最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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第56話 U-18女子世界選手権 決勝 対ロシア:後編

 

 

 

■side:U-18女子日本代表 大場 未来

 

 

 

 

 

「一旦下がって!」

「カバー入る!」

「相手をフリーにするな!」

 

 中央では、珍しいぐらいに通信で連携を取りながら撃ち合っていた。

 

「何としても中央を崩さんことには、勝ち目は無いで!」

 

 リーダーである堀川も施設近くで相手リーダーと互いに牽制攻撃を行いつつ指示を出す。

 試合が始まってから互いのプライド故か、全力の撃ち合いが続いている。

 しかしどちらもあと1歩が詰め切れない。

 そのため点数もまったく動いていなかった。

 

 それは発電所側も同じで、相手は戦う気が無い。

 前に出れば下がり、こちらが下がれば前に出てくる。

 ではそのまま前に押し込めばいいのでは?と思うだろう。

 だがそれをすると相手リーダーの射線上に入ってしまう。

 そうなると一時的にこちらが不利になりそのまま撃破に繋がりかねない。

 こちらのリーダーも一緒に前に出てしまうとそれこそリーダー撃破という怖いリスクが顔を出す。

 そのためこちらはあまり激しい戦いにならない。

 何とか状況を変えたい所ではあるのだが……。

 

「あ~、あと5歩ぐらい前に出たいわ~」

 

「盾カバーしようか?」

 

「それだとたぶん持たないでしょ」

 

 大谷と南がそんな会話をしている。

 全体通信なのは、それに一条と梓が絡むからだろう。

 しかしそのどちらも相手側のエースの1人であるソフィアとかいう相手を抑えていた。

 逆に言えばそいつ1人で2人分の活躍をされてしまっているのだ。 

 

「せめて相手が一瞬でも崩れてくれれば何とかなりそうなんだけどなぁ」

 

「ほう、それホント?」

 

 梓の愚痴に返事をする。

 

「相手があと1人どっか行くなり一瞬でも良いから相手の連携が崩れてくれればね」

 

「……そんなタイミングがあったら確実に弾ぶち当ててるわよ」

 

 私達のやり取りに砲撃の天才と呼ばれる鈴木って奴が入ってきた。

 

「絶対いけるっていうなら私が崩してみようか?」

 

「ん?未来行けるの?」

 

「リーダーさんとお隣さんの全面協力があればね」

 

「今の所何しても崩れる気配あらへんから、何かあるなら提案受け付けるで!」

 

「私も問題無いわ。相手の動きにイライラしてた所だし」

 

 リーダーの堀川と隣で戦う大野が返事をする。

 協力が得られるというのならいけるだろう。

 私が世界選手権に行く前に栄子の奴が渡してきた数々の奇襲プラン。

 その1つを今、ありがたく使わせて貰おう。

 

「さあ、いくよ栄子。お前の考えた一撃を私が完璧に決めてやる!」

 

 

 

 

 

 

■side:ソフィア・アファナーシエヴナ・ドミトリエヴァ

 

 

 

 

 

「マガジンッ!」

 

「はいっ!」

 

 後ろのサポーターから地面を滑らせるように投げられた弾薬補給用の支援装置が足元に届くとスグに弾を補給する。

 常に最前線で相手にプレッシャーをかけつつ味方の支援もと、大忙しだ。

 大盾も耐久値が半分ほどになっており正直交換したい所だが、とてもではないが今下がる訳にはいかない。

 

「……チッ!」

 

 思わず舌打ちが入る。

 ニーナの奴、何が『日本はたいしたことがない』だ。

 私が居なければとっくに押し込まれているような状態じゃないか。

 そもそもここまで私にヘイトが集まっているのに、しっかり周囲に対して最低限度の牽制攻撃が入っていることがビックリだ。

 

 嫌な風切り音がしてその場からブースターで下がると、ピンポイントで砲弾が落ちてきて設置したばかりの支援装置が破壊される。

 まあ弾薬補給は終わっているので致命的ではないものの、ゆっくり補給すらさせて貰えないということに変わりはない。

 

「―――そしてゆっくり打開策を考えている暇もないってね」

 

 まったくもって落ち着かない。

 しかしこの大型ブースターと大盾・大型マシンガンという装備は本当に助かっている。

 前までは両肩ミサイル装備にガトリングガン装備だったが、こちらの方が圧倒的に相手を翻弄出来る。

 何より被弾率を大幅に抑えることが出来て逆に継戦能力が格段に上がった。

 難点があるとすればサポーターの援護が必須になってしまったという点ぐらいである。

 

 自分に対してブースター使用の高機動ストライカーとガトリングに両肩ガトリングというガトリングまみれのがずっと狙ってくる。

 更に正面のアタッカーからは定期的にグレネードが綺麗に投げ込まれ、サポーターからも肩ミサイルが定期的に飛んでくる。

 そして極めつけはブレイカーの狙撃で耐久値を削られたかと思えば、上から突然砲弾が狙ったかのように綺麗に降って来る。

 もはやお祭り騒ぎと言えるだろう。

 

 それでも私は撃破されていない。

 相手も私を撃破出来ない。

 

 こうして私が集中攻撃を引き受けているからこそ、現在優勢に戦えている。

 だからこそ決して油断してはいけない。

 ほんの僅かな隙でも見せれば、そこから一気に持っていかれるだろう。

 

「相手に決して隙を見せるな!その瞬間終わりだぞ!集中しろ!」

 

 そう周囲に叫びながら戦う。

 今は、ひたすら耐えるしかない。

 ここまでの攻撃である以上、相手もそれなりに無理をしているはずだ。

 必ず相手側にも隙が出来る瞬間がある。

 そこを突くことで状況を打開できるはず。

 だからこそ、ここはひたすら耐えるだけだ。

 

「―――ヒィッ!いつの間にッ!?」 

 

 全体通信で突然聞こえてきた、短い悲鳴とその声に嫌な予感がした。

 その直後、ついにキルログが動く。

 やられたのは、こちら側だ。

 

「クソッ!挟まれるッ!?援護を―――」

 

 誰かが何かを言う前に一瞬にして2人目まで撃破された。

 

 

 ―――レッドチーム、発電所制圧!

 

 

 どうやら相手側は、発電所側から仕掛けてきたようだ。

 

「発電所側で2人やられた!軍事施設で食い止める必要がある!至急1人カバー!」

 

 リーダーであるニーナの声に中央のサポーターが1人抜ける。

 流石にそれは無い。

 

「ちょっと!北側簡単に押されてるんじゃないわよ!」

 

「相手が突然障害物を利用して一瞬で距離を詰めてきたのよ!文句なら奇襲された連中に言いなさいよ!」

 

 それを管理したり予測して防ぐのがお前の役目だろうがと言いたいが喧嘩をしている訳にもいかない。

 スグに頭を切り替える。

 

 ただでさえ中央はギリギリだったのだ。

 そこから1人抜けるというのは明確な『隙』である。

 

 考え事をしているとブースター音がした瞬間、相手側のストライカーが仕掛けてきた。

 

「やっぱ、そう来るわよねッ!!」

 

 耐えきれず後退する味方の支援を行う。

 互いにブースターを使用しての高速銃撃戦。

 ほとんど弾が当たらない牽制勝負だったが味方が下がるまでの時間は稼いだ。

 

 だが次の瞬間、反対側から角度をつけてガトリングばかり装備しているストライカーからの一斉攻撃が来た。

 障害物に隠れるだけで済むが、こちらがあまりにも隠れ過ぎると後方の味方が狙われる。

 全員が頭を抑えられてしまうと相手の突撃を招いてしまう。

 

「まだまだぁ!!」

 

 仕方なくブーストを吹かして弾を極力回避か大盾で受けつつ反撃を行う。

 ガトリングの欠点は、常に顔を出し続けなければならない点だ。

 こういう場合、大盾持ちの方が圧倒的有利である。

 相手の耐久値をある程度まで削った所で相手サポーターからのミサイルが飛んでくる。

 それを残り僅かなブースターで回避しつつ障害物の後ろへと逃げた。

 

「―――ッ!?」

 

 しかしそこには、まるで最初からそこに置かれていたかのように時限式グレネードが落ちていた。

 咄嗟にブースターを全力で吹かしつつ盾を構えて後退する。

 その直後、グレネードが爆発して衝撃波をまともに受けて体勢が崩れる。

 

 ブースターのオーバーヒート音が聞こえる中、手にしていた大盾もグレネードにより吹き飛ばされてしまった。

 しかしまだ私の耐久値は半分ほど残っている。

 グレネードの爆発によって周囲に煙幕がある間に逃げるべきだ。

 そう判断してスグ後ろに下がろうとした瞬間。

 

「―――チッ!」

 

 嫌な音が聞こえてきて咄嗟に舌打ちしながら真横に飛ぶ。

 その直後、空から降ってきた砲弾が先ほどまでいた場所に降り注ぎ大爆発を起こす。

 砲撃を完全に避けきれる訳もなく、爆風と衝撃で吹き飛ばされ何度も横へと転がる。

 そしてようやくそれも止まった所で、何とか起き上がるために身体に力を入れる。

 この時ほど痛みがほぼ無いVRで良かったと思うことはない。

 これが現実なら痛みなどでしばらく立ち上がれないはずだからだ。

 

 どうした!どうした!私はまだ生きているぞ!この程度か、日本人ッ!!

 

 心の中でそう叫びながら隣に落ちていた自分の大型マシンガンを手にしつつ立ち上がる。

 周囲は砲撃による爆発によって発生した煙幕でほとんど何も見えない。

 この隙に逃げ出すべきだ。

 そう思った瞬間だった。

 煙の中から『銃弾』が私に向かって飛んできたのが見えたような気がした。

 

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 

 ◆ヘッドショットキル

 × ロシア :ソフィア・アファナーシエヴナ・ドミトリエヴァ

 〇 ジャパン:マイ・シライシ

 

 

 気づけばそこは、復活カウント待ちの部屋。

 ここを見たのはLEGENDを始めた最初の頃以来だ。

 

 ログを見て何が起こったのかを確認すると、悔しさから思わず操作パネルを思いっきり両手で叩く。

 

「―――クッソォォォォーーーーー!!!」

 

 

 

 

 




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 見直したりしているはずなのに、どうしてこんなにあるのか不思議で仕方が無い誤字脱字。
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