最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる   作:のこのこ大王

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■□■□注意事項■□■□
Alice in Wonderland シリーズは全て過去編です。

今回の話は宮本の話で、前回の大阪日吉戦の直前までの話であり過去編なのでご注意下さい。


Alice in Wonderland chapter_1

 

 

 

■side:私立琵琶湖スポーツ女子学園2年 宮本 恵理

 

 

 

 

 

 正直な感想を言うと『意味が解らなかった』という状態だった。

 対外試合がほとんど組めずに監督が悩んでいるという話は聞いていた。

 そこからプロとの試合が組まれたまでは、まだ何とか理解も出来ていた。

 

 でも、私が理解出来たのはそこまでだ。

 気づけば謎の空間に投げ込まれていた。

 右を見ても左を見ても、世界的に有名な選手がウロウロしている。

 U-18で対戦していた選手達が仲良さげに会話をしている。

 何より、そんな人たちが即席チームを組んで試合をしているのだ。

 

「ここは、好きに・自由にLEGENDを愉しむ所よ」

 

 アリスさんがそう言うが、それで納得出来るほど私は天才ではない。

 一緒にここに来たチームメンバーの大半も、この光景に驚いていた。

 

「あとは自動翻訳機片手に好きに交流をしてね」

 

 そう言って去っていくアリスさんを呼び止めることも出来ず呆然とする私。

 だが、気づけば少しづつみんなが動き出す。

 こうして10分もしないうちにほとんどの人は、色んな集団に混ざっていた。

 

 アリスさんは、ブレイカーを集めて零式ライフル最速リロード女王決定戦などという大会を開催をしていた。

 新城先輩と千恵美さんは、色んなストライカーの選手に対戦を申し込む旅に出ていた。

 藤沢先輩と神宮寺さんは、40代ぐらいの女性3人と何やら自分達の装備に関して熱心に話し込んでいる。

 杉山先輩を中心としたサポーター組は、サポーターの選手が集まっている集まりに参加している。

 逆に大場先輩を中心としたアタッカー組は、アタッカーの集まりで何やらグレネードについて熱く討論をしていた。

 シャーロットさんは、謎の接近戦大会に参加していた。

 

 そして私は―――

 

「よそ見をしない。その一瞬が命取り。しっかり相手の動きを見ろ」

 

 自動翻訳機の何とも言えない音声を聞きながら練習をしていた。

 ついでに言うと灯里ちゃんや結菜ちゃんなども参加している。

 

 発端は『なんでも相談に乗る』というロシア人の女性の話からだった。

 伸び悩んでいた私は、勇気を出して翻訳機片手に話しかけた。

 

「あのっ!」

「あのっ!」

 

 丁度、灯里ちゃんと同じタイミングだった。

 そこから相談事をしていると、行き場が無かったのか結菜ちゃんがふらふらとやってくる。

 こうして私達は、色んな話を聞いて貰った。

 

 すると女性は『心配するな。私に任せろ』と言って立ち上がった。

 そこからまさに地獄の特訓だった。

 自動翻訳機の何とも言えない声のおかげでマシだったが、これが直接罵声だったら心が折れていたかもしれない。

 それぐらいに厳しい特訓をすることになったのだ。

 

 しかも今まででは考えられないような、体勢の指導や銃の構え方という初歩的な所から状況に合わせた動き。

 そして装備変更の相談など幅広く対応して貰えた。

 

 途中でアリスさんとロシアのダブルエースの2人が、こちらを見て何かを話していた。

 ダブルエースの2人の何とも言えない顔が印象的だった。

 

 後日その話をアリスさんに聞くと『捕まったか。犠牲者が出たね。あれは死んだな』などとロシアの2人が言っていたらしい。

 詳しく話を聞けば、あの女性はロシアのダブルエースを育てたと言われているクラブチームの監督で、向こうでは有名人だそうな。

 ロシアの2人も当時、かなり無茶な練習をさせられたらしく未だに頭が上がらず逃げ回っていると笑いながら教えてくれた。

 

 そんな人に指導を受けていたのかと驚き、2人に話すと2人とも大いに驚いていた。

 それからというもの、時間があると必ず私達の所にきて指導してくれるようになった。

 どうしてそんなに面倒を見てくれるのか?と尋ねると―――

 

「私も昔はプロを目指してたの。でも壁に何度もぶつかるような才能の無い選手でね。結局プロにはなれなかった。でもLEGENDが好きでこれしか私には無かったわ」

 

 そう言いながら、どこか遠くを見ているような目になる女性。

 

「LEGENDに関われるならってクラブチームの雑用からはじめて何でもやったわ。そして運に恵まれて今はこうして監督が出来ている」

 

 気づけば女性は、私達を見ていた。

 

「だからかしらね。アナタ達のような選手を見ていると、どうしても世話を焼きたくなるのよ」

 

 この話を聞いた私達は、その日から更に徹底した指導をお願いするようになった。

 そしてこの時からそれぞれの方針が決定したともいえる。

 

 私は、ブースターをひたすら練習させられた。

 そして大盾と大型マシンガンによる高機動防御型というロシアの守護神であるソフィアと同じスタイルを追求することになる。

 これは監督が『性格的に攻めに向いていない』と言っていた所からこうなった。

 

「ただブースターに頼るな!相手の動きから次を予測しろ!マシンガンは片手で撃て!反動を制御しろ!」

 

 散々反復練習の日々。

 そしてようやくそれが終わったと思ったら、この集まりに参加している世界レベルの選手達を相手に実戦練習へと移行した。

 何度やられようが、何度失敗しようが『さっさと起き上がれ』と言われ練習が続けられる。

 

 それでも私達は、頑張った。

 泣き言なんて誰も言わなかった。

 今、恐らく一番恵まれているのだ。

 これで文句なんて言えるほど私達は天才でなければ、バカでもない。

 この瞬間、頑張れないのならLEGENDが好きなんてもう一生言えないだろう。

 

 気づけばアメリカやロシアの代表選手達と撃ち合いを続けられるまでになっていた。

 それでも、少しでも気を抜けば―――

 

「―――ああっ!?」

 

 復活カウントの表示。

 ログを見れば、アナスタシアと出ていた。

 

「恵理ッ!!戦場で考え事とは良い度胸だなぁ!!」

 

「すいませんッ!!」

 

 アリスさんに教えて貰ったおかげもあり、今では少しだけだが監督が何を言っているかも解るようになってきた。

 こうして私は、今まで悩んでいたのが馬鹿らしくなるほどの徹底した指導で、気づけばいつの間にか悩みが消えていた。

 

 ―――そして。

 

 試合のメンバーが発表された。

 琵琶湖女子は18人。

 二軍10人としても一軍8人になってしまう。

 そのため一軍枠として二軍から参加出来るのは2人。

 

 つまりこの2枠を争うのが今回の10人の戦いとなる。

 アリスさん達がベンチに座るのは、何も相手を舐めているからじゃない。

 私達の特訓をみんなが評価してくれて『チャンス』をくれているのだ。

 

 今回の相手は、あの『大阪日吉』だ。

 しかし相手が誰であろうが関係ない。

 自分のやれることをただやるだけ。

 

「さあ、アナタ達の実力を見せつけてあげなさい!」

 

「了解ッ!」

 

 監督の言葉に返事をしてVR装置の中に入る。

 そしてただひたすら合図を待つ。

 

 ―――試合開始!

 

 アナウンスと共に鳴り響く音と共に、私は走り出した。

 

 

 




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