最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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中林(なかばやし) 佐由子(さゆこ):新潟田所2年。大型マシンガンと両腕に腕部2連ロケを装備し、両肩ミサイルを持つ攻撃的ストライカー。


第64話 VS新潟田所練習試合:前編

 

 

 

 

■side:私立琵琶湖スポーツ女子学園1年 三峰(みつみね) 灯里(あかり)

 

 

 

 

 

 試合開始のアナウンスと共に一斉に走り出す。

 大型ブースターを装備した新城先輩は、私達より圧倒的に早く最前線へと駆け抜けていく。

 対して私は、重装甲故に鈍足であるため移動に少し時間をかけてしまう。

 同じく隣で走る恵理とあまり変わらない速度なのを見ると私はストライカー並みの状態になっているようだと、何処か他人事のように思ってしまった。

 

 元々中央を上から抑えるはずの私達だったが、新城先輩の高機動により1つ前のエリアまで押し込めたようでそれに便乗する。

 相変わらず先輩は凄いなと思いながら到着した時には、既に激しい銃撃戦の最中だった。

 

 

 ―――レッドチーム、発電所制圧!

 

 

 銃撃戦に参加し始めた瞬間、会場に響き渡るアナウンス。

 それと同時に全体通信が入る。

 その内容は『相手側にもブースターを使う選手が居て下側をワンフロア押し込まれた』というものだ。

 そこでマップを確認すると、事前に聞いていたとはいえ凄いマップだなと改めて思った。

 

 

*画像【地下通路:戦闘】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 元々このマップは近距離の撃ち合いで乱戦にもなりやすいため、常に2方向以上を警戒しなければならない場所だと聞いていた。

 頭では解っていたつもりだったが、実戦になるとそれが如何に甘い考えだったかを理解する。 

 

 先ほどから撃ち合いをしているが、敵司令塔側に居る相手が牽制攻撃を何度も仕掛けてくる。

 牽制攻撃と言っても大型マシンガンだ。

 威力が十分ある攻撃である以上、無視など出来ない。

 それを倒しに行きたくとも中央からの攻撃が激しい。

 相手の誘うような動きについ前に出てしまう。

 

「宮本ちゃん、下がって!前出過ぎ!」

 

 それは恵理も同じだったのか。

 いつの間にか最前線に出て戦っていた恵理は、相手からの集中砲火を浴びていた。

 流石に新城先輩に注意され、本人も危ないと思ったのだろうか。

 下がろうとした恵理に相手の攻撃が更に集中する。

 そりゃ罠にかかった獲物をそう簡単に離す訳がない。 

 

 相手ストライカーの1人が新装備である大型ロケットランチャーを大盾で防御に徹する恵理に命中させた。

 爆発と共に大盾が一瞬で破壊される。

 それに驚く恵理だが、その一瞬の思考停止のせいで正面のガトリングと側面からの2連ロケの直撃を受けてしまう。

 今までの蓄積ダメージもあってか、結構あっけなくそのまま光の粒子となって消えた。

 

 

 ◆キル

 x 滋賀琵琶湖:宮本 恵理

 〇 新潟田所 :中林 佐由子

 

 

 早々に1キル取られてしまった。

 私は相手がこれ以上前に出てこないように前に出ながらアサルトライフルを撃つ。

 しかし―――

 

「三峰ちゃん、無理しない!下がって!」

 

 私を庇うような位置まで既に移動していた先輩が、通信で叫びながら援護してくれる。

 しかしこのタイミングで下がってしまうと前に出ている中央が危なくなってしまう。

 

「でも今下がったら!」

 

 だから攻撃しつつも反論する。

 ここで上側まで抑え込まれたら一気に雪崩れ込まれてしまう。

 

「今この場で踏みとどまる方が危険だよ!私達までやられちゃ足止めすらできない!」

 

 そう言われ、下がろうかそれとも踏ん張るかを迷ってしまった。

 だから私はダメなのだろう。

 先輩が私よりも後ろに下がった瞬間。

 

 相手側から飛んできた大型ロケットランチャーを何とか回避する。

 しかし至近弾ということもあって爆風で体勢を崩してしまう。

 だが重装甲のおかげでダメージは無かった。

 更に相手のガトリングによる追撃も装甲により大幅軽減されており、これなら十分粘れるのでは?と思えてしまう。

 そんな私の甘えを……神様は許さなかったらしい。

 

 側面に居る相手の腕部2連ロケのうちの1発が体勢を崩した私の頭部に偶然命中した。

 

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 

 ◆ヘッドショットキル

 x 滋賀琵琶湖:三峰 灯里

 〇 新潟田所 :中林 佐由子

 

 

 目の前に現れた復活カウントを見て、私はやられたことを知る。

 

「……ダメダメだなぁ」

 

 思わずため息を吐く。

 最近頑張っても頑張ってもどういう訳か、強くなっているという感覚が無い。

 それどころかさっきの先輩の注意も無視してしまったようなものだ。

 自分より上の相手の意見を聞かないとか……。

 

「はぁぁ~。ホントダメだなぁ~」

 

 

 

 

 

 

■side:新潟県立田所高等学校1年 南保(なんぽ) (たま)

 

 

 

 

 

 試合開始のアナウンスと同時に一斉に飛び出した。

 しかし相手の方が展開が早かったために上側を押し込まれてしまい、中央まで少し押し込まれる形になった。

 

 

 ―――レッドチーム、発電所制圧!

 

 

 発電所が取られたアナウンスは、当然だろう。

 しかし相手は無理出来ない。

 無理すれば司令塔を強引に攻撃することは出来るだろうが、その後のカウンターで押し込まれる方が痛い。

 つまり今、北側へ押し込んでいる連中が馬鹿なら一気に勝負が決まる状態だ。

 

「まあ、そう上手くはいかないよね」

 

 そう呟いて一人で笑う。

 そこまで馬鹿な連中だったら全国大会優勝など不可能だろう。

 思った通り北側はそれ以上動かなかった。

 対して南側は、リーダーが開幕高機動を活かして前に出たおかげで優位を取れている。

 この優位をどれだけ保ちつつKD戦に持ち込めるかが肝心だ。

 

 配置的に中央にもう少し圧力をかけたい所だが、誰も中央へは行かない。

 困った連中だなと思いつつ私が一番危ない場所で相手を牽制し始めると冴の奴もカバーしにきた。

 冴ですらちゃんとカバー出来るのに、他の連中は一体何なのだと言いたい。

 だからこそ全国大会では予選落ちしたのだ。

 あまりにも周囲のレベルが低すぎる。

 これで強豪校の1つだというのだからお笑いだ。 

 そう思いつつ銃撃戦を繰り返す。

 

 

 ◆キル

 x 滋賀琵琶湖:宮本 恵理

 〇 新潟田所 :中林 佐由子

 

 

 気が付くとログが更新された。

 上側の相手を1人倒したようだ。

 

「どうしてこういうことが全国で出来ないのか」

 

 不愉快さを隠そうともせずそう吐き捨てる。

 こいつらがもう少しこうしてちゃんと仕事をしていれば予選敗退などしていなかったはずなのに。

 そうなれば私も、もっとアピール出来たし世界大会に出場出来たかもしれない。

 

 

 ―――ヘッドショットキル!

 

 

 ◆ヘッドショットキル

 x 滋賀琵琶湖:三峰 灯里

 〇 新潟田所 :中林 佐由子

 

 

 またもキルログが動く。

 今度はヘッドショットだ。

 しかし中林先輩はストライカー。

 恐らく何かしらの偶然によるヘッドショットだろう。

 まあそれはどうでもいい。

 これで北側を押し込めるようになって一気にこちらが優勢になる。

 

 すると直後、相手側のショットガンばかり撃つふざけたアタッカーが突っ込んできた。

 

「焦って玉砕とか素人がっ!」

 

 大型マシンガンを撃ちつつ肩ミサイルも発射する。

 だが相手はマシンガンを多少くらいつつもミサイルを前に出ながらギリギリのタイミングで回避。

 そこでショットガンを構えて撃ってくる。

 思わず構えていたマシンガンを盾にしてしまい、ショットガンの連射をまともに受けたマシンガンが使用不能判定となった。

 

 相手は更に滑るように正面までやってくる。

 それに舌打ちしつつも小盾を構える。

 これでショットガンを防御しながらマシンガン側の腕についている腕部ロケを至近距離で撃ち込めばいい。

 マシンガンが壊れた以上、そこから更に追撃が来るとは思わないはず。

 あくまでバレないように逃げる振りを演出するのも忘れない。

 

 こちらが腕部装着型の小盾を構えたのを知りつつ、その小盾に正面からショットガンを構えた。

 先ほどとは違うショットガンだが、どんなショットガンを使おうとも結果は変わらない。

 最悪小盾は破壊されるだろうが、そこで終了だ。

 勝ったと思った瞬間に現実を突きつけてやろう。

 

「残念!惜しかったわね!」

 

 皮肉たっぷりにそう言うと―――

 

「―――そうだね、惜しかったね」

 

 相手は、こちらを鼻で笑いながら引き金を引いた。

 響き渡る発砲音。

 そして目の前には復活カウントの表示。

 

「―――はっ?」

 

 意味が解らなかった。

 一体何が起こったのか?

 ただキルログを見ると―――

 

 

 ◆キル

 x 新潟田所 :南保 珠

 〇 滋賀琵琶湖:大場 未来

 

 

 その表示を見ても現実が受け入れられない。

 あの状況で、どうしてこうなったのか?

 一撃の威力が高いG.G.G製でも、小盾を抜いて耐久度全てを吹き飛ばすなんてあり得ない。

 

「何がどうなってるのよっ!!」

 

 私は思わず叫びながら、怒りにまかせてVR装置の一部を足で蹴った。

 

 この撃破のせいで中央を抜かれたことを悟った新潟田所の上側侵攻組は、追撃するのは危ないと判断して後退しつつ中央の援護を行う。

 それにより何とか上側と中央のバランスが取れた形となり、決定的な乱戦への突入はひとまず回避されることとなった。

 だが、このまま押し込めば行けると思っていた南保からすればそれは臆病者の考えにしか見えず一人カウント待ちの間、誰にも聞かれないことを良いことに暴言を吐き続けた。

 

 

 

 

 




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