつかって ……わたし…ひどいことしたのに…話しかけてくれて、何度も出会って……戦って……私の名前を呼んでくれた、白い服の女の子……)
フェイトは母親に認められたいと、かつての暮らしを、笑顔を、取り戻したいと思っていた。…それ以外に生きる意味などない。それができない自分は生きている価値も生きる意味も、未来を生きていくこともできないと思っていた。一人で苦しんで周りに…特にアルフとリュートには心配などさせぬようにその苦しみを隠しているつもりだった。
「私は…ずっと1人で戦っているつもりだった。どんなに辛くても、私が頑張なきゃいけないんだって思っていた。……でも、私は2人に支えられていて…守られていたんだね」
そう呟いたフェイトの瞳は、僅かではあるが光を取り戻していた。
城の扉が見えてくる。だが、扉の前には傀儡兵達が道を塞ぐ様に待ち構えている。
「数が多すぎる!」
「……よし、一気に蹴散らす!龍也!貴様も手伝え!!」
「……!わかった!!」
2人は気を高め、両手に収束させていた。
「「だぁーっだだだだだだ!だだだぁぁぁっ!!!!!」」
龍也とリュートの手から嵐のような気弾が放たれる。放たれる気弾は傀儡兵に次々と当たり、爆散していく。2人の攻撃が終わり、煙が晴れると先ほどまでいた傀儡兵は躱すことができなかったのか、周辺に残骸が散らばっていた。
「な……なんて威力なんだ……」
「……正直、今日ほど彼らが味方でよかったって思った日はないよ」
2人の即席合体攻撃にユーノは愕然としており、クロノも龍也とリュートが敵だったことを想像し、背筋を凍らせていた。
だが、何がともあれようやく中に入ることができるようになったので全員が城の中に入った。
〜アースラ〜
立ち上がったファイトは、机の上に置かれていた相棒を手に取り語りかける。
「バルディッシュ…私の……私達の全ては…まだ、はじまってもいない…?」
その時、バルディッシュはフェイトへ答えるように待機状態からアックスフォームへと切り替えた。その姿はボロボロでギギ、ギシッ、と、嫌な音をたてている。刃は欠け、心臓たる宝石にはヒビすら入っていた。
「そうだよね……バルディッシュも、ずっと私のそばにいてくれたんだもんね。あなたも…このまま終わるのなんて嫌だよね……?」
フェイトはバルディッシュを抱きしめ、今までいつも近くにいてくれた答えに気づけなかったことに涙した。
「あの子が言ってた言葉……捨てればいいって、わけじゃない………逃げればいいわけじゃ…もっとない……」
魔力をバルディッシュへと注ぎ、ボロボロとなったバルディッシュを修復していく。金色の光がバルディッシュを包んでいき、そして、壊れていた機構は直り、その姿も傷一つないものへと戻っていく。
「私たちのすべては…まだはじまってもいない……だから、本当の自分をはじめるために…今までの自分を、終わらせる……決着をつけるんだ」
損傷が酷かったバルディッシュが元に戻り、フェイトはバリアジャケットを展開する。
新たな決意を胸に、フェイトは転送魔法を発動し時の庭園内部へ向かった。
〜時の庭園内部〜
無事に突入できたのはいいものの、要塞内部にも大勢の傀儡兵がいた。
なのはが魔力弾で傀儡兵を撃墜し、アルフは魔力を纏った拳で傀儡兵を殴り、ユーノがバインドで動きを止めていた。龍也とリュートも気弾や拳や蹴りを繰り出し、次々と破壊していった。
「次から次へと…キリがないよ!」
アルフは悪態をつきながら攻撃をかわしなが、別の傀儡兵を噛み壊した。
すると、バインドで動きを止めていた傀儡兵の一体がバインドを引きちぎると、なのはに斧を振り落とそうとした。
それに気づいた龍也はすぐになのはを助けに行こうとしたが、傀儡兵が彼の行手を阻んだ。
「なのはぁぁぁぁぁ!!!」
龍也が大声を上げたその時、上から電撃が落ちて傀儡兵の攻撃を防いだ。なのはは不思議に思い上を見るとそこにはデバイスを構えているフェイトがいた。
「フェイト…ちゃん?」
傀儡兵の攻撃を防いだフェイトはなのはの元に向かう。なのはが声をかけようとした時、壁から巨大な傀儡兵が3体出てきた。
「あれは大型、他の傀儡兵よりバリアが強い。それに加えて背中には強力な大砲が備えられている」
「そうみたいだね、どうしようかな……」
倒す方法を考えるなのは、その時、フェイトが小さく呟く。
「……でも、2人なら倒せると思うんだ」
「え?」
「一緒に、戦ってくれる?」
「……うん…うんうんッ!」
フェイトの共闘の提案に、なのはは笑顔で頷いた。
「こいつは頼もしいな。んじゃ、大型は任せたぜ」
「雑魚どもは俺達が片付ける。誰にも邪魔はさせん」
そう言って龍也とリュートはその場を離れて周辺を漂っている傀儡兵の方に向かった。
前方の巨大傀儡兵の砲身が傾き、なのはとフェイトに向けて攻撃した。
それを2人は蝶のように舞い、砲撃を回避する。上空で背中をあわせ、相棒である杖を構える。
「行くよ!バルディッシュ!」
「こっちもだよ!レイジングハート!」
主の思いに応えるように、2人のデバイスが光を放ちながら、形状を変える。さらにレイジングハートの砲塔から桜色の魔力が、バルディッシュの先端から金色の魔力が溜まっていく。
そしてその魔力が溜まりきった瞬間。
「サンダー……スマッシャー!!」
「ディバイン……バスター!!」
同時に解き放たれる桜色と金色、2つの魔力砲が混ざり合い大型傀儡兵に直撃する。
だが案の定、傀儡兵の周囲にバリアが張られており、直撃こそはしていても、ダメージにはなってなかった。
しかし、2人は諦めない。
後ろにはユーノやアルフがいてくれる、龍也とリュートだって戦ってくれている。
だから負けるわけにはいかなかった。自分を信じて、支えてくれた皆のためにも、こんなところで諦めるわけにはいかなかった。
「「せーのっ!!」」
その掛け声と同時に二人はさらに魔力を込め、全力を出した。
全く同じタイミングで2つの魔力砲は威力を増し、そのまま傀儡兵を押していく。
やがてバリアにヒビが入り、その亀裂はドンドンと大きくなった。更にしばらくするとバリアが崩壊した。それでも魔力砲は勢いが衰えることなく、その勢いはすさまじく壁には大穴が空いた。なのはとフェイトの放った光に飲み込まれた傀儡兵は、その威力に耐えることができずに爆散した。
アンケートに関して一つ報告があります。近々本作のドラゴンボールのボスを登場させるので、その募集の締め切りを3月中に締め切らせてもらいます。ボスとして出て欲しいキャラがいたら、早めに一報入れてください。ゲストキャラはまだまだ募集を続ける予定です。