東京レース場は、依然として大混乱に陥っていた。
レース場にしばらく正式なアナウンスはなく、ただただ電光掲示板に示された結果が全てだと言わんばかりに、無機質な数字が並んでいる。
圧倒的な強さを見せつけたメジロマックイーンを示す13番は無く、1位が入るはずの場所には、プレクラスニーの番号である10番が示されていた。
「おい!どういうことだよ!」
「説明しろ説明を!!」
「どうみたってメジロマックイーンが勝っただろうが!!」
混乱は感情の乱れを生む。
乱れは徐々に伝染していき……怒りや悲しみといった負の感情として連鎖する。
会場に来ているファンの多くは、メジロマックイーンを応援しに来ている。
仮にそうでなくても、メジロマックイーンにマイナスの感情を持っている者などほとんどいないのだ。
とすれば、この意味もわからない降着処分がどのような状況を生むことになるのかは、火を見るよりも明らかだった。
「まずいぞ……このまま何もしなければこれからのトゥインクルシリーズの運営に関わる……」
「でもいったいどうしたら……!」
チームリギルのメンバーも、あまりの緊急事態を前にうろたえている。
トレーナーであるハナに待機していろと言われた以上は待機するしかないのだが、この会場の大混乱を目の前にしては、何もせずに黙っていろという方が難しい。
「あの、何故メジロマックイーンさんは降着になったのでしょう?」
リギルの……とりわけ下級生を代表して、栗毛をロングに伸ばしたグラスワンダーがシンボリルドルフに問う。
審議を示す青いランプは、レース中盤から既に光っていた。
「……おそらくスタート直後の……メジロマックイーンの“斜行”だろうな」
「……斜行……ですか」
レースはその性質上、まずはゲートが開いて全員が真っすぐ走ることになる。
これによって普段は全員がある程度自分の走るスペースを確保することができ、そこから速度を各々が上げることによってレースを進行する自分の位置というものが決まるのだ。
しかし今回の天皇賞は、スタート直後にコーナーがあった。
これが、マックイーンにとっての罠だったのだ。
マックイーンはスタートダッシュを決めると、コーナーを有利に走れる内側を取るためにに、勢いよく内側に切り込んだ。
自身のスタート位置である外枠から一気に、だ。
当然マックイーンよりも内側でスタートしているウマ娘たちの進行を妨げることになり、一番被害にあったウマ娘がバランスを崩し転倒……レースを走り切ることはできたものの、圧倒的な最下位でゴールしている。
これが、他のウマ娘の進行を妨げた違反行為である……とそうみなされてしまったのだ。
「今回のレースはたまたまスタート直後にコーナーがあるコースだった……マックイーンはスタートで抜け出して良い位置を確保しようとしたのだろうが……悪意はないだろうが裏目に出てしまったな……」
ルドルフの解説を聞いて、リギルのメンバーもようやく合点がいった。
しかしそれは同じウマ娘である彼女たちだから納得がいくのだ。
一介のファンでしかない会場の人間が、その解説を聞いたとて、仮に頭では理解できたとしても感情としては到底理解できるものではないだろう。
ここにいる多くのメジロマックイーンファンは、彼女の天皇賞春秋連覇を信じて応援にきている。
そしてそれが、目の前で現実となったのだ。
少なくとも、あの時までは。
その結果がひっくり返されてしまうとあっては、ファンの怒りを抑えることは難しいだろう。
そういったことが容易に想像できてしまうから、シンボリルドルフは心中穏やかではなかった。
(メジロマックイーンは相当なショックだろう……そしてそれ以上に……)
レース場に目をやれば、未だに雨の中佇む一人のウマ娘の姿。
ただただ呆然と電光掲示板を見つめる彼女は、一体何を思うのだろうか。
理解ができなかった。
振り続ける雨も気にならず、ただただ結果が示される掲示板を見つめる。
(え……?)
あの時確かに、マックイーンは自分を交わしてトップに躍り出た。
圧倒的な速度で、力で。
あそこまでを見せつけられれば、クラスニーだって諦めがつくというもの。
むしろ次頑張ろうと、前向きな気持ちになれていたのだ。
それが、今はどうだ?
耳に入ってくるのは観客の怒号と悲鳴。
結果の撤回を求める声と、数々の非難。
何が起こっているのかを理解するのは、難しかった。
「プレクラスニーさん!勝利者インタビューありますので戻ってきてください!」
運営の者であろう人間に、声をかけられる。
頭は依然真っ白だが、促されるままにクラスニーは歩き出す。
隣にいたネイチャに映ったクラスニーの姿は、目は虚ろで、今にも折れてしまいそうな危うさを漂わせていて。
気付けばネイチャは立ち上がってクラスニーの名前を呼んでいた。
「クラスニー……クラスニー!」
呼び止めるネイチャの声が、プレクラスニーにようやく届く。
「……大丈夫……だから」
振り返った彼女の弱弱しい笑顔が、ネイチャの胸に強く突き刺さった。
どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
プレクラスニーは、夢を叶えた。
トゥインクルシリーズのウイニングライブで、センターで歌うという夢を。
しかしその夢は、酷すぎる記憶と共に語り継がれることになる。
「クラスニー!!!!」
舞台袖で待っていたナイスネイチャが、ライブを終えたばかりのプレクラスニーを抱き留めた。
普段から白い彼女の肌は、生気を失ってもはや青白くなってしまっている。
彼女の悲しみを受け止めるように、冷めきってしまった身体と心を温めるように、ナイスネイチャは泣きながらクラスニーを抱きしめる。
「ネイチャ……私、夢かなえたのかなあ……」
「ッ……!いいのよ……あんたは頑張った……頑張ったんだから……!胸張っていいの……!」
クラスニーの表情は見えない。
しかし、声が震えていることだけは確か。
ネイチャは思う。
こんなのが、結末であっていいはずがない。
クラスニーが、歌いたい、踊りたいと願った夢の舞台が、こんなものであるはずがない。
夢を信じて走り続けた少女の『心』を、ここで折っていいはずがない。
か細い声が、小さくネイチャの耳に届いた。
「ねえ、ネイチャ……」
抱きしめられていた身体をゆっくりと離し、ネイチャとクラスニーが、目を合わせる。
「……ッ……!」
ネイチャが、息をのんだ。
クラスニーの瞳に、光が無い。
ねえ。
愛しい親友のナイスネイチャ。
どうか答えて欲しい。
夢をかなえた今の私は。
「……上手に、笑えてるかな」
貼り付けたような笑顔が、あまりにも痛々しかった。
翌日。
先日から続く曇天が、トレセン学園に雨を降らせていた。
メジロマックイーンの降着。
プレクラスニーの繰り上がり一着は、トレセン学園中……いや、日本中に衝撃を与えた。
トゥインクルシリーズ始まって以来の大事件。
今まで違反によって降着処分になったウマ娘こそいたものの、トゥインクルシリーズのG1……それも一着で駆け抜けたウマ娘が最下位に落ちることなどなかった。
数々のメディアが、昨日の天皇賞を報道する。
『メジロマックイーン降着』
『悪夢の天皇賞』
『ウイニングライブ史上最低の観客数』
『幸運のG1ウマ娘現る』
メディアは好き好きに昨日の大事件を伝えていた。
渦中のウマ娘達が、どんな気持ちであったかなど考えることもなく。
チームスピカの部室にも、そんな新聞記事が数々並んでいる。
部室内の空気は、お通夜のように沈んでいた。
「わたくしのせいですわ……」
とりわけ、この事件の渦中にいたメジロマックイーンのショックは大きい。
違反走行で降着。
チームにも、そしてトゥインクルシリーズの歴史にも無いことをやってしまったのだ。
「で、でも、マックイーンさんは実際は一着だったんだし、次勝てば……」
そんな暗い雰囲気を少しでも明るくしようと、スペシャルウィークがマックイーンに声をかける。
しかしその声のかけ方は、今だけは逆効果だった。
「わたくしのことなど!!!どうでもいいのです!!!!」
聞いたことがないほどのマックイーンの声量に、部室にいた一同がたじろく。
マックイーンは両手で自身の顔を覆いながら、ゆっくりと言葉を紡ぎ出した。
「わたくしのことは……どうでもいいんです……けど、わたくしは……わたくしはッ……!クラスニーの夢を汚してしまった!!誰よりもあの舞台に憧れ、夢を追い続けていた彼女の夢をッ……!!!こんなつもりでは……!こんなつもりではなかったのに……!!!」
スピカの面々だって、プレクラスニーのことは少なからず知っている。
ライブで良いパフォーマンスをするために、テイオーにステップを習おうとしていたこと。
明るい彼女が、ウイニングライブという舞台に並々ならない想いを抱いていたこと。
それを知っているからこそ、昨日の悪夢は、悪夢と呼ぶにふさわしいのだ。
昨日の天皇賞、そのウイニングライブに訪れた観客は……レースに来ていた中のわずか100分の1にも満たなかったと言われている。
雨に打たれながら歌い続ける彼女の姿は、痛々しくてとても最後まで見ていられるものではなかった。
誰もがマックイーンにかける言葉が見つからず、口をつむぐ。
「……カノープスの……トレーナーさんの所に行ってきますわ……」
よろよろと立ち上がるマックイーンを、スピカの面々は送り出すことしかできない。
今、かけられる言葉はあまりに少ないのだ。
マックイーンがトレセン学園内の、とある部屋を訪れる。
ここはチームカノープスのトレーナーがいつも事務をこなしている部屋。
軽く2回ノックをしようとして……既に中で誰かと話していることを確認する。
中からは、よく聞き慣れた声。
まさかと思い、マックイーンが部屋の扉を少し開ける。
(……!)
マックイーンが驚きに目を見開いた。
そこには、スピカのトレーナーが地面に膝をついて頭を下げている姿があったのだ。
「すまなかった!!!!あれは俺の責任だ!!!!俺がマックイーンに内側のコース取りを指示してしまったがために!お前のチームのプレクラスニーの夢を、壊してしまった!!!責任は全て、俺にある!!!だからどうか、メジロマックイーンを責めないでやってくれ!!!」
(何をバカなことを……!)
スピカのトレーナーの頬はやせこけ、目元はクマで覆いつくされていた。
しかしそれは、カノープスのトレーナーにも、同じことが言える。
彼も同じく目にはクマがはっきりと見え、机の上には数々のエナジードリンクと、山積みにされた書類が置かれている。
おそらく、睡眠などろくにとれていないのだろう。
「……今回のことは、不幸な事故でした。誰が悪いわけでもない……プレクラスニーは、私の方でなんとかします。それが……トレーナーの役目ですから」
「すまなかった……本当に……!全ての責任は、俺にあるんだ……!」
何と言われても、スピカのトレーナーが頭を上げることはない。
確かにマックイーンにレース直後のコース取りを指示したのはスピカのトレーナーだった。
しかしそれは、一概に悪手と呼べるようなことでもない。コーナーを内側で迎えたいと狙うのは当然のことで、今回はたまたま、それがレース直後にあった。もう少し早くマックイーンが前に出れていれば、他のウマ娘の進行を邪魔することにはならなかっただろう。
それがわかっているからこそ、マックイーンは居ても立っても居られなくなったのかもしれない。
「いいえ、それは違いますわ」
「……!マックイーンお前いつから……!」
マックイーンがトレーナーの隣に立ち、深々と頭を下げる。
「悪いのは、わたくしです。もっとスタートを速く駆け抜けていれば……こんなことにはなりませんでした。わたくしからも、正式に謝罪をさせてください」
「違う……!マックイーンは悪くないんだ……!」
頭を深々と下げたまま目を閉じるマックイーン。
その姿を見て、カノープスのトレーナーは一つ、息を吐いた。
「もし、そうですね。謝罪をしてくれるというのであれば……メジロマックイーンさん。あなたはプレクラスニーさんを気遣ってあげてください。彼女とは……仲が良いんですよね?」
「……!」
「謝るべきは……僕じゃない。そもそも謝る必要すらないと思っているのですが……仮に謝らなければ気が済まないと言うのでしたら、その気持ちはプレクラスニーさんに伝えてください」
実の所、マックイーンはあの後クラスニーに声をかけられていない。
いや、かける言葉が見つからなかったのだ。
涙を浮かべて歌い続けた彼女の姿を、マックイーンは最後まで自身も泣きながら見届けることしか、できなかったのだ。
両手を、強く握りしめる。
「お願いします。メジロマックイーンさん」
カノープスのトレーナーが、頭を下げるマックイーンに言葉を続ける。
「プレクラスニーさんは今日……自室から一歩も出れていません」
マックイーンの胸が、より一層締め付けられた。
トレセン学園内を、マックイーンが歩いていく。
こんな時に限って、こそこそと話す噂話がマックイーンの耳に入ってきた。
「カノープスラッキーだねーこんな形でG1初勝利が転がり込んでくるなんて」
「でも恥ずかしくないのかな?あんなの誰がどうみたってトップじゃないでしょ」
「いいなあー私もなんでもいいからG1ウマ娘になってみたい~」
(うるさいうるさいうるさいうるさい……!!!)
学園内は昨日の天皇賞の話題で持ち切りだ。
トップクラスのウマ娘たちはこんな話はするわけもないが、どこにでもこういう噂好きというのは存在する。
そしておそらく、トレセン学園の外でも同じようなことが起こっているのだろう。
『プレクラスニーはメジロマックイーンの降着によってG1ウマ娘になったラッキーなウマ娘である』、と。
それが悔しくて仕方ない。
彼女の努力を近くで見てきたからこそ、彼女のことを『ラッキー』だけで済ませる輩がどうしようもなく許せない。
(でもわたくしは……わたくしは一体何と声をかければ……!)
彼女の夢を壊したのは、間違いなく自分の違反走行。
謝るとして、どんな顔をして謝ればいいのだ。
彼女はきっと、マックイーンの実力を認めてくれている。
そんな彼女に、6バ身もの差をつけて勝ったレースを謝るというのは、その行為自体が彼女に対する冒涜になるのではないか?
答えが出ない。
クラスニーの部屋へと向かいながら、様々な言葉がマックイーンの頭に浮かび上がっては、消えていく。
(わたくしが、彼女に示せる誠意は……!)
トレーナーの行動を、無駄にはできない。
彼女は覚悟を決めて、クラスニーの部屋へと向かうのだった。
外は雨が降っていた。
昨日と同じ、雨。
流れる雨音を聞き流しながら、クラスニーは膝を抱えて座っている。
午前中には、生徒会長であるシンボリルドルフが訪れた。
力なく返事をするクラスニーに、彼女はできる限りの助力はする、と優しい言葉をかけてくれた。
(私は……これから何を目標に走ればいいんだろう)
幼い頃からの夢。
憧れのウイニングライブは、クラスニーにとってあまりにも酷なものだった。
夢を叶えたはずなのに。今クラスニーに残っているのは、やり場のない悲しみと、虚しさだけ。
コンコン、と部屋の扉をたたく音に、わずかにクラスニーの耳が動く。
「クラスニー……朝から何も、食べてないでしょ?もしよかったら、学食行かない?」
このトレセン学園に入って一番言葉を交わした親友の声が、扉の外から聞こえてくる。
「ありがとう……でも、大丈夫だから」
とてもか細い、声。
いつも明るくて、元気を振りまいていたクラスニーの姿は、今はない。
「クラスニー、ここ、開けてもらえるかな?」
「……うん」
ゆっくりと、部屋の扉が開く。
ネイチャが部屋に入って見たクラスニーの姿は、とても弱弱しいものだった。
クラスニーのベッドに、二人して腰掛ける。
クラスニーの目元には、泣き腫らした痕がありありと残っていた。
数秒の無言があって、ネイチャが口を開く。
「テイオーね、菊花賞出れないって」
「え……」
「まあ、考えてみれば、当たり前よね!あんな時期に、怪我したんだもの……」
トウカイテイオー、菊花賞欠場。
無敗の三冠ウマ娘がかかっていた彼女だったが、最後まで骨折は快復することがなく、やむなく菊花賞の出場を断念したという。
「そんな……ネイチャと、私の……夢が……」
せめてナイスネイチャの夢だけは。
自分の夢は思いもよらない形で瓦解してしまったけれど、ナイスネイチャにだけは夢をしっかりとかなえてほしいと思っていたクラスニーは、次々と起こる不運に、思わず顔を覆ってしまった。
どうしてこんな不運が重なるのだろう。
自分が一体何をしたって言うのだろう。
涙はとめどなく溢れ続け、クラスニーの両手を濡らす。
しかし、ネイチャから出てきた言葉は、クラスニーの想像とは違う物だった。
「でもね。私、走るから」
「……!」
覆っていた手を外し、隣にいるネイチャの横顔を見る。
テイオーと戦うためにここまでのレースを勝ってきたのだ。
テイオーの欠場がどれだけ悔しい事なのか、クラスニーにとっても想像するに余りある。
プレクラスニーと同様に、勝っても『トウカイテイオーがいなかったから』で済まされてしまう可能性があるのだ。
だというのに、目の前の少女は全くブレていない。
自分の走りを貫くことに、躊躇がない。
「だから……だからクラスニー。菊花賞、必ず見に来て。私、頑張るから」
「ネイチャ……」
ネイチャの情熱に、優しさに、笑顔に……。
雨で冷え切っていた心が、徐々に温まっていくような、不思議な感覚。
「じゃ、私行くね。ご飯は、しっかり食べるんだよ」
「うん……」
きっとネイチャは今から練習に行くのだろう。
今はまだ、踏ん切りはつけられないけれど、ネイチャの言葉で少し、クラスニーは気分が楽になっていた。
ネイチャの後ろ姿を見送って、彼女は扉を閉めようとする……その瞬間。
閉じかけた扉が、一人の少女によって止められる。
「クラスニー」
「……!」
そこには、マックイーンの姿があった。
二人の間に訪れる、わずかな静寂。
意を決したように、マックイーンが切り出した。
「まずは謝罪をさせてください。わたくしのせいで……あなたには辛い思いをさせました」
「……マックイーンが悪いわけじゃないよ」
昨日の悲劇は、誰が悪いわけでもなかった。
マックイーンの斜行は、不運な事故。
それがわかっているからこそ、クラスニーはこの気持ちをどこにぶつけていいのかわからないのだ。
「ありがとう、ございます……そしてクラスニー、無理を、無理を承知で言わせてください」
マックイーンの瞳が揺れている。
親友でありライバルであった彼女たちの関係は、この2日間で過酷な運命に晒された。
それでも尚、今までの積み重ねが消えたわけではない。
マックイーンの出した、プレクラスニー対する誠意。
その答え。
「わたくしと、もう一度……もう一度走ってはくれませんか……!」
「……!!」
嗚咽混じりの彼女の言葉は、クラスニーの心に強く響いた。
昨日で止まっていた時間が、ナイスネイチャとメジロマックイーンの言葉で、ゆっくりと動き出す。