最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる 作:のこのこ大王
■side:霧島 アリス
あれから数日経った。
元プロである前橋 和歌子は
意外と監督などに向いているのではないか?
そう思えるほど、新人教育は順調だった。
初心者は、大体ルールを適当に覚えさせた後に
練習試合に何度か投げ込むという荒業でレジェンドに慣れさせる。
しかし彼女は、ルールブックを片手に丁寧に1つづつ
ルールやVRならではの仕組みをしっかりと教え込んでいた。
レジェンドは、仮想空間による戦闘だ。
そのため独特な部分がある。
それは、個々の装備であったりシステムであったりと様々。
特にVR世界に独特なものは、実体験で覚えた方が早いぐらいだ。
その1つが、リロードシステムだろう。
手動リロードと自動リロードというものがあり
手動リロードは文字通り自分で弾を詰める方法だ。
これが早ければ、自動リロードより圧倒的に速く弾倉の交換などが
行えるため、可能な限りは手動リロードが推奨される。
しかしこれには、予備弾倉などを携帯しなければならないという点や
リロード中に別の行動が出来なくなるという欠点も存在する。
そして巨大な武装、特に肩や背中などに装備するタイプは
物理的に手動でリロードすることは難しい。
そのため各武器には、リロードタイムというものがあり
手元のパネルでリロードを選択するか、事前に設定しておけば
武器ごとに決められたリロードタイム経過後に、勝手に弾が装填されるのだ。
これが自動リロードである。
この自動リロードは、例えば手に持っている武器が弾切れの時
銃撃戦の最中にリロードを挟みにくい場合などに
弾切れした武器を自動リロードに任せてしまい
自分は違う武器に持ち替えて攻撃を継続する、といったことが出来る。
手動リロードでスグにリロードを終わらせるのか?
それとも複数の武器と自動リロードを組み合わせて
弾切れの隙を極力減らすのか?
仮想空間だからこそ出来る
こうした独自な戦闘スタイルもレジェンドならではである。
STことストライカーは、特に自動リロードに頼りがちになる兵科だ。
大型武器が多いことと、重装備で細かい動きが苦手なため手動リロードとの相性が悪く
装備各種も、どうしても大型になりがちというのもあって
基本的には全ての武装を自動に設定している選手が多い。
しかしこのストライカーで唯一、リロードを挟まない武器がある。
それは、ガトリングガンだ。
ただこれにも欠点が存在する。
オーバーヒートという独自のゲージがあり
連射し続けて銃身が過熱すると冷めるまで撃てなくなる。
大きな欠点ではあるものの、オーバーヒート管理をしっかりすれば
弾数無制限の恩恵が素晴らしい武器なので派閥が出来るほど使用者も多い。
【新城 梓】も、そのガトリングの使い手の1人である。
FUJISAWA製の大型ガトリングガンのみで戦場に立つ彼女は
それ1つで戦わねばならず、オーバーヒート管理が全てになる。
余計な武装を装備しないため重装甲でも比較的機動力を失っておらず
補助装備にも撃ち合いを重視してか
ガトリングを構える際に前に出る左肩に大きな盾を装備し
アーマー値を増加させるバリア装甲も特殊装備として付けている。
国内生産で性能が安定しているFUJISAWA製の重装甲を使っていて
機動力を活かした堅実な撃ち合いをすることが多く
ストライカーのみでやってきた感じが伝わってくる。
そして同じストライカーでも武装によって別物になると
よく言われるが、その実例とも言えるのが
国内最大手FUJISAWA社の御令嬢である【藤沢 花蓮】だ。
自社の製品で全てを統一しており
まるでスポンサー契約でも結んでいるプロのようになっている。
しかも、武器もFUJISAWA製の腕部4連ミサイルを両手に装備し
FUJISAWA製の背中・肩部一体型6連ミサイルを両肩に背負い
FUJISAWA製の脚部3連ミサイルを両足に付けている。
どこの要塞を攻める気だと言わんがばかりにミサイルまみれだ。
彼女のようなミサイル信者は【ミサイラー】と呼ばれており
ひたすらミサイルによるゴリ押しを仕掛けてくる。
ミサイルは、非常に賛否の分かれがちな装備だ。
一撃の火力に優れ、直撃すれば重装甲のストライカーでも一撃で撃破出来るほど
圧倒的な火力を有している反面、至近距離では自爆の恐れもあって使えない。
また一度発射してしまうと手動リロードなど出来るはずもなく
自動リロードに任せるしかないのだが、その自動リロード時間が長い。
特に威力を重視にしているものになると再装填に30秒かかったりするので
連射力に乏しいというのも欠点だ。
装備自体も重いので、機動力も無くなってしまう。
そのため試合中、弾切れを悟られると一気に距離を詰められ
そのまま撃破されることも多い。
なので基本的には、サブ武器としてしか採用されない。
自衛すら放棄し、全てを一撃に賭けた究極のロマン運用。
それこそがミサイラーという連中だ。
花蓮に関しては、一応自動リロード時間が
少しだけだが短縮される補助装備を採用しているだけマシというべきか。
もちろんFUJISAWA製である。
2人は、経験者であり自分の戦闘スタイルをある程度持っているので
特に何も言わないが、初心者ストライカーである【宮本 恵理】は
顧問の前橋さんやSTの先輩2人に色々アドバイスをして貰う形で装備を決めていた。
そして決まった装備は、当然というべきか防御重視。
メイン武器は、マシンガン内蔵の大盾。
S.L製で、火力は無いものの軽くて丈夫。
何より連射力に優れ、盾を構えたまま連射出来るので
けん制攻撃をしつつ前に出ることが出来る。
これは単純に機動力が無く、しかも攻撃時に必ず身体を晒す
ストライカーの欠点を補うためのものだ。
ストライカーは、重装甲で防御力が高めであるとはいえ
その大きな姿で隠れにくく、鈍足であるため移動にも苦労する。
いざという時に逃げることも難しい。
そのため弾薬や耐久値の自己管理は、必須とも言える。
初心者である彼女にそこまでやれる訳がないのは、誰もが解っているので
彼女に火力を求めようとは思わない。
あくまで防御重視で生存を意識して貰うことが重要だ。
だが大盾とおまけのマシンガンだけでは、流石に圧倒的に火力が無い。
なので肩にガトリングを装備することになった。
肩部ガトリングの中で一番軽いブルーム製の両肩ガトリングにすることで
彼女の負担を減らしつつ、最低限の火力を維持する。
大盾を持つ彼女の場合なら、盾に隠れながら肩のガトリングを撃つことが出来るため
初心者にも優しいお手軽な感じとなっている。
ただ彼女の体力的に、これ以上の装備が難しく
大盾と肩ガトリングの2種だけでしばらくは、頑張って貰うことになった。
次は、アタッカー。
万能武器であるアサルトライフルを主軸に装備制限も緩めで
ストライカーほど派手ではないもののライン戦の主力兵科である。
一番人口が多い兵科で、アタッカーがそれなりの数が居ないと
まともな撃ち合いが出来ないと言われるほど重要だ。
そのため『アタッカーの質で試合が決まる』とまで言われている。
うちでは、このアタッカーが少ない。
その分、ストライカーが多いのだが……。
しかも個性的なアタッカーまで紛れ込んでいる。
それが【大場 未来】だ。
ショットガンに情熱を燃やす彼女は
3種類のメーカーのショットガンを使い分けるという
超個性的な戦闘スタイルをしている。
狭い場所や近接戦では強いが、撃ち合いで強いかと言われると
正直微妙であるものの、本人の強い希望なので仕方が無い。
補助武器としてスモークグレネードも持っているため、完全に突っ込む気満々である。
U-15に居た黒澤と長野を思い出す。
あの2人も、よくショットガン片手に突っ込んでたなと。
【三峰 灯里】に関しては、正直アタッカーが少ないのもあり
まずはアタッカーからと誘導したような状態で、非常に申し訳ない気持ちがある。
基本的な初心者用の軽量アサルトライフル、サブ武器として扱いやすいハンドガン。
補助装備として火力を出すためのハンドグレネード。
本来ならもう少し火力面を考えた装備にするのだが
彼女も体力的にこれ以上の装備が厳しい。
今後に期待といったところか。
そういう意味でアタッカーは
【大谷 晴香】にかかっているとも言える。
バランス型のアサルトライフルを中心に
連射力を重視したサブマシンガンと威力を重視したハンドガンをサブ武器として持つ。
補助装備として、彼女の代名詞とも言えるI字型の高威力の着発式ハンドグレネードと
丸型の時限式グレネードの2種類を持っている。
非常に堅実的なアタッカーに見えるのは、彼女だけだろう。
まあそんな彼女も、ハンドグレネードの使い手として一部で有名であり
ハンドグレネード運用は、彼女の右に出る者は居ない。
そんな攻撃的過ぎる編成を支えるサポーターが2人と
こちらもまた少ないが、2人とも経験者であるのが救いと言えるだろう。
サポーターは、武器の装備制限がそれなりにあるため
火力を出すことが難しい反面、その名の通り支援系の補助装備に制限が無い。
【杉山 栄子】は、連射力のあるサブマシンガンに
サブ武器として取り回しが良い軽量ハンドガン。
サポーターの主武器とも言える補助装備は、支援ポッドと設置型レーダーだ。
支援ポッドは、50cmほどの機材を設置すると
変形して1mほどの円柱型ポッドになる。
展開設置されたポッドから一定の範囲内に入ると
自動で弾薬補充や耐久値の回復をしてくれる優れもので
これが戦場にあると無いでは、雲泥の差だ。
設置型レーダーは、支援ポッドと同じく
50cmほどの円柱型装置を設置すると、1mほどに変形する。
周囲の敵味方の位置や設置物などの情報が
全員の全体レーダーに表示されるようになる。
メーカーによって稼働時間や範囲に違いがあるものの
これがあれば、周囲の状況が見えるため奇襲などを受けにくくなる。
彼女は、地味に重い2種類の設置物を背負う形で所持している。
見た目に反して意外と力があるのだろう。
非常に頼もしい限りである。
もう1人の【南 京子】も基本的には同じような武装だ。
威力重視のサブマシンガンにサブ武器としてバランスの取れたハンドガン。
設置型レーダーに弾薬パックだ。
弾薬パックとは、10cmほどの箱型設置物で
これを適当に置いておいて、自分や味方が箱の中央にあるスイッチを押せば
一瞬で決まった弾数を回復してくれるお手軽な装備である。
アーマー値を回復出来ない代わりに一瞬で弾を補充出来るため
攻めを維持しつつ弾補給出来るのがメリットだ。
いちいち弾を補充しに帰る必要がなく、手軽に回復出来るため
人気の装備の1つでもある。
たった2人で支援を完璧に行うのは厳しいだろうが、頑張って貰うしかない。
そして一番の問題児が【安田 千佳】である。
アタッカーやサポーターの重量にすら耐えられなかった彼女は
必然的に一番軽量である兵科、ブレイカーをやることになった。
ブレイカーは武装制限がそれなりに厳しく、軽量装甲というのもあり
気軽に前に出るとスグに撃破されてしまう兵科だ。
だが狙撃用ライフルが唯一持てる兵科であり、気軽に前に出られないこともあってか
完全に狙撃兵と化すブレイカーも多いため
『兵科名は、ブレイカーではなくスナイパーだ』と言われがちである。
そのためか一番プレイ人口の少ない兵科だ。
まあ軽装甲故に機動力が高く、補助系装備もそれなりに装備出来るため
完全な後衛兵科という訳でもないのだが……。
初心者である彼女に当然、そんな癖の強い兵科で前線に立たせる訳にもいかず
比較的安全な後方からの一撃ということで一般的なスタイルである狙撃に回ってもらった。
最初は、初心者セットをそのまま丸投げしようとしたが
何故か【戦場でもお洒落を】がテーマのビビット社製品に走ってしまい
ビビット貸出セット一式になりそうになった。
実用性よりも見た目を重視するビビット社製を初心者が使用してしまうと
変な癖が付いてしまう恐れがあり、まともな練習にもならないだろうと
経験者達で説得し、何とか狙撃ライフルだけは初心者仕様のものを持たせた。
サブ武器に、一応ハンドガンは持たせたものの
それ以外は使いこなせないだろうということで、何も持たせていない。
彼女に狙撃の才能があろうが無かろうが
今の彼女には、狙撃兵としての道しかない。
今後どうなるかは、彼女次第だ。
そして最後は、私。
最近すっかり有名になった零式ライフルに
同じくKAWASHIMA社が作ったリボルバータイプの武器『KAWASHIMAリボルバー』を持ち
接近用にナイフと、攻防に便利な投擲タイプのレーダーに
スモークグレネードとジャミンググレネード。
そしてスタングレネードという感じで、まあ色々と装備している。
今の攻撃的編成を考えるに
しばらくは、このまま戦ってみて
状況次第でそれぞれの装備を考えるという形になるだろう。
まあ、考えても仕方が無い。
今は、初心者3人の能力向上が最優先である。
ルールを完全に覚えて貰わなければ、試合に出せないものね。
という訳でゲームを起動して実際の試合で使われるフィールドを自由に歩き回り
フィールドを覚えつつ、特徴的な施設や戦闘の流れを教えていた。
「では、恵理ちゃん。
全体マップを参照しつつ各施設を説明して下さい!」
*マップ【市街地】
小柄な大場 未来が、先輩面をしたいのか
宮本 恵理に施設の説明をさせる。
「えっとですね。
まず、Sって所がスタートポイント……開始位置ですね。
ここでは、無制限で弾薬・耐久値の回復が行えて
選手の入れ替えや装備の変更なども出来ます。
ゲームのスタート位置でもあり、やられた選手の再出撃場所でもあります。
ここは自軍だけが利用でき、相手側は利用できません。
次にMってところは、軍事施設です。
小さな小屋のような建物が多く、中に入ると弾薬や耐久値の回復が可能です。
小屋自体を障害物として利用することで防衛にも使えます。
この施設は、相手側の施設であっても使用出来てしまうため
一度相手側に取られてしまうと、押し返すのが困難になってしまいます。
またここでは、装備の変更のみ行えます」
基本的には、ゲーム開始時の装備だけで戦う訳だが
開始位置と軍事施設では、事前登録してある自兵科装備に変更することが出来る。
これにより戦況に合わせて装備を変更して戦うことが可能となり
単調な戦場になりにくくなっているのだ。
そして開始位置では、試合中に選手の交代が可能となっている。
LEGENDでは、武器や兵科の相性なども考慮して
結構な頻度で人が入れ替わることがある。
特に入れ替えに関して制限はなく、一度抜けた選手が
数分後に再度入って来ることなども普通だ。
「あと開始位置では、兵科も変更可能だね」
「あっ、そうでした!」
事前に登録したものに限定されるが、兵科が変更出来るという点も重要だ。
アタッカーとして戦っていた敵の1人が
突然予想外な兵科、例えばストライカーで迫撃砲を撃ってきたりなど
そういった攻撃で、一気に崩れたなんて試合も
LEGENDでは、よくある。
そのため常に相手の状況などには、注意が必要だ。
「そして真ん中にあるPというマークが発電所です。
これはバリア装置になっていて、占領すると
相手側の司令塔周辺に展開されているバリアを消すことが可能となります。
なので司令塔を攻撃する瞬間だけ占領出来れば問題がないので
駆け引きが重要な施設です。
最後が、一番奥にあるCというマークの司令塔。
ここは、発電所を占領していなければ進入出来ないよう
電磁フェンスが張られている場所で、防衛施設です。
巨大な壁によって天井や側面が覆われていて
ほぼ真下からしか攻撃部位を狙うことが出来ないようになっています。
この攻撃部位は「コア」や「弱点」などと呼ばれ
攻撃すると直接チームのゲージを減らすことが出来るようになっていて
ほんの少し攻撃が通るだけで敵プレイヤー撃破の数人分ほどのポイントを
一瞬で減らすことが出来てしまうため最重要防衛施設です」
「うむ、ちゃんと基本は覚えたね。
偉い、偉い」
身長的には、宮本の方が大きいので
まるで小さな子供が背伸びをしているようにしか見えない。
まあ本人にそれを言うと面倒なことになりそうなので
言うつもりはないが。
レジェンドは、チームゲージと呼ばれる合計1000ポイントが
チームの持ち点として存在する。
ゲーム中、いかに相手のポイントを削るか
または、いかに多く自チームのポイントを残すかで勝敗が決まる。
つまり相手より多くポイントが残っていた方が勝ちという
単純明快なルールで勝敗が付く。
公式ルールだと
試合時間は、60分。
1人倒すと10点。
チームリーダーを倒すと50点。
コアへの攻撃は、武器にもよるので一概には言えないが
一瞬でも攻撃が通れば、点数を大きく削ることが出来るため
点数差があってもコア攻撃で大逆転可能となっている。
特にリーダーのコア攻撃は、ポイント2倍ダメージなので注意が必要だ。
そうして相手のポイントを制限時間までに多く削るか
相手のポイントを0点にしたら勝ちである。
個人が強ければ成立するゲームではなく
あくまでチームとして動けなければ勝てないゲームだ。
ちなみに撃破されると再復帰まで45秒間。
リーダーに関しては、60秒間復帰まで待機しなければならないペナルティが発生する。
その間、武装交換や兵科交換も可能だが、45秒も試合から遠ざかるのは非常に痛い。
しかも、復帰までは各種通信を聞くことは出来るが、発信することが出来なくなる。
つまり味方の通信は聞こえても、声をかけたり指示を飛ばしたりは出来ない。
なので撃破されると45秒間完全に試合から隔離されてしまう。
そしてリーダーに関しては、撃破されてしまうと通信障害を引き起こすペナルティがある。
これが発生すると味方同士の通信が出来なくなり、直接会話しか不可能になってしまう。
組織的に動く必要があるゲームにおいて、リーダー復帰までの60秒間通信障害というのは
非常に重いペナルティとなる。
なのでリーダーという存在は
・撃破されると‐50P(一般兵は‐10P)
・撃破されると60秒間復帰出来ず(一般兵は45秒間)
・撃破されると60秒間通信障害
・司令塔攻撃時、2倍ダメージを与える
といった感じで狙われやすい反面、メリットらしいものは
ほぼ無いような状態だ。
それでもリーダーは、重要な役割を背負っている。
「あ~、あ~、入ってるわね。
え~っと皆さんにお知らせがあるので
部室に集合してください」
審判用の拡声器によって
監督の前橋さんの声がフィールド内に響く。
それを聞いて一斉にVRを終了して部室に集合する。
「さて皆さん。
初心者3人も練習試合とはいえ
何とか耐えうる状態になりましたので
そろそろ練習試合を行いたいと思います」
「おお、ついに」
「ようやくまともな試合ですわね」
「お~、たのしみ」
練習試合という言葉に盛り上がるみんな。
「練習相手ってどこです?」
相手が気になったので聞いてみる。
「相手は、京都の青峰女子よ」
「……確か去年の京都府代表だったような?」
「そうですよ」
「いきなり府代表ですか?
よく受けてくれましたね」
「霧島 アリスの名前を出したら一発だったわ」
「えぇ~……」
何故、自分の名前で一発なのか……。
「強い所と練習試合が出来る機会は
そうそう多くないわ。
だからこれを機会にどんどんと練習試合をしていく方針よ」
「まあ、そうじゃないとまともな試合できませんからね。
うちは、紅白戦すらやれませんし」
新城の言う通りであるため
誰もその言葉を否定はしない。
むしろ、練習試合を愉しみにしている感じである。
「もちろん勝つつもりで戦って貰うけど
今回は、それぞれの問題点や今後の課題など
様々な点を考慮して見させてもらうから、そのつもりで」
そして週末、ついに初めての練習試合の日となった。
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