最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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■2024/09/27 Webコミックガンマ様にてコミカライズ化が決定しました!
イラスト担当は凪庵さんです。

【挿絵表示】

漫画:凪庵
キャラクター表現に定評のある、実力派!
代表作に『彼女がフラグをおられたら』(講談社)
『アイドルマスター ミリオンライブ!ライブリーフラワーズ』(一迅社)
「萌え豚転生」(小社)など

詳細は下記「竹コミ!」様のサイトにて
(Webコミックガンマ様 ⇒ 竹コミ!様にサイト統合しました)
https://takecomic.jp/series/5dea9f7f7973f


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唐突に、こんなのが書いてみたくなった!
という感じのものなので、細かい設定とかツッコミは無しで。
所詮、素人の趣味ですので過度な期待もしないで頂けると幸いです。


■□■□■□■□ ** 注意書き ** ■□■□■□■□

 あくまで読者の方に考え、気軽に好きにイメージして頂けるようにキャラの容姿などは最低限の表記にしてあります。
 また兵器関連の具体的な数値も出すとややこしい説明だらけになるので出しません。
 『架空SF』なので現実と違う表記もありますが『そういう設定のそういう世界』だと割り切って読んで頂くようお願いします。
 上記にも書きましたが『細かいツッコミ』を入れられても対処できません。
 それなりの説明は『用意』しますが、それ以上を求められる場合は申し訳ありませんが返信しない場合があります。

 感想などで意見を言って頂ける場合は、全て受け付けます。
 ただそれらが必ず反映される訳ではないことは、ご了承下さい。

 以上をご理解・ご了承頂ける場合のみ、作品をお愉しみ下さい。

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皆様の暇つぶし程度になれば幸いです。
誤字・脱字などありましたら修正機能でお知らせ頂けると。


*現在第1話~17話までの文章・改行などに関しての修正を行っております。
 その関係でそれらが終わるまで多少見難い状態となっている箇所が存在しますのでご注意下さい。
 余裕がある時に少しづつ修正予定なので時間がかかるかもしれません。



1年目
第1話


 

 最強の女傭兵

 近未来でスポーツ美少女となる

 

 

 

 

 

 これでもかというほどの歓声が響く中。

 ライトアップされた廃墟の中では、爆発音や銃撃音と共に無骨な装甲をまとった少女達が駆けまわる。

 

 周囲を高い塀で囲まれた廃墟。

 その右奥にある巨大な建物『司令塔』の周囲に展開している少女達は、必死になって陣形を組んで周囲に対して射撃をしていた。

 

 それを2方向から挟撃している少女達は、思いのほか強い抵抗に苛立ちながらも被害が出ないように細心の注意を払いながら戦う。

 

 ―――残り時間 1分

 

 そのアナウンスが流れた瞬間、包囲されている側の少女達はお互いに声を掛け合う。

 

 後1分だ!

 このまま耐えきれ!

 相手を近寄らせるな!

 

 その中でも壁役として大きな盾を構えていた少女は勝利を確信していた。

 

 彼女の装備しているG.G.G社製の最新式装甲は従来品に比べ1.5倍の防御力を誇る。

 先ほどから飛んでくる他社製品の多連装ミサイルを余裕で防ぎきる大盾も、この世界大会の直前で認可された最新モデルであり、どの国もそのデータを持っていない。

 その頑丈さは今まさに証明されており、各国のチームが使用するガトリングガンやミサイルなどの高火力武器さえ無効化していた。

 まさに圧倒的な防御力であり、彼女らの快進撃を支え続けた装備だ。

 

「(―――勝った)」

 

 下手に欲張って各個撃破され、数的不利から物量で押されれば、たとえ最新装備であっても耐えきれる保証はない。

 それに相手には『バケモノ』が1人居る。

 ソイツのせいで、ここまで追い込まれたのだ。

 

 だからこそ残り時間を考えあえてほとんどのエリアを手放し、最終防衛ラインを早々に構築した判断は間違ってはいなかった。

 あと50秒ほど粘ればたとえ全滅した所で、点差を考えれば負けることはない。

 そして敵の攻撃も、先ほどから防ぎきっている。

 切り札があれば、とっくに使用しているだろう。

 あと5分粘れと言われると少し厳しいが、1分程度なら余裕で対処出来る。

 流石に『アレ』も、この状況を覆すことなど出来ないはず。

 

 そう思った瞬間だった。

 突然、彼女の意識は一瞬だけ切れ、気づけば目の前には復活カウントの表示が出ていた。

 

 一瞬何が起こったのか理解出来ず、呆然としていると次々と仲間達の叫びや悲鳴が聞こえてくる。

 思わず、情報バーを呼び出して状況を確認する。

 

「―――何よ、これ」

 

 

 ………………………。

 ………………。

 ………。

 

 

 余裕の笑みすら浮かべ圧倒的優位だった防衛側の大盾を持つ前衛の一人でありアメリカ代表のリーダーである少女が、頭部装甲の破片を派手にまき散らしながら突然倒れて光の粒子となってその場から消え去る。

 

 その姿に防衛をしているアメリカ側の選手から思わず悲鳴が上がる。

 何事かと観客も騒然としたが

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 会場に流れる特殊キルアナウンス。

 ヘッドショットによる撃破ログとアナウンス。

 そう、彼女は撃破されたのだ。

 

 ヘッドショットキル。

 頭部への攻撃をそう呼び主に頭部をライフルなどで撃ち抜き一撃で相手を仕留めることを指す言葉だ。

 

 つまりアメリカ代表のリーダーである少女は頭部を撃ち抜かれ、一撃で撃破されたということになる。

 

 会場の巨大モニターの横に表示されたログに、その事実と彼女を撃破した者の名が表示されていた。

 

 ◆ヘッドショットキル

 x アメリカ:ジェシカ・ラングフォード【L】

 〇 ジャパン:アリス・キリシマ

 

 ×はやられた者で、〇は倒した者。

 名前の後ろにある【L】は、リーダーを表す。

 

 この試合では、リーダーが撃破されると非常に大きなペナルティが発生する。

 残り1分という最後の戦いで、それは致命的と言える失態となる。

 

 それを見た観客達は、何が起こったのかが解ると日本を応援している側の歓声が大きくなりアメリカを応援している側からは、悲鳴にも似た叫び声が聞こえてくる。

 

「―――遅いじゃない、アリス」

 

 現在攻め手側の日本代表のリーダーをしている谷町という少女から通信が入る。

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 またもG.G.G製の最新式の重装甲が一撃で吹き飛ばされ、防衛側であるアメリカ代表選手が手に持った大盾を手放しながら倒れ込むとスグに光の粒子となって消えていく。

 

「ちょ~っと色々手間取って」

 

 アリスと呼ばれた少女は、聞こえてきた通信にそう答えつつリロードを済ませながら淡々と狙撃を継続する。

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 まさに一射一殺。

 彼女がライフルを撃つたびに1人、また1人とアメリカ側の選手が倒れていく。

 量産されるヘッドショットキルのアナウンス。

 防衛側のアメリカ代表チームの少女達は、リーダーが撃破された際に発生するペナルティである【リーダー復活まで通信不能】により明らかに組織的な反撃が出来なくなっていた。

 それでも代表選手に選ばれるだけあって、バラバラであってもその抵抗は非常に激しい。

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 だが、そんな必死の抵抗を嘲笑うかのように、これでもかというほど神がかり的な一撃が的確に彼女達を葬っていく。

 

 ◆ヘッドショットキル

 x アメリカ:モニーク・ベックリー

 〇 ジャパン:アリス・キリシマ

 

 ◆ヘッドショットキル

 x アメリカ:サンディー・ロビンソン

 〇 ジャパン:アリス・キリシマ

 

 ◆ヘッドショットキル

 x アメリカ:イライザ・ハリー

 〇 ジャパン:アリス・キリシマ

 

 視界の隅に映るログ。

 減っていく味方の数。

 

 気にしないようにしていても残り僅かだと必死に自身を鼓舞したとしても、次々に映る絶望的なログが彼女達を精神的にも追い詰める。

 

「……何なのよ。何なのよ、アレはっ!?どうしてヘッドショットが出来るのよっ!!おかしいでしょっ!?」

 

 ジェシカは、感情のままに叫ぶ。

 そもそもアメリカチームは、この狙撃対策の意味でも大盾を中心とした防御重視の編成にしていた。

 特に点数が有利になってからは、大盾の数を増やしている。

 大盾は、身体の半分以上を隠せるため攻撃のほとんどを防いでいた。

 

 ただでさえ動き回る相手の頭部を狙うというだけでも難しいのに、更に大盾のせいで難易度は大幅に跳ね上がっている。

 本来ならこんな状態でヘッドショットなどあり得ない。

 プロでもここまで対策されると無理だと言われているほどだ。

 

 ―――なのに。

 

 神がかった奇跡的な狙撃。

 常人には、理解出来ないであろう一撃。

 それが淡々と、呼吸するかの如く当たり前のように量産されていく。

 

 未だジェシカの復活カウントが終わらない。

 いや、既に彼女のカウントは試合終了時間を超えているためもう復帰が間に合わない状態だ。

 そのため手元で確認出来る各種情報を確認しながらこのあり得ない奇跡的な狙撃に対して、叫ぶことしか出来ない。

 しかし復活カウント中は全ての通信から隔離されてしまうので彼女の叫びは誰にも届くことはなかった。

 

 ただひたすら会場に響く特殊キルのアナウンス。

 ドンドンと大きくなる互いの声援。

 

 

 ―――残り時間 30秒

 

 

 会場に残り30秒のアナウンスが響いた瞬間だった。

 

「いくわよ、みんなっ!!

 3、2、1、突撃ッ!!!」

 

 日本側のリーダーである谷町が、叫ぶ。

 その一言で包囲していた日本代表チームの少女達は、一斉に相手に向かって走りながら攻撃する。

 

 その光景に観客のテンションは最高潮となり、会場の観客全員が立ち上がって叫ぶ。

 まるで映画さながらの光景。

 

 誰もが心から叫ぶ。

 攻め込め、今しかない、逆転しろと。

 守り切れ、あと少しだ、踏ん張れと。

 

 そう……誰もがこの攻防が最後であり、これの結果がそのまま試合結果となることを理解していた。

 

 この試合を解説する世界各国の実況者達のテンションも当然ながら最高潮で、あちこちの実況ブースからも叫び声が響く。

 その中でも当事者である日本とアメリカのブースからはブースが揺れるほどの声が響いていた。

 

『ああーっとーーー!!!U-15女子日本代表、残り30秒からの全員突撃だぁぁぁぁーーー!!!激しい撃ち合いっ!ああっ!! 黒澤! 長野がやられたっ!!あーっ!! リーダーの谷町もやられたっ!!』

 

 興奮のあまり無意識に机を叩く実況者。

 しかし興奮している彼は、手の痛みなど感じている場合ではなかった。

 感情のままに状況を叫び続ける。

 

『しかし、アメリカ側は全滅ッ!!!そのまま残りのメンバーで司令塔へ攻撃だーーーーー!!!時間的に間に合うかぁぁぁぁぁッ!?』

 

 ―――試合終了

 

 大音量で鳴り響く音と共に試合終了のアナウンスが流れる。

 

 そして最終の点数表示が表示された瞬間。

 会場が先ほどと同じぐらいに大騒ぎとなる。

 

『やったーーー!!やりました、日本っ!!最後の最後に大逆転ッ!!

 760対740ッ!!!

 わずかッ! ほんのわずかッ! たったの20ポイント差ッ!!アジア勢初の快挙ッ!!!U-15女子日本代表優勝ォォォォーーーーーーーーッ!!!』

 

 

 

 

 

 第1話

 

 

 

 

 

 【レジェンド】日本 VS アメリカ【U-15女子世界大会決勝】パート65

 

 

 

 103:名も無き兵士

 残り時間無いぞ!!

 

 104:名も無き兵士

 @1分

 

 105:名も無き兵士

 アメリカくそ硬い防衛陣だな。

 830 対 970

 これは、凸決めないと負けだし厳しい。

 このまま負けるか?

 

 106:名も無き兵士

 早々に施設放棄して下がったと思ったら最初から粘るつもりだったとはな。

 最新式の直前認可といい、セコイわ。

 

 107:名も無き兵士

 アリスキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 

 

 リーダー含め4連続キルで

 830 対 890 !!

 

 相手4人削れて日本は揃ってるからまだ可能性あるぞ!!!

 

 108:名も無き兵士

 G.G.Gの最新式装甲『ガーディアン』だっけか。

 くっそ硬いな。

 日本のSTの火力ほぼ封殺してるぞ。

 これ、時間的に間に合うか?

 

 109:名も無き兵士

 凸ったぞ!!

 

 110:名も無き兵士

 いけええええええええええ

 

 111:名も無き兵士

 いったれぇぇぇぇぇぇぇぇl

 

 112:名も無き兵士

 連続HSとか、さすがアリスやばすぎ

 

 113:名も無き兵士

 よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー

 

 114:名も無き兵士

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 115:名も無き兵士

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 116:名も無き兵士

 逆転しやがったwwwwwwww

 

 117:名も無き兵士

 nipponkattaze

 

 118:名も無き兵士

 アメリカざまぁwwwwwww

 

 119:名も無き兵士

 いやっふぃー

 

 120:名も無き兵士

 ヒヤヒヤしたぜw

 

 121:名も無き兵士

 日本逆転!!

 クッソ激熱な試合だった!!!

 

 122:名も無き兵士

 マジで僅差の最高の試合だったな。

 アリスの連続HSと谷町の凸タイミング。

 どっちも完璧だった。

 

 123:名も無き兵士

 アリス関係無くね?

 どっちにしろ最後凸って逆転してるっしょ?

 

 124:名も無き兵士

 などと素人が妄想を口にしており―――

 

 125:名も無き兵士

 >>123

 アリスが盾持ち処理から連続で

 敵数減らしたおかげで凸決まったんだぞ

 

 >>124

 ちゃんと説明してやれよw

 

 126:名も無き兵士

 アンチアリスも増えたな。

 あんな可愛い子の何が不満なのか。

 

 127:名も無き兵士

 >>123

 アリスちゃん、大会MVP確定だぞ?w

 

 128:名も無き兵士

 

 日本代表戦績まとめ

 

 黒澤(AT):5G 25K 20D

 大野(AT):10G 40K 12D

 長野(AT):5G 23K 21D

 三島(BR):3G 3K 7D

 南保(SP):4G 11K 7D

 鳥安(BR):5G 53K 4D

 鈴木(ST):10G 20K 3D

 一条(ST):10G 19K 0D

 笠井(ST):10G 45K 10D

【L】谷町(ST):10G 61K 1D

 渋谷(SP):4G 12K 6D

  南(SP):5G 9K 1D

 安東(SP):3G 2K 7D

 大谷(AT):6G 19K 2D

アリス(BR):10G 252K 0D

 

 リーダーの谷町も十分ヤバイはずなのに、もっとヤバイのが居るせいで普通に見える。

 

 129:名も無き兵士

 >>128

 まとめ乙w

 ちょっとまとめ早すぎませんかねwww

 そして解ってたが、アリスがダントツでヤバイwww

 

 130:名も無き兵士

 252kって何だよwwww

 

 131:名も無き兵士

 てか黒澤と長野、死に過ぎだろwww

 

 132:名も無き兵士

 黒澤と長野は、日本が誇る特攻兵器KAMIKAZEだからな。

 ちゃんと兵器としてKD的にも仕事はしてる。

 

 大野、笠井も頑張ってるし鈴木と鳥安もKD貢献してる。

 一条も最前線なのに地味に死んでないのも大きい。

 

 133:名も無き兵士

 谷町の活躍が普通に見えてしまう不思議。

 

 >>132

 鈴木は迫撃砲メインで、鳥安は狙撃メインだからKD貢献は当たり前

 

 134:名も無き兵士

 ちょwww

 アwwwリwwwスwww

 

 252ってwww

 

 135:名も無き兵士

 相変わらず人間止めてるよな、アリス。

 よくあそこから的確な狙撃が出来るわ。

 

 136:名も無き兵士

 でもアリスも基本狙撃してるだけやん。

 安置から撃って稼いでるだけだし活躍出来て当然だろ

 

 実際、鳥安もKD貢献してる。

 

 137:名も無き兵士

 >>136

 お前それ本気で言ってるの?www

 アリスの252kは大会記録ぶっちぎりで更新だぞ?www

 

 てか、1試合平均25kって時点で頭おかしいことに気づけよwww

 更に今大会ノーデスで、キルなんて余裕で世界記録だぞ?www

 プロでもこんな記録出たことないのによwww

 

 138:名も無き兵士

 >>136

 アリスは、狙撃オンリーじゃなくてちゃんとした遊撃だぞ?

 そして狙撃オンリーの鳥安見れば、差が解るだろ。

 てか鳥安をアリスの比較に出してやるなよ。

 確かに鳥安も十分ブレイカーとしてヤバイけど、アリスと比べたら本人泣くぞ(笑)

 せめて白石舞ぐらいと比べてやれ。

 

 アリスのヤバイ所は、狙撃だけじゃなく遊撃でもトップクラスな点。

 実際、アリスが無双したおかげで日本は余裕で勝ってきた。

 更に遊撃で敵陣に切り込んでるのに一度も撃破されたことがない。

 単に死んでないだけでなく活躍してのノーデスは、プロでも難しい。

 

 同じく最後にやられたとはいえ、それまでノーデスだった谷町やノーデス維持した一条も最前線で一度もやられてないが、2人とはまた違うレベルのノーデスだしな。

 

 139:名も無き兵士

 アリスは、狙撃で注目されがちだが攻めに回ってる時の方が個人的に怖いと思う。

 あの一人で無双して相手チーム全員の心へし折って試合放棄させ全員ガン泣きまで追い込んでルール改正にまで発展した事件は、マジでヤバイ。

 むしろアメリカのようにアリスを徹底的にマークして封殺しないと接戦に持ち込めない時点で人間兵器なんだよな、アリス。

 

 140:名も無き兵士

 >>128

 初心者で悪いんだが、この表ってどう見るの?

 

 141:名も無き兵士

 >>140

 例  黒澤/(AT)/ 5G / 25K / 20D

 名前/ 主要役割 / 参加試合数 / キル(撃破数) / デス(被撃破数)

 

 

 

 主要役割は

 AT:アタッカー

 アサルトライフル系の装備が中心の兵科。

 幅広い武装で攻撃・防御の要。

 このアタッカーの質で勝負の優劣が決まると言われるほど重要。

 

 SP:サポーター

 弾薬補給・アーマー値回復・周辺索敵などが出来る各種サポートユニットを持てる兵科。

 武器はSMGがメインでアタッカーに比べると火力が落ちるため支援をメインとした立ち回りになる縁の下の力持ちタイプ。

 

 BR:ブレイカー

 狙撃ライフルを持てる遊撃兵科。

 装備制限が厳しく基本的には、狙撃による一方的な攻撃が中心。

 特殊な投擲型支援装備も数多く持てるため機動力を活かした援護や狙撃による長距離支援が可能。

 大多数が狙撃専門になりがちだがアリスのように遊撃メインなタイプも若干存在する魔境。

 

 ST:ストライカー

 超重量級の装甲と装備を持つ花形の超火力職。

 ガトリング・迫撃砲・多連装ミサイル・レーザー砲などロマン溢れる装備が多いが、重量のため非常に鈍足。

 運用次第では、1人で戦場を支配出来るほど。

 

 キルは、試合で何人相手を倒したか。

 デスは、試合で何回自分がやられたか。

 

 142:名も無き兵士

 >>141

 解説詳しすぎだろwww乙w

 

 143:名も無き兵士

 >>141

 ありがとう助かった

 

 144:名も無き兵士

 >>141

 詳細乙w

 

 むしろ丁寧過ぎw

 

 145:名も無き兵士

 解説アリス級がおるな

 

 146:名も無き兵士

 >>145

 解説アリス級って何だよwww

 

 147:名も無き兵士

 >>139

 そのアメリカですら、最後アリスのマークを外した結果怒涛の連続HS食らってるからな。

 

 実際、アリスのヤバさって試合経験者にしか解らんだろう。

 エアプ勢には一生理解出来んぐらいの戦績だからな。

 

 148:名も無き兵士

 アリスは、胸囲も脅威だからな。

 

 149:名も無き兵士

 確かに中学生とは思えんサイズ。

 その辺のグラビアが負けてる時点でお察し。

 

 150:名も無き兵士

 アリスの胸を揉みたい。

 

 151:名も無き兵士

 馬鹿野郎。

 胸部装甲の圧迫で、むぎゅって苦しそうに自己主張してる胸が最高なんだろうが。

 

 152:名も無き兵士

 走ってる最中は、別の意味で危ない

 

 153:名も無き兵士

 いや、マジでヤバイな。

 思わず息子が元気に。

 

【装甲をパージして全力ダッシュしてるアリス.mp4】

 

 154:名も無き兵士

 ・・・ふぅ

 

 155:名も無き兵士

 ・・・ふぅ

 

 156:名も無き兵士

 >>153

 お前神だわ・・・うっ!

 

 157:名も無き兵士

 >>153

 やべー、押し倒したい

 

 158:名も無き兵士

 お前ら変態ばっかだな

 

 ・・・ふぅ(´ω`)

 

 159:名も無き兵士

 >>153

 たわわがぷるんぷるん

 

 160:名も無き兵士

 おwwwまwwwえwwwらwww

 

 161:名も無き兵士

 VR仕事し過ぎだろ。

 本物と遜色ない揺れ。

 

 162:名も無き兵士

 mp4のは、確か予選で新型が重すぎてパージしたとか言ってなかったっけ?

 装甲無しとか弾かすっただけで即死判定なのに・・・。

 

 個人的には、ビビット製のアイドル衣装を着て欲しい。

 

 163:名も無き兵士

 お前ら、全員通報した

 

 164:名も無き兵士

 >>162

 確かに着て欲しい。

 そしてなんちゃってレジェンドアイドル連中は駆逐されろ。

 

 165:名も無き兵士

 あ~まじでアリス嫁に欲しいわ

 

 166:名も無き兵士

 アリスは俺の嫁

 

 167:名も無き兵士

 アリスなら俺の隣で寝てるぞ

 

 168:名も無き兵士

 きもいわおまえら

 

 169:名も無き兵士

 >>168

 あの可愛さが解らんとはな

 

 170:名も無き兵士

 >>168

 などとアンチが供述しており―――

 

 

 

 

「……相変わらずね、ここの連中は」

 

 後半から試合に関係の無い会話となったので携帯端末を閉じようとすると、大量の通知が目に留まる。

 全て知っている人達からの「優勝おめでとう」メッセージだ。

 

 一応既読にしてしまった手前、何か打とうかと考えていると監督が遠くで手招きをしている。

 どうやら取材のようだ。

 面倒だが、受けない訳にもいかないようなので単純に「ありがとう」とだけ返信して端末を閉じた。

 

 

 

 

 

■side:霧島 アリス

 

 

 

 

 

 【霧島 アリス】それが私の名だ。

 中学生離れしたプロポーションと、それに似合わぬ幼顔。

 髪は腰まであるストレートで、何故か綺麗な青色。

 両親共に日本人なので本来なら黒髪のはずなのだが……。

 隔世遺伝というやつではないか?と言われている。

 

 非常に恵まれた容姿のため、既に何件も芸能事務所からスカウトがあったりもするが、興味が無いため全て断っているにも拘わらず未だに定期的にスカウトが来るので困っていたりする。

 

 そんな美少女と呼べる容姿とレジェンドでの活躍により、様々な二つ名で呼ばれる国際的にも有名なプレイヤーの1人となった。

 

 そんな私だが、1つだけ秘密がある。

 それは、前世の記憶とやらがある点だ。

 

 はるか昔、まだ戦争真っ最中の時代に生まれた私はその貧しい生活からロクな教育も受けれず、ただ給与が良いという理由だけで軍人となった。

 まあ、単純に貧困層の女の生きる道など身体を売るか戦うかぐらいである。

 

 だがその堅苦しさと女性差別に嫌気が差して軍を辞め傭兵となる。

 そして数々の修羅場を潜り抜け、いつしか巨大な傭兵団を組織する伝説の女傭兵とまで呼ばれるようになったが、長年身体を酷使し続けてきたためかそこそこの年齢で寿命がきてしまった。

 

 そんな私は、気づけば少女に生まれ変わっていた。

 比較的裕福な家庭に甘やかすだけの過保護な両親。

 何不自由ない生活。

 

 あれだけ欲しかったものだったが、いざ与えられると虚しいだけだった。

 しかも年月を重ねるごとに精神的な言動も身体に引っ張られるように幼児化してしまい、多少子供らしからぬ落ち着きや言動がある程度で年相応な振舞いになってきていた。

 あと数年もしないうちに恐らく私という前世の人格は完全に消え去り【霧島 アリス】として統合されてしまうのだろう。

 

 そんなことを考えていた時に出会ったのが、このレジェンドという完全没入型VRゲームだ。

 

 私が生きていた頃には実用化どころか、いつか未来でこんな技術が出てくるという机上の空論として登場していた技術で出来たもの。

 

 最初は軍の訓練用だったものが民間に利用されるようになり、その形を大きく変化させ1つの競技となった。

 

 10対10で行われる仮想空間上のサバイバルゲームとでも言えばいいのか、パワードスーツを思わせる特殊な装甲をまとい、重火器を持って相手陣地に攻め込み倒した相手や攻撃したポイントを争うゲーム。

 仮想空間のため、実際に相手に向かって銃を撃つことが出来る。

 多少攻撃による痛みは存在するが、そこまで痛いものではない。

 あくまで仮想現実であるため一定以上の痛みを感じないようになっているらしい。

 それ以外はリアルと遜色ない仮想現実で戦闘を行うので、まるで兵士となって戦争をしている気分だ。

 まあ色々制約も厳しいので、あくまでごっこ遊びだが。

 

 だが、このゲームで兵器を提供しているのは本物の軍事産業メーカーばかりであり、レジェンドのデータを元に本物の兵器として生産・販売されているため馬鹿に出来ない。

 そのため初期こそ戦争の助長だなんだと騒がれたらしいが……。

 

 このレジェンドに出会い、初めて前世の記憶が役立った。

 

 長年やっていた傭兵としての技術や経験が、このレジェンドでは全て利用出来てしまう。

 しかも仮想空間で行う遊びであるため、死人が出ることもない。

 実に気軽な軍事訓練プログラムである。

 だからこそだろうか。

 それともやはり私は、戦場から離れられないのだろうか。

 このレジェンドというゲームにハマってしまい、いつの間にかU-15女子世界大会の日本代表選手になっていた。

 

『―――今、日本代表選手達が帰ってきました!』

 

 空港に着くと、どこのスーパースターの出迎えだと言わんばかりの報道陣とミーハーな一般人の集団が見えてくる。

 

 そう、このレジェンドというVRゲーム。

 何故かスポーツの1つとして認識されており、更に世界的に有名でサッカーや野球などを抜いて全世界で愛される熱狂的スポーツとして大人気なのだ。

 スポーツと言えばレジェンド!なのである。

 

 しかも明らかに男性向けなゲームにも関わらず何故か女性の方がウケが良く、人気もあるという。

 実際男性のプロリーグもあるが女性のプロリーグの方が圧倒的に人気であり、毎日のようにナイター中継されている。

 

 もちろん学生の部活動としても当たり前のように存在しているが、設備費が高額であるため全ての学校にあるという訳ではないものの、全国的に見ても8割ぐらいの学校では導入されている。

 

 書店などにも特集雑誌が大量に並び有名選手のグッズなどが飛ぶように売れている。

 

 一応ゲームだからか、アミューズメントセンターには専用のVR用装置があり、そこから全国のプレイヤーと戦うことが出来る。

 アーケード版はルールなど色々な違いがありもはや別物に近いが、それでもやはり圧倒的な人気があり上位ランキング者がプロにスカウトされたなんて話もあったりする。

 

 仮想空間のみで使用される装甲や重火器なども使用データが販売されており、各種メーカーが激しい開発競争を繰り広げていたりとまさに世界的スポーツだ。

 

「おやおや、お姫様は相変わらずクールなようで」

 

 見たことも無い一般人の歓迎に、どうでもいい報道陣の質問を適当にスルーしながら足早に歩いていると、後ろから声をかけられた。

 

 今回の世界大会でリーダーを務めていた谷町という少女だ。

 平均より少し高めの身長、黒髪、ショートヘア、活発な性格とスポーツ少女代表みたいなテンプレ娘である。

 

 試合では、ストライカーと呼ばれる兵科で、重装甲をまとい両肩に多連装ミサイル、腕に大型ガトリングガンを持つという超攻撃的スタイルでチームに貢献した一人だ。

 

「……ワンデス」

 

「うぐっ!」

 

 話しかけてきた谷町をたった一言で黙らせた。

 ……と思ったが、案外しぶといようだ。

 

「……あ、あれは、仕方が無いと思うんだよねぇ~」

 

「スコアには、ちゃんと1Dって付くけどね」

 

「うぬぬ……」

 

 谷町は事前の戦略会議の際に味方を鼓舞するために、とある宣言をしたのだ。

『私は、絶対にやられないから通信障害は起きない』と。

 LEGENDというゲームは、チーム内のリーダー選手がやられると一時的にチーム内で通信が出来なくなるというペナルティが存在する。

 それにより連携が取れなくなり総崩れになって負けるといった展開もあるため、リーダーは撃破されないように特に注意しなければならない。

 

 そして最悪を想定した戦術も一応考えておかねばならないのだが、リーダーである谷町のこの発言を気に入った監督によって攻撃的な布陣と戦術が多く採用されることになった経緯がある。

 

 みんなに対して行ったその宣言通りに彼女は一度も撃破されることなく戦い続けたため、そんな姿に全員が彼女に対して絶大な信頼を寄せることになった。

 だが、最後の最後。

 最終の全員突撃の際に、彼女は撃破されてしまったのだ。

 まあチームとしては試合に勝利出来たし、彼女の冷静な判断と一斉突撃時に囮になってくれたおかげで勝てたのだから、誰もそれに対して文句など無いだろう。

 

 しかし何事にも例外があるように、私に絡んできた以上は相応のカウンターがあると教えてあげるためにワザとそれを話題にしたのだ。

 

「ごめんなさい、大口叩きました」

 

「素直でよろしい。……というか最初から普通に話しかければいいのに」

 

「いや~。見事にスルーしてるなと思って、つい」

 

「見知らぬ人の声援に、どうでもいい質問の嵐。正直どっちも興味がない」

 

「ははっ、まあそう言われるとそうなんだけどね」

 

 互いにしか聞こえない程度の声で会話をする。

 流石に、ここまで来て声援を送ってくれる人々や仕事とはいえ頑張って声をかけてくる報道陣にそんなザックリとした話をする訳にもいかない。

 

「しっかし何度でも言うけどあの最後の狙撃は見事だったわ。おかげで凸が非常にやりやすかった」

 

「KAWASHIMAの零式ライフルが優秀なだけ」

 

「あ~。あそこは、G.G.Gに対抗意識燃やしてるからなぁ」

 

「G.G.G製を多く使ってるアメリカ相手ならアンチ3Gとも言うべきKAWASHIMA製ライフルね」

 

「直前認可とかいう、ふざけた最新式装甲が面白いぐらいに吹き飛んでたからね。いくらアメリカの会社だからって自国優遇し過ぎよ。しかも選手全員が例の新型フルセットとか、お前らふざけんな!って思ってたけど、アレ見て思わず『3Gざまぁwww』だったわ」

 

「今回の件で、G.G.Gは信用無くしたかもしれない」

 

「解る。私もG.G.Gの装備持ってるけど、あの新型だけは絶対買わない!って思ったもん」

 

「あ~、あの新型、めっちゃ嫌われてますもんね~」

 

 突然会話に入ってきたのは肩ぐらいまである髪を左側でまとめたサイドテールの少女。

 同じブレイカー職の【鳥安(とりやす) 明美(あけみ)】である。

 1歳年下ではあるが、U-15に招集された1人だ。

 

「仲良くなった韓国の子もメッセで言ってましたよ。『決勝で新型装甲が吹き飛んだ瞬間、最高に気持ち良かった。そしてG.G.G社製品は、二度と使わない』って」

 

「韓国チームは、ゴリ押しされまくって完敗してたもんねぇ」

 

「圧倒的な性能差で最初から押し込まれてましたからね。私も攻撃ほとんど通らなくて困りましたよ」

 

「ああ、そうか。あけみんのライフルってS.L製だもんね」

 

「そうなんですよ。連射力があって手数が多いのは良いんですけど、あんな硬いのはまず抜けないので決勝戦はメッチャ困りました。……当てても全然ダメージ入らないし」

 

「だからライフルは他社のを含め色々と持っていた方がいいって言ったじゃない。特に威力・連射・命中の3種類は用意すべき」

 

「はぅ~。ライフルってお金かかるんですよねぇ。何であんなに高いんだろ」

 

「所詮データといっても実際にVR内でちゃんと動くかどうかは別問題だからね。

 それに精密武器や高火力武器って大体は高い」

 

「ウチ、普通の家なんで装備揃えるのって結構キツイんですよねぇ。ほとんどお小遣い貯めて買ってるので服とかにかけるお金が……」

 

「ならレンタルとか、支給用は?」

 

「レンタルも支給もカスタム不可じゃないですか。そんなドノーマルだと逆にやりにくいですよ」

 

「でも自前は、お金がかかると」

 

「だってモデルチェンジしただけで性能結構変わるじゃないですか~!何なんですかアレ!結局新しいの買わないと性能で差が出るとか軽いイジメですよ!?」

 

「というか、監督が『用意して欲しい装備があれば言え』って言ってなかったっけ?」

 

「それが届いたのがバグ混入の不良品で・・・」

 

「あ~、それは酷い」

 

「そしてもう一度注文した所で大会に間に合わないというオチで」

 

「それは、災難ね」

 

「なので自分の旧式と最新式のS.L製ライフル1本ずつのみという」

 

「そこが問題なんでしょ。次は、別のライフルを買うべきね」

 

「……アリス先輩みたいに零式にしようかなぁ」

 

「零式って結構扱い難しいよ?まあ私の家は両親が勝手にドンドン買ってくるから逆にもったいないのよね。好みの問題もあるからって言ってるのに」

 

「うわぁ~、メッチャ羨ましい」

 

「最初は物凄く反対されたのに今じゃ新興宗教みたいになってて逆に困ってるのよ。ま、そんな訳で色々持ってるから事前に言ってくれれば貸してあげたのに」

 

「しまった、その手があった」

 

「……え?もしかして監督も、その結論出なかったの?」

 

「……はい」

 

「よし、監督何処だ。とっちめてやる」

 

 そう言うと谷町はキョロキョロと周囲を見回した後、獲物を見つけた鷹のように監督に突撃しにいった。

 

 余談だが、KAWASHIMAの零式ライフルは威力・貫通力共に非常に高いが命中精度が悪く安定感がない。

 更に装填数が1発と少なく毎回の手動リロードも手間であるためロマン兵器の枠から出ることが出来ず、極一部にしか売れない非常にマイナーな武器である。

 

 実際、レジェンドの武器が現実の兵器化された際もこういった特徴はもちろんそのまま再現されてしまうため、信頼性の問題でこういったロマン兵器は敬遠されてしまう。

 まあ実際の戦場では命のやり取りをするのだから、ネタやロマン武器など論外なのは仕方が無い話である。

 

 だが今回、大会前日に突然認可が下りたにも関わらずアメリカ代表選手全員がその新兵装をフルセットで装備していたことで明らかに大会を新型製品の宣伝に利用しようとしたと分かるG.G.G社に対して、このマイナー武器が意図せず牙をむくことになった。

 威力全振りという既存のロマン銃が、新型装甲を貫くという展開など誰が予想出来ただろうか。

 

 元々、安定感を犠牲にした極端な兵器ばかり作っていたKAWASHIMA社は、その真逆で高品質で安定感のある兵器を作るG.G.G社に度々馬鹿にされてきた。

 KAWASHIMA社の零式ライフルは、そんなG.G.G社に対抗するために作られたアンチG.G.Gとも言える武器だった。

 しかし完成品は非常に扱いにくい武器となってしまい、当然の如く選手達から敬遠され、マイナー武器として早々に埋もれてしまう。

 

 だが今回、アリスがこの銃を使用したことで状況が大きく変化した。

 G.G.Gの自信作である最新式装甲を彼らの計画や自信ごと綺麗にぶち壊した零式ライフルの活躍に、KAWASHIMA社の社内はお祭り騒ぎになったらしい。

 そして今までの鬱憤を晴らすべく、大会が終わって僅か1週間後。

 KAWASHIMA社は、新CMをわざわざ用意して自社製品の零式ライフルを大々的に宣伝した。

 G.G.G社の最新装甲を貫いた実績をこれでもかとアピールして。 

 

 各国のチームが攻略出来ずに苦労したG.G.G社の新型装甲を物ともせず貫いたシーンをリアルタイムで見ていた人は多く、しかもあの逆転シーンはニュースやネット動画で広く拡散しており、新CMと共にKAWASHIMA社と零式ライフルの名は世界中の誰もが知ることになった。

 

 おかげでマイナー装備ばかりでいまいち伸び悩んでいた中小企業であるKAWASHIMA社は、零式ライフルを中心に自社製品がVRのデータ版だけでなく現実版の兵器まで世界中で飛ぶように売れ、業績を一気に伸ばして大企業の仲間入りを果たす。

 

 そして世界中が威力特化という物珍しい零式ライフルに興味を持ち、それ以降どの大会でも零式ライフルを使う選手が登場するようになり、今まで流行とされてきた手数を重視する連射式ライフルは一気に駆逐されることになる。

 

 その数を大幅に減らすことになった連射式ライフルは、S.L社を中心としてG.G.G社ほどではないにしろ各社に大きな打撃を与えることになった。

 完全な、とばっちりである。

 

 この一連のKAWASHIMA社による攻撃は、特にG.G.G社に大きなダメージを与えた。

 G.G.G社の新製品はU-15で確かに他を圧倒するようなかなりの結果を残したはずなのだが、絶望的に運が悪かった。

 

 基本的に頭部装甲は精密機器が集まるため、装甲の中でも防御面が弱い部分である。

 それを狙い撃つ頭部への攻撃は防ぎようがない攻撃に分類され、頭部への攻撃による撃破、通称ヘッドショットは相手が一瞬で死ぬほどの一撃性を秘めている。

 

 特に狙撃銃などの高威力な兵器による一撃必殺という芸術的な一撃に関しては、観客や周囲の選手だけでなく攻撃を受けた選手本人ですらヘッドショットを受けたことに気づかないこともあったため、状況説明を兼ねて特殊アナウンスとして鳴るようになったという経緯がある。

 

 かといって装甲を増やせば、今度は頭部の重量が重すぎて様々な行動に影響が出てしまう。

 だからこそ頭部装甲は、どのメーカーにとっても扱いに困る部分なのである。

 

 当然、今回の新型装甲も最大限、頭部装甲への防御は考えられていた。

 そのため新型装甲は特に防御性能を重視した特別仕様になっており、既存の一般的な他社製品ライフルではヘッドショットを受けても一撃死することはなく、ある程度のダメージで抑えられるほどの防御力となっていた。

 更に言えば、今の流行は手数重視の連射式である。

 連射式とは、連射力を重視することでライフルでも弾幕を展開しやすく一人で複数の相手に対しても牽制出来るという利点がある一方で単発威力が低いため、新型装甲のような硬い装甲相手だと弾が貫通せず弾き返されてしまいダメージが通らないのだ。

 

 実際U-15女子世界大会でも他社製品の武器を寄せ付けない圧倒的防御力を見せつけヘッドショットであるはずの弾を頭部装甲が弾き返す光景に、対戦相手どころか世界中のLEGEND関係者からも驚きの声が上がっていたのだ。

 

 そのため欠陥品ばかり作る最底辺会社と嘲笑っていたKAWASHIMA社の零式ライフルというまったくのノーマークな既製品に自慢の装甲を破壊されヘッドショットを決められたことは、まさに青天の霹靂であったと言えるだろう。

 

 更に運の悪いことが重なり過ぎた。

 

 ・U-15とはいえ世界中が注目していた世界大会で優勝経験の無いアジア勢から初の優勝国が出たこと。

 

 ・しかも決勝戦は、ラスト1分からの猛攻による大逆転。

 

 ・その大逆転の切っ掛けを作ったのが、大会記録を大幅に更新した世界レベルの選手である霧島 アリス。

 

 ・アリスという選手自体に各国が注目していたということ。

 

 ・アリスが更新した記録が、今後まず破られないであろう異常なスコア。

 

 ・そのアリスが使用したのが、当時無名だったKAWASHIMA社の零式ライフルだったこと。

 

 ・更に言えば、アリスが美少女で見栄えが良いという点。

 

 などなど、細かな点も挙げればキリがないほど情報量が多すぎたのだ。

 テレビや雑誌が特集を組んでも組んでも伝えきれないほど、話題性満載なのである。

 

 だからこそ世界中の雑誌やテレビが競うように連日特集を組んで情報を流す。

 特に世界中のニュースなどは、解説付きでG.G.G社の新型装甲が吹き飛ばされるシーンと逆転までの流れを何度も何度も放送し続けた。

 

 そこにG.G.Gへの悪意も嫌がらせもない。

 ただ、人々が求める情報を多く流すことで売り上げや視聴率を稼ごうとする意思が動いただけである。

 だが、G.G.G社からすれば悪夢でしかない。

 繰り返し大幅なイメージダウンにしかならない映像をこれでもかと流され、専門誌では直前認可に関しての黒い噂が飛び交い、収まる気配がない。

 更に、直前認可に反発した各国の選手達やその性能を疑問視した各国の軍部が新型の購入を控えるといったことまで起こってしまい、G.G.G社の首脳陣は頭を抱えるハメになった。

 

 そのためG.G.G社が大金を投入して作り上げた新型装備は予想を大きく下回る売り上げとなり、開発費の回収すら出来ず大量の在庫と赤字を抱えることになる。

 

 そのため株価の暴落を招いてしまい株主総会は大荒れし、社内ではこの責任を誰が取るのかで役員会議は紛糾することになった。

 

 そして今回、結果的とはいえこの一連の流れを作る原因となったアリスの元にはKAWASHIMA社の社長から感謝状とVR版の全商品が永久に無料で購入できる名誉会員証にKAWASHIMA社製品の最新型フルセットVR兵装データが送られてきた。

 

 しかし既に最新式モデルのほとんどを持っているため扱いに困ったアリスは、後輩の鳥安 明美との会話を思い出し、彼女にその最新型フルセットVR兵装データを丸投げすることにした。

 

 全て癖のあるKAWASHIMA社製とはいえ、最新の装備一式フルセットを無料で手に入れた鳥安は思わぬ所でお小遣いの大幅節約が出来たと飛び跳ねて喜び、テレビ電話越しに何度もアリスに頭を下げた。

 もしかしたら鳥安が、この騒動で一番ラッキーだったのかもしれない。

 

 

 

 




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