魔法少女リリカルなのは サイヤの魂を受け継いだ戦士 作:飴玉ベジット
「うおりゃあぁぁぁぁぁ!!!」
「でぇりゃあぁぁぁぁぁ!!!」
2人の拳がぶつかり合い、周囲に激しいスパークがはしった。
「だだだだだだだだ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そこから龍也とリュート、2人のサイヤ人がとんでもない打ち合いをしていた。
だが、なのはとフェイトはその攻防を見ることが出来なかった。ただ、ドン、ドンと何かがぶつかり合う衝撃音だけが周囲に響き渡り白濁する空気の球がいくつも生まれては消えていく。
さらにそれが治まったかと思えば今度はシャッ、シャッと空気を切り裂く音が聞こえ二人の姿が現れては消えていく。
それがまた見えなくなったかと思えば再びぶつかり合う音とともに特大の空気の球が発生した。その中心にはぶつかり合う龍也とリュートの姿があった。
2人のパンチが、クロスカウンターのようにそれぞれの顔に当たったことで、2人とも吹き飛ばされてしまったが、空中で態勢を立て直した。
「貴様、想像以上にやるな」
「そいつはどうも」
リュートは口の中に入った血をペッと吐き出し、龍也も口の血を手で拭う。
「まさか、俺に本気を出させるやつがいてるとは、思わなかったぜ」
まるでさっきまで手を抜いていたかのような発言に、心外だと思ったのか、龍也は尋ねる。
「どういうことだ?」
龍也の質問に答える代わりにリュートは
「はあぁぁぁぁぁ……かあぁぁぁぁぁっ!!」
自身の気が爆発的に高めだした。それに伴って強風が発生し、龍也は顔を覆う。ようやく風が治まると、いつの間にかリュートの髪の毛が金色になり、周りに黄金のオーラを纏っていた。そう、超サイヤ人に変身したのだ。
「なっ!?」
(そうか!妙な親近感があったのは、あいつもサイヤ人だったからか!)
龍也はリュートが超サイヤ人になれたことに驚きつつも、これまで感じていた違和感の正体に納得した。
「この俺を魔導士相手に超サイヤ人の姿にさせたのは貴様が初だ」
超サイヤ人に変身したことで余裕が生まれたのか、リュートは不敵な発言をする。
「だが、この姿になった俺の相手になるとは思えんがな」
もはや勝利宣言ともとれる発言をするリュートに対し、龍也は不敵な笑みを浮かべる。
「さぁて、そいつはどうかな?」
「何?」
その一言にリュートの片眉があがる。
「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そして、こういうことだよと言わんばかりに龍也は気を爆発させ、超サイヤ人に変身した。
「ふっ、ふっふふふ。はっはっはっはっはっはっは!!」
突然リュートが顔を覆い、笑い出す。あまりにも急で予測しなかった行動に、龍也は少し引いていた。
「すまないな。まさかこの世界で俺と同じサイヤ人、しかも超サイヤ人と戦えるとは、正直思ってもみなかったからな」
今も右目を片手で覆ってはいるが、指の間から見えるその目からは、まさに興奮が抑えれてないのがよくわかる。
「なーるほど、そういうことか。それはちょっとわかるかも」
「ますます面白くなってきたぜ」
二人は短い会話を終えると、すぐに構えをした。まるで、悟空とベジータが初めて戦ったときのように…
動き出したのは龍也だった。真っ先にリュートに突撃し、パンチをしたが、余裕で回避される。
「単調だな!」
そう呟くリュートは、龍也の腕を掴み、地面に向けて投げ飛ばす。
龍也をなげ飛ばしたリュートはそのまま追撃しようとしたが、龍也は飛び上がり、すぐに体勢を立て直しながら回転蹴りを決める。無防備でくらったリュートは吹き飛ばされ、背後にあった木にぶつかり続ける。
龍也は近くにあった木を蹴って勢いをつけ、リュートの後を追う。10本以上の木にぶつかってようやく止まったリュートに拳をふるうが、リュートもすぐに体勢を立て直し、龍也の一撃を受け止めた。お返しと言わんばかりにリュートは別の手でパンチをしたが、龍也はそれを受け止めた。
「ぎににににに……!」
「ぐっ……!
2人は力を込めて押し出そうとするも、力が均衡していたのか動くことはなかった。そこからしばらく取っ組み合いが続いた。…が、
「でりゃあ!!」
「おわぁ!?」
リュートの足払いにより態勢が崩れてしまった。
「もらったっ!!」
「なんの!」
強烈の一撃をくらわせようとするリュートだったのだが、龍也は右腕で体を支え、そのままの態勢でキックした。
「ち!」
「うぉりゃぁ!」
思わぬ反撃を受けたリュートは龍也の足を掴んで投げ飛ばそうとしたが、その行動を予測していた龍也は体を捻らせて、自由になっているもう片方の足で蹴飛ばした。
「はぁ!」
だが、すぐに態勢を立て直したリュートは右手に気を集中させて、エネルギー波を放った。それをくらった龍也は吹っ飛ばされた。
そこからリュートは龍也の上に行き気弾を放つが、同時に龍也も気弾を放ち、相殺させた。その隙に龍也は態勢を整えた。
「やはり
「あぁ。俺も、ここまでワクワクする戦いは初めてだ」
リュートはフッと、龍也はニッと笑った。
尚、この戦いを見てたなのはとフェイトはというと。
「龍也君…すごすぎにも程があるよ…」
「リュート…あなた本当に人間?」
なのはは龍也が、フェイトはリュートが常識はずれの戦闘力を持っていることは知っていたが、まさかここまで次元が違うとは思わなかったのか唖然とするしかなかった。
勿論、なのはとフェイトを狙う
そんな周りの状況なんて一切気にしていない2人は、今も激戦を繰り広げていた。
「つぁ!」
「ぐっ!」
龍也の頭突きでリュートはよろけてしまった。
「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
2人とも既に息を切らし始めており、疲れてきたのが目に見えてきた。
「名残惜しいが、これで終わらせてもらうぞ」
「何!?」
突然の宣告に驚く龍也をよそに、リュートは空高く飛んだ。
「はぁぁぁ!!!」
一瞬にして龍也を見下ろす位置へと移動したリュートは、上半身を捻り両手に気を集中させて構えを取る。
(まさか!?)
リュートの行動の意味に気づいた龍也は、すぐに両手を腰に添え、気を凝縮させる。
「くたばれ!ギャリック砲!!」
「かめはめ……波ぁぁぁぁぁぁ!!」
リュートがギャリック砲を放つと同時に、龍也もかめはめ波を撃つ。両者の手から放たれた光は2人の真ん中の位置でぶつかり合い、稲妻を走らせて拮抗していく。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
リュートがギャリック砲の威力を上げると、龍也もかめはめ波に気をさらに送る。ぶつかり合うエネルギー波が動くことなく、激しさを増してその場でとどまる。しばらくすると、その中心部で爆発した。
「がっ!?」
その衝撃で吹き飛ばされた龍也は、大きな岩に激突した。それを見たなのはとユーノは急いで龍也のもとに向かった。
「龍也君!大丈夫なの!?」
「いちちちち。な、なんとか……あ!?あの2人は!?」
「逃げられた。さっきの爆風を巧みに使って」
「そっか。……わりぃなのは。俺、なんもできなかった」
「そんなことないよ!助けに来てくれただけでも嬉しいよ」
龍也は自分が何にもできなかったことを悔やんでいたが、なのはは気にしていない様子で首を横に振る。
「取り敢えず、一旦すずかの家に戻るしかなさそうだな」
「でも、こんなにボロボロじゃあきっと怪しまれるよ」
2人はうーんと頭を唸らせていた。しばらくすると、龍也は後頭部をポリポリとかきはじめた。
「はぁ~。やっぱどう考えてもこれしかおもいつかないな」
すると、龍也はユーノの方を見て、申し訳なさそうな顔をした。
「ユーノ。ちょっと頼まれてくれないか?」
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