最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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第147話

 

 

 

 

 

■side:私立琵琶湖スポーツ女子学園3年 長野 誠子

 

 

 

 

 

 VRの世界。

 寝そべった状態で空を見る。

 とても作り物とは思えないほど綺麗な青空だ。

 

「やる気が無いなら終わるけど?」

 

 その言葉に反応して何とか起き上がる。

 

「まだまだぁッ!!」

 

 私の隣でそう叫びながら桂子も起き上がった。

 痛みがほぼ無いとはいえ何度も何度も地面に叩きつけられると人間、心が折れそうになる。

 それを成した我らがリーダーは、余裕そのもの。

 一度で良いからその余裕そうな顔を崩したい。

 せめて全力を出させたいと2人でアリスに突っ込むも、気づけばまた2人とも仲良く大の字になって倒れていた。

 

 ―――確かにアリスは強い。

 そんなことは何年も前から知っていた。

 いや、知った気になっていたというのが正しいのか。

 いつか追い付いてやるなんて思いながら挑み続けてきたが、何年経っても差が縮まるどころかむしろ広がってるとさえ思えてくる。

 それでも諦める訳にはいかなかった。

 

 別に自分に才能があるなんて思っていない。

 アタッカーは桂子の方が上だし、晴香のような誇れる技術もない。

 実際桂子の援護のためだなんだと言ったものの、編成分担などを考えてサポーターを選んだのだ。

 つまりは純粋なレギュラー争いから逃げたとも言える。

 

「やるならさっさと立ってくれない?正直その時間が無駄なんだけど」

 

 アリスの容赦ない言葉。

 しかしその程度で諦める訳にはいかない。

 何よりこちらから頼み込んで練習に付き合って貰っているのだ。

 

 桂子と2人で起き上がり、今度は武装を整え正面から撃ち合いを仕掛ける。

 だがアリスは障害物に隠れて出てこない。

 2人でジワジワと距離を詰める。

 そして最大限警戒しつつ左右から同時攻撃を仕掛けようとした瞬間だった。

 障害物の向こう側から突然何かが2つ飛んでくる。

 咄嗟に視線が飛んできたものに向く。

 

 ナイフと投擲型レーダーであることに気づいた瞬間、それが囮であると解る。

 しかしそれに気づいた時にはもう遅い。

 既に桂子に対してライフルの銃口が向けられていた。

 スグにマシンガンを向けて引き金を引こうとしたが、それよりもずっと早くライフルの弾が桂子の頭部を撃ち抜いた。

 特殊キルのアナウンスが鳴るだろう。

 間に合わなかったと後悔している暇などない。

 そのままマシンガンの引き金を引いてアリスを討ち取りにかかる。

 だがアリスはスグに障害物に隠れてしまい弾が当たらない。

 でもここで引く訳にはいかない。

 銃を構えつつブーストで障害物の後ろに回り込むように高速移動をする。

 もちろん障害物の側面が近づいた瞬間から牽制射撃を行ってこれ以上余計なことをさせないように―――

 そう考えながら動いていると次にアリスがまた何かを今度はこちらの進行方向に向けて投げ込んでくる。

 スタングレネードだった場合を警戒し、距離を取りつつ銃で撃ち潰す。

 その瞬間、大量の煙が噴き出した。

 

「しまっ―――」

 

 慌ててブレーキをかけるとスグに煙から逃れるために後方に下がる。

 この判断は間違いではないはず。

 そう思いながらブーストを吹かして後方へと下がり始めた瞬間だった。

 こちらの逃げる方向が初めから解っていたと言わんばかりの位置。

 そのルート上の煙の中からアリスが飛びついてきた。

 押し倒されそうになって思わずブースターを前へと切り替えて体勢も前へと押し出す。

 しかし―――

 

「なっ!?」

 

 一瞬にして押し倒そうとする力は無くなり、逆にこちらを引き寄せる力がかかる。

 体勢もブースターも前へと動かした瞬間だったこともあり、私はいとも簡単にアリスの元へと引き寄せられてしまう。

 ―――気づけば、もう何度目になるかわからない投げ技を食らって地面へと叩きつけられていた。

 そして私の気持ちなどお構いなしにライフルの銃口をこちらに向けたアリスが視界に入る。

 

「まだまだ動きが単調で直線的。もう少し頭を使いなさい。何のためにその頭はついてるのかしら?」

 

「そうポンポンと投げれるのはアリスだけだと思う」

 

「別に投げにこだわる必要はないわ。ただ毎回投げが決まるほどに接近戦で読み合いに負けて投げられてるのが問題なのよ」

 

「いや~何とかしなきゃってのは解ってるのよね。ただこれぞって強みもないしで困ってるって感じかも?」

 

 いつの間にか復活していた桂子が会話に入ってくる。

 昔ならKAMIKAZEと呼ばれた相打ち上等な突撃を得意としてきた。

 でもそれではダメなんだ。

 そんな安定しない選手では通用しない。

 もう世界戦をテレビで見ているだけなんて嫌だ。

 だからこそ私は、もっともっと強く進化しなければならない。

 

「前みたいに突っ込むのを基本にしたいなら1対1を軸にして相手を一撃必殺出来ると良いかもね」

 

「ほう?」

 

「例えば突っ込む時に相手をその片手間で撃破出来れば一気に内部に入り込めるし、相手が2人居ても1人を瞬殺出来れば1対1に持ち込めるでしょ?」

 

「なるほど。そうなると1対1になるからまだ有利が続くと。ついでに言えばそれで2人倒せれば大きいわね」

 

「晴香みたいに遠距離からジワジワ狩るってのもアリだけど、突っ込める度胸があるなら突っ込んだ先でどうするかという判断や技術を身につけてみるのも面白いかも?」

 

「―――確かに」

 

「じゃあとりあえずやってみましょうか。と言う訳でまず1対1というものがどういうものかを学ぶ所からね。例を出すならまず突っ込んだ状況によって―――」

 

 こうして個人が持つ知識や技術を提供してくれるアリスには感謝しかない。

 こんなにも恵まれた環境で貪欲になれなければ競技者として失格でしょ。

 

 途中から少し変則的にはなったが桂子と共に何度もアリスに挑み、そして何度もやられながらも知識や技術を習得していく。

 

「私は負けない。たとえ私に才能が無かろうが関係ない。足掻いて足掻いて足掻き続けてやるって決めたのだから―――」

 

 

 

 

 

 

 




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