最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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*キャラの追加により一時的に紹介文を復活させてみました。
 一応説明必要かなってキャラだけにしています。

■山梨 綺羅:新潟田所3年リーダー。南保と安東の扱いに困っている。
■神崎 小梅:北海道の高校デビュー勢。連射型ライフルによる長距離ガトリングみたいな攻撃をする選手。
■福田 理央:LEGENDアイドルユニット【Twinkle star】のリーダー。トップアイドルを目指しており意識は高い。選手としては平均的。
■温井 幸:監督推薦枠で選ばれた埼玉御神女子の選手。ビーム砲を使う遠距離支援型ストライカー。ただ本人の技量不足で命中精度はそこまで高くない。
■田中 涼:柏原国際の高校デビュー勢選手。ヘッドショットではなく確実に当ててダメージを稼ぐ、昔ながらのスタイルの選手。選手としての技量は平均的で特にこれといった特徴はない。
■田川 秋:東京大神の高機動ストライカー。最初期の頃からなのでアリスがやっていた大型警棒と大盾を持って突っ込むタイプ。予備用の大型警棒を持つ。最近は更に追加装備を増やしたそうだが……。
■神沢 蘭:福島代表エース。サブアームを利用した両肩アサルトライフルという変わったスタイル。手にもアサルトライフルを持っており3丁による一斉射は非常に強力。また心理戦を仕掛けることも出来る選手でもある。


第108話 選考会紅白戦1戦目:決着(2年目)

 

 

■side:ブルーチーム 新城 梓

 

 

 

 

*画像【軍事施設:選考会1戦目】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 一斉突撃が止められたのは痛かったが、それ以上に痛いのが先ほどの-10Pだ。

 元U-15だか何だか知らないけど、単独突撃してやられるとか何を考えているのか。

 単独突撃自体を否定はしないが、それをやっていいのはやっても生き残れる選手だけ。

 それ以外はまずやっちゃダメでしょ。

 

 おかげでこのまま撃ち合いを続けていては負けてしまう。

 残り時間が減るたびに負けが近づく。

 選考会だから個人の実力を示せればそれで充分なのかもしれないが、勝負をやるからには勝つ。

 これを忘れてはダメだ。

 そう思っていた時だった。

 

「残り時間がありません。このままでは負けです。なので最後にもう一度だけ全員で突撃しましょう」

 

 臨時リーダーの山梨って子からそんな通信が入る。

 

「単に突っ込んでも勝てないよ?」

 

 大野ちゃんがそんな言葉を投げかける。

 確かにその通りだ。

 

「まず中央から突撃を開始します。中央は恐らく下がりながら迎撃してくるでしょう。そのタイミングで南側が仕掛けて下さい。これで間違いなく乱戦になるでしょう。そしてタイミングをズラすことで北側が手薄になる。そこで最後に北側からも突撃します。上手く行けば食い破った所から違う場所への援護突撃も可能になると思います」

 

「なるほど、中央・南・北と時間差凸ってことか」

 

「そうです。こちらのチームは突撃主体の選手が多い。これを活かすためにはどうしても乱戦に持ち込むしかない。それは相手も解っているはずです。なので相手に一斉ではなく時間に焦って個別に突っ込んできたと思わせることが肝心です」

 

「つまり個別に突撃しているように見える集団凸って感じか」

 

「どうせ相手も即席チームでバラバラでしょう。ならこの際強引にでも切り込めば案外行けると思います」

 

 リーダーである彼女の言葉に少しづつではあるが『了解』という声が増えていく。

 

「まあどちらにしろ、このままじゃマズイものね。私も了解」

 

 そして全員の意見が揃った所で突撃が開始された。

 

「よっしゃー!いくぜー!」

 

 一番最初に突撃することになった私は、ブーストを吹かして一気に恋に向かって突っ込む。

 決着を付けに来たと思ったのか、彼女は後方に下がりながら牽制攻撃をしてくる。

 まあ予想通りの流れだ。

 

 そして相手の防衛ラインである壁を越えた段階で未来がスタートを切る。

 彼女はそのまま花蓮に突っ込む予定だ。

 壁を越えた瞬間、ガトリングとニードルミサイルが飛んでくる。

 それをブースターで回避して被弾を抑えつつ派手に引き付ける。

 そこに未来が走り込んできた。

 

 恋を抑えるために前に出た瞬間だった。

 突如向こうから前に出てきて存在感を出してきた恋。

 しかしスグに横に飛ぶように逃げた。

 何をしに来たのか?と考えるまでもない。

 彼女の後ろからペネトレーターが飛んできていたのだ。

 

 私は思わずブースターで回避する。

 だがその後ろから走ってきていた未来には状況が見えず、気づいた時には目の前にミサイルが迫っていた。

 

「ぬわっ!!」

 

 そう叫びながら何とか横に転がるようにして回避した未来。

 だが次の瞬間、未来の腕にビーコンが撃ち込まれた。

 アレは破壊不可能品であり、誘導されるミサイルを回避したければ施設などの天井がある建物の中にでも入るしかない。

 そして一番近い施設は南側の敵が利用しているところ。

 もちろんそんな所に踏み込めば一瞬にして袋叩きだろう。

 

「タダで死ねるかぁぁぁーーー!!」

 

 そう叫んだ未来が花蓮ではなく近場の恋の方に突っ込んできた。

 いきなり割り込んでこられる形になる。

 その瞬間、未来がマスターキーを構えた。

 しかし恋はスグにガトリングと両肩ガトリング構えて一斉に連射を始めた。

 その集中砲火を受けながら突っ込んだ未来がマスターキーを発射した。

 

 

 ◆キル

 x ブルーチーム:大場 未来

 〇 レッドチーム:一条 恋

 

 

 ◆キル

 x レッドチーム:一条 恋

 〇 ブルーチーム:大場 未来

 

 

 壮絶な相打ちとなった両者。

 しかしこれでこのまま花蓮を―――と思った瞬間。

 必死に後退する花蓮と、ふと上から聞こえてくる音。

 それらで何が起こっているのかを理解すると、私も全力でブーストを吹かして後方に下がる。

 そして次の瞬間、2人が相打ちになった場所を中心に大量のミサイルが降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

■side:レッドチーム 大谷 晴香

 

 

 

 

 

「マップ参照!爆撃警報ですわ!」

 

 いきなり藤沢先輩からそう言われてマップを見て驚き、急いで逃げる。

 あのミサイルの欠点は、こうした乱戦では敵味方関係なく虐殺するマップ兵器と化す所だと思う。

 

 まあアレがどういうものかを知っている大場先輩だからこそなんだろうけど。

 ログを見ながらそう思う。

 

 そして私が下がったのを好機と見たのか前の2人が突っ込んできた。

 こちらに来たのは晶ではなく誠子の方だ。

 グレネードを投げられたくないのか牽制攻撃の範囲を超えた連射をしてくる。

 そこまで連射してしまうと確実にリロードを挟むはず。

 そのタイミングを狙うと、やはりというべきかいきなり弾幕が止んだ。

 盾を構えていて見えないが、間違いなくリロード中だろう。

 まず時限式で牽制して距離を取らせようとグレネードを構えると、誠子は逆に全力で走り込んできた。

 

「しまったっ!」

 

 相手は接近することで逆にグレネードを封じようとしている。

 それに気づいた時には、もうかなりの距離まで迫られていた。

 しかも私はグレネードを構えている状態。

 一瞬だけ迷ったが、奥に見える距離を詰めてきたブレイカーを見つけて投げる角度と持ち方を変更して壁に投げつけた。

 すると誰も居ない壁に向かって飛んでいったグレネードは、壁に当たって地面に落下するとスピンにより大きく数度バウンドし、スコープを覗くブレイカーの足元に吸い込まれるように転がっていった。

 

 

 ◆キル

 x ブルーチーム:神崎 小梅

 〇 レッドチーム:大谷 晴香

 

 

 ログが流れたが、それどころではない。

 マスターキーを持っていない私は、ポンプアクション式ショットガンを手に誠子を迎え撃つ。

 だが相手も盾を利用しつつマシンガンを撃ってきて隙を見せない。

 

「ほらほら、自慢のグレネードはどうしたの~?」

 

「はっ!そんなの使わなくても十分よ!」

 

「へぇ~?じゃあここから私を倒してみなさいよ!」

 

「言われなくてもやってやるわよ!」

 

 

 

 

 

■side:ブルーチーム 大野 晶

 

 

 

 

 

 晴香を誠子に任せて私は、大阪日吉のサブリーダーを撃破しに向かう。

 

「通さないっすよ!」

 

「悪いけど、一瞬で終わりよ!」

 

 マスターキーを構えると、盾の正面から引き金を引く。

 銃声と共に盾に穴が開く。

 だが―――

 

「うぉぉぉーー!!」

 

 盾に隠れて相手の攻撃の瞬間に飛び出すことでマスターキーから逃れた宮島は至近距離でマシンガンを構えて引き金を引く。

 

「させるかっ!」

 

 マスターキーを投げ捨て、手にしたナイフを大型マシンガンに向かって突き刺す。

 ナイフごともっていかれたが、破壊判定により相手のマシンガンも使用不能になる。

 流れるように腰にひっかけていたアサルトライフルを手にすると、至近距離から連射した。

 相手は苦しまぎれに腕部一体型のガトリングを向けたが、撃ち初めの遅いガトリングでは反撃が間に合わず、そのまま光の粒子となって消えていった。

 

 

 ◆キル

 x レッドチーム:宮島 文

 〇 ブルーチーム:大野 晶

 

 

 そして私は、着発式グレネードを奥に居るブレイカーに投げつける。

 相手はこちらを狙おうとしていた所に投げ込まれて思わす後方に逃げた。

 爆発音と共にあがる煙幕でこちらの姿が見えないはず。

 相手に向かって走りながらリロードをして煙の中を突き進む。

 そして抜け切った先に居たブレイカーに向かってアサルトライフルを連射した。

 これで終わりだと思っていたのだが―――

 

「アイドル舐めないでッ!!」

 

 てっきり逃げ惑うだけだと思って居た相手が撃たれながらもこちらに銃を向け、そして引き金を引いてきた。

 

 

 ◆キル

 x ブルーチーム:大野 晶

 〇 レッドチーム:福田 理央

 

 

 ◆キル

 x レッドチーム:福田 理央

 〇 ブルーチーム:大野 晶

 

 

 復活カウント画面とログを見た私は、思わずため息と共にシートに倒れ込んだ。

 

「アイドルにやられるとか、ウッソでしょ~。へこむわ~」

 

 

 

 

 

 

■side:レッドチーム 三峰 灯里

 

 

 

 

 

「チッ!張り付かれた!」

 

 中央を抑える神沢さんからの声に思わずマップを見る。

 相手の中央からの一斉攻撃だ。

 どうやらかなり本気らしく援護が必要だと判断した。

 

「私がカバーに入る!」

 

 2人にそう言うと急いで中央に走る。

 だが相手の方が早かった。

 

 目の前を猛スピードで走り抜けた相手ブースターストライカーがビーム砲を回避して温井さんに迫ると、速度を緩めることなく大型警棒で一撃。

 彼女は光の粒子となって消えていく。

 

 

 ◆キル

 x レッドチーム:温井 幸

 〇 ブルーチーム:田川 秋

 

 

 このまま放置すれば中央は壊滅する。

 そう判断してストライカーに向かってアサルトライフルを連射した。

 すると次の敵をこちらと判断したのか、盾で防御しながらこちらに向かってくる。

 相手の突撃からの警棒の一撃は予想以上に鋭く、回避しそこねて腕に一撃受けてしまい耐久値が半減してしまう。

 更にその一撃でアサルトライフルまでダメになってしまった。

 

 だがこちらもダメージを受けたままでは終われない。

 相手が反転してくるタイミングでグレネードを投げる。

 

 反転直後だったこともあり、グレネードを避けきれないと判断した相手は盾を犠牲にすることでダメージを抑えてきた。

 盾を失っても警棒を構えたまま再度こちらに突撃してくる相手に、ショットガンを構えて応戦する。

 一回目のすれ違いで相手の一撃を避けつつショットガンを2発叩き込む。

 

「そう何度も食らう訳ないでしょ!」

 

 そう言いながら次の突撃に備える。

 二回目の突撃も冷静に相手の動きを見て警棒を避ける。

 そしてショットガンを向けた瞬間。

 相手の手に見えたのは、リボルバーだった。

 互いに同時に引き金を引く。

 

 

 ◆キル

 x ブルーチーム:田川 秋

 〇 レッドチーム:三峰 灯里

 

 

 ◆キル

 x レッドチーム:三峰 灯里

 〇 ブルーチーム:田川 秋

 

 

 どちらも耐久値が減っていたこともあり、相打ちとなってしまった。

 復活カウントの表示を見ながら私はシートに倒れ込んだ。

 思い出すのは、シャーロットちゃんの顔。

 

「ウエスタンサムライ、流行ってるのぉぉ~?」

 

 

 

 

 

■side:U-18女子日本代表監督 芳川 浅子

 

 

 

 

 

 残り時間が僅かとなった段階で一気に乱戦へと突入した。

 一時期はどうしようもないと思って居たメンバーだったが、繰り広げられる戦いを見て少し安心する。

 強い選手は、間違いなく世界レベルだと断言できるほど良い動きをしていた。

 それに満たない選手でも、しっかり仕事をした者とそうでない者とで分かれたが……まあそれが差という奴でしょうね。

 

 流石にこれで終わったかなと思った段階で北側で動きがあった。

 先ほどから地雷を警戒してか、前に出るのを躊躇っているサポーター南保とその後ろのストライカー山梨。

 まあ山梨の方はロケットランチャーによる攻撃で十分相手に消耗を強いている。

 そこに更に田中による狙撃で―――

 

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 

 ◆ヘッドショットキル

 x ブルーチーム:田中 涼

 〇 レッドチーム:安田 千佳

 

 

「ほぅ?」

 

 思わず声が出た。

 資料を見れば謎のラッキーショットで大会を荒らした選手として名前があがっている子だ。

 しかし霧島の孫娘が出してきた資料では、基礎がしっかりしている堅実なブレイカーという印象である。

 そして今の一撃を見ればわかる。

 

「しっかりと相手を狙った一撃か。なかなか堂々としたものじゃないか」

 

 相手の前衛が2人で突っ込みたがっている場所の最前線で、奥に居るブレイカーを落ち着いて処理出来る胆力。

 マイペースというには度胸があるし、地雷を1度見た相手はそれを警戒して突っ込むのを躊躇っている。

 

「なかなか面白い子じゃないか」

 

 

**画像【軍事基地:選考会最終】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 壮絶な乱戦になったなと思って居ると試合終了のアナウンスが鳴り響いた。

 

・レッドチーム 950

・ブルーチーム 940

 

 点差は僅か10点。

 そしてこれが誰のせいかは言うまでもないでしょうね。

 

 ふと杉山を見ると眉間にしわを寄せて唸っていた。

 その姿があまりにも面白くてつい笑ってしまったわ。

 

「さて、2戦目はどうなることやら」

 

 

 

 

 

 




誤字・脱字などありましたら修正機能もしくは感想などからお知らせ下さい。


**誤字脱字報告を下さる方々へ**
毎日・毎回ありがとうございます。
気を付けてはいるのですが、どうも文章入力しているやつがアップデート後から調子が悪く、謎に脱字製造マシーンと化してしまってまして。
なるべく確認するようにはしているのですが。

さてこの前からあることなのですが
⇒【】内が修正箇所
*あくまでも例題です

Aさん「この話【し】をした時に、どうしてこんな話【し】をと―――」
Bさん「この話【削除】をした時に、どうしてこんな話【削除】をと―――」
Cさん「この話【し】をした時に、どうしてこんな話【し】をと―――」
Dさん「この話【削除】をした時に、どうしてこんな話【削除】をと―――」

という感じで誰かが修正した箇所を別の誰かが修正し、それをまた誰かが修正してという謎ループが続くことがあります。
一応こういう場合は、どこかのタイミングで私判断でどちらかに固定します。
ですので修正申告したけどされない場合や、修正されたものが戻っていたりする場合は、こういうことが起こったのだと思って頂けると幸いです。

誤字脱字報告するなという意味ではありませんので修正報告自体はドンドン送って頂けると幸いです。

一応、お知らせでした。

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