魔法少女リリカルなのは サイヤの魂を受け継いだ戦士    作:飴玉ベジット

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超お久しぶりです。投稿しなかった理由は後書きに記載しています。


アリシアを連れ出した意味、ここで明らかになります。

今話はかなりオリジナル展開です。もしかしたらご都合主義と解釈できるかもなので、苦手な方はご注意を


第26話 眠り姫の目覚め、鍵は母の贖罪

 

 現在、クロノは目の前の光景から離さずにいた。

 

「ごちそうさま!」

 

 龍也の目の前には具沢山のお粥が入っていた寸胴があった。中身は龍也が全て食べ切ったので、すっからかんだった。因みに目の前でそれを完食した龍也を見て、クロノは愕然としていた。

 

「そういえば前々から気になってたんだけどさ、お前ちゃんと飯食ってる?もしそうじゃねぇのならちゃんととれよ?それだから背伸びないんじゃねぇの?」

 

「……肝に銘じておこう」

 

 放心したクロノはそれだけ言うと、寸胴鍋を持って病室から出た。

 

「そうだ。体どうなってんだろ?」

 

 クロノが出たあと、体のチェックも兼ねて龍也はアースラを散歩しようとしていた。

 

 

 

「――アリシア!!」

 

 

 プレシアはそう叫びながら飛び起きた。 目の前に広がる光景は白い事には白いがここはどう見ても医務室である。

 

「夢……だったの?」

 

「……ようやくお目覚めのようだな」

 

「……!」

 

 呆然とするプレシアの耳に知ってる声が聞こえた。声がした方に顔を向けると案の定そこにはリュートが立っていた。

 

「その様子だとアリシアの、……というよりかつて過ごしていた日々の夢を見ていた、と言ったところか」

 

「ええ。……あの娘、妹が欲しいって言ってたの、思い出したわ。……でも、あの娘はもういない。私は……どうすればいいの……」

 

 在りし日を思い出し、俯くプレシア。病気が進行しても続けたアルハザードに行く計画すらも頓挫した今、彼女は生きる意味をなくしていた。

 

「いるじゃないか。フェイトが」

 

「…フェイト?」

 

 一体何を言っているのか理解できなかったプレシアは、リュートにその意図を聞く。だがリュートはそんな問いに対する見解を述べる。

 

「アリシアは妹が欲しいと言っていたのだろう?だったら生まれはどうあれ、アリシアの遺伝子から生まれたフェイトは実質的なアリシアの妹、つまりはお前の娘じゃないのか?」

 

「フェイトが……アリシアの妹……」

 

 確かにある意味ではアリシアにとってはフェイトは妹のような存在なのだ。だが、そんな彼女に自分がしたことは虐待とも言える行為ばかりで、親らしいことはまったくしていない。

 

「そんな…ことにも……気づかない、じゃないわね。目を背けてたのね、私は。ほんとに馬鹿ね。……そんな母親でも、アリシアは、許して……くれるかしら……」

 

 大魔導師と名乗っていた自分を滑稽だと思い始めた。フェイトは許してくれたが、アリシアがそのことを知ったなら、どう思っているのであろうか?もしかしたら、嫌われるかもしれない。自身が行ったことがこんな形で帰ってき、自身を苦しめる。

 

「さぁな、俺はアリシアじゃないから、その問いに答えることはできない。……だが」 

 

 そんなことを考え続けるプレシアを睨みながら、リュートは自身の考えを言う。 

 

「ファイトはお前と和解したいと願ったから今回は助けた。だがもし、フェイトを再び傷つけるようとするのであれば、俺は貴様を敵と見なし、排除する。言いたい事はそれだけだ」

 

「フフ……随分とあの子に入れ込んでるようね。でも、あの時も言ったでしょう?私の体は病魔に侵されている。生きることができたとしても、私に残されたもう時間はないのよ」

 

 まさに因果応報ね、と自嘲するプレシア。

 

「その点は問題ない。貴様の病気に関しては既に手は考えてある。あとは「あー。お取り込み中の所、申し訳ないんだけど、ちょっと良いか?」ん?」

 

 扉の方から声がしたので、振り向くとそこにはところどころ包帯で巻かれていた龍也が立っていた。

 

「お前、もう体は大丈夫なのか?」

 

「動けるところまでは回復したさ。それでもなのはにつねられたところはまだ少し痛むけど…」

 

「そうか。……それで、何の用だ?」

 

 リュートが要件を聞こうとすると、龍也はプレシアの方を見る。

 

「もしかしたらなんだけどさ、アリシアってこ、目を覚ませれると思う」

 

「なに!?」

 

「なんですって!?」

 

 龍也の発言にプレシアは勿論、リュートも言葉を失ってしまう。

 

「取り敢えず、全員アリシアのところに集合させてくれないか?」

 

 

 

 

 

 その後、プレシアの病室になのはやクロノたちが集まる。

 

「ねぇ龍也君。みんなに話したいことって何なの?」

 

「今から話すよ。その前にリュート、お前はいつになったら気づくんだよ?」

 

「いつになったら?一体何を馬鹿げたことを……な!?」

 

 いきなり呆れられたことでキレるリュートだが、その表情が突然驚愕に変わる。そして、それによって周囲が少し混乱してしまった。

 

「えーっと、龍也君。私達にもわかるように説明して?」

 

 2人だけ納得したのはわかったが、それでも事情が知りたい一同。代表してなのはが、どういうことかを龍也に説明するよう頼んだ。すると、当の本人はニッと笑いながら爆弾発言した。

 

「そもそも、アリシアが死んでいるっていう解釈事態が間違いなんだ」

 

『えっ!?』

 

 既に気づいたリュートを除く全員が驚いてしまった。勿論、プレシアは驚きと喜びが混じった表情で龍也の肩を掴んで問い詰める。

 

「ど、どういうことなの!?つまりアリシアは……あの娘はまだ生きているっていう事なの!?」

 

「そ、そういう事……。ちょっ、傷が開くかもだから揺らさないで……」

 

 プレシアに肩を思いっきり揺らされながらも、龍也は質問に答え、ついでに止めるようお願いしていた。その願いを聞いたプレシアは、龍也の現状を思い出したのか慌てて手を離す。

 

「お前ら、気のことは知っているか?」

 

 ようやく龍也の言ったことと彼が何をやろうとしていること理解し、冷静さを取り戻したリュートが魔道士達に質問する。

 

「気……確か、生きとし生ける全ての生き物が持つ力、だったよね?」

 

 龍也が教えてくれていたのをうっすらと覚えていたなのはが答えると、リュートは頷いた。

 

「知っているのなら話は早い。結論から言うと、アリシアから僅かにだが気を感じる。つまり、アリシアは重度の昏睡、若しくは植物状態になっているだけで、かなりギリギリではあるがまだ死んでいないということだ」

 

 その説明にもはや周囲は言葉を失っている。なら、次に知りたいことは

 

「どうすれば、どうすればアリシアは目覚めるの!?」

 

「簡単だ。俺かリュートのどっちか、あるいは2人でアリシアに気を送る、それだけだ。さっきリュートが言ったように、アリシアは死ぬ一歩手前まできてるとはいえまだ生きている。だから気を譲渡、即ち生きる為の力を渡せば目を覚ませることはできるはずだ」

 

 龍也の説明を聞いた一同はただただ関心する。

 

「お前がなぜあの時にアリシアを救ったのかは分かった。ただし、アリシアを目覚めさせるには条件がある。プレシア。貴様がフェイトにこれまでした虐待のことを謝罪すること。それとこれからはアリシアだけでなく、フェイトの親としてしっかり面倒を見ることだ。それが守れないというならこの話はなかったことにするぞ」

 

 リュートから出された条件を聞いたプレシアは、それまでの慌てぶりは鎮まり、その表情はむしろ諦めさえ感じた。

 

「難しい提案をするわね……ゲホッ!ゴホッ!」

 

「母さん!?」

 

 突然の咳にフェイトは驚く。そして、プレシアが咳込んだことで口に血が流れ、それは抑えていた手にも付着していた。それを見たなのはと龍也、アルフは驚き、フェイトに至っては目を見開くことしかできなかった。

 

「見ての通り、私の体は病魔に侵されているのよ。それも既に治療も不可能なほどに段階まできてる。それなのに、今更フェイトの親として……「その点も問題はない」どういうこと?」

 

 プレシアの説明を、今度はリュートがぶった斬る。そして、龍也が割り込んだことで出来なかった自信の考えを告げる。

 

「ジュエルシードは願いをかなえる力があるんだったな?それをお前の病気を治すために1つ使わせてもらう」

 

「それは反対だ!万が一暴走したらどうするんだ!?下手をすれば、全員この場で死ぬかもしれないのだぞ!!」

 

 リュートの案に、クロノは真っ先に大声をあげて反対する。なのはや龍也、ユーノも反対こそしなかったが、暴走したジュエルシードの恐ろしさを知ってるので、それを使うと聞いて驚く。

 

「これは俺の推測だが、これまでジュエルシードによって叶えられた願いは曖昧なものであって、それを叶えるならどんな手段でも構わないという感じだ。だったら具体的かつ複数の条件を付けた願いなら騒ぎを起こすことはないか?それに加えてプラスエネルギー、簡単に言えば悪の気が籠っていない力を送れば暴走せずに使えるはずだ」

 

「それは成功した時だけを前提としていたらの話だ!失敗したら、どれだけ被害が出ると思っているんだ!!」

 

 確かにリュートの推測はかなり的を得ているし一理ある。だが、クロノが目をつけたのは失敗した時のリスクだ。

 

 もしリュートの案が失敗したことでこの場で次元振が発生する恐れだってある。最悪の場合、船が崩壊して全員がこの空間に囚われ続ける可能性だってある。クロノとしては、民間人もいる故にそれだけは防がないといけないと決意していた。

 

「貴様が何に懸念しているのかはわかる。だが、他に代案はあるのか?」

 

 リュートがそう問えば、クロノは言葉を詰まらせる。その質問に対しての答えは何も持っていないからだ。それでも反対しようと口を開けた瞬間。

 

「わかりました。リュート君の提案を採用をします」

 

「艦長!?」

 

 その前にリンディの承諾がした。これは予想できなかったのか、クロノは驚きの声をあげる。

 

「確かにクロノの言う通り、リュート君の案はリスクが非常に高いです。しかし、プレシア氏はこの事件の主犯格、事件の詳細を知るには彼女の協力は絶対です。その為にはプレシア氏の病気の治療は不可欠であり、治療手段があるのなら試す価値はあると判断しました。それに、子を持つ親としても、まだ年端のいかない少女に親を失う悲しみを未然を防ぐことができるなら、その道を選びたい。よって、プレシア氏の治療行為にジュエルシードの使用許可を認めます」

 

「感謝する」

 

 その言葉から私情があったが、ジュエルシードの使用許可をくれたリンディに感謝の礼をした後、リュートはその流れでプレシアの方を向く。

 

「これで準備は整った。さぁ、後は貴様次第だ」

 

 悲願だったアリシア復活だけでなく、自身の病の治療までしてくれる。ここまでしてくれるのは願ったり叶ったりだった。だが、

 

「馬鹿言わないで……私は大罪人。生き延びたところでフェイトも、無関係のアリシアさえも罪人の娘として扱われる。せめてそうならない為にも、その罪は私1人で背負いたい、いえ、背負わなければならないの。それに、事情聴取や裁判までは持つ可能性はあるし、それも難しいというのなら事件の詳細をレポートにして纏めるわ。当然、私が書いた証拠として監視カメラのある場所で」

 

 それでもプレシアは首を縦でなく、横に振った。今の彼女には、アリシアの復活とフェイトに対する罪悪感、そして娘達を守りたいという思いだけしか無かった。

 

「俺はあんたがフェイトに何したかは知らねぇし、むしろ立ち位置的に部外者だ。けど、これだけは敢えて言わせてもらうぜ。死ぬことは罪滅ぼしにはならねぇ、むしろ2人を傷つけるだけだ。そんなに娘達の幸せを願うのなら生きろ。そして、罪を償いたいのなら生きて償え」

 

 病気を理由に死ぬことを望むプレシアだったが、対する龍也の批判にハッとした彼女は周りを見る。その目に映る全員が言葉にこそしてないが、龍也の言う通りだと語っていた。

 

 先ほどの言葉を頭に入れて一度目をつむり、考える。どちらが罪を償い、娘達が幸せになるかを。そして、答えを見出したのか目を開くと同時にプレシアは決断した。

 

「……わかったわ。貴方の条件を呑むわ。そして、私も生きる。アリシアとフェイトの母親として2人を守る為に、そして、自分が犯した罪とその重さに向き合う為にも」

 

 生きることを。

 

「クロノ、ジュエルシードを1つ持ってきて。それと、エイミィはアリシアちゃんが着れそうな服をお願い」

 

「わっかりました!」

 

「……了解です」

 

 プレシアの決断を聞いてすぐにリンディはクロノとエイミィに指示する。エイミィは場を和まそうと思ったのか明るく従う一方、反対だったクロノは渋々といった感じで了承し、ジュエルシードをとりに行った。

 

 最初に戻ってきたクロノだった。そしてその手にはジュエルシードが握られていた。

 

「艦長が許可したから僕も反対はしない。だが、これだけは言わせてもらうぞ。失敗はするな」

 

「当然だ」

 

 クロノからジュエルシードを受け取ると、リュートはそれに願いも込めて自身の気を送る。

 

(プレシアの全身を蝕む病を全て取り除け。ただし、肉体や臓器、体に負担をかからない方法でな)

 

 すると、ジュエルシードから光り、そこから出たエネルギーをプレシアに照射させる。すると、プレシアの顔色が段々良くなっていく。

 

「どうだ?」

 

ジュエルシードから発せられた光が消える。それを確認してすぐにリュートはすぐにプレシアに質問

 

「少なくとも、体の痛みや息苦しさはないわ」

 

「後で念入りに検査しましょうか」

 

「お待たせしましたー!」

 

 プレシアの反応を見ると病気は治っていそうだが、念のために検査することになった。そしてすぐにエイミィが部屋に入る。

 

「プレシアさん、アリシアちゃんに服を着せたいから、カプセルのロックを外してくださるかしら?」

 

「わかったわ」

 

 カプセルにあるパネルを押すとアリシアが解放され、なのは達女性陣はエイミィが持ってきた服をアリシアに着せる。

 

「それじゃあ、こっちもいくぞ」

 

 龍也は右手から暖かみがある優しい光を発する気弾を形成し、それをアリシアに向けて放った。まるでスローモーション映像のようにゆっくりと少女の方へ向かう光。それがアリシアに触れると同時に彼女包み、浸透した。

 

 アリシアを纏っていた光が消えると、少女の目がゆっくりと動いた。

 

「う、うん。アレ?ここ何処……?」

 

目を覚ましたアリシアはここが何処かわからずに困惑していた。

 

「アリシア!」

 

 長い時を経てようやく目覚めた娘にプレシアは大粒の涙をこぼしながら、衝動的にアリシアに抱きついた。

 

「え!?ママ!?どうしたの?」

 

「いいえ、なんでもないわ……。よかった、アリシアが……」

 

 突然の行動をする母に更に困惑するアリシア。プレシアは何でもないといいながらもただ抱きしめ続ける。その2人を、フェイトは悲しげな目で見るが、自身にある負の感情を振り払うように首を横に振り、意を決して2人の元に歩く。

 

「初めまして。アリシア姉さん」

 

 アリシア()フェイト()、初めての出会い。その光景にアルフは声を漏らさないように努めているが大号泣し、リュートもあまり見せない穏やかな表情で見守っていた。

 

 

 




投稿が久しぶりになったのは、

ストーリーのイメージは出来てるのだが、言葉でどう表現すればいいかわからなくなり、モチベーションが少し減る。加えて、何一つ完結してないのに新しい物ばかり考えてしまう。→最終投稿の翌年に就活が始まる。→去年の年末頃まで面接や試験を受けても全て落ちてかなり焦る。→その後、奇跡的に採用されて無事に就職し、現在仕事中。

と、最初はモチベーション等の問題だけだったのですが、そこから後はかなり忙しくなり、書く気力が無くなったのが原因です。

なので本当にお待たせしました。本当に申し訳ありません。無印編は次回で終わるので、せめて今年、2026年までにはA’s編に突入させたい所存です。ですので、長く、温かい目で見ていただけたら幸いです。
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