最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる 作:のこのこ大王
「さあ、今夜もお届けします!
水曜日の夜は、もちろんこれ!
【NEWS・LEGEND】のお時間がやってまいりました~!」
番組看板女性アナウンサーが、元気いっぱいの声で今日もお馴染みの台詞を口にする。
「皆さん、こんばんは。
司会の大館 次郎です」
「司会補助の江口 梨々花で~す」
今まで数えきれないほどやってきた番組開始のやり取りを当たり前のように行った2人は、そのまま流れるように番組を進行する。
「本日のゲストは、仙台レッドスターズや東京Go!Go!ガッツの監督を歴任された
紹介されたのは、頭に白髪が目立つ何とも頑固そうな雰囲気の老人だ。
「よろしくお願いします」
彼はとりあえずといった感じで非常に軽く頭を下げつつ挨拶をする。
明らかに『態度がデカい』といったその様子に、スタッフの一部は顔を顰めた。
仲本は言動がハッキリし過ぎていて偏った意見も多い。
だがそのハッキリしている所が人気でもある。
当然ながら相応に批判も集まるため、良くも悪くも注目を集めやすい人物なのだ。
大館や江口からしてもあり得ない態度なのだが、それでも2人はそういうゲストにも慣れていた。
なのでそんなゲストの行動など気にしない。
手早く進行することで『何でもない』という感じにしてしまおうと動き出す。
「では、さっそくいきましょう!本日は、2日前に終了したU-18女子世界戦の予選結果からです!」
江口がポーズを取ると空中に映像が映る。
そこには日本代表が入っている予選ブロックの表が出てきた。
「皆様、もうご存知ではあるでしょうがもう一度、最初から振り返ってみましょう!」
その言葉と共に過去の試合映像が流れ始める。
最初に映ったのは日本が僅差で敗れたフィンランド戦。
ダイジェスト形式で要点だけを説明しつつ映像が流れる。
「仲本さん。このフィンランド戦をどう見ますか?」
それが終わると大館がスグに感想を聞く。
「これはいかんですよ!序盤に押し込まれたこともそうですが、後半の突撃もお粗末過ぎます!これは評価のしようがありません!」
「接戦だったという声もありますが?」
「フィンランドなんて格下相手に本来なら苦戦すること自体が間違っとるんですよ!そもそも相手が砲撃主体なら、さっさと突撃しとけばよかったんです!そんなことも判断出来ないなんてあり得ませんな!」
相変わらずの発言に大館はため息を吐きそうになるのを何とか堪える。
確かに世論もフィンランド戦には否定的な意見が多い。
しかしメンバー交代からの巻き返しの流れを肯定する意見もある。
だが仲本はひたすら『やる気が無い』だとか『気合が足りない』などと批判していた。
番組としてはもう少し具体的な……それこそ専門的な解説を期待していただけに、スタッフからもため息が出る。
江口もそれを察してか、次の映像へと話題を誘導した。
今度はロシア戦の映像が流れる。
「このロシア戦も、もう少し何とかならなかったものか。最後の最後に一気に仕掛けた感じになっとるが、そもそももっと早くから仕掛けていれば逆転出来たのに!」
2人が話を振るよりも先に仲本は語り出す。
流石にこれ以上勝手にあれこれ言われると放送事故になりかねない。
「ロシア戦では鳥安選手とアナスタシア選手の対決。そしてソフィア選手に対しては宮本選手・三峰選手に安田選手といった成長著しい選手達による対決がありました。世界的にもこの2つの対決が話題になっていますが、仲本さんはどう思われますか?」
大館は『どうせ否定的なことを言うだろうな』と思いながらも咄嗟に会話を振る。
そうすることで好き勝手に語らせることを防ぎつつ最低限番組が語らせたい内容に触れさせることが出来るからだ。
「狙撃勝負は話になりませんな!鳥安選手は期待されていたようですが、まだまだ経験不足としか言えません!ソフィアに関しても流石にあれだけの数をかけて引き分けというのはどうでしょうねぇ?確かに技量差というものはあるでしょうが、それでも押し切れないのであれば戦術を変更するなど色々出来たはずです!」
「なるほど。確かに戦術などで状況を変更するというのもLEGENDではよくある戦い方の1つですからね」
「先ほど話題になった鳥安選手ですが、その次の試合以降では素晴らしい活躍をされていますよね。ロシア戦以降、日本は圧勝を続けました。それではそれらのシーンをダイジェストでどうぞ!」
江口も大館の強引な話題提供から更に強引に会話の方向を変えた。
そして無理やり試合画面を流せば、流石に仲本もこれ以上無駄に話さないだろう。
画面に流れているのは残りの予選で相手を圧倒しているシーンだ。
特に鳥安による的確な援護射撃や大野と神沢によるコンビプレー。
温井の大型ビーム砲によって相手の大盾持ちストライカーが盾ごと撃破される。
別の試合では山梨の機動力を活かした射撃戦に痺れを切らした相手が突っ込んできた所を待ち伏せしていた一条に狩られていた。
フィンランド戦では考えられなかったほどのしっかりした試合に『何故最初からこれが出来なかったのか?』と言われることが多い。
「さて、いかがだったでしょうか?ロシアが全勝してしまったため惜しくも予選敗退となってしまいましたが、日本の強さを十分に感じられたのではないでしょうか!」
「そうですね。特に後半の日本はしっかりと連携が取れた素晴らしい戦いが多かったように感じます」
司会の2人は、何とか日本を褒める。
本来ならここまで褒めるような言葉は使わないのだが、仲本が批判しかしないために、2人は日本をひたすら褒めることでバランスを取ろうとしていた。
しかしそんな2人の苦労など気にも留めない仲本は、今日も言いたい放題な毒舌を続けた。
【LEGEND】 U-18女子世界大会予選敗退 【雑談】パート113
691:名も無き兵士
今、NEWS・LEGEND見てるが相変わらず仲本は仲本だな。
692:名も無き兵士
梨々花ちゃん可愛い
693:名も無き兵士
梨々花は俺の嫁
694:名も無き兵士
>>691
ゴリ本は基本的にゴリ押しすれば勝てると思ってる脳筋馬鹿だからな。
695:名も無き兵士
ゴリ本www
696:名も無き兵士
ゴリ本は、監督引退してから更にゴリ度が進行してるんだよねぇ。
697:名も無き兵士
>>696
つまり……野生にかえったと。
698:名も無き兵士
やwせwいwにwかwえwっwたw
699:名も無き兵士
そもそもゴリ本にまともな戦術判断なんぞ出来る訳がない。
監督時代もゴリ押しでひたすら突撃ばかり指示してたんだぞ。
700:名も無き兵士
それでも勝てた時代があったということだろうな。
そのせいで未だにこうして解説に呼ばれるというね。
701:名も無き兵士
>>700
そもそもアナスタシアやソフィアのヤバさを理解してない。
この時点でアウト。
702:名も無き兵士
>>701
それな。
決勝トーナメントで大暴れしてるのを見てないんだろうよ。
703:名も無き兵士
サウジは可哀想だったな。
まさかソフィア1人に5人蹴散らされ、即終了とか世界戦の決勝トーナメントで起こっていい事件じゃない。
704:名も無き兵士
サウジ戦は、アナスタシアの方が凶悪だっただろ。
開始30秒でリーダーをヘッドショットとか、人間技じゃない。
705:名も無き兵士
むしろソフィアを止めた宮本・三峰・安田の3人が凄い。
よく最初から最後まで止めきったよ。
706:名も無き兵士
ロシアが舐めプしてたとはいえ、あの中央の戦いは熱かった。
707:名も無き兵士
舐めプしてたっけ?
708:名も無き兵士
アナスタシアが鳥安を焼き鳥にするだけで一切動いてないからな。
完全に舐めプだろ、あれ。
709:名も無き兵士
焼き鳥www
710:名も無き兵士
オイシクヤケマシター
711:名も無き兵士
鳥安も一時期どうかと思ったが、後半持ち直したよな。
712:名も無き兵士
後半、あれ別人だろ?www
713:名も無き兵士
いつものハイエナ撃破せず支援に徹してたのは、良い判断だったと思う。
714:名も無き兵士
というかあの支援の方が凄いわ。
よくあそこまで的確に状況見て支援出来るよなって感じで。
715:名も無き兵士
ようやく進化したかって感じだよな。
716:名も無き兵士
>>715
上から目線ワロタ
717:名も無き兵士
ここにはそんな連中ばっかりだよw
718:名も無き兵士
いやいや、マスゴミの方が酷いよ。
散々鳥安叩いてた癖に、途中から手のひらクルーで持ち上げだした時は爆笑したわ。
719:名も無き兵士
調子悪かったメンバーも後半良い動きし始めると称賛し出したからなぁ。
720:名も無き兵士
それを言えばアイドルも今回頑張ってたな。
721:名も無き兵士
LEGENDアイドル組は今回評価爆上がりだぞ。
おかげでドルオタ板は、もうずっとカーニバル状態。
722:名も無き兵士
【Twinkle star】の近藤は1人でかなり粘ってるシーン多かったし十分役立ってた。
同じく【Twinkle star】の福田も7Kしてるし普通に活躍した。
【Arcadia】の佐藤も8Kしてるし、アイドル組は大躍進だな。
723:名も無き兵士
まあアイドル組は世界戦に飽き足らず冬も出るっぽいけどな。
724:名も無き兵士
色々問題ではあるが冬期の全国大会は強豪校が出ないから逆に他高校の優勝チャンスになってて良いと思うわ。
725:名も無き兵士
>>724
その辺は好みもあるから色々意見あるだろう。
726:名も無き兵士
全国大会の話するならそれ用の板行け
727:名も無き兵士
お、そういえば(唐突)結局日本以外には全敗したフィンランドだが、満足げに帰国してたよな。
728:名も無き兵士
そりゃお前、今年も全敗だと思ったら1勝出来たんだぞ。
しかも最近有名になってきた日本に。
729:名も無き兵士
間違いなく帰国しても大歓迎されるだろうなw
730:名も無き兵士
そうなると逆に日本がどうなるかだな。
帰国した選手に、またマスコミどもお得意の圧力をかけなきゃいいんだが……
731:名も無き兵士
まあ無理だろうなwww
アイツら、それが当然の権利であり国民を代表している立場だと勘違いしてるんだからwww
732:名も無き兵士
いい加減、マスコミは規制されろ
やはりというべきか。
日本国内では、予選負けした日本代表に対して厳しい声が多い状態となっていた。
しかしそんな中でも成長を見せた選手達は、手ごたえを感じながらもそれぞれの場所へと帰っていく。
そしていつの間にか肌寒くなってきた頃。
冬の全国大会では相変わらずの強豪校不在の中、優勝を狙う様々な高校が激突する。
数々の名勝負を生み出しながらも予想外な高校が勝ち残り、それが話題となることで冬大会は何とか消滅の危機を乗り越えるのだった。
そんな中。琵琶湖女子も授業に練習にといつもの日常へと戻っていった。
少し緩やかな時間が流れたのも束の間。
気づけば季節は廻り……別れの季節がやってきた。
*誤字・脱字などありましたら修正報告もしくは感想などからお知らせ下さい
**お知らせ**
またまた二次創作作品を書いて頂けました。
前回紹介出来なかった分と合わせて3作品分のURLを記載します。
如月遥 様(投稿サイト:ハーメルン)
目次⇒https://syosetu.org/novel/258040/
ttps://syosetu.org/novel/258040/5.html(密着レポート)
ttps://syosetu.org/novel/258040/6.html(バトルレポート)
ttps://syosetu.org/novel/258040/7.html(編集後記)