最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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*皆様、お久しぶりです。

現在「webコミックガンマ」様で連載中のコミカライズ版ですが、サイト移転となります。

【新サイト名】
竹コミ!

【URL】
https://takecomic.jp/

【移行スケジュール】
10月10日(金)12:00 当サイト、最終更新
10月17日(金)12:00 新サイトへ移行(当サイト内での閲覧ができなくなります)


第175話 世界大会・スペイン戦 開始6

 

 

 

 

 

 

■side:U-18スペイン代表 マリアネラ・アブレウ・エルモーソ

 

 

 

 

 

 冷静に目の前から飛んでくるロケットランチャーを回避し、マシンガンも最低限のダメージで避け続ける。

 ショルダーシールドは、よくもっている方だ。

 とっくに下がって一度補給を受けるべき所だが、状況がそれをさせてくれない。

 

 何度ログを確認しても事実は変わらない。

 

 

 ―――マリサとグロリアがやられた

 

 

 もしかしたらどちらかが負けるぐらいの覚悟はしていたし、そうなったとしても相手にも相応の被害が出ているとも思っていた。

 だが結果として、相手の被害はそこまででもなく、今頃悠々と補給をしているだろう。

 まあそのまま補給も無しにこちらを包囲出来るほどの余力まであれば笑い話にもならなかったが、どうやらそうではなさそうだ。

 その点だけが救いと言えばそうなのだが……。

 

「普段から調子に乗ってるからこういうことになるのよッ……!」

 

 思わずそう口にする。

 もはや防衛ラインが機能している今が奇跡だと言える。

 

「それにしてもッ!!」

 

 足元に転がって来る手榴弾をとっさにスラスターを吹かして回避する。

 先ほどからアタッカーとストライカーによるコンビネーション圧が強すぎる。

 

 ……まあそりゃそうか。

 やられた2人の穴埋めに後方の2人を向かわせたのだから。

 単独で残った私は、ずいぶんと良い獲物に見えるのだろう。

 

「ふっ……手負いの獣がどれだけ狂暴か、教えてあげるわッ!!」

 

 

 

 

 

■side:U-18日本代表 笠井 千恵美

 

 

 

 

 

「流石、有名選手は強いね」

 

 両肩のロケットランチャーの弾が無くなったのでパージし、機動力を上げる。

 そして距離を詰めつつガトリングを斉射する。

 ついでとばかりに両足に装備している3連ミサイルポッドも撃つ。

 それでも相手は器用に回避し続けるのだから、思わず「ふざけんな」と言いたくもなる。

 

 ただ、そろそろショルダーシールドを無効化出来る。

 そうなればガトリングと背中の大型ブレードのみ。

 確実に追い込めはしている。

 

 スグ近くでは桂子の奴が淡々と、それこそ怖いぐらいに無口で私と同じ相手を攻撃していた。

 アタッカーなので火力不足かと思えば、アサルトライフルをしっかりシールドに当てて破壊を狙っている。

 手榴弾なども交ぜながらの堅実な攻めだ。

 

「……あの突撃バカがねぇ」

 

 ひたすら突撃してKD優位さえ取れば勝ちだと言わんがばかりのスタイル。

 それが「黒澤 桂子」という選手の評価だった。

 ぶっちゃけ味方にはあまり欲しくないタイプでもある。

 それがまあ変わったものだなぁなんて感想が出るあたり、まだまだ私も粘れそうだ。

 

 それに私も日本代表選手。

 ここらで良い所を見せたいって欲もある。

 ここまでやってきたという自負もある。

 何より―――

 

「日本代表は、アリスや香織だけじゃないんだよッ!!」

 

 

 

 

 

■side:U-18スペイン代表 エルミニア・アブリル・ペレア

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

 レールガンを回収しようと銃身を掴むと弾かれた。

 これは銃身が大電流による発熱を起こしている状態であり、本来ならこの状態で触れれば火傷では済まない。

 VRだからこそ起こった特有の現象と言える。

 自身の焦りを認識しつつレールガンを回収して隠れると、そのままレールガンの銃身を外して補給に突っ込む。

 するとあら不思議、数秒で使用可能な状態で返ってくる。

 本来ならこんなことをしなければならないほど連射することなど無いのだが、今回ばかりはそうは言ってられない。

 

 明らかな劣勢、主要メンバーのうち2人がやられるという異常事態。

 それでも相手の総攻撃が来ないのは、何とか防衛が奇跡的に成功しているからだ。

 しかし楽観視も出来ない。

 やられたメンバーの復活よりも数十秒は、明らかに相手の補給の方が早いはず。

 そうなれば総攻撃が来る危険性が高いのは変わらない。

 だからこそやることは単純明快。

 

・崩壊しつつある防衛ラインを援護しつつ総攻撃の予兆があればそれを先手で叩き潰す

 

 ということだ。

 

「何その無理ゲー」

 

 そう思わなくもないが、それをしなければならないのが現実の辛い所である。

 準備を整えると、再び相手側を見てヘイトが向いてないことを確認。

 レールガンを設置して伏せ撃ちの体勢を取る。

 

 レールガンの欠点は、チャージ時間だ。

 この時は無防備になる。

 その分だけ火力はあるのだから一長一短とも言える。

 何とか自分達に有利になるようにしなければならない。

 いつも以上に一撃必殺を重視しないといけないのだが、ブーストを使用した高機動戦闘をしている連中を固定砲台であるレールガンで狙い撃つのは至難の業だ。

 かといって相手のブレイカーは1射ごとに動き回るため、同じく狙いにくい。

 むしろ相手ブレイカーにあまり意識されると逆にこちらが不利になりかねない。

 

「どうして私がこんなに頭を使わなきゃならないのよ」

 

 思わずため息を吐きつつも、マリアネラの援護のために引き金を引いた。

 

 

 

 

 

■side:U-18日本代表 三島 冴

 

 

 

 

 

 

 アサルトライフルの半分をレールガンに持って行かれた桂子が後退してくる。

 流石にメイン武器は補充しなければ厳しいので仕方が無い。

 まあ何とか中央は押し勝てているため、それほど問題でもないが……。

 

 それにしても相手のレールガンが面倒だ。

 何度か仕留めようと思ったんだけど上手く存在を隠し、気づけば撃ってきた後だ。

 あれは一撃必殺もあり得るため油断出来ない。

 

「な~にやってるんだろうなぁ」

 

 思わずそんな言葉が出てしまう。

 日本代表と言えば聞こえは良いが、どうもその自信が無い。

 周囲は自分よりも才能豊かな連中ばかり。

 何とかブレイカーでやってきたものの、アリスだけでなく他の連中にまで1歩遅れていると言える。

 実際、安田の奴はここでも点数を稼いでいる。

 あの意味の分からない地雷だって使えていた。

 対して私はライフル1つまともに扱えない。

 でもあの日―――

 

「大勢の他人を蹴落として座っている椅子だという自覚が無いなら今すぐ降りろ」

 

 そうアリスに言われてハッとした。

 日本代表という限られた椅子のために、私は努力して大勢の中から這い上がってきたのだ。

 レギュラー争いだってそうだ。

 私は、私に自信を持たなければならない。

 そうでなければ私に負けて、活躍の場すら与えられなかった人達はどうしろというのか。

 それらを背負って私は今、この場に居るのだと認識させられた瞬間だった。

 

 あのやり取りを思い出し、頬を軽く叩いて気合を入れなおす。

 前が安定していて高機動戦闘に割り込める腕もない。

 だったらもうレールガン対策をしよう。

 そう決めて自身の気配を隠す。

 

 そうしてようやくレールガンが出てくる瞬間を見つける。

 勝負は1度キリ。

 2度目は無理だろう。

 私の人生で、こんなドキドキがあっただろうか。

 いつの間にか言い訳をして、周囲の誰かのせいにして、逃げ続けた私とは、今日ここでさよならだ。

 

 ゆっくりとライフルを構える。

 気づかれる訳にはいかない。

 深呼吸をしながら銃を構える。

 

「絶対当たると信じろ、絶対やれると信じろ、自分自身の努力を信じろ」

 

 アリスに何度も言われた台詞が頭の中でループする。

 そうだ。

 私だって努力してきたんだ。

 

「私だって―――日本代表なんだよぉッ!!!」

 

 引き金を引くと銃弾が発射される。

 本来なら見えないはずの弾が、今だけはやたらとハッキリ見えた。

 回転しながらも、真っ直ぐに飛んでいく。

 

 今までのLEGENDでの出来事が思い出される。

 愉しかったことだけではない。

 苦しかったことも。

 その全てが―――今の私に繋がっている。

 そう……誰かと比べるなんて無意味だ。

 私は私の道をただ信じて進めば良いのだから。

 

 

 ◆キル

 x スペイン代表:エルミニア

 〇 日本代表  :三島 冴

 

 

 ―――気づけば私は、泣きながらガッツポーズをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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