最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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第128話

 

 

 

 

 

■side:U-18女子日本代表指導コーチ 霧島 アリス

 

 

 

 

 

「まあとりあえず1戦目終了。ごくろうさん」

 

 監督の言葉は、どこか他人事だ。

 そりゃそうでしょう。

 私だって他人事だ。

 散々彼女らは『我を通して』戦ったのだ。

 その結果がどうなろうが知ったことではない。

 

「……それにしても予想以上に愉しい試合だったねぇ」

 

 その言葉に香織と杉山先輩が苦笑する。

 まさか試合中に喧嘩を始めるわ、監督からの交代要請に反発して時間をロスするわ。

 もうやりたい放題だ。

 これがリアルの戦場なら撃ち殺されても文句は言えないレベルである。

 

「制限がかかって以来ほとんど見かけなくなった自爆特攻を、まさか防衛側有利の状況で仕掛けてくるなんてね」

 

「まあ、それだけ勝ちにこだわったということでしょう。あそこの怖い所は、その自己犠牲精神ですから」

 

「……だから勝てないと?」

 

「連携で負けるのが確定の時点で、渓谷では押し込まれると予想出来ますからね。そこから切り返そうとすれば間違いなく自爆してくると思ってましたよ」

 

「でも、それなら残り時間がもっと残ってればいけたってこと?」

 

 杉山先輩が会話に入ってくる。

 

「―――いや、無理でしょうね」

 

「どうして?自爆は1人1回である以上、復活後に再度突撃すれば自爆出来ない訳だし」

 

「その時は自爆した選手が全員交代してきて自爆するだけです。あの時交代しなかったのは『もう粘り勝てる』という判断からでしょう」

 

「そっか~。じゃあもう押し込まれた時点で負けかぁ~」

 

「いや、そうでもないですよ?」

 

「ん?いやだって無理って言ってたじゃん」

 

 香織が思わずという感じでツッコミを入れてくる。

 

「それは『あのまま順当に行けば』ってことね」

 

「じゃあどうすればよかったの?」

 

「最初の3分ぐらいで役立たずに見切りをつけて交代。突撃メインにするか遠距離攻撃メインにするかで違ってくるけど、どちらにしろ選手交代をすべきだったわね」

 

「あ~、なるほどね~」

 

 みんなが納得したという感じになり、ふと会話が途切れる。

 なのでこちらから会話を振る。

 

「そういう意味では、次のロシア戦でプライドが折れるかな?」

 

「折れるかなって……」

 

「余計なプライドが邪魔をして負けてることに薄々気づいていながら、未だに納得出来ない気持ちに引っ張られてる連中なんて一度徹底して潰されないと解らないでしょ」

 

「確かにそうね。この辺で一度完全に折れてくれる方がやりやすいかも」

 

 意外というべきか、やっぱりというべきか。

 杉山先輩が理解を示す。

 

「いや~、みんな厳しいねぇ~」

 

「それが香織の欠点。甘すぎる。徹底するか放置して挫折させるかは選ぶべき」

 

「まあ、それが谷町の悪い所ではあるが良い所でもある」

 

 監督が珍しく香織のフォローをする。

 

「とりあえずアレだ。ロシア戦をどうするかだ」

 

 監督の言葉に2人が唸り声をあげる。

 フィンランドに負けた以上、勝てるのか?という根本的な部分からスタートになってしまう。

 

「いいんじゃないですか?そのままで。やりたいってのから出してやれば。……まあ、今の状態だと何人が手をあげるのか愉しみですけど」

 

「……アンタ、意外と監督とかコーチが合ってるかもね」

 

「ははっ、めんどくさいのは基本お断りなんですよ」

 

「そういう所が向いてるっていうのさ」

 

 監督と目を合わせてあからさまな愛想笑いをする。

 その姿を見た2人は、少し引いているようだった。

 

 

 

 

 

■side:U-18女子日本代表 石井 美羽

 

 

 

 

 

「あ~……めんどくさいやつだ、これ」

 

 練習場の状況を見て思わず呟く。

 そこではフィンランド戦で『戦犯』と言われても仕方が無いメンツがウロウロしていた。

 そう……昨日行われたフィンランド戦で、私達はまさかの敗北を喫した。

 

 まあ私は出ていないのでそこまでのダメージがある訳ではない。

 だが出場して負けた連中は悔しさを滲ませながら目の前で練習に明け暮れていた。

 

 でも正直な話をするならば、あれは自業自得だろうと思っている。

 無駄に撃ち合いに付き合ったあげく砲撃で押し負ける。

 負けているなら対策すればいいのにそれもせずジワジワ押し込まれた。

 ようやく動いたかと思えば、ストライカー2人が日和って突撃を潰される。

 

 もうここまで来ると何がしたかったんだよと思う。

 中途半端にもほどがある。

 何より相手を格下と侮るからそうなるのだ。

 

 ようやくの選手交代からの反撃も、結局相手側の自爆特攻に潰された。

 最近見かけなくなったものの、アレは常に警戒しなければならない。

 特に相手を格下だと思っているのなら、余計にだ。

 

 何故ならアレは格上の相手を巻き込むために使うものだから。

 格下相手なら自爆などせず普通に倒せばいいだけだ。

 

 そもそも交代の時も神沢と一条がゴネたことが原因で時間を無駄にしてしまっている。

 宮島の指揮で多少統率が取れたものの、既に遅かった。

 リーダーと状況を覆すだけのエース。

 両方が不在だとここまで酷いものなのかと再認識した試合だった。

 

 この分だと予選通過は難しそうだ。

 ロシアが居るからね。

 フィンランド戦でアレでしょ?

 その状況でロシアに勝てる訳がない。

 

 そう思う理由は、もう1つある。

 目の前の光景だ。

 ひたすら悔しさをバネに練習に打ち込む。

 一見すると良い事のように思えるし、下手をすれば好感すら持てるかもしれない。

 だけど、アレはダメ。

 完全に目が状況を理解していない。

 『私はこんなものじゃない!』

 『次こそは必ず!』

 そんなことを考えている人の目だ。

 

 ……そう。

 ―――かつての白石先輩と同じなのだ。

 そんな状態では何をやっても無駄。

 それは当時を知る大神メンバーなら誰もが理解してる。

 それなのに晶の奴は、馬鹿みたいに銃を撃っている。

 白石先輩の時に散々言ってたアンタが、まさか同じことをするとはね。

 世の中、解らないものだわ。

 

「う~ん、アレだ。今日は諦めよう」

 

 下手に巻き込まれても面倒なだけ。

 運が悪ければ変な絡まれ方をしてモチベーションを崩すだけだ。

 だから私は、今日の練習を諦め大人しく休暇日とすることにした。

 

 

 

 

 




フィンランドに負けたことを引き摺っているメンバーは、次のロシア戦でどうなるのか?
そして出場していなかった選手達は、次に出場するのか?

そのあたりが次話以降の見どころさんになる予定です。
ぶっちゃけ問題だらけの代表選手達。
ここから復活するのは誰になるのか……。




**返信コーナー**
また色々多かったのでまとめてみました。

Q:1人1回自爆なら交代すればまた自爆可能?
A:可能です

Q:フィンランドが強いの?日本代表が弱いの?
A:フィンランドが弱くて日本代表が自滅しただけです

Q:フィンランドの3人はAIW参加してる?
A:してないです

Q:日本代表弱くない?
A:新環境に適応出来てないのと今回は対策された結果負けただけです。

Q:新城とかAIW組にしては弱くね?
A:手加減された環境で知らずに満足してしまった+勝ちが続いて慢心してるため

Q:何でストライカー逃げたの?
A:火力アップに伴う攻撃力増加で単純に突っ込むだけでは死ぬだけになったからです

Q:広範囲・低火力砲撃なのに何で福田は一撃死?
A:低火力でもx3発飛んでくれば十分な火力になります。また福田が防御力など考えられていないアイドル装甲だということを思い出して頂けると。

Q:鳥さん活躍出来なかったん?
A:ガチガチのブレイカー対策なんて出会ったことがなかったのでダメでした。

Q:池上って誰?
A:池上《いけがみ》聖華《せいか》
  監督推薦枠2人目で選ばれたストライカー。高知代表の桜ノ宮のエース選手です。ぜひ覚えてあげて下さい。

以上です。
あとは個別返信の方で頑張って返します。


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