最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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第142話

 

 

 

 

 

■side:私立琵琶湖スポーツ女子学園3年  長野 誠子

 

 

 

 

 

 高校生活最後の3年目。

 私達LEGEND部は今年も全国大会連覇に向けて日々練習の毎日。

 特に私達は全国大会後も見据えなければならない。

 そう、世界大会だ。

 まずそこに行くためには代表選手に選ばれるだけの活躍をしなければならない。

 ただでさえ私達の世代は優秀な選手が多い。

 ……もう中継で応援なんてゴメンだ。

 だからこそ私は去年の私より確実に進化しなければならない。

 そのためにも我武者羅に練習を―――

 

「次ッ!!」

 

 ―――ゴメン、やっぱ無理。

 目の前で繰り広げられている光景は、とてもではないがやる気が出るようなものではなかった。

 

「なんでこれで当たらないのよッ!?」

 

 焦った声でそう叫ぶ千恵美は迫りくる死神(アリス)に対応出来ず、体勢を崩した所にバックラーごとのタックルを食らって転倒。

 無防備になった所をゼロ距離からのショットガンによるヘッドショットで終了となった。

 

「次ッ!!」

 

 先制攻撃とばかりに発射された滑腔砲を、まるで解っていたかのようにブースターで回避した死神(アリス)

 盾内蔵マシンガンの牽制もバックラーとショルダーシールドの前では火力不足だ。

 迫りくる相手のショットガンを受けようと両手の盾で完全防御をする神宮寺ちゃん。

 死神(アリス)が持つのは通常のショットガンであり盾を貫いてくるマスターキーではない以上、防御を固められると厳しいだろう。

 そのままタックルをしたところでアタッカーでは防御体勢に入ったストライカーを崩すことは出来ない。

 ここから死神(アリス)はどう戦うのかと思ったが、やはりアリスはアリスだった。

 

 まるでタックルをするかのような全力での突撃。

 それを受け止めようとする神宮寺ちゃん。

 ところが盾にぶつかる手前で急停止しながら相手の大盾の上部分を掴んだアリスは、そのままブースターを使って跳躍。

 空中で反転倒立状態となりながら、下を向きつつショットガンを構えていた。

 それを見上げる形になった神宮寺ちゃんは、さぞ驚いただろうよ。

 そのまま真上からのヘッドショットによって彼女は粒子となって消えていく。

 

 目の前で起こったあり得ないプレイに1年生は茫然としている。

 流石に2年生組になると『そんなの対処出来ないよ』という感じの顔で見ていた。

 私達3年生組になると『アリスだから仕方が無い』とある意味割り切れるので、そこまで衝撃を受けることはない。

 ……とまあそんな感じで今日は、最近何かと練習に口を出す我らがリーダー霧島アリスによる鬼のタイマン練習が繰り広げられていた。

 本当なら去年の今頃は『例の集まり』に参加している頃だろう。

 しかし今年は『打倒アリス』に燃える連中が大勢居たために部屋は一時閉鎖状態となっていた。

 

「次ッ!!」

 

 気づけば桂子の奴がアリスにやられていた。

 淡々と装備を補充しながら戦うアリスは、まさに鬼神と言うべき状態だ。

 情けない話だが、ぶっちゃけ技量差があり過ぎて勝てるビジョンが見えない。

 というか常に全力な姿など見たことが無かったので正確な実力が解らなかったというべきか。

 そもそもブレイカー以外でもここまで強いとか意味がわからない。

 

「ちょっ!?」

 

 晴香の奴が急に足元に飛んできた手斧を無理やり避けた。

 だが無理をしたせいで体勢が崩れる。

 その瞬間が見逃されるはずもなく、勢いよく飛んだアリスによる蹴りが命中。

 ダウンした所を至近距離からのライフル連射によって終了となった。

 

「次ッ!!」

 

 そう叫ぶアリスを見ながら晴香に同情する。

 決められた武器以外の攻撃にダメージはない。

 しかし体勢を崩したりするため有効な場合があるのは解る。

 だがどこの世界にLEGENDで飛び蹴りを決める奴が居るよと。

 

「うあぁぁぁぁっ!!」

 

 気迫の篭った叫び声と共に大盾でガードしつつもマシンガンを撃ちながら距離を保とうとする恵理。

 しかしアリスは涼しい顔をして防御しつつ距離を詰めていく。

 何度目かの回転しながらの回避の瞬間、アリスが手斧を投げた。

 恵理は何とかそれを回避しようとするが、斧はマシンガンに当たって破壊判定が出る。

 その瞬間、既にアリスが接近してきていることに気づいた恵理は予備のマシンガンではなく大型警棒を手にした。

 そして突っ込んでくるアリスに振り下ろす。

 

「―――はぁ!?」

 

 思わず間抜けな声が出てしまった。

 持っていたライフルを捨てたアリスはバックラーすら捨てて接近し、そして振り下ろしてくる警棒相手に手を伸ばす。

 次の瞬間。

 超重量であるはずのストライカーがアリスによって宙に浮かび―――投げ飛ばされていた。 

 まるで背負い投げのような感じで宙に浮いた恵理は、反転倒立状態から真下へと叩きつけられる。

 流石に痛みが発生しないダメージの無い攻撃とは言え精神的にかなりキツイだろう。

 それに本人も何が起こったのか解らないといった感じだ。

 しかしそれをいちいち説明するほどアリスは優しくないようで、地面に叩きつけられて放心状態の恵理に腰のショットガンを突きつけて……引き金を引いた。

 

「次ッ!!」

 

 あくまでも淡々と装備を補充しながら叫ぶアリスに、もはやドン引きよ。

 VRでも重さの概念とかってあるはずなんだけどなぁ……。

 ……ああ、次の1年の子は既に目が死んでるわね。

 

「気の抜けたことをするなッ!!次やったら外周10周走らせるわよッ!!」

 

 そんな1年を瞬殺したアリスの言葉に、1年生達は震えあがっていた。

 

 しかしよくもまあ頑張るものだと思う。

 昔は人付き合いの悪い何を考えているのか解らない奴って印象だった。

 それが今ではこうして熱血指導をするような人間になっているのだから世の中わからないものね。

 

「次ッ!!」

 

「よっしゃッ!!」

 

 私の番になったので、出来るだけ声をあげながらフィールドに出る。

 勝てないまでも、せめて良い勝負ぐらいはしたい。

 そんなことを考えながら目の前の相手へと突っ込んだ。

 

 

 

 

 




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