魔法少女リリカルなのは サイヤの魂を受け継いだ戦士 作:飴玉ベジット
そしてしゃけシャケ様、高評価ありがとうございます!
ストライダー様も誤字報告感謝します。
「おい、待てよ。……俺は、俺はまだ戦えるぞ」
息を荒げながら龍也はボージャックの元へとゆっくり歩く。それを見たボージャックは鼻で笑い出した。
「死に損ないが。何故まだ立ち上がれる?」
「決まってるだろ?俺には、意地でも守りたいものがるんだ。それを傷つけようとするやつがいる限り、俺は何度だって立ち上がって、戦ってやる」
龍也の意地を聞いたボージャックは嘲笑う。
「心配するな。お前を殺したあとで、他の奴らもお前の後をおわせてやる」
ボージャックは親指をとある方向に刺した。その先にはなのは達がいた。そして、その言葉が龍也に怒りと同時に力を与え、再び超サイヤ人に変身した。
「そんなこと、させるかぁぁぁぁぁ!!」
「ぐっ!」
龍也は怒りのまま突撃し、ボージャックの顔を思いっきり殴った。
「調子に乗るなと……言っただろ!!」
「がはぁ!」
お返しと言わんばかりに、ボージャックの腹を抉るかのようなパンチをくらった龍也は吐血してしまった。
よろめき、膝をついたがその目はまだ燃えていた。
「負けるわけにはいかねぇ!」
龍也とボージャックが消えた。すると今度はあちこちから打撃音が聞こえ、白く濁った空気の球が発生していた。
「2人ともお願い!リュートを……」
「わかった!ユーノ!君も手伝ってくれ!」
「うん!」
クロノとユーノは、リュートの傷を治し始めた。
一方、なのはは祈るように両手を重ねる。
「龍也君……死なないで……」
「ふん!」
「ぐっ!」
ボージャックのパンチを龍也はガードして防ぐ。だが、衝撃までは殺しきれず、そのまま吹き飛ばされて地面に激突した。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
煙の中で龍也は立ち上がるも、身体中が悲鳴を上げ続けている上にもう体力も気もほとんど残っていない。いくらサイヤ人でも限界というものがあるし、怒りで力を引き出せたとしてもボージャックとの差が完全に埋まるほどではなかった。
「はぁ……はぁ……ふん。さっきよりはマシな動きができてはいるが、この程度では俺は倒せんぞ」
ボージャックの体力も消耗していた。流石のボージャックでさえも、ファイナルかめはめ波によって少なくないダメージを負っていたのだ。だが、龍也と違い僅かに余裕の意味を浮かべていた。
負ける……誰もがそう思い始めた。だが、龍也はこの勝負に勝つために、賭けに出ることを決意した。
「(こうなったら、俺の全てを出し切るしかねぇ!)はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
覚悟を決めた龍也は鉢巻を投げ捨てると、気を極限まで溜めた。
(本当は未完成だし、反動のことを考えるとあまり使いたくはない……だけど、ここであいつにやられるくらいなら、それでみんなを、この世界を守れるんだったら……やってやる!この戦いの後で俺の体がぶっ壊れたってかまわねぇ!!だけど今は!今だけは!!)
気を高める中、龍也はある修行のことを思い出していた。その技は気のコントロールが異常なまでに難しく、今この場で制御できるかどうかすらも怪しいのだ。だが、それがボージャックを倒す唯一の手段なのなら、龍也は出し惜しみはしなかった。ぶっつけん本番の龍也の賭け、それは
「体持ってくれよ!!
龍也が叫んだ次の瞬間、先程まで黄金に輝いていたオーラが、真紅の炎のように赤くなった。それと同時に甲高い轟音が鳴り響き、龍也の足元の大地がへこみ、クレーターになった。
「なんだと!?」
先程とは比べ物にならないほどの気の大きさにボージャックは思わずたじろぐ。
「もう誰も傷つけさせない。俺が……俺がお前を倒す!!」
龍也は地面を抉るように蹴ってボージャックに接近する。
「でぇやあぁぁぁぁぁ!!!」
その腹溝にパンチをした。
「がぁぁ!あ、あぁぁぁぁぁぁぁ……」
腹をうずくめながら2、3歩後退するボージャック。
(馬鹿な……さっきよりスピードもパワーも上がっていやがる……一体、あいつは一体何をしたんだ!?)
突然のパワーアップに驚きながらも、腹を抱えながら血走った目で地面を睨むボージャック。龍也が迫っていた。
「こなくそぉ!!」
ボージャックは拳をふるうも龍也はボージャックの腕をつかみ、そのまま後方へ跳躍するようにら回避した。
「なに!?」
「だぁっ!」
驚くボージャック、その隙に龍也は反転して急降下、その加速をつけた蹴りをボージャックに喰らわせた。地面を抉りながら吹き飛ばされる。
「いいぞいいぞ!この調子であんな奴ぶっ飛ばしてしまえ!」
「この調子だったら、ボージャックを倒すこともきっとできる!」
アルフはシャドウボクシングみたいに何度も拳を前に突き出した。リュートを治療しているユーノも、龍也が優勢になってきたことで希望が見えてきたかのように、表情に笑顔が戻った。
(だが、何故龍也は今までこの姿にならなかったんだ?)
一方でクロノはこれまで龍也が超界王拳を使わなかったのか気になり始めた。
「うっ……」
その時、ようやく目が覚めたリュート。
「リュート!目が覚めてよかった……」
リュートの目が覚めたことでフェイトは安堵のあまり、涙を流しながらリュートに抱きつく。だが、リュートには気がかりなことがあった。
「ぼ、ボージャックの野郎は……」
「龍也が戦ってるよ!今のあいつが凄いんだ!!」
リュートに今の状況をみせようとアルフが指さした。そして、彼の目に龍也とボージャックの戦い、正確には龍也の姿が映った瞬間、すぐに焦りの表情を見せた。
「やめろ!!早く界王拳を解け!体が壊れるぞ!!」
「ど…どういうこと…なの?」
リュートの言ってる意味を理解したくなかったが、なのはは質問した。
「やはり、あの姿には何かしらのリスクがある。ということか」
「リスク……?」
リュートが答える前にうすうすだが何かに気づいたクロノが、自身の考えを言う。
「龍也が今の姿になってからは1人でボージャックを圧倒している。だったらリュートと共闘していた時にあの姿になったら既に倒してもおかしくない。だけど、龍也は今の今までそれにはならなかった。つまり、あの姿への変身、もしくは維持にはなにかしらの代償があるということだ。違うか?」
「……流石は執務官、察しがいいな。あいつが赤く光っているのは界王拳という、パワーやスピードと言ったあらゆる戦闘能力を何倍にも増幅させる技だ。その反面、体に激しい負担を加える上に、気のコントロールが重要になる。しかも今のあいつは多少なりとも体に負担を生じる超サイヤ人になっている。超サイヤ人に界王拳の併用した状態が続けば、あいつの体が壊れてもおかしくはない」
『そんな!?』
リュートの説明を聞き、察していたクロノも一同がその代償の大きさに言葉を失う。つまり、龍也は自分の体が壊れる覚悟でボージャックを倒すつもりでいるのだ。
「龍也君……」
「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ボージャックは手から気弾を形成して撃ち、形成しては撃つを繰り返していた。だが、龍也はその縫い目を潜るように突撃する。
「なら、これでも喰らえ!」
ボージャックは手に気弾を溜め、撃ち出す。すると、さっきの気弾が散弾銃の様に拡散する。慌てて龍也は両腕をクロスして防御体勢を撮る。
次々と起こる爆発にボージャックはニヤリと笑う。ようやくくたばったと。だが、煙を切り裂くように龍也が再び突撃した。
「おらぁ!」
龍也は勢いをつけた頭突きをする。それによってボージャックはよろめき、体勢を崩す。
「うらららららららら!!!」
ボージャックの懐に飛び込んだ龍也は、ボージャックのボディに何発も何発もパンチをした。その攻撃はしっかりときいており、拳が当たるたびにボージャックは苦悶の声を上げる。
「クソったれ!!」
ボージャックは右手で振り払うも、龍也は残像拳を使って回避した。
「くそ!どこに行ったとい……「ずりゃあ!!」がはっ!?」
龍也を見失ったボージャックは周りを見渡したが、見当たらなかった。その隙に龍也はボージャックの後頭部にエルボーを決め、叩き落とした。
叩き落とされたボージャックは物凄い勢いで落下。地面に激突すると同時に大きな衝撃音と煙が発生した。
「お、おのれ……」
激しく息を荒げながら、今降りてきた龍也を睨むボージャック。流石の奴でも、ファイナルかめはめ波を受けたダメージを残したままの状態では、超界王拳状態の龍也には敵わなかったのか、ボロボロになっていた。
屈辱的だった。かつて自分を倒した子供より、更に幼い子供にここまでやられたことを。
「こうなったら、貴様ら全員ここで消し去ってやる!!」
ボージャックは腕を大の字に広げる。その両手に、強力な気が収束されていた。
「!?」
再び構えを取ろうとした龍也。その時、彼は自身の右腕に違和感を感じて動きを止めてしまった。
「(もう体も持ちそうもないな……)これで決める!!」
自分の体が限界に近いことがわかった龍也もまた、かめはめ波の構えをとっていた。
「くたばれぇぇぇぇぇ!!!」
「くたばるのは、てめぇだぁぁぁ!!!」
ボージャックはギャラクティックバスターを、龍也はかめはめ波を放った。だが、2つの光がぶつかり合った瞬間、ギャラクティックバスターは貫かれ、かめはめ波がそのままボージャックに襲い掛かった。
「くっ!こんなもの!!」
腕をクロスして防御することで、なんとかその勢いを止めた。
「そんな……龍也君が限界以上の力を使っても……」
ここにいる全員が絶望に陥っていた。
たった1人を除いて。
「まだだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
龍也は、かめはめ波の中に入ってボージャックのところへ突っ込んだ。
「何!?」
『龍也/君!?』
驚くボージャックやなのは達をよそに、龍也は自身に残った全ての気を右手にこめた
(もうこれ以上戦ったら絶対に負ける。だったら、この一撃にで全てを終わらせる!)
「龍拳!!爆発!!!」
龍也の拳がボージャックに当たると、龍也が黄金の龍となってそのまま突き進んだ。
『いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
みんなの声に答えるように、黄金の龍はボージャックを食らいついて持ち上げた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
遂に龍は、ボージャックの腕ごと体を貫いた。そして、龍がいてた場所から龍也が現れた。
「そ、そんなばかなぁぉぉぁぁ!!!」
自身が敗れたことを認めないまま、ボージャックは爆発し消滅した。
『やった――――――――!!!』
龍也がボージャックを倒した。この事実に全員が歓喜の声を出した。
「へ、へへへへ……」
文字通り、持てる力を全て出し切った龍也も乾いた笑いをしていた。……だが、
ドクンッ
「がはぁ!」
『え!?』
誰も、何もしていないのに突然、龍也が落下、そのまま地面に激突した。
「ぐっぅぅ…があぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「龍也君!?」
「一体何が……」
龍也の腕や足といったあらゆる筋肉が異常なまでに膨れ上がった。それと同時に龍也が盛大な悲鳴をあげたことで、全員が困惑してしまった。どうやら超界王拳を使った反動が今きたようだ。
「さっき言っただろ!超界王拳は下手をすれば体を壊すってな!さっさと治療しろ!間に合わなくなっても知らんぞ!」
リュートの怒号のような説明でその場にいる人達は正気を取り戻す。ユーノとクロノはすぐさま龍也に回復魔法をかけた。そのすぐ側ではなのはが龍也の手を握った。
次第に悲鳴が小さくなり、遂には声が聞こえなくなった。
その瞬間、この場にいる全員が最悪ななのはがそばで安否を確認した。その時、龍也はすぅ、すぅと寝息をあげていた。
「ばか……」
無印編も終わりが近づきてきましたね……