最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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第132話 VS世界大会予選ロシア戦:part3

 

 

 

■side:フリーアナウンサー 大館 次郎

 

 

 

 

 

 この状況をどう伝えれば良いのだろうか?

 正直、自分の語彙力の無さをこれほど感じたことはない。

 

 

 ―――残り時間30分

 

 

 試合時間が残り半分を切ったアナウンスが鳴り響く。

 だが、そんなアナウンスなど誰が聞いているだろうか?

 

 会場にある数十台のカメラの大半が、画面中央の戦いを映し出している。

 観客もほぼ全員が同じく中央を見ていることだろう。

 一瞬で状況が変化する攻防に、誰もが目を離せずにいる。

 

 世界最高のストライカーやロシアの守護神と呼ばれるソフィア選手。

 その彼女に食い下がる2人の日本選手。

 最初こそ派手に撃ち合っていたが、次第にほとんど撃ち合わなくなった。

 だが、それは更なる戦いの合図でもあった。

 

 互いに盾を、身体を、銃を、様々なものをぶつけ合う。

 一見すると牽制勝負に見えなくもないが、どちらもチャンスと見れば引き金を引いていた。

 それは周囲から見ても『一瞬の隙が勝敗をわける』のだと理解出来た。

 

 しかも手元の資料を見れば、ソフィアと競り合っているのは高校からLEGENDを始めたばかりの経験の浅い選手だという。

 そんな選手が代表として、そして世界最高の選手とここまでの接戦をしている。

 互いに引くことなく、まるで『引いた方が負け』とでも言いたげな勝負。

 

 その戦いは、他で戦う選手達が可哀想になるほど注目を集めていた。

 

 

 

 

 

■side:U-18女子日本代表 宮本 恵理

 

 

 

 

 

 相手のフェイントに一瞬騙されそうになるけど、何とか食い下がる。

 

「―――ッ!」

 

 それを読んでいたのか、絶妙なタイミングで盾をぶつけられて体勢を崩してしまう。

 当然相手はそのまま大型マシンガンの銃口をこちらに向ける。

 

「させないッ!」

 

 灯里ちゃんの声と共に銃弾が飛んでくる。

 しかしそれすら読んでいたかのように盾でガードしつつ、今度は灯里ちゃんに攻撃を仕掛けようとする相手。

 だけどそれは私が許さない。

 体勢を立て直しながら相手の側面に回り込みながら銃口を向ける。

 

 すると相手側のサポーターがマシンガンを撃ってきた。

 このまま強引に攻撃しても不利だと判断して盾でガードしつつも相手に圧力をかけることも忘れない。

 体当たりをするような動きで牽制して灯里ちゃんが立て直す時間を稼ぐ。

 

 でも2度目の体当たりのフェイントを見切られたのか、相手側がそのままこちらに体当たりをしてきた。

 何とか踏みとどまるも、銃と盾の両方を抑え込まれてしまった。

 だけど相手は盾のみしか使用していない。

 

 これはマズイ。

 

 灯里ちゃんは、丁度体勢を立て直した所だ。

 防御寄りな動きをしていた人間に、咄嗟に攻撃的な動きに切り替えろというのは難しい。

 相打ち覚悟で武器を捨てて突撃すべきか?

 

 そう思った瞬間。

 

 銃声と共に大きく音がして相手の銃が吹き飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

■side:U-18女子日本代表 三峰 灯里

 

 

 

 

 

「―――マズイッ!」

 

 こちらが体勢を立て直すことを優先した瞬間を狙ってか、恵理ちゃんに向かって相手がタックルを決める。

 しかも盾を上手くぶつけることで恵理ちゃんの盾だけでなく銃まで抑え込んでしまった。

 

 ここでマスターキーが使えれば、最悪彼女を犠牲にしてでも相手を討ち取れたと思う。

 だけどマスターキーは序盤に撃ってしまいリロード出来ていない。

 というかリロードを挟む隙が一切無かったというべきでしょうね。

 

 互いにリロードですら致命的な隙になると気づいてからは、チャンス以外では引き金を引かなくなった。

 けど引き金を引かないだけで相手を倒すために銃口の押し付け合いは、ずっと続いていた。

 だから簡単にリロードを挟めず、武器交換すら出来ない状況。

 そんな中での、この一瞬。

 間違いなく致命的になるであろう一瞬。

 

 腰のショットガンに持ち替えて、果たしてどうにかなるものだろうか?

 それよりはアンダーバレルのマシンガンを撃ち込んだ方が早い?

 

 恵理ちゃんを助けることは出来ないだろうと瞬時に判断し、せめてなんとか相手を倒そうと意識を切り替えた時だった。

 

 銃声と共に相手の大型マシンガンが大きく吹き飛んでいく。

 それと同時に恵理ちゃんはブーストを吹かして後ろに下がって体勢を立て直そうとする。

 私はほぼ条件反射的にアンダーバレルのマシンガンを相手に向けて発砲した。

 しかし相手はブーストで急旋回をしつつ盾でガードしながら後ろに下がる。

 そしてサブアームに持たせていた予備の大型マシンガンを瞬時に手にすると牽制とばかりにこちらに射撃してくる。

 嫌になるぐらい完璧な動きだ。

 それをブースターで何とか回避しつつ私も少しだけ後ろに下がる。

 

 この瞬間、完全に仕切り直しのような状態になったが、互いに必要以上に離れようとはしない。

 つまり……まだ相手は決着を付けたがっているということ。

 

「ありがとう、助かったわ」

 

 恵理ちゃんが全体通信で感謝の言葉を口にする。

 誰に向けたものかは解っている。

 なら個別で言えばいいのでは?と思ったけど……

 

 ああ、そうか。

 その言葉は私に向けての言葉でもあるのか。

 

 

 

 

 

■side:U-18女子ロシア代表 ソフィア・アファナーシエヴナ・ドミトリエヴァ

 

 

 

 

 

 下手に粘れば追撃されかねない状況だったこともあり、少しだけ下がったがそれだけだ。

 ここで完全に撃ち合うだけの距離まで下がってしまえば、それは負けたことと同じ。 

 

「点数も有利です。一旦下がるべきでは―――」

 

「ストライカーが意地の張り合いで引ける訳ないでしょ!!」

 

 ずっと後方支援してくれていたサポーターからの言葉だったが、食い気味にそれを拒否する。

 ここで引くぐらいならあの2人を巻き込んで玉砕する方を選ぶ。

 

 大盾を正面に構えながら2人の奥を見る。

 そこには『紫電』を構えるブレイカーの姿。

 

「ああも綺麗にやられるとはね」

 

 上手く相手を抑え込み、被弾覚悟で1キルを強引に奪える状態にまで持ち込めた。

 間違いなく完璧な動きだった。

 だがそれを止めたのは、彼女だ。

 

「―――まさか銃本体を撃ち抜いてくるなんてね」

 

 まるでアリスやアナスタシアのような狙撃。

 やはり彼女は無視できない存在のようだ。

 

「でも……それでこそよッ!!」

 

 私はその場で急旋回しつつ、銃と盾を横に広げてポーズを取る。

 

「ロシアの守護神と呼ばれたこの私―――ソフィア・アファナーシエヴナ・ドミトリエヴァを倒せるものなら倒してみなさいッ!!!」

 

 そう叫ぶとブーストを使用して一気に相手との距離を詰める。

 相手2人は、逃げずにその場で戦闘態勢を取っていた。

 その姿を見て、思わず口元に笑みが浮かんだ。

 

 そしてそんな試合に当然ながら彼らの『書き込み』も加速する。

 

 

 

 

 

【LEGEND】 U-18女子世界大会予選 日本VSロシア 【雑談】パート99

 

 

 

 

 

 

 419:名も無き兵士

 誰だよ、日本オワタとか言ってたやつwww

 

 420:名も無き兵士

 宮本と三峰やばいな

 

 421:名も無き兵士

 ソフィアと完全に互角の勝負じゃないかwww

 

 422:名も無き兵士

 馬鹿野郎!

 さっきの安田の狙撃もヤバイだろ!

 

 423:名も無き兵士

 一瞬アリスかと思ったわ、あの狙撃

 

 424:名も無き兵士

 >>423

 それな

 安田いつの間にあんな狙撃出来るようになったんだ?

 

 425:名も無き兵士

 安田は試合に出るたびに成長してるよな

 

 426:名も無き兵士

 安田、どこぞの戦闘民族説

 

 427:名も無き兵士 

 >>426

 やめろw

 

 428:名も無き兵士

 しかしどうしてこの実力を最初から出せなかったのか。

 出せてりゃ十分予選突破も見えてたのに。

 

 429:名も無き兵士

 そりゃお前、メンバー見ればわかるだろ

 

 430:名も無き兵士

 ほぼ琵琶湖メンバーで草生える

 

 431:名も無き兵士

 ほぼ琵琶湖って時点でアレだけど、ここまで戦力偏った時代が無い。

 

 432:名も無き兵士

 というか今まで調子良かった連中が、今回ほとんど活躍出来なかった感ある。

 

 433:名も無き兵士

 クソバード筆頭にな

 

 434:名も無き兵士

 クソバードはマジクソバード。

 今の点差全部クソバードだし。

 

 435:名も無き兵士

 クソバードが大人しくしてりゃまだ勝ち目あったんじゃ?

 

 436:名も無き兵士

 じゃあお前、誰が妖精抑えるんだよって話。

 

 437:名も無き兵士

 安田で良くね?

 

 438:名も無き兵士

 安田で草

 

 439:名も無き兵士

 流石に安田じゃ……

 

 440:名も無き兵士

 意外と頑張るかもしれんぞ安田

 

 441:名も無き兵士

 今の調子悪い鳥安よりは、安田の方がワンチャンあるだろ。

 さっきの狙撃で十分それは証明されたはず

 

 442:名も無き兵士

 どっちにしろ他の撃ち合いも膠着してるからなぁ。

 

 443:名も無き兵士

 ソフィアホントにヤバイな。

 今、2人の銃口同時に左右に吹き飛ばしたぞ。

 

 444:名も無き兵士

 今のソフィアの動き何!?

 

 445:名も無き兵士

 盾当てつつブースターで急旋回しながら体重移動で瞬時に動かした感じだな

 

 446:名も無き兵士

 盾当てながらブースター吹かした感じじゃね?

 

 447:名も無き兵士

 あんな綺麗に吹き飛ばすとか普通無理だし、それで銃を手放さず体勢も崩さなかった2人も十分凄い

 

 448:名も無き兵士

 宮本も三峰も高校デビュー勢だろ?

 歴2年で互角は凄いわ

 

 449:名も無き兵士

 2対1じゃん

 

 450:名も無き兵士

 普通の選手だと3vs1でも負けるんですけどね。

 

 451:名も無き兵士

 >>449

 ソフィアは予選で3人同時に相手して全滅させてるんですよ。

 しかも一方的に。

 

 452:名も無き兵士

 うぉぉぉぉぉ!!

 また安田が狙撃でソフィア止めたぞ!!!

 

 453:名も無き兵士

 今のヤバイな。

 盾の端を撃って体勢崩したぞ。

 

 454:名も無き兵士

 これもしかしてアリスコーチだからアリス直伝の可能性。

 

 455:名も無き兵士

 いやいや。

 そもそも同じ学校なんだから普通に教えてるでしょ。

 

 456:名も無き兵士

 惜しいぞ、三峰ぇぇぇぇ!!!

 

 457:名も無き兵士

 今のはソフィアを褒めるべきだな。

 普通なら決まってる。

 

 458:名も無き兵士

 よく宮本の後ろに隠れてた三峰の奇襲避けれたよなw

 

 459:名も無き兵士

 だからこその最強のストライカーと呼ばれるんだろうな。

 ソフィアが撃破されたのって去年の日本のピタゴラ総攻撃だけだし。

 

 460:名も無き兵士

 ピタゴラ総攻撃www

 

 461:名も無き兵士

 ネーミングwww

 

 462:名も無き兵士

 しかしそうなると公式戦で撃破されたことない選手ってもういないのか?

 

 463:名も無き兵士

 アリスが居る。

 

 464:名も無き兵士

 霧島アリスが居るよ。

 

 465:名も無き兵士

 だがアリスと違って常に最前線に居てそれだけやられてないってのがソフィアの凄い所。

 

 466:名も無き兵士

 アリスだって事故りやすい軽量装甲で遊撃もよくやっててやられてないんだよなぁ。

 

 467:名も無き兵士

 そう考えるとホント人気投票害悪だったな。

 アリスがコーチじゃなく選手で出てればこの試合ワンチャンあったぞ。

 

 468:名も無き兵士

 >>467

 ホントそれ。

 人気投票で悪ふざけした奴らは悔い改めて

 

 

 

 

 

 こうしてただの予選は、まるで決勝戦のような盛り上がりを見る。

 それはもう半分諦めモードだった日本側の応援を再燃させるほど。

 

 誰もが意地の張り合いと化した激しい戦いに夢中になっている時だった。

 

 非情な現実を知らせるアナウンスが会場に鳴り響いた。

 

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 

 ◆ヘッドショットキル

 × 日本 :鳥安 明美

 〇 ロシア:アナスタシア

 

 

 それは、本試合2度目の特殊キルを知らせるアナウンスだった。

 

 

 

 

 




皆様、お久しぶりです。

何とか気持ちを切り替えて再度投稿出来るだけのモチベになったので投稿をしました。
かなり時間が空いてしまった関係で作者自身が作品の設定などを再度見直したり思い出したりするのにも時間がかかってしまい、投稿が更に遅れた感じです。

投稿を停止中にも頂いた感想などは全て読ませて頂きました。
温かい応援メッセージありがとうございます。
まだ連日投稿するだけのモチベではないですが、何とか元に戻していければなと思っています。

*余談
休んでいる間に色々と物語のネタを考えてました。
そしてそれなりに良い感じのものが出来たので、IFもしくはリメイク的な感じで本作を再び書く際にそれらを入れていこうかなと思っています。
それにより大幅にシナリオが変化するため賛否あるかもしれませんが。
まああくまではるか先の話ですが。

*お知らせ
皆様の応援のおかげで第9回ネット小説大賞の一次予選通過しました。
一次通過が個人目標だったので目標達成です。
この場を借りましてお礼申し上げます。
応援、ありがとうございました。
今後もよろしければ応援して頂けると幸いです。
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