最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる 作:のこのこ大王
■週刊LEGEND情報部 今週号の記事
昨日行われた世界予選の中でも特に衝撃的だったのがU-18女子だ。
U-18女子:日本VSフィンランド
格下であるはずのフィンランドにまさかの僅差での敗北。
あまりの衝撃に実況・解説ともに無言になるなど、誰にとっても本当に予想外の出来事だった。
今回は、何故日本が格下であるフィンランドに負けてしまったのかを徹底解説する。
まず日本のスターティングメンバーを紹介しよう。
大谷 晴香
大野 晶
神沢 蘭
新城 梓
一条 恋
笠井 千恵美
池上 聖華【L】
南 京子
宮島 文
鳥安 明美
*【L】:リーダー選手
昨年優勝したメンバーも多く、U-15でMVPを取った鳥安選手と非常に手堅く安定したメンバー編成に思える。
だがここであえて私は言いたい。
今回の戦場は『渓谷』だった。
つまりは射線が通った状態での撃ち合いである。
なら何故ブレイカーが1人のみだったのか?
今年の高校生LEGEND大会で相手リーダー選手を次々に撃破したことでも注目された安田選手などを出すべきだったのでは?と思う。
そして撃ち合いが前提である以上、撃ち合う火力が必須と言える。
そこに何故回避防御を重視する新城選手や突撃が得意な大野選手などを入れてしまったのか?
メンバーを考えれば誘導ミサイルなども活用できる藤沢選手や後方支援に特化した温井選手などでも良かったのではないか?
そう思えてならない。
実際、試合が始まると相手の『対日本戦術』が発動する。
『日本は特にブレイカーが強くエース選手も多い。だから真っ先にそこを封じることにしたのよ』
これは勝利後のインタビューでフィンランドの監督が発言していた内容である。
つまり『対日本戦術』とは『エースブレイカーを抑えて撃ち合いで優位を取る』ということだ。
これにより撃破率の高い鳥安選手が、連射式ライフルによる徹底した攻撃で頭を抑えられてしまう。
こうして日本は、鳥安選手という強力なカードを早々に封じられてしまった。
更には相手3選手による一斉砲撃という奇策で、射撃戦で優位に立たれる。
ここで鈴木選手を投入して砲撃カウンターを狙うべきだが、日本は動かなかった。
それが良くなかった。
ジワジワと削られ次第に押し込まれ始めたのだ。
本来なら格下相手に押し込まれることなどあり得ない。
明らかにフィンランドによる『対日本戦術』が効果を発揮していた形だ。
そして圧倒的に押し込まれた日本。
しかしその状態でも撃破を取られていないという点だけは、流石と言える。
やはり日本選手全体の質は、ここ数年で急上昇していると言えるだろう。
だが後半になり、日本がついに動き出す。
あの大幅なメンバー交代だ。
このメンバー交代。
私は1つの疑問がある。
あの謎の空白時間だ。
メンバー交代が始まった時は、他選手が弾幕量などを増やし入れ替え作業を妨害されないようにするのが普通だ。
しかしここでも日本選手達は、それをしていない。
明らかに弾幕量が薄いのだ。
もし対戦相手がアメリカなどであれば、間違いなくこのタイミングで総攻撃を仕掛けられているだろう。
それほどまでに致命的なミスである。
ここで総攻撃を仕掛けてこなかったのは、フィンランドだからだ。
そしてメンバー交代時、明らかに時間のかかっていた選手がいる。
鈴木選手と大場選手だ。
出てくるまでに2~3分ほど経過していた。
非常にもったいない時間と言える。
しかしここで考える。
本当に鈴木選手と大場選手によるミスなのか?と。
私は試合後、監督にインタビューを行った。
監督は明言を避けたが、鈴木選手と大場選手のミスではないと答えてくれた。
ならばこうは考えられないだろうか?
交代前の選手は一条選手と神沢選手だ。
2人とも最前線で戦う非常に好戦的な選手として有名である。
つまりだ。
『一斉攻撃に参加出来ないため監督に直訴していたのでは?』
という疑問だ。
これを再度、ネット取材で監督に確認したが返答は返ってこなかった。
そのため真相は闇の中ではあるものの、私は監督が答えなかったことも含めてそうなのではないか?と思っている。
**この件に関しては、あくまで私の憶測ですのでご注意下さい**
次は、メンバー交代後からの話だ。
メンバー交代後の日本の逆襲は『ようやくか』といった感じだった。
しかしここでも問題が起こった。
突如として回避行動を行った新城選手と笠井選手だ。
これは恐らくだが相手弾幕の猛攻を避けるための行動だったと思われる。
しかしこれに関しても否定的な意見が多い。
そもそもあの場面で逃げることに意味があるのか?
元プロ選手で今は解説などで活躍されている掛川さんに確認を取った。
『正直、あの場面での回避行動は悪手。結局前に出て相手を潰しに行かないと意味が無いです。恐らくダメージの多さと撃破されることへの恐怖から回避行動を取ってしまったのでしょうね』
『あの場面では、味方も一斉攻撃しているという点を考えなければなりません。味方のためには自分が囮になって撃破されるということも頭に入れておかなければいけない。そうでないと結局あの試合のように仲間まで巻き込んで撃破されてしまいますから』
やはり元プロ選手の方の意見もあれはミスだということが解って貰えたと思う。
こうした連続したミスが致命傷へと繋がったと言えるだろう。
更にトドメは、フィンランドが行った『自爆戦術』だ。
これは本来、自分の実力では止められない相手や倒せない相手などを、無理やりにでも止める手段だ。
この時間稼ぎによって日本は再度の突撃を行う時間が足りずに負けとなってしまった。
僅か10P差。
たった1人の差である。
あと1分ぐらい残っていればあるいは……という所だ。
そう、だからこそ上記で取り上げたメンバー交代時の空白時間がダメなのだ。
あそこでスムーズな交代が出来ていれば、もしかしたら日本は逆転勝利出来ていた可能性がある。
いや、その可能性は非常に高いと言える。
こうして、数々の問題点による自滅のような形で日本は格下であるフィンランドに負けてしまった。
次に行われる予選2戦目は、優勝候補筆頭のロシアだ。
ここでも似たようなことをしてしまえば日本に勝ち目などない。
我々日本代表を応援している者達からすれば、ぜひとも勝利して欲しい所である。
日本では、さっそく責任論や無責任な批判が増え始める。
しかし大半があの試合を見ていなかった連中ばかりだ。
試合をしっかり見たLEGENDを知る人間からすれば、批判するのも馬鹿らしい負け方である。
むしろ世論は『次のロシア戦に勝てるかどうか』ということの方へ注目が集まっていた。
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